デジタル臨時行政調査会作業部会 法制事務のデジタル化検討チーム(第4回)
概要
- 日時:令和4年(2022年)4月13日(水)13時から14時30分まで
- 場所:オンライン開催
- 議事次第:
- 開会
- 議事
- デジタル臨時行政調査会・同作業部会への報告結果について
- 法制事務のデジタル化に向けた工程表(案)について
- 韓国における法制執務のデジタル化の状況等について
- 閉会
資料
- 議事次第(PDF/57KB)
- 資料1 法制事務のデジタル化に向けた工程表(案)について(PDF/2,240KB)
- 資料2 韓国における法制執務のデジタル化の状況等について(総務省提出)(PDF/1,931KB)
- 議事録(PDF/363KB)
参考資料
関連情報
議事録
事務局(柳生): それでは、お時間になりましたので「法制事務のデジタル化検討チーム」第4回会合を開催させていただきたいと思います。
本日の司会進行を務めさせていただきますデジタル庁の柳生と申します。よろしくお願いいたします。
本日も構成員の皆様、オブザーバーの皆様にはオンラインで参加いただいておりますので、よろしくお願いいたします。
まず、作業部会の座長であらせられます小林副大臣より一言御挨拶をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
小林副大臣: 皆さんこんにちは、今日もよろしくお願いいたします。
第4回ということで、法制事務のデジタル化検討チームの皆さん、いつも御協力を本当にありがとうございます。
3月末に第3回デジタル臨調も無事開催できまして、このチームでの検討状況も報告できたところです。総理からもしっかり後押しをいただいておりますので、皆さんと一緒に仕上げていきたいと思っています。
併せて、オブザーバーとして関係者に広くご参加をいただいておりまして、総務省の皆さんや民間事業者の皆さんも今回入っていただいておりますが、一緒に何とかつくり上げられたらと思っています。
今後のことを考えますと、法令のデータを常にリアルタイムで互いに更新ができるという状況が重要だと思っていますし、今回一気に法令の全部見直しが終わった後も、随時技術の進展に合わせて法令を見直していくということを考えると、人手だけではなくて機械、テクノロジーを使って更新・チェックをしていくということが必要になってきますので、それに向けてどういうデータの持ち方をしたらいいか、法令をつくっていくプロセスをどのように最適化すべきかということをしっかり仕上げていく必要があると思っています。
今日も皆さんからたくさんの知恵をいただいて、着実に前に進めていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
事務局(柳生): 副大臣、ありがとうございました。
なお、副大臣は冒頭30分程度御出席いただきました後、途中退席されますので、構成員の皆様方におかれましては御承知おきいただければと思います。
また、先ほど副大臣からも一言ございましたけれども、今回より総務省行政管理局に新たにオブザーバーとして御参加いただくことになりました。恐縮ですけれども、行政管理局大西管理官、一言御挨拶を頂戴できればと思いますので、よろしくお願いいたします。
総務省: 総務省行政管理局の大西でございます。今回、お声がけいただきまして、オブザーバーとして参加をさせていただくということになりました。
既にこれは事務局、e-LAWS担当のほうから何度かお話をさせていただいていると思いますけれども、もともと法案の誤り問題がありまして、そのときに、法制執務のプロセスが紙を中心としたもので動いている。それをデジタルを活用してより効率的なものに見直しをしていく必要があるということで、そういう課題が与えられたと承知しております。
もともと私ども総務省行政管理局は、デジタル庁が出来上がる前までe-LAWSを所管しておりました。また、法制執務の全体のプロセス、これはかなり広範囲に及び、関係機関が相当入ってきます。そういった組織の仕事の仕方全体に影響を及ぼしていくことになりますので、見直しに当たっては、その間の調整が相当大変になることになります。
我々行政管理局は、行政組織の運営に関する企画・立案を行う立場ということもありますので、デジタル庁と一緒に法制執務の見直しを行っていくということで、これまで一緒に検討を進めてきたところでございます。今回オブザーバーとして参加をさせていただいて、我々なりに一生懸命貢献していきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
事務局(柳生): 大西管理官、ありがとうございました。
また、事務局から諸外国における法制事務のデジタル化の調査を委託しております株式会社ぎょうせい様にも今回傍聴いただいておりますので、皆様方におかれましては御承知おきいただければと思います。
では、本日の議題の御紹介をさせていただければと思いますが、ただいま画面に投影させていただいている次第のとおりになります。大きく分けて3つということで、1つ目は先月3月30日に行われましたデジタル臨時行政調査会への報告結果につきまして、2つ目は法制事務のデジタル化に向けた工程表の案について、3つ目が韓国における法制事務のデジタル化の状況等についてということの3つを予定しているところでございます。
では、早速ではございますが、議事の1つ目に移らせていただきたいと思います。先月30日に開催されましたデジタル臨調の中において、あと、3月23日に行われました作業部会におきまして、この検討チームの議論の状況を御報告させていただきましたので、その結果ということで、3月30日に牧島大臣からデジタル臨調の場で御説明いただきました資料を基に、そのときの状況等を含めて事務局から報告させていただきたいと考えているところでございますので、よろしくお願いします。
引き続き柳生が説明させていただきます。今、映しておりますものが実際に牧島大臣からデジタル臨調で御説明した資料になります。スライドの17枚目に行っていただければと思いますが、これが検討チームの関係のところでございます。まさに今お示ししているところ、デジタル原則に基づく規制の点検を通じて見えてきつつある課題ということでございます。
検討チームで今まさに議論していただいている根幹のところになりますけれども、デジタル原則適合性の自律的・効率的な確認体制・プロセスといったものをどうしていくのかということ、さらには法令等のデジタル正本といったものをちゃんと提供していくためにはどうするのか。そして、国民がより自由かつ民主的にルールや規律にアクセスできる環境の構築といったものをしていかなければいけないということで、検討チームではまさにこういったことを基に議論を進めているということの課題の御紹介をさせていただいているというところになります。
次のスライドになりますけれども、法令等のデジタル原則への適合性確認プロセス・体制の確立に向けてということになります。これにつきましては検討チームで精力的に御議論いただいたところでもありますけれども、新規の法令といったものについて、ちゃんとデジタル原則の適合性確認をしていかなければならない。さらにはということで、既存の法令等についてもデジタル技術の進展等を踏まえて継続的に見直しをしていかなければいけないという必要性を改めて説明させていただいたとともに、それの迅速な確立に向けて、今後具体的にどうやっていくのかといったプロセスとか、実際の体制整備といったものについて検討を加速化していく必要があるということで、大臣から御報告させていただいたところになります。
続きまして、次のスライドになりますが、法令等のデジタル正本の提供体制確立に向けてというところになります。これについてはまさにe-LAWS関係を含めて御議論いただいたところでございますけれども、国のインフラである法令等のデジタル正本、まさに公式の法令のデータベースといったものになりますけれども、それが常に参照できる環境といったものを早期に実現していくことを1つの大きな目標としまして、そのために、まさに同一の法令データベース上で法制事務といったものを完結していくのだというものについて検討していくというもので、報告させていただいたところでございます。
取組の方針案、方策案ということで、まさに政省令でここをやっていくといったようなことについて御報告させていただいているところになります。これについては後ほど議題2のところで事務局から今後の検討の中身といったものについて御報告させていただきますので、詳細については割愛させていただきます。
最後になりますけれども、3月30日のデジタル臨調の場で、最後に岸田総理大臣から御指示をいただいているところでございまして、まさにこの検討チームの関連というところになります。既存法令の見直しといったところをやっているところでございますけれども、今やっているものの残りの法令の洗い出しといったものに加えて、新規立法時の対応といったものを含めて、牧島大臣を中心に5月までに一括的な見直しプランを取りまとめていただきたいということで、総理大臣より御指示をいただいているところになってございます。ですので、検討チームの議論といったものにつきましても一括見直しプランといったものの中に入れていくべく作業を集中的にやっていきたいと思っておりますので、皆様方におかれましても引き続き御協力を賜れればと考えているところになります。
議題1につきまして、説明は以上になります。
本件につきまして御意見・御質問等がございましたら、議題3まで御説明させていただいた上で、まとめて頂戴いただければと考えているところでございます。
続きまして、議事の2つ目に移らせていただきたいと思います。法制事務のデジタル化に向けた工程表(案)について、事務局から10分程度で御説明させていただきたいと思います。
それでは、大久保さん、よろしくお願いいたします。
事務局(大久保): 事務局のデジタル庁大久保でございます。私からは資料1、法制事務のデジタル化に向けた工程表の案について御説明をいたします。
まず、冒頭もございましたけれども、第3回の検討チームまでの議論を3月末にかけて作業部会及びデジタル臨調本体に御報告をしたところでございます。まず、この工程表案の御紹介に先立って、これまでの議論について前提として振り返りをさせていただきたいと思います。
まず、大きな目標ですけれども、国のインフラである法令等のデジタル正本を常に国民の方々が参照できるような環境をつくっていくというところで、こちらの論点については、まず、国民が使いやすいデータ形式・内容で法令データを即時に更新して提供していくということが重要でございますけれども、これを実現していくために、まさに法令改正の法制事務全体をデータベースの中で、デジタルで完結していく形に転換をしていくことが究極的には必要ではないかということで挙げているものです。
このページの下部の2つの図でございますけれども、左側が現在の法令データの更新の流れになっております。法令改正の事務そのものは官報の公布に至るまで、ある意味法令データベースの更新とは別の流れとしてワープロファイルや組版用のデータというところでなされております。
法令データベースを更新してe-Govで提供していくということに当たっては、この法令を溶け込ませるというところで大きな手作業がかかってきているといったことがございますので、この改正の作業とデータベースの更新というものがまさに同一のデータベースで一体として進んでいくという姿、右のほうの図にデータベースを中心の絵姿をイメージとして書いておりますけれども、こういった姿への転換という視点が必要ではないか。そういったことで、デジタルベースにしていくことで、同時に法令改正の事務ということ自体も効率化をしていくことができるのではないかということで挙げさせていただいております。
他方で、こういったデータベースを中心にやっていくことに変えていくことに当たっては、制度的にも技術的にも非常にロングスパンの課題となってくると認識をしておりますので、論点を拾いながらきちんとPoCをまずやって、アジャイルに進めていくということが重要ではないかいうことで、次のページに論点として挙げさせていただいております。
1つ目ですけれども、法令のデータを更新する、作成するというプロセスにおいて、人手によるデータ変換を最小化するような形で、公布と同時のタイミングで法令データを更新していくことができないかということでございます。
まず、1つ目の○ですけれども、現在のプロセスにおいては公布法令、それから、溶込条文といったものをe-LAWSに登録していくためにXMLの構造化データにしていくという部分もございますし、他方で、原本となる官報で公布される改正法、こちらは他方で組版用のデータとして官報の印刷のために別途データ化されているところがございますので、こういった3点、現在は人手でデータを作成しているところがございますので、やはりタイムラグであったり、作業の中でのミスを防ぐといった観点からも、こういったデータ変換は可能な限り介在しないほうが望ましいのではないかということでございます。
2つ目の○でございますけれども、そういった観点からは、やはり官報で出ていくデータといったところもできるだけ構造化データという形で、e-LAWSの法令データといったものと統一化していくことができないかということであったり、改正法案をつくっていく段階で、改正後の条文を直接編集するようなことを通して改正法案をある程度自動で作成していくということで効率化を図りながら、データ更新を早期化していくことが望ましいのではないかということで挙げさせていただいております。
ですので、こういった検討の方向性として、官報のデジタル化の流れとも併せまして、こういった共通する法令データの形式を構造化データで統一していくという形式の検討も重要であると考えております。また、改正後のデータをそもそも直接編集していくといったことを実現していくためのデータ構造であったり、そういったXMLを編集するエディターのようなものを、まずは政省令のレベルのようなところで概念実証としてPoCを実施するといったことができるのではないかということで挙げております。
次のページで、もう一つの論点、国民が使いやすい形式・内容のデータの提供というところですけれども、やはり改正案をつくっていくのは人間になりますので人間にとっても、また、それをデータ上で更新していくということで機械にとってもそれぞれ可読性の高いデータ形式でこのデータをつくっていくということを考えますと、そのためにどのようなデータの持ち方をすればいいのか。また、人間がやっていく改正手法というようなものをデータの形式と合わせてどのようにしていくのが望ましいのかといったことが、論点として挙げられております。
そういったところでは、まずは1つ目の○でございますけれども、現行の改め文の形式において法令の改正の仕方であるとか改正の経緯、また、例えば施行日が有効になる日付が複数同時に係ってくるような複雑な場合に、保持している情報そのものといったものは何らかのデータの形で維持することで、人間にとっても機械にとっても分かりやすいような改正手法の改善といったものが検討できないかということを挙げさせていただいております。
また同時に、それが実際に法令として改正をされていくということに当たっては、官報で公布をされるという制度になっておりますので、そういったところで国民の方に使いやすいデータ形式の在り方でこれを出していくということも、さらに検討できないかといったことを2つ目として挙げております。
そういったことを通じて、人間とコンピューターのある意味役割分担の最適化といったものを通じて作業を効率化しつつ、職員の法案立案能力を維持向上することに留意しながら使いやすいデータ形式で出していくということで、こちらについてもやはりデータの構造と改正手法の検討とを並行しながらPoCをやっていくことが重要ではないかということで御議論いただいていたところでございます。
次のページに行っていただきまして、このような論点を踏まえまして、PoCで検証すべき事項として前回御議論いただいたところまでの部分をサマリーしたものでございます。
まず、大きなPoCの目標としては、政省令のようなレベルから、改正後の条文を直接編集していく、それがまさに改正として公布されていくことで法令データベースが即時に更新をされていくというところの、ある意味法制事務の全体の一連の流れを実現できるのか、どのようにそれが実現できるのかということを実証していくことが目標として挙げられるかと思います。そういったことをやっていくための検討事項としまして、下に4個○をつけております。
まずは法制執務の調査と書いてありますけれども、条文そのもののデータであったり、あるいは改正の法案を構造化されたデータとして持っていくという場合に当たって、そもそもそういったデータにどのような附帯情報、アノテーション情報を保持していくことが望ましいのか、必要であるのかといったことを既存の改正手法の積み上げであったりを調査しながら整理していくことが必要ではないかという部分でございます。
また、これと並行しまして、それらを構造化データとしていくために、条文データ、ないし改正法案データそのもののフォーマットはどのようにそういった情報を保持することができるのか、例えば条文データの中には施行日が複雑に規定されるものでありますとか、附則の中でそれが規定されるもの、あるいは委任関係であったり、その他様々な条文の書き方というものがこれまでございますので、そういったものをどのように関連する情報として構造化して持つことができるのか、法令XMLの定義の拡張であったり、あるいは法令データベースに何らかそういった拡張情報をつけることを並行して検討していく必要があるのではないかと考えております。
また、こういったデータの持ち方については、最初の目標にもありましたとおり、使いやすいデータ形式・内容として提供していくことが重要でございますので、そういったところでどのようなAPIの設計の中でこれを御提供していくのか、APIで提供されたものにアノテーション情報を付加していくに当たって、どのような官民分担の在り方があり得るのかといったことも検討できればと考えております。
また、改正法案をこういった構造化データで持つことで自動作成をすることに当たっては、当然技術的な難易度が高い部分の評価も必要であろうと考えております。そういったものを通してどこまで自動化できるのかといった、人間とある意味デジタルのコンピューターの役割分担といったところの見極めにも、こういった検討は重要になってくるのではないかと考えております。
今、2つの○、それぞれをまさに基礎として、そういったXMLの法令データを直接編集するようなフローに当たっては、当然これを何らかの形で編集できるエディターの開発といったものも重要になってくるかと考えております。ですので、こういったエディターの例えばどのようなユーザーインターフェースを持つのかといったことを通じて、人間にとっても機械にとっても分かりやすい内容、そして、必要な情報がきちんと含まれる形を目指していきたいということで、こういった機能検討も重要であろうと考えております。
最後でございますけれども、やはり制度的にそういった法令改正は、官報での公布によって実際に実現がされるものでございますので、官報のデジタル化の流れも見据えながら技術的にこれをできるだけ統一したデータで共通してフローを回していくには、どういった課題があるのかということも検討事項として挙げさせていただいております。
今、このページで御紹介させていただいたような事項を線表として工程表の案としてお示ししておりますのが、次のページの線表になります。
まず、今後3年間のイメージで書いております。最初に3点、法制執務の調査であるとか、データ構造の検討、それから、この2つをまさに基礎としたXMLエディターの開発といったものは、まさにそれぞれ並行して走っていくものとして線引きをさせていただいております。それぞれまず、PoCのある種前提となる要件定義や技術検討といったイメージで、まずは法制執務の調査であるとかデータ構造の検討、そこから導き出されるエディターの要件といったものを明らかにしていく必要があるのではないかと考えております。
また、そこから先には、当然当初のPoCの目標として先ほど御説明をいたしましたけれども、何らか政省令のレベルで、こういった案文の作成から公布、データベースの更新までの流れを一度フローとして検証していくことも最終的には必要になってくるだろうと考えております。
この部分、真ん中の辺りに四角の囲みで幾つか書いてございますけれども、こういったPoCの実施に当たっては、まさにデジタル庁が中心となりながら進めていくわけですが、今回から総務省行政管理局さんにはオブザーバー参加をしていただいておりますけれども、こういったことをPoCを通じて法制事務全体の業務フローを見直していくという観点では、まさに法案をつくっていくところのミスをできるだけなくしていくといったことに対する中長期的な取組として、これまで総務省さんとも一緒にやってきているところでございますので、そういった観点からも総務省さんとデジタル庁が中心となりながら、各府省等関係機関の協力も得ながらPoCを進めていくことが重要ではないかと考えております。
また、実際にこれがPoCとして各省の業務で使っていただくエディターとして結実することを念頭に置いておりますので、そういったところのユーザビリティーであったり、エディターの技術といったところにおいては、まさに今回検討チームでも御議論いただいているような形を継続して、外部の有識者の方々の知見も何らか得るような仕組みを持ちながら検討を進めていくのが望ましいのではないかと考えております。
また、この線表のところもそれぞれ並行してと申し上げましたけれども、まさに法制執務の調査、アノテーションに含めるべき情報の整理、それから、それを実現するデータ構造だったり、エディターの開発といったところは相互に関連していくものでございますので、まさにアジャイルなプロセスで複数回これを反復するような形で少しずつ既存の改正手法も整理をしながら課題を解決していくような進め方が望ましいのではないかと考えているところです。
最後になります。こちらの線表の最後のその他というところで挙げておりますけれども、まずは官報システムとのデータ共通化検討というところで、やはり官報のデジタル化の流れも見据えながら公布のプロセスまで一貫したデータとして持つにはどうしたらいいのかという連携の問題もございますし、さらに一つ青い塗りつぶしで矢羽根を引いているところがございます。まさに今年度e-LAWSのほうでデータベースを条項単位にして高度化していく取組を検討しているところでございますけれども、実際、このアノテーション情報を構造化してどのように持っていくのかということに当たっては、この法令データベースをある種拡張していくということも密接に関連してくるものと認識しておりますので、参考としてこちらに引かせていただいているものでございます。
次のページですけれども、こういったPoCを通じて実際エディターをつくっていくということをこれから議論していきたいと考えておるところです。ある種の議論のたたき台として、全くスケッチというか、たたき台のもので恐縮でございますけれども、エディターというものがどういうものであり得るべきなのかということのイメージを参考としてお示ししているものでございます。
まず、考え方として幾つか箇条書きで書いておりますけれども、これまでも検討チームで御議論いただきましたように、改正の法令が定めるものの中の情報には、変更後の条文の文面そのものだけではなくて変化の仕方、複雑なものも含めて変化の仕方が含まれることが重要な論点と認識をしております。
そういったものをエディター上で仮に改正後の条文を編集していく、なおかつそれを改め文か何らか改正法案の形に自動変換するということを考えますと、そういった変化の内容と変化の仕方の条件のようなものも含めてデータとして持っていくことが必要になるのではないかということで、そういったものを編集するエディターというものを考えてみますと、その姿というのは、ある種プログラミングとのアナロジーで考えてみますと、一種の統合開発環境的なものではないかと。例えば条文内容をそのまま編集していくということはプログラミングになぞらえますとソースコードのエディターというものであると思いますし、さらに条文が変化した後の条件づけによってどのように変化するのかということをミスなくプレビューしていくというのは、ある種デバッグのような行為としてなぞらえられるのではないかと考えました。
また、そのように捉えますと、改め文で表現をされているような変化の仕方といったものは、ソースコードの管理という点で言えばコンパイラーのようなものではないかと捉えると、改め文が本来持っている役割を理解しやすいのではないかと考えております。
ですので、そういった改正後の条文と変わり方そのものを編集していくことに当たっては、そういった改正後の条文の姿と改正の仕方という文面を何らか同じユーザーインターフェースの中で表現していくことが必要なのではないかと考えております。
ですので、右側にScratchだったりSwiftUIというものでイメージをお示ししておりますけれども、何らかの形で改正後の条文の文面そのものを書いていく、そこに変化の仕方を宣言していくといったようなことが、こちらもまたプログラミングとのアナロジーでは捉えられるのではないかということでイメージとしてお示しをしたものでございます。
次のページにつきましては、そういった考え方を基に本当にただのスケッチ、ラフスケッチではございますけれども、イメージとしてお示しをさせていただいたもので、こちらの絵の真ん中、条文編集のある種のイメージなのですけれども、黄色く枠で囲っておるところがあるかと思います。こちらは字が細かくて恐縮なのですが、例えば同じ改正法の中で複数の施行日を分けていくといったような条件があった場合には、この改正後の条文そのものの中で条件づけとしてこの施行日の規定を編集していくと、そうすると、人にとっても認識がしやすいですし、同時に裏側でデータでそういった情報を持つことができるのではないかといったところをお示ししている絵になります。
最後に、次のページに行っていただきまして、そういった形で改正の仕方のようなものまでデータで含めることができれば、ある程度改正後の条文の姿であったり、あるいは改め文という形かはさておき、改正の仕方といったものも自動で吐き出すことができるようになってくるのではないか。逆に言うと、条文編集エディターの中では、そういったそれぞれのビューを分けてチェックしていくことで、ミスなくこういった条文編集が実現できるのではないかということで、簡単な絵でございますけれども、お示しをしたところでございます。
資料1の内容については以上でございます。
事務局(柳生): ありがとうございました。
引き続きまして、議事の3番目に移らせていただきたいと思います。韓国における法制事務デジタル化の状況等につきまして、総務省より15分程度で御説明いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
総務省: 行政管理局でございます。それでは、資料に基づきまして御説明させていただきます。
最初に、ちょっとお断りしておきますが、我々の調査は文献調査を中心にやっておりますので、若干深掘りが足りないところがございますので、今回のご議論を踏まえ必要な部分は、引き続き調べていきたいと思っております。
それでは、私どものほうから、まずは韓国の法制度の外観ですが、2ページを御覧ください。法制執務に関しては、法令の一部改正を改め文方式でやっていたり、日本と似たようなところもありますが、我が国とは異なる結構ユニークなところもあります。真ん中の黄色網掛け部分に法制処という組織がございます。この法制処において、政府提出法案の審査、また、後ほど出てくるデータベースの整備も含め、法令の編纂業務も行われているということで、日本でいえば内閣法制局と法務省の司法法制部が担っているような機能を合せて持っていることになると考えられます。法制執務のデジタル化やデータベースの提供などについては、この法制処が中核となって進められているという状況が分かりました。
次のページに年表がございますけれども、左側が内部事務系と申しますか、法制実務のデジタル化についての流れ、右側が国民へのデータベースの提供、便宜上2つに分けて整理をしております。両方とも始まったのは98年ぐらいからです。審査のOAシステム構築、データベースを整備して国民に提供するということをそれぐらいから始めています。
ただ、いろいろ文献などを読んでみますと、OAシステムに関しては、当初、やはり機能的な面、あるいは審査と立法作業がばらばらに分断されているシステムであったというところもあって、当初はあまり活用はされなかったというようなことが書かれておりました。
一方で、やはり丁寧にシステムの改良なども重ねてきておるようです。後ほど画面で御覧いただきますけれども、今では法制処に法案の審査を依頼する際には、必ずこのシステムを使って行われているということになっているようです。右側のほうの法令情報の提供も後ほど御覧いただきますが、かなり充実した内容で、無償で国民、あるいは企業に提供されているというような状況が分かります。
次のページを御覧ください。
左側、政府立法支援センターと書いていますが、これは法制事務に係る様々なシステム全体を構成するものをセンターとして位置付けているということのようです。後ほど見ていただくエディタについても、政府機関はもとより、地方行政機関でも利用されているようです。また、このアプリケーションは実はサイトから誰でもダウンロードできるような形になっております。
右側の情報提供系が国家法令情報センターということで、これは広く無料で国民一般に提供している。ここでユニークかなと思ったのが、下側の※のところで書いてございますけれども、もともと改め文方式でやっていますというお話を先ほどさしあげましたけれども、公布も改め文の形式で行われます。したがって、法令の編纂の場面において、溶け込ませ作業が必要になってきます。この溶け込ませ作業に関しては、それを自動的にやるプログラムも作ってはいるのですけれども、最終的には人がいろいろ作業をしないといけないような形になっているようでして、その作業は、内部職員だけでなく、外部リソースも活用して行われているようです。
我が国でも、今回、法務省が法令の編纂を所管している立場から、e-LAWSの法令データを整備されることになりましたけれども、これに関しても外部リソースを活用されているとのことで、韓国でも似たようなことが行われていることが分かりました。
次のページが、エディタの画面でございます。これは3つに分かれてございますけれども、左側が現行の法令データをデータベースから落とし込んだもの、それを修正したものが真ん中です。いわゆる新旧をつくる作業が画面上で行われる。新が出来上がった後、実行ボタンを押すと、改め文形式に変換されて右側のほうに出てくる。ここが自動化されているということでございます。
文献などを読みますと、当初、ここは機能的にかなり難しかったということが書かれてありました。改め文の表現方式に個人差があったりとか、そういった難しさがあって、そこをどう標準化していくのかというところでいろいろ試行錯誤を重ねて作られているということが書かれておりました。
もう一つ特徴的かなと思ったのは、上の青で囲んだところの左から4番目に「ハングルツール」というのがございます。これはアレアハングルという日本でいえば一太郎でしょうか、韓国の国産ワープロソフトがございまして、そことうまく連携して作られているような印象を受けました。ここはちょっと深掘りしないといけませんが、エディタだけではなくて、そういったワープロソフトなども併用しながらうまく仕事を進めるようなフローになっているのかもしれません。
この検討チームのほうでも御議論があったようでございますが、デジタル化にあまり適合的ではないものの代表例として、表の問題などがあったかと思います。皆さん、創意工夫で自由に作られるので、なかなかこれをデータベースに落とすのは正直苦労するところですけれども、これに対する対処も行われている。角田先生はご存知かもしれませんけれども、従前は表の場合は全部差し替えみたいな形でどうもやっていたようなことを聞いておりますが、現行のシステムを見ると、表の一部改正も、このシステムで対応できているようですので、その後改善がされたのだろうと思いました。
立法審査基準という法制処が出しているものをみますと、表については、番地指定ができるように番号を振れとか指示している。ただ、現行資産すべてをいきなりがらっと全部変えるのはさすがに難しいだろうということで、「別表を新設し、又は全部改正する場合には」と書いてありますとおり、タイミングを見て変更を加えていくという形にしているようでございます。
次のページが情報提供系です。これは下にURLを書いておりますので、御興味があれば見ていただければと思うのですけれども、内容的にはかなり充実しています。法令を表示するだけではなくて、法令間の引用関係ですとか、そういったところを丁寧にアノテーション情報を付して管理されているなというのが何となく分かります。そういったデータベースの整備をするのには相当手間暇、当然コストもかけていると思われます。また、提供に当たっては、e-LAWSも同じですが、二次利用しやすい形でAPIにて提供されています。
さて、法制執務のデジタル化に当たっての今後の取組に関してなのですが、先ほどデジタル庁のほうからエディタ、あるいはPoCの話がございました。もちろんそういった部分も当然重要になってくるのでございますが、法制執務全体のプロセスということを考えますと、その部分に留まらない全体の業務の流れの実態をちゃんと調べた上で、また、業務に従事している方のリズムニーズなども踏まえながら、どういった形で全体最適をしていくかといったことが必要になってきます。
誤り問題を契機として、行政管理局、デジタル庁と一緒に実態調査を進めているところなのですけれども、参考までに次のページ、これは前回デジタル庁のほうから説明資料として提出されていた、印刷局における作業のプロセスのところで、人手によるデータ変換、ここがリスクがあるし手間もかかるので、ここをどのように最適化していくのかというところが課題ですという説明があったかと思います。ここについて現場の実態はどうなっているのかというのが11ページです。
この資料は、分かりやすいようにあえて細かいところは捨象して作ってあるのですけれども、法案が固まって閣議決定用の原稿が作られるまでのプロセスだけを切り出したものです。
法案が出来上がりましたら、各府省からe-LAWSを経由して印刷局へ入稿が行われます。法案はワープロソフト、通常は一太郎を使って作られておるようですが、これを印刷局の「一般系編集システム」に投入する際、人手をかけてワープロのデータをテキストデータに一旦変換して、一般系編集システムの中に落とし込んでいく作業が印刷局で行われます。
もともと送られてきたものの形を1回崩して作り直しているものですから、そこの確認作業が印刷局と各府省の間で発生します。途中、ミスタイプミスみたいなことがあれば修正が入りますので、そこの修正確認ということも起こります。また、入稿後、政府内での調整などで法案に修正が入ることもありますので、その都度、原稿を修正して、また、各府省もそれを確認してという作業が、この2週間という短い期間で行われることになりますので、誤りが発生するリスクも高い、そういったプロセスになっているのではないかなと思っています。
また、国会での成立後、官報による公布というプロセスに入っていきます。今度は官報の公布をするための原稿を印刷局に入稿することになりますが、官報原稿を編集する作業は、先ほどの一般系編集システムとはまた別のシステムで行われておりますので、先ほどのようなに人手による変換・確認作業がまた行われているということで、実態としてはこういうことがあります。こういったプロセスをどうデジタルを上手く使って最適化をしていくのかという視点が必要になります。エディタの機能も重要ですが、その前後のプロセス部分なども含め全体の見直しを行っていく必要があると、これは一つのサンプルとしてお示しいたしました。
私のほうからは以上でございます。
事務局(柳生): ありがとうございました。
それでは、議事1から3につきまして質疑応答・意見交換の時間にさせていただきたいと思います。御質問・御意見ある方は挙手ボタンを押していただければと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、角田先生、よろしくお願いします。
角田構成員: 角田でございます。
幾つか質問とコメントがあります。韓国のほうの立法のデジタル化の状況の調査に関しまして、私も10年ぐらい前に調査しておりまして、今回の調査でもそれを参照していただいたようですけれども、気になっているのは、韓国のほうが当時の時点でも先に進んでいて、結果として日本と比べてよかった点というか、先に進んでそのまま改修もなく済んだ部分、あるいは逆に何か新しいことをしすぎてしまったことで揺り戻しがあった部分がありましたら、その辺を伺いたいです。
もう一点は、関連するソフトウェアに関する確認でもあるのですが、韓国ではアレアハングルを使っているということは日本でいうとワープロソフトの一太郎のような国産ワープロで、中央省庁で使われているという点でも同じような位置づけだと思われますし、実際一太郎は先ほど資料2の最後のページの図のご説明の中でも、入校するときに各省庁からは一太郎のデータが使われているようでした。そこで、e-LAWSを開発する準備段階で私からも要望として提案はさせていただいたのですが、実際に多くの省庁で利用されていて、行政作業に特化したバージョンを持つ一太郎の開発会社であるジャストシステムさんにもご検討いただいたのではないかと思います。そこで、結果として現在の一太郎の機能・性能でアレアハングルのような立法デジタル化を支援するエディット機能を求めることができそうか、その点についての見込みを伺いたいと思います。調査資料が少ない状況ということでお答えにくいようであれば、そのような状況である旨お聞かせ頂ければそれで構いません。
少し詳細な話ですが、私の最初の質問につきまして、韓国のほうが先に進んでいるにもかかわらず、やはりやりすぎたとか、これではうまくいかなかった点に関する質問に追加して述べさせてください。先ほどの大西管理官のお話の中でも参照していただいた私が実施した10年前の韓国のデジタル化の調査の際には、例えば韓国はデジタル化によって法令中の表の改正は一部改正を認めないように定めて、一括して全部改正にすることに一旦決めていました。そこで、デジタル化の流れを受けてスタートしたはずの方策であったのに、今になって結局元の一部改正方式を認めるような揺り戻しのようなデジタル化の逆行が起こってしまっている状況だということは、結局、改め文的なことはやはり必要だということになってしまうのかなと思ったのですけれど、その辺はいかがでしょうか。結構この会議でも改め文の是非の議論がありましたので、韓国についてはどのようなものかを教えていただきたいです。
3点目の質問というかコメントです。やはり資料2の最後の図の中で、日本の現行の話ですけれど、日本では入稿して閣議にかけるまでの間に何回もの読み合わせがあるという話でした。私は参議院法制局さんと立法デジタル化に関して研究会みたいなことをさせていただいた中で、その読み合わせのことを気にされている局員の方もいらっしゃいました。その読み合わせによる確認作業自体はデジタル化が進んでも不安なので必要だとは思われているようでしたが、結局人手による負担が残ることもすっきりされていないようでした。
そうなると、先ほど最初の大久保さんの話の中で、人手による部分をなるべくデジタル化したほうがいい、というときの人手の部分と、読み合わせのときの人手の部分というのは質が違うような気がするのです。だから、その辺に関して、データ変換の人手を自動化するというのはいいのですけれども、デジタル化に際して読み合わせの部分をどう取り扱っていくかという問題提起をしておかないといけないのかなと思いました。コメントでした。
もう一つ、最後に1点、これも大久保さんのご提案というか、to beのイメージのような形で、デバッガーで法令をチェックするという話がありました。これはちょうど私の研究の専門分野でして、まだまだおもちゃみたいなものですけれども、10年以上いろいろなものを開発したり実験したりしてきました。その上で考えますと、静的な、スタティックな法令チェックというツールにはいろいろな可能性は見いだしているのですけれども、動的な検証ツールの実現というのは結構厳しいのではないのかというか、かなり将来の話になってしまうかなと感じています。
というのは、人でなく、コンピューターの場合だったらば、プログラムとして作成されたルールが実際に動いてくれるのでシミュレートしながらの検証もできますし、本当にそれでソフトウェアとしてルールで意図された機能を実現してしまえます。ところが、法令の場合には、ルールに従って動くのは人ですので、それを幾らコンピューターで何かシミュレーションしたところで、仮にうまくシミュレーションができたとしても、現実社会の中で機能するものとして動いたという検証とはならないです。例えば何かの紙面の申請書を役所に提出しなければならないというルールがあっても、紙の申請書がコンピューターでやり取りできるわけではないですし、申請書の紙を生成してくれるわけでもないです。別の例では、ある違反があったら罰金幾らに処す、とかいうルールがあったとしても、コンピューターが罰金を払ってくれるわけではないので、現実世界のどこまでをコンピューターの中に閉じ込めて動的に動くシミュレーションできる世界として想定するのかという点を明確にした仕様を決める必要があると思うのです。
私は今、これをいろいろ条件の絞り込みによって、少しずつ試行錯誤を繰り返していますけれどもまだまだ難しい状況です。そこで、その動的なほうのデバッグというのは現時点や近い未来の実現は少々辛いかなと思っております。中長期の可能性として入れておくのはよろしいかと思うのですけれども、単純な並びとして入れてしまうと、誤解されてしまうかもしれないという不安を感じました。
私からは以上です。
総務省: 私のほうから、韓国のほうは先生のおっしゃるとおり、多分当初は表の全面差し替えとかについては、もともと改め文形式を採っておりますので、本来なら変わるところだけだろうと思うのです。そこは多分技術として追いついていなかったのかなと。それがエディタの機能拡充をやっていくうちにできることが増えてきたというところで運用面も見直しをしていく。もともとの姿に合わせる形に技術が追いついてきたのかなと見えるところがありました。
先生からご指摘のあった、元々やっていた取組がどうなったのか、駄目だからやめたのかみたいなところでの深掘りは十分できていませんが、これは必要に応じて引き続きみていきたいと思っております。
あと、韓国でアレアハングルをどういう局面で使っているのか、詳細はまだ分かっておりません。使い分けをしているのか、全く別のところで使っているのか、そこは深掘りししてみたいと思います。
ただ、では、日本の場合、一太郎などはどうするのだという話と、これはまた別の話かなと思っています。デジタル庁の資料にもありますとおり、将来的にはデータベースを中心に、そこで完結するフローを目指していくのでしょうから、外部のワープロソフトとかそういったものに依存しない形で考えていくのだろうなと思っております。
あとは外部リソースのかけ方のところです。韓国では、改め文の溶け込まし作業などデータベースを維持するところでのリソースの話かなと思っていまして、おっしゃるとおり読み合わせみたいな話とはまた別の話になっています。かけるべきところは人手をかけてやっていくことかと思いますが、ただ、作業が効率化するよう、システム側でサポートするような何らかの機能を持たせるとか、あるいは仕事の流れを見直していくかとか、そういったところは必要かなと思っています。
残りは、デジタル庁になりますか。何か追加であればお願いします。
事務局(柳生): では、人手のところについて、司会ですけれども、柳生がお答えさせていただきます。
まさに人手の介在をなくしていくところと読み合わせのところになりますけれども、データ変換のための人手というところもございますし、一方で、データ変更することによって、ある種バグが発生しないかということで、結局のところ原稿がもともとの原稿どおりになっているかという意味でのチェックと、国会の法制局さんたちが気にされているのは途中の修正が入ったような場合の読み合わせは、違うデータを入れ直して全部つくり直しているのではなくて、そこの部分だけ直していたりするので、ちゃんとそこが反映できているかとかいう読み合わせをしてチェックしていたりとかするのです。
恐らくそういったことが発生しているところですので、我々が目指しているそのデータベースからのもの、一つのデータをみんなでちゃんとアクセスしていくのだということであれば、そこら辺の人手というものは、まさに読み合わせのところも含めて解消していくのではないかなということだと思うのですが、いかんせん日本の考え方、ちゃんとチェックしていくのだということで読み合わせみたいなのがある種文化的な感じで残ってしまっている面もあるものでして、今のところ、最近は印刷局さんがデータ変換したところで誤りは出てこないのですけれども、万が一のためとか、そういったものも含めて今読み合わせをやっているのが実態なのだと思ってございます。御説明になっていないかもしれません。
角田構成員: どうもありがとうございました。
事務局(柳生): ほかの構成員の方で御質問等はありますでしょうか。
安野構成員、お願いします。
安野構成員: お話しいただきましてありがとうございました。私から1点コメントだけさせてください。
今回の目的の一つとして人手の工数削減があるところを理解していて、一番気になっているのが、この的の大きさがどれくらいなのかというのを把握したいなという気持ちがあります。
何を言っているかというと、法制のプロセスの中で100%仮に効率化できた、人手が全く介在されなくなったとしたときに結局何時間削減できるのだというところで、少し調べると出てくるポイントだと思っていまして、今どれくらい各プロセスに時間がかかっていて、それが年間例えば100人日分の仕事なのか、1,000人日分の仕事なのかによって多分かけるべきリソースの量が全然変わってくると思うので、何かある種要件定義の際のPoCをされるときに、エディターに対するソリューションの部分を磨くだけではなくて、的の大きさの解像度を高めていくみたいなところも一緒にやっていただくとよいのかなと思っています。
ただ、今行政管理局さんのほうでいろいろヒアリング等を進めていただいている部分もあると思うのですけれども、定量的な意味でこれぐらいの的で、100%削減できるとしてもこれくらい、現実問題、100%は削減できないので、50%とするとこれぐらいで、リソースをかける効率はRIとしてありますねみたいな検討が挟まっていると、より安心して進められるのではないかというコメントでした。
総務省: 実態調査しているというのはまさにそういうところでして、実際にどれぐらいの工数がかかっているのだろうというのは見ていかないといけない。ただ、法令の種類によって差が相当ありますので、そういったところをどうするかというのはありますが。まさに現場でやっている人たちがどういう仕事の仕方をして、どのぐらい時間をかけてというところをやって、それを今後どうやっていく、それがどこまで改善できるというところはちゃんと整理をしながら進めたいと思っています。ありがとうございます。
安野構成員: ありがとうございます。
事務局(柳生): 続きまして、藤原構成員、よろしくお願いします。
藤原構成員: 藤原です。いろいろとありがとうございます。私から小さな質問を2つ、コメントを2つ言おうと思います。
質問というのは、まず5月末までの一括のところで出していくというのは、5月末に何か決めなくてはいけないことがあるのかというのを知りたかったということです。多分進め方ぐらいしか決まらないのではないかと思っているので、一つそこを知りたかった。
2つ目が、編集エディターのイメージの画面を見せていただいて結構洗練された感じだと思って、どなたかつくったのか興味があって、エディターというのは最終的にはすごく便利なものになって皆さんが使うようにならないと多分全体が全然ワークしなくて、結局誰か人手で頑張り続けるみたいなプロセスになってしまいそうなので、UIを含めてかなりちゃんとやったほうがいいのかなと思ったのと、これをつくられた方は誰なのだろうと興味を持った。
質問は以上で、あと、コメントもそんなに大きなものではないのです。
一つは既に皆さん議論されていた読み合わせとか溶け込ませの人手の作業のところなのですけれども、これも柳生様がおっしゃったとおりで、基本的には一つのデータベースをみんなでいじる。要は常に最終版をいじるようにしていれば、後でもう1回確認しなくていいというのが多分根本的なコンセプトだと思っているので、基本的にはデータ変換とかはなしで、それはどういうことかというと、結局今まで印刷されたものとかがすごくきれいに整って、それこそ何か何段下がっているからこれはどうでこうでみたいな話も含めた形をすごく整えるところに結構時間がかかっていて、それで何かいろいろなフォーマットに印刷とかしていたと思うのです。
そういうものはある意味諦めていただくという割り切りが多分必要で、日本社会はそういうものがあまり得意ではなくて、何か文化的にという話があったと思うのですけれども、そこは実質ベースでいかなくてはいけないのではないかなと思っていることが1つ目のコメントです。
もう一つは、さらにマイナーなコメントになります。e-LAWSの関係で条項単位のデータベース化されるという話があって、これは多分別途進んでいるのだと思うのですけれども、これは本件に関していろいろな方の話を聞いてちょっと思いついたというか、教えていただいたこととしては、日本の法律は1つの項とか1つの条とかでも文章が2つ3つあって、前段・後段とか一文二文とかになっているときがあると思うのですけれども、それを別々にしておかないと何か面倒くさくならないかなという気がしたので、条項単位だけではなく、実は文章単位にしなくてはいけないときもあるのではないかという点につき、コメントとさせていただきます。
以上です。
事務局(柳生): まず、1つ目の御質問の一括プランについてどこまで取りまとめるのかというところでございますけれども、そういう意味だと、まさに今御議論いただいている法制事務のデジタル化といったところについては、まだ先が長い話というところもありますので、こういった方向でやっていくのだと、まさに方向性を決めにいく場ということと、併せて今後何をどのようにやっていくのかといった工程表といったようなものをまさに固めにいくような場かなと考えてございます。
一方で、予算の話とか、そこら辺もいろいろございます。来年度以降どういうことをやっていくのかといったようなことも打ち出すということで、翌年度以降の予算要求につなげていくといった位置づけのところもございますので、そういったことで、まさに我々がやっていきたい方向性といったものをきっちりと5月の段階で固めていけたらなと考えているところになります。
2つ目につきましては大久保さん、お願いします。
事務局(大久保): 2つ目のUIをお示ししたイメージ画面のところなのですけれども、私は事務局であると同時にe-LAWSの担当でもございますので、e-LAWSのほうで改修で委託しているようなところで参加いただいているUIデザイナーの方と私のほうでいろいろディスカッションをしてつくってきたというものになります。
藤原構成員: ありがとうございました。デザイナーさんはすごく重要だと思っています。
事務局(柳生): 続きまして、堀口構成員、よろしくお願いします。
堀口構成員: 今回、資料のほうをありがとうございます。私は資料を拝見させていただきまして、エディターの部分につきまして少し御意見・感想のほうを申し上げさせていただければと思ってございます。
これは私自身がエディター開発の部分について従事してまいった経験、その他から申し上げるところでございますけれども、やはり公務員の皆様というところで、このユーザー様を今後想定されているところだと思いますが、こういった方々も今後若手の皆様、さらには民間を経由した皆様という方々も増えてまいるようなところと思っておりますので、やはり官公庁のシステムにアレルギー反応のようなものがもし生じてしまうというのはよくないと思いますので、先ほど来お話ししているようにUIといったもの、さらに民間でのシステムと比べたときに劣らないものが必要になってくると理解しております。
民業の点のところからもいつも申し上げている点ではございますけれども、やはりこういった意味でもユーザビリティーの検証というのが極めて重要だと考えてございますし、先ほどの資料の中の参考資料にもありましたような多機能のものも非常に洗練されたように拝見しております。
一方で、使い勝手の部分、さらにこういったものが実用に耐え得るに当たって難しくないか、仕様の難易度が高くないかというところは熟考の余地があるところかと考えています。この編集という分野、ワープロソフトという分野に関しては、私どもはフィードバックをかなり多く受ける、国内ではかなり稀有なレベルで受ける立場にあると理解してございますけれども、特にこういったエディター部分に関してはパフォーマンスなども重要な要件になってくるところ、さらに極端な話、苦情が多かったりとか、使いものにならないといったことが出てくるというところではございますので、非常に留意した開発が必要になってくるのだろうと思います。
私の認識では、国内のエディターというのはそれなりに開発の難易度が高くて、例えば先ほど来お話がございましたように一太郎さんといったもの以来なかなか出てきていないものだと伺っておりますけれども、表組み、その他の自由度だったりとか、文章の構成、表現の自由度といったものも含めてパフォーマンスの問題もございますし、こういったものを含めて耐えられるものをどのようにつくっていくのかという面で、PoCの期間のみで検証が足りるのかどうかという観点、ある程度ここには既存の商用の実績のものも併用していく必要があるのではないかという観点というのは、一太郎さんの改修をするかというような先ほどのお話でも出ていたところでございます。あったのかなと理解しております。
一方で、今後システムがクラウドベースになっていく中で、また、なるべくシンプルに標準的にシステムを運用していこうという中でオンプレミスのシステム、または一太郎のようなシステムをさらにカスタマイズにカスタマイズを重ねるというような方向性でいいのかということも議論の余地のあるところかと思っております。
こういった各種点がある中で、私のほうでは、また、安野構成員からもありましたように、改善効果を定量化するのはなかなか、こういった編集の仕組みについては難しい点があると理解しておりますが、一部、官公庁様との取組の事例などでの検証データ、検証した成果なども私のほうでも勉強したところはありますので、もし必要がありましたら喜んで御助言させていただく次第でございます。
以上でございます。
事務局(大久保): 御指摘ありがとうございます。
ちょうど藤原先生からもユーザーインターフェースの重要性のところを御指摘いただきましたけれども、まさに業務の中で実際にしっかり使っていけるのかというところで、パフォーマンス面も含めて業務になじんでいくのかということを検証していくことは非常に重要だと考えております。実際にそれができるものでないと、実用に耐え得るものでないと空理空論ということになってしまいますので、そういったところの検証も含めてPoCの中でもしっかりとやっていきたいと考えておりますので、随時御知見などもいただけますと大変幸甚と考えてございます。ありがとうございます。
事務局(柳生): 次の方に移る前に、先ほど藤原構成員からの条項単位のe-LAWSのところで文章単位にはしないのかというところで何か。
事務局(大久保): すみません、漏れておりました。
こちらは今まさに検討をしているところでございます。ちょっと技術的なところを申し上げますと、法令データはXMLで条項単位、細かいところまで構造化されておりますので、これをDBとしてはドキュメントDBのような形で一旦持ち込んで、それぞれの構造に例えばIDを振ったりということができるようになることが第一かなと考えております。
他方で、まさに藤原先生からも御指摘があったように、同じ条項の構造の中で前段・後段、但し書といったような意味的な構造を含んでいるようなものもあるかとは思いますので、そういったところをどうしていくのかということも、その先に検討が必要になってくるところはあるのかなと認識をしております。
事務局(柳生): 続きまして、米田構成員、よろしくお願いいたします。
米田構成員: ありがとうございます。
私は、総務省の大西管理官のお話の中で、官報のデジタル化のところの11ページの表を見て、ようやくこういう細かいやり取りの図が出てきたなと思っていたところです。今、エディターの話を中心にしていますけれど、エディターで出てきたアウトプットをきちんと外の官報に載せるところまで、また、我々国民が使うところまでどうやって広めてくるかということのつながりを考えると、今、人手による修正というのが11ページで見ると、人手が介在した修正というのが示されているのは、印刷局のところがあり、それから、その前に、大久保さんが説明をしてくださった10ページの左上のところに人手によるデータ変換というのが丸で囲って示されているのですけれども、実際の読み合わせ確認のところなどは法制局を絡めていくわけですよね。
ここは人手でデータを変える部分があると思うのですけれど、現在、その部分はe-LAWSなり、そうでなくても同じデータを見ているという位置づけにはなっていないということでしょうか。であれば、この部分は、一度外に出したものを手で修正してデータに返すということを繰り返すことになるのですが、直接法制局の方ではe-LAWSの結果を見ながら作業しているわけではないということで間違いないでしょうか。
総務省: 私から申し上げますと、現状はe-LAWSが使われるのは、各府省から印刷局に送るところだけです。それ以降についてはe-LAWSの外で行われます。今、先生がおっしゃったようなところについては、紙で作業が進んでいまして、紙に朱筆が入ったものが回ってくるというようなイメージで捉えていただくとよろしいかなと思います。
米田構成員: 全体としては、要するにデータベースと同じものを見てと藤原先生がおっしゃったようなものにするのが一番よくて、今、我々は行政官庁での仕事の仕方に注目しているのでエディターに集中して議論しています。しかし、システム的には内閣法制局、印刷局を含めて、さらに議員法制局も含めて一体のものとしてシステム化しないと、本当の意味での効率化というか、またはデータの一貫性とか、正確さを保持することはできないという認識でいいですか。
総務省: そのとおりだと思っています。実際に立案作業部分だけではなくて、その後のプロセスも含めて全体でどうこのデータベース中心に回していく形にしていくのかというのが課題になってくるかと思っています。米田先生ご指摘のとおり、現状はそういった観点が必ずしも十分ではないと思われますので、今後全体でどうデザインしていくのかが重要と考えております
米田構成員: 今回お示しいただいている韓国の法制処は、一括してそこをまとめて、ヘッドクォーターとして動くような形になっていて、それが全体をデジタル化して、さらに高度化する上でのリーダーシップ等もそこがきちんと取れていると考えていいのでしょうか。
総務省: そのように見受けられますね。
米田構成員: そうすると、韓国では法制処の役割が大きいというのと、もう一つ気になるのは、どの範囲の情報を国民に提供をするかという点になるのですが、過去のというか、法令データ全体としてそのシステムにはどれぐらいの範囲で入っているのですか。国民が検索できて、アウトプットとして得られる範囲を知りたいのです。
総務省: 今、正確な数を持ち合わせていないのですけれども、過去のデータに関しては、大韓民国成立以降のものとか、データベースが整備される以前の古いものも格納されているようです。e-LAWSはそこまでできていないですけれども。
米田構成員: 今、日本では、古い法令は国立公文書館かな、そちらで管理してもらっていて、e-LAWSは現行法だけになっているわけですよね。そうすると、しばらく前のものを探すのは、国民からするとe-Govだけでは済まないという形になっているわけですね。
総務省: 現状はそのようになりますね。
米田構成員: そういう形になっているのですね。
総務省: 結局e-LAWSの場合は、e-Gov法令検索という形で一般に提供されているのですけれども、どういう方をターゲットユーザーとして捉えて、その人たちのニーズ、どのように利用されるのだろうかというところで、現在施行されている法令をまずは提供してきた、ということでございます。今後どの範囲でやっていくのがよろしいのかというところは、利用者のニーズも含めて検討かなと思っています。
これはちょっとデジタル庁のほうで。
事務局(柳生): そこの部分はデジタル庁がまさに認識しているところでございまして、まさに廃止された法律だとか、「なお従前の例による」だとか、「なおその効力を有する」という形で生きているような場合もございますし、ニーズとして昔の法令を見てみたいという方も恐らくいるのかなという中で、どういうところからまず手をつけていくのかということも、今後の進め方としてはあるのだという認識でおります。まさにそういった意味でのなお効、なお従のところはアノテーション情報のところにも絡んできますので、そういったところも含めてどういったもののデータをe-LAWSの中で格納して持っていくことが正しいのかということについては今後、まさに今日いただいた御指摘も踏まえて検討していきたいと考えております。
米田構成員: コメントに近くなりますが、充実度からすると、韓国のようにヘッドクォーターがしっかりしていて、法令情報について一括して古いものまで含めて管理するということができるところがあって今実現している。日本の場合はそれが幾つかに分かれているので、持っているデータがばらばらだったり、今回のように手作業のところがいっぱい残ってしまうようなシステムになっていると理解することになるのですが、それでいいのでしょうか。
総務省: 現状はそのように見られても仕方がない形になっているのかもしれません。法令データの整備に関しては、今回、法務省に参加していただく形になりましたが、法令審査は法制局、官報に関しては印刷局、それぞれが自らの所管の範囲で最適化を指向されているのだと思われますが、これを全体を通じてどのように最適な形でデザインをしていくのかという観点が重要になってくるかと思っています。
米田構成員: そこで共通のデータベースで仕事ができるような形に持ち込まないと、ここでの議論の成果もあまり生かされないということになるわけですね。
総務省: そのとおりだと思います。
米田構成員: ありがとうございます。
事務局(柳生): 続きまして、渡部構成員、よろしくお願いします。
渡部構成員: お世話になっています。弁護士の渡部と申します。残り時間も短いので私のほうで手短に2点、情報の共有と1点質問をさせてください。
まず1つ目です。こちらのツールのチャットのほうにURLをお載せします【註:】ので、もし御興味がある方は御覧いただければですが、実は韓国の例というのは私も非常に注目しています。というのは昨年、御存じの方も多いかと思うのですけれども、いわゆるデジタルプラットフォームが自社の決済方法だけに限るというものに対して、韓国で世界で初めて、電気通信事業法を改正して、いわゆる自社の決済方法だけを押し付けるようなものは駄目ですというような法改正を行いました。それがちょうど2021年の9月だったのですけれども、実は私、この数日後に韓国の弁護士と連絡を取って論考を執筆し出したのですけれども、既にこの数日の間にここの記載にあるとおり、法制局のところに改正された条文というのが掲載されておりまして、当時大変驚いたという記憶を持っておりました。
したがって、今日の総務省様から韓国の例が紹介されたというのはまさにタイムリーでございまして、これは非常に注目すべき事例なのかなと思っております。
また、今回のプロジェクトの目指しているところ、まさに我々弁護士等の実務家、さらに外国の企業が日本の法制を見てビジネスをする上で、非常に重要なツールになってくると思っていますというコメントが一つです。
2つ目は、実は米田先生の問題意識と私も重なっているところで質問です。先日、国立印刷局様に入っていただいて、今日も総務省様に入っていただいて大変感謝しているのですけれども、これ今国会の時期で難しいのかなというは拝察しているのですけれども、内閣法制局様のこのディスカッションへのコミット、関与というのはもし差し支えない範囲でどのような状況なのか教えていただければ幸いです。
手短ですが、以上2点です。よろしくお願いいたします。
事務局(柳生): 私からお答えさせていただきますが、内閣法制局とのコミットの状況ということですけれども、そういう意味では、まさに今回順次こういう資料で、この検討チームでやって、資料を出したいと思ったことも含めて資料の共有をさせていただいておりますし、ポイントポイントでこちらから御説明をさせていただいているところでございます。
やはり法制事務のデジタル化といったようなことについてはやっていくと、やっていかなくてはいけないのだろうというところは、まさに彼らも問題意識として持っているところではありますけれども、一方で、彼らとしては法律のミスといったものをどうやって防止していくかといったようなところもありますので、そういった意味では、彼らとしてはまさにこういったデジタル化といったものについて、そういったことがないのかといったようなところとかを特に注目しているところかなと思ってございます。
そういう意味では、彼らとも歩調を合わせながら一緒に議論していかなければいけないと思っております。エディターの話が米田先生からもございましたけれども、まさに我々つくる側、我々というか立案の側だけではなくて、いかに審査部門の方々を含めて連携していくのかということが、一元的に法令データから全ての仕事を考えるといったようなところにつながってきますので、そういったところも含めて今後法制局とも議論をしっかりしていきたいなと考えているところでございます。
ちょっと漠然とした答えになってしまいましたけれども、以上になります。
渡部構成員: ありがとうございました。
事務局(柳生): 続きまして、八木田構成員、よろしくお願いします。
八木田構成員: ありがとうございます。Legalscapeの八木田でございます。
前提として、資料1と資料2、大変分かりやすい資料で、この工程表にあるとおりに進めていけば、かなりいいものができそうかなと思っております。本当にありがとうございました。その前提で、資料1の6ページ工程表につきましてコメントを1点、軽微なものなのですけれども、させていただければと考えております。
まず、この工程表案の2ページのところで、目標として、国のインフラであるデジタル正本を常に参照できるような環境の早期実現というものが挙げられていて、その中で、国民が使いやすいデータ形式・内容で提供していくというものがあったかと思います。
これは軽微な指摘なのですけれども、この工程表の中で基本的には法制執務がどうなっているかというつくる側のユーザーの話と、それを実現するデータ構造はどうなのか、どうやって法制執務を変えるかというエディター開発の話が入っています。ここに入れたほうがいいかもしれないなと思っておりますのが、もう1人のユーザーであるところの国民にとって、どういったサービスというか、どういった形で法令を見たいかという観点のヒアリングみたいなものを入れるのがよろしいかなと思っております。
これは既にされているようでしたら大変申し訳ないのですけれども、そこがデータ構造の検討というところに少しはね返ってくる可能性があるかなと思っております。先ほどちょっと出ましたけれども、過去の履歴を見ないと国民は困るのだとか、例えばそういう話が出てくると、データ構造をこのようにつくっておかなければいけないみたいなフィードバックがかかる可能性があるので、参考までに国民側のヒアリングみたいなものを初期のタイミングでこの中に入れるといいかなというような1つ軽微なコメントになります。
事務局(大久保): 八木田先生、コメントをありがとうございます。
まさに今御指摘くださった点は非常に重要だと考えておりまして、アノテーション情報をしっかりつけていくということは、すなわち国民の方々に御提供していくということが大目標になるという点で非常に重要でございますので、現状としてはそういった観点でどういった情報がというところの体系的なリサーチはなかなかできていないような状況が正直あるところですので、まさに御指摘いただいたような点も取り組んでいけるように検討を進めてまいりたいと思います。ありがとうございます。
事務局(柳生): 続きまして、米田構成員、よろしくお願いします。
米田構成員: 先ほど渡部構成員から内閣法制局のお話がありましたが、この法制執務の作業を全体としてデジタル化して効率化するには、各法制局を含めその他立法に関わるところがもれなく、かつ、うまく絡んでこないといけないということには、恐らく皆さん合意されると思います。各法制局に、このチームの議論に参加していただくかどうかは別としても、この委員会の意見として最後に示すところには、この方向性を必ず含めるべきであると考えています。意見でした。
事務局(柳生): ありがとうございます。
そろそろ時間になりますが、作業部会の安念構成員や根本構成員も御参加いただいています。無茶振りになってしまいますが、もし何かコメント等があればいかがでしょうか。
安念作業部会構成員: 安念です。もう時間もありませんので、ただ感動してお話を伺っておりましたので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
根本作業部会構成員: 根本でございます。コメントは特段にございませんけれども、早く皆さんで使えるシステムになればいいなと思っておりますのと、一太郎がいまだに生きているというのに多少衝撃を受けております。
以上です。
事務局(柳生): ありがとうございます。
それでは、時間になりましたので、本日の議事につきましては以上とさせていただきたいと思います。
本日の議事につきましては、議事録を作成いたしまして皆様方に御確認いただいた上で公開させていただきたいと思います。資料につきましても全て公開ということでさせていただきたいと考えているところでございます。
それでは、以上をもちまして本日の会議を閉会したいと思います。本日は御参加いただきまして、大変ありがとうございました。