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牧島大臣記者会見(令和3年10月15日)

牧島デジタル大臣記者会見要旨

(令和3年10月15日(金)11時31分から11時48分まで 於:紀尾井町20階 記者会見室)

1.発言要旨

総理から、新しい時代を開拓するため、デジタル改革、規制改革、行政改革を一体的に進めていく「デジタル臨時行政調査会」を立ち上げるというご発言がございまして、指示を受けました。具体化を今後進めていきたいというふうに考えております。

私としては、AI、クラウドなどのデジタルテクノロジーが急速な進化を遂げている一方で、日本の「制度」、「組織」、「人材」がテクノロジーを最大限活用できるような仕組みになっていないということが、日本の成長を阻害する大きな要因の1つになっていると考えております。

他方、デジタル庁として、政府情報システムについては、予算一括計上などを含めて強い権限を持っているものの、「制度」、「組織」、「人材」などについては、必ずしも十分な権限があるわけではありません。

今回、デジタル大臣として、規制改革、行政改革等も併せて担当することとなったことを契機に、デジタル臨時行政調査会を通じて、デジタル社会を形成する上でボトルネックとなっている課題を徹底して洗い出し、包括的・一体的な改革を進めていくことができると考えております。

制度面でいいますと、これまでは、医療、教育、金融、モビリティなどあらゆる制度がアナログ時代につくられており、これを一つ一つ個別に直しているだけでは、デジタル化を加速することはできないという課題があります。例えば、行政手続に関する押印・書面原則を廃止した先般の法改正のように、デジタル化に必要な事項を横断的に取りまとめて改正するようなやり方を具体的に考えていくことが重要だと考えております。

また、組織・人材面でいえば、個人が本来の能力を発揮することを制限しているような仕組みを変えないとデジタル社会を形成するための柔軟な働き方ができないという課題に対して、例えば、行政分野での人材関係の制度の在り方なども含めて、各々が能力を発揮できる仕組みを考えていくことなどが重要だと考えます。

いずれにしても、速やかにデジタル臨時行政調査会の立ち上げに向けて、体制やアジェンダを具体化していきたいというふうに考えております。

私からは以上です。

2.質疑応答

(問)2点伺います。1点目は、今のデジタル臨時行政調査会に関して、大臣の中で、これから体制やアジェンダを具体化していくということですけれども、どのような体制、有識者の方だとか、閣僚も交えた体制になるのか。その辺り、イメージされていることを伺いたいです。
もう1点、別件になるのですが、ワクチンの接種証明の電子交付に向けた検討、既に一部アプリの仕様なども公開されて進められていると思うのですが、最新の検討状況を教えてください。

(答)まず、デジタル臨時行政調査会については、今後しっかりと総理のご指示を仰ぎながら進めていきたいということで、体制やアジェンダの具体化については、もうしばらくしっかり検討した上で、皆さまに発表していきたいというふうに考えております。早期に立ち上がるように準備はさせていただきたいというのが、私としての想いでございます。大きな課題を扱う場でもございますので、そのことを踏まえて準備をしてまいります。

そしてもう1点、意見募集を9月に行いました接種証明書の電子交付の仕様についてですけれども、こちらは、8月には電子申請を開始して、さらに年内の電子交付開始を目指して、デジタル庁でシステムの準備を始めております。9月内に締め切った様々な意見の内容を踏まえて、国際的な互換性、個人情報の保護、偽造防止といった点について、検討を今進めているというのが現状です。可能な限り速やかに、できれば来週にも仕様を公表したいということを考えております。

(問)デジタルの日のアイデアボックスの件について伺います。YouTubeでのイベントで、当日時点で表示順位が第1位や第3位だった方の意見が取り上げられず、第4位の乙武さんの意見が取り上げられたと聞いております。デジタルの日の運営事務局が当事者の方にメールで連絡したところによると、10月6日時点でいいね数が一定数以上の方に連絡したというふうにしていますが、だったらなぜ、10月10日に締め切りを設定したのでしょうか。著名人の意見を取り上げ、市井の一般市民の声を取り上げないというのは、国民の声を聞くという岸田政権の考えが見掛け倒しになってしまうものだと思いますが、この点について、大臣、いかがお考えでしょうか。

(答)国民の声を聞くという私たちの想いは、ぶれることはございません。アイデアボックス、本当にたくさんの方にそれぞれの分野でご意見をいただいたことをありがたく思っておりますし、今後もデジタル庁としては、多くの住民の皆さん、地域の方たち、国民の方たちが感じる不便をどうやってデジタルで解消できるかというところは、意識をして進めていきたいというふうに考えております。

具体的に、「いいね」をたくさん集められた、共感がたくさん集まった方についてということで、実際にこのイベントの日にご出演ができるかどうかということなどを調整する検討がなされる、そのプロセスの中で、事務方からご連絡をさせていただいたというふうには聞いております。

(問)文部科学省が、13日に出した、児童生徒の不登校などの調査で、昨年度、感染不安による長期欠席者が合計3万287人となっています。そうした中、オンラインで授業を受けられる自治体と受けられない自治体の格差があるというふうに聞いておりますが、デジタル庁として、文部科学省ですとかこういった地方教育委員会に何か働きかけていくだとか、何か考えられていることがあれば教えてください。

(答)一義的には、文部科学省や各教育委員会の方針というものがあるだろうと思っておりますけれども、GIGAスクールも実装されているところでありますし、デジタル庁としても、関係省庁と一緒に連携して、研究すべきテーマがあればしっかり取り組んでいきたいというふうに思います。

(問)デジタル臨時行政調査会について1点。早めに決めていきたいということですけれども、これは選挙前の、そのようなスケジュール感でいらっしゃるのか、それとも選挙後になるのか。直近のスケジュール感なので、もしよかったら教えていただければと思うのですが、いかがでしょうか。

(答)デジタル臨時行政調査会の在り方については、私たちずっと、この選挙如何に関わらず、しっかりデジタル庁として考えるべきことは休まず、前進させられるように準備をしてまいります。具体的に、会議をいつどのようにセットするかというところは、もうしばらく時間が必要かというふうには思っております。

(問)先日、デジタルの日イベントの中で、教育の分野で、電子黒板の導入促進について熱心な意見が出ていたように思えるのですけれども、電子黒板という、デジタル化の中でも、教育分野で重要な案件というふうに思えるので、その普及状況、それと、なかなか普及が進まないということに関して、どのような見解をお持ちでいらっしゃるか、お伺いします。

(答)電子黒板は、ICT環境を学校で実装するためのツールの1つであろうかと思います。電子黒板以外でも、スクリーンを使って、プロジェクターを使って授業を行うなど、こうした様々な機器が使われているというのは、私たちも、ヒアリングの中で数字は見ておりまして、こうした学校のICT環境整備については、70%ぐらいが使われているというふうに聞いています。

ただ、それが整備されているだけで、どのように有効活用されているかというところは、しっかりと考えなければならないテーマではあります。そういう意味で、地方財政措置として「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画(2018年~2022年度)」、これは文部科学省において各地方公共団体における活用を促しているというふうに私たちとしては承知をしております。

ただ、大変皆さんの関心の高いテーマでもございますし、子供たちの学びを止めないように、GIGAスクール構想とデジタル化でできることは進めていくという観点は持ち続けていきたいというふうに思います。

(問)同じくデジタル臨時行政調査会についてですけれども、規制改革推進会議とか、既存のいろいろ会議体との関係がどうなるのかということ。事務局はいろいろ規制改革の事務局も絡むと思うのですけれども、デジタル庁の方がメインになっていくのでしょうか。そこら辺の体制を教えてください。

(答)具体的な体制については、お示しできる段階になったら皆さまにお伝えをしたいというふうに思っております。既にある、例えばデジタル社会推進会議ですと、データ戦略とかマイナンバー制度など、個別のテーマについての施策実施の方向性を決めている。規制改革推進会議、行政改革推進会議も、個別の項目について対応しているというふうに理解をしております。

大胆にデジタル化を進めるために、横断的な取りまとめを行う改革という意味で、このデジタル臨時行政調査会というのが位置付けられていると思っておりますので、個別の課題を処理するだけでは大きなインパクトが出せないと思われるようなテーマについて、規制改革、行政改革からもしっかりと声をいただいて、連携しながら、全体的に構造的な見直しというものに挑戦をする、そうした組織として考えていきたいというふうに思っています。

(問)そうなると、その他の会議と親子関係みたいなものがあることになるのでしょうか。デジタル臨時行政調査会が、一番トップに立つみたいな感じになるのでしょうか。

(答)そのところも含めて、全体的に、昨日総理のご発言があって、指示が出たばかりでございますので、しっかり整理をしていきたいと思います。いずれにしても、デジタルと行革、規制改革を全て担務として持たせていただいているインパクトを出したいと思います。

(問)ワクチンのデジタル式の接種証明、来週仕様が公開されるということですが、考え方について幾つかお伺いさせてください。まず、国の方は、行動規制緩和の方向として、ワクチン・陰性証明のパッケージということを打ち出しています。今デジタル庁の進めているデジタル式ですと、接種証明を明らかにするものだと理解していますが、陰性証明もデジタル式で取り込むとか、利便性を高めるような考え方は、デジタル庁として持っているのかどうか。
加えて、群馬県が13日から県独自の接種証明も始めましたが、今後、自治体や民間で始まっているデジタル式のワクチン接種証明との役割分担なのか、連携なのか。そのあたりの整理もお考えをお聞かせください。

(答)デジタル庁としては、システムの準備を進めるということでございますので、現状は接種証明についての電子交付の在り方についてしっかりとお示しをするというのが、今持っている私たちのデジタル庁としての役割だというふうに思っております。群馬県含め、自治体の取組があることは承知しておりますので、そこもヒアリングをしながら、連携できる部分があるのかどうかということは、検討していきたいと思います。

(問)そのパッケージに対応した陰性証明の方は、どのようなお考えでしょうか。

(答)今後、その仕様とか連携の在り方について検討がなされて、それがデジタル庁として、システムに向けて進めなければならないという段になりましたらお話することになると思いますけれども、現状、まだその方針について、私どもが伺っている段階ではないというふうに思っております。

(問)デジタル臨時行政調査会の関係ですけれども、規制改革推進会議との関係で確認なのですが、規制改革推進会議は残るということなのか、それも含めて今後検討するということなのか、確認をさせてください。

(答)規制改革推進会議は、既に中間取りまとめに向けて動いておりますし、それぞれの個別のテーマについて、有識者の方々からも貴重なご意見をいただいている会議体でございますので、それはその機能、役割を果たしていただけるものと思っております。

(問)冒頭ご発言がありましたデジタル臨時行政調査会に絡んで、私もお伺いします。この名前に込めた狙いについてお伺いしたいのですが、臨時行政調査会という組織、特に土光敏夫さんによる第二次臨時行政調査会は、その後の行革に与えた影響などが大きかったと思いますが、経団連が提言したという経緯もあります。「臨時行政調査会」と、「行政」というところに「デジタル」をくっ付けた、この辺の名前についての意義は、何か大臣としてのお考えがあればお伺いします。

(答)まず、デジタル改革、規制改革、行政改革を、今一体的に進めていかなければならないという時代の要請というものを感じております。デジタル庁が立ち上がり、そして三つの担務をしっかりと担うという指示が下りているということの意義を、この「デジタル臨時行政調査会」という名称に込められたものというふうに受けとめておりますが、指示を受けた者としては、そのように理解をしているということです。

(問)デジタル臨時行政調査会の設置についての検討の指示は、今日受けられたということですか。
それとも昨日になりますでしょうか。

(答)今日ですね。

(問)今朝方の総理とのご面会の中でということですか。

(答)はい。

(以上)

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