牧島大臣記者会見(令和3年11月19日)
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牧島デジタル大臣記者会見要旨
(令和3年11月19日(金)18時18分から18時38分まで 於:紀尾井町20階 記者会見室)
1.発言要旨
ありがとうございます。先ほど「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」を閣議決定いたしました。
同経済対策では新型コロナウイルス抗原検査キットについて、「簡便かつ迅速に検査結果が分かる抗原検査キットの活用を推進する」、「まずは薬局における販売方法を見直すとともに、引き続き円滑に利用できる検査の環境整備を検討する」というふうに記載をされています。
先日、この抗原検査キットについてはメーカーの研究所の視察をさせていただきました。キットを実際に私も使ってみて、簡便であるというところを大変実感したわけですけれども、その後もワーキンググループが開かれて、規制改革担当大臣として経済との両立、感染拡大防止の両面の観点から考えても、質の確保された抗原検査キットを円滑に利用できる環境整備をするということは大変重要であるというふうに考えております。
本日この抗原検査キットの薬局における陳列と広告が可能になるという措置を厚生労働省の方で実施していただくことになりましたので、それを皆様にご報告をさせていただきます。
一方で、規制改革ワーキンググループでも議論してまいりましたけれども、まだまだ課題が残されております。
例えば海外と比べて、ネット販売ができる国もあるけれども、日本では薬局でのみ薬剤師の対面指導の下で可能だというところは依然として残っております。
本日発表されたワクチン・検査パッケージ制度要綱をご覧いただければ、皆様見ていただいたとおりですけれども、登録事業者も一定の要件の下で抗原検査キットのイベント会場などでの利用が可能になっています。
ただ、依然として一般個人や登録外の飲食店の利用は困難であります。また、質が確保されていない未承認薬が研究用という名目で、この研究用というのがどういう質のものなのかというのは消費者の皆さんにとっては少し分かりにくい、生活者の視点からは、この表現が分かりにくいという指摘なども出てきていて、悪貨が良貨を駆逐するというような状態になっていないかという指摘もあります。
規制改革担当大臣としては、経済との両立、感染拡大防止の観点からこの抗原検査キットの活用というものを広めることができるように環境整備を引き続き進めてまいります。それが私からの1点目であります。
そしてもう1点目はマイナポータルの件であります。
こちら、マイナポータルでは10月から、医療保険の薬剤情報と特定健診情報の閲覧を可能といたしましたが、本日19日から、今年9月以降の医療保険で医療機関、薬局で支払った医療費の情報を取得できるようになりました。
ぜひ、皆さんにも携帯、スマホなどからマイナンバーカードをかざして、マイナポータルに入っていただいて、医療費の情報確認、ご自身のものもしていただければなと思います。
私も先ほどいたしましたけれども、そういえば歯医者さんにかかっておりまして、そこでの医療費情報を確認することができまして、ちゃんと本日から見られるようになったなということを私自身も確認したところですけれども、ぜひ皆さんも使ってみていただければと思います。
この医療費の情報については、年明けに所得税に係る確定申告を電子申告する際の医療費控除で、今年の9月分以降をデータでそのまま利用できるようになります。
医療費を手入力することもなくなりますし、自動入力される上に入力した医療費の領収書も保存不要ということになります。マイナポータルはマイナンバーカードをキーにした、「私の暮らしの行政との入り口」という役割を持っていますので、引き続き利用者目線に立ってUI/UXを改善すべきところは、皆様にとって使い勝手の良いものにしていきたいというふうに考えております。
私からは2点、ご報告をさせていただきました。
2.質疑応答
(問)2点あるのですが、まず1点目は今日の経済対策にも盛り込まれたマイナポイント制度について、実施時期は各省庁に政策立案で委ねられるようですが、デジタル庁としてはどういう開始時期を見込んでいらっしゃるか、特に口座の紐付けの方がポイントになると思うのですけど、開始時期は、そのお考えをお聞かせください。
(答)マイナポイントの一つ一つの今後の動きについては、制度設計が今後決定されていくものだというふうに理解しております。経済対策上の文言は私も見てはおりますけれども、具体のところは今後詰めていくということになると思います。
デジタル庁としてもちろんやらなければならないことはしっかり対応していきます。
(問)システムの準備という意味でいうと、口座の紐付けは、以前に春にも実施というお話がありましたが、春にできる見通しですか。
(答)予定どおり、今、開発が進んでいるというところです。
(問)2つ目は、先ほどお話にあった抗原検査キットのお話なのですが、オンライン販売がなぜできないのか、規制改革会議で議論は進んでいるというお話ですが、もう一度なぜ、この検査パッケージにも間に合うタイミングでできないのか、課題というのは、今、どういうふうに捉えてらっしゃいますか。
(答)このワクチン・検査パッケージについて、制度設計はこのワクチン・検査パッケージをつくられている部門でご議論をされたものなのだろうというふうには理解をしています。
その上で、抗原検査キットを活用するこのパッケージの場合では、ある一定の場の管理がなされているという理解をしているというふうに私どもは伺ってはおります。
ただ、今後、この抗原検査キットを更に活用したいというお声というのも出てくるだろうというふうにも思いますので、現状では第三者認証を受けた飲食店などでの登録ということになっていますけれども、更に拡大を希望されるお声もあるかもしれませんし、そこは規制改革として有識者の方々としっかりと議論をしていきたいというふうに思っています。
(問)すみません、閣議決定された経済対策についてお伺いしたいのですけれども、抗原検査キットのネット販売について、当初は盛り込まれると検討されていたということもお伺いしているのですけれども、結果的に記載がなかったということの理由と、あと、今後の検討の見通し、スケジュール感について教えていただければと思います。
(答)どのように書き込むのか、書き込まれないのか、文言をどのようにというのは、ちょっと、調整過程についてお答えは差し控えさせていただきます。
私どもとしては規制改革推進会議のワーキンググループ、まだ年内も開催する予定もありますので、そこで積み残している論点については議論をしていきたいというふうには思っております。
(問)今おっしゃられた、積み残されている議論というところで何か具体の例とかございましたら教えていただければと思うのですけれども。
(答)今お話をさせていただいたとおり、今日の厚生労働省の方で、ある一定の発表をしていただいているものも、進んでいる部分もあるわけですけれども、薬局での陳列と広告というのは可能になりましたけれども、OTC化というところは引き続き議論を、有識者の方々からもいただいていますから、それは残っている論点ということになります。
それから、無症状者の利用というのも措置済みというふうに思っておりますが、それを皆さんにもご理解をいただくということ、それから現時点では薬剤師の方の指導が必要だということになっているけれども、これを今後も指導という形で維持するのか、この抗原検査キットの使われ方、またはそれによって陽性、陰性が出たときに、使われた方がそれをもって次の行動をどのようにしなければならないのかというところまで徹底する必要があるというところは、薬剤師の方の指導という以外の方法で、それを購入された方に伝えることはできないのかといったようなこと。
それから、この購入時に署名というものを取っていますけれども、その署名というものを何に使うつもりで書面を取っているのか、それがこれからも必要なのかといったところは現状、論点というふうに考えております。
(問)ありがとうございます。
すみません、あと1点ございまして、あと若干今の質問ともかぶるのですけれども、閣議決定された経済対策の方で、実際には薬局における販売方法を見直すと先ほど説明とおり、記載されたと思うのですけれども、改めて現状薬局での販売の課題、先ほどもちょっと話されていたのですけれども、あと見直しの具体的な方向性や大臣の考える円滑に利用できる検査の環境というのがどのようなものなのか、ちょっと改めてご説明いただきたいです。
(答)これから感染防止と、そして経済活動、社会活動というものを両面で考えていくときに、抗原検査キットという簡便な方法で自らの陰性の証明ができるようにする、そのためには購入したいと思ったときに購入しやすい環境が町の中で整っているということだと思います。
なので、現状であれば陳列というところで、今までよりはハードルが下がって手に取って、そして薬局で購入ということはできるわけですけれども、もう少し購入の機会を増やしたいというふうに考えられる方はおられるわけなので、購入しやすい環境整備というところを今後も取り組みたいと思います。
(問)マイナンバーカードについて2点お伺いしたいのですが、1点目が今日、5,000万枚でしたっけ、16日時点で5,000万枚を超えたということなのですが、ただ一方でマイナポイントとかインセンティブも必要だとは思うのですが、その利用場面が増えていかないと、なかなか皆さん持つモチベーションにならないと思うのですが、これについて行政手続とか行政分野、あと民間サービスでの利用も広がっていると思うのですが、どういう施策、もしくは民間の方たちが使いやすくするために何が必要だとお考えですか。
(答)マイナポータルから、今、お話ししたように医療費情報を見ることができるといったところを、今日始まったところなので、ぜひ皆さんにも知っていただきたいと思います。
ここで5,000万まできましたので、ここは一つの私たちにとって大きな山を越えた、さらにその先へという思いであります。多くの方に、現場も含めてご協力をいただきながら、カードの発行を今後も進めていきたいというふうに思います。
特定健診もまだ閲覧件数が伸びていないので、特定健診を見ることができるということも、まだご存じない方もおられると思いますから、健康というところは国民の広く関心の高い分野だと思って広めていきたいなというふうに考えております。
(問)ありがとうございます。あと1点すみません、マイナンバーカードで、今、多分申請数がまた7月に底を打って、ちょっと今、最近は増えていると思うのです。8月41万、9月52万、10月60万件とちょっと増えていると思うのですが、これの何か要因はどのように見られていますでしょうか。保険証利用とか、ワクチン接種証明というのは関連があると見られていますでしょうか。
(答)今、手元では、その理由をお聞きしたデータというものは手元にないのですけれども、そうしたものも当然含まれているだろうと思います。
皆様が報道をしていただいているおかげということもあると思いますので、市町村窓口の職員の皆さんにもご協力をいただきながら、令和4年度末には全ての国民にいきわたると、目指しているところを達成するようにしていきたいと思っています。
(問)大臣が昨日18日にFacebook上に投稿された、規制改革推進会議第5回の子育て・教育・働き方ワーキンググループに関しての投稿について伺いたいと思います。
大臣は、オンライン授業を出席停止・忌引きではなく、オンラインを活用した特例授業と記すこともできるとした文部科学省の10月22日の通知を分かりにくい制度、各自治体の判断次第となると指摘した上で、住んでいる地域によってオンライン授業を安心して受けられるかどうかが決まってしまう現状を早期に改めたいと記されています。
さいたま市が提出した資料を見ると、文科省の通知を踏まえた対応として出席停止、忌引き欄に米印でただし書を付けるような様式が取られています。
これでは分かりにくいし、進学上の不利益を被るのではないかといった不安が払拭できないのではないかと思うのですが、大臣としては具体的にどのような方向性でどれくらいの目途で、どのように改めていくのか、例えば文科省に対して明確に出席扱いとする通知を発出するよう求めるなど、また勧告権を行使する考えはないかと今後の文科省との調整の方向性を伺わせてください。
(答)ありがとうございます。規制改革ワーキンググループで専門家の方々に集まっていただいて、文科省とのやり取り、議論をしているものです。大変重要な論点だと思っておりましたので、私の方で発信もさせていただきました。
決めるべきところは規制改革推進会議のワーキンググループの中での決定をしなければならないというふうに思っておりますので、引き続き規制改革、年末の中間取りまとめに向けて進んでいますから、そこでどういう形を取ることができるかというのは議論したいと思います。
特に、教育や子どもを取り巻く環境というのが、それぞれの地域によって違いが出てしまっているというところには、これは行政改革の秋のレビューでも議論があったとおりですので、これはかなり大きな論点として、今、私たちは取り組んでいます。
まずは、年末の取りまとめまで、しっかり有識者の方との議論を深めたいと思います。
(問)ワクチン接種証明アプリについてお伺いします。本日、経済対策が閣議決定されて、これから経済、社会がこのコロナ禍で再開していくフェーズに移っていくと思います。一方で接種証明アプリの開発が遅れているのではないかという指摘も一部報道では出ています。
このアプリの開発状況についての受け止めと、また、今後のこの社会経済が再開する中でのアプリへのご期待というのをお聞かせください。
(答)まず、開発は遅れておりません。アプリ開発状況については、ストア審査を開始したところです。現在のところ、予定どおり年内の運用開始を目指して開発作業が進んでおります。
(問)また、今後経済社会活動が再開する中で、このアプリの活用というのは、大臣としてどのようにご期待されますか、このアプリについて。
(答)大変、皆さんのニーズに応えることができるようなアプリとして、活用いただける場面があるのだろうというふうに思っておりますし、海外渡航時の利用も可能になるものですから、それはそうしたお声に応えることができるものとして準備をし、年内にお届けができるように予定どおり進めさせていただきます。
(問)すみません、今の入国支援にもなるということで関連してなんですけれども、入国支援のアプリの方の開発が進められていて、こちらの方も意義があるものかと思うのですけれども、こちらの意義と、それと運用開始時期の見通しなど、少しお伺いできればと思います。
(答)CIQ業務のデジタル化を進めなければならないということで入国に係る業務全般の効率化をするためのシステムがオリパラシステムというふうに言われたものでしたけども、これはオリパラ関係者が対象だったと、それをこの場で、CIQ業務の更なる効率化は喫緊の課題だという認識の下に、オリパラシステムを含め、これまで開発されたCIQ手続との連携の基盤などを一つの資産として、日本への入国者全般の利用を想定してその利便性を高める観点からブラウザで操作可能なウェブアプリとしての開発を行うこととしています。
今後、訪日外国人旅行者の利便性向上という観点も踏まえて、例えば免税店で利用できるようにするなど、CIQ手続以外の場所での活用も想定して開発に着手する予定とさせていただいています。関係省庁とも緊密に連携をしなければならない分野だというふうには思っています。
今の運用時期のめどに関しましては、現在早期リリースに向けて開発に取り組んでいるところですが、現時点、設計開発はおおむね終了しています。
運用に向けた各種テストを行っているところで、例えば、スマートフォンなどの実機を用いた空港等における検証作業、そしてセキュリティの確認のための診断テストなどを行っているというのが現状でございます。