デジタル臨時行政調査会作業部会(第15回)
概要
- 日時:令和4年(2022年)10月20日(木)10時30分から12時00分まで
- 場所:オンライン開催
- 議事次第:
- 開会
- 議事
- 「常駐・専任」、「対面講習」、「書面掲示」及び「往訪閲覧縦覧」に関する法令見直しの現状について
- FD等の記録媒体を指定する規制の見直しの検討状況について
- 第5回デジタル臨時行政調査会における発表事項について
- 意見交換
- 閉会
資料
議事録等
日時
令和4年(2022年)10月20日(水)10時30分から12時00分まで
場所
オンライン開催
出席者
座長
- 大串正樹デジタル副大臣
構成員
- 安念潤司(弁護士中央大学大学院法務研究科教授)
- 稲谷龍彦(京都大学大学院法学研究科教授)
- 落合孝文(弁護士渥美坂井法律事務所・外国法共同事業)
- 増島雅和(弁護士森・濱田松本法律事務所)
議事録
事務局(小暮): それでは、時間となりましたので、これより第15回「デジタル臨時行政調査会作業部会」を開会いたします。
今回も構成員の皆様にはオンラインでご参加いただいております。
本日の構成員の皆様のご出席状況についてですが、岩村構成員、上野山構成員、菅原構成員におかれましては、所用によりご欠席されています。また、増島構成員におかれましては途中でご退席と伺っています。
早速ですが、これより本日の議事に入らせていただきたいと存じます。
以降の議事進行につきましては、安念副座長にお願いしたいと存じます。それでは、安念副座長、お願いいたします。
安念副座長: おはようございます。それでは、早速、議事に入ります。
今回の議事としましては3つありまして、第1「『常駐・専任』、『対面講習』、『書面掲示』及び『往訪閲覧縦覧』に関する法令見直しの現状について」、第2「FD等の記録媒体を指定する規制の見直しの検討状況について」、第3「第5回デジタル臨時行政調査会における発表事項について」の3点です。いずれも事務局からご説明をいただくことになっております。
それでは、まず大澤参事官より、議題の第1「『常駐・専任』、『対面講習』、『書面掲示』及び『往訪閲覧縦覧』に関する法令見直しの現状について」ご説明をお願いいたします。
「常駐・専任」、「対面講習」、「書面掲示」及び「往訪閲覧縦覧」に関する法令見直しの現状については非公開
安念副座長: 続いて、第2の議題「FD等の記録媒体を指定する規制の見直しの検討状況について」です。これは楠目企画官からご説明をいただきます。お願いします。
事務局(楠目): 事務局企画官の楠目です。
「FD等の記録媒体を指定する規制の見直しの検討状況について」ご報告させていただきたいと思います。
見直しの状況の現状でございますけれども、フロッピーディスク等の記録媒体に関する規定の見直しにつきましては、現在、法律上の規定を先行して各府省に見直しの検討を要請しているところですが、検討の結果、原則法律上の全ての規定について技術中立性の確保等の対応が行われる見込みとなっているところです。
また、政令・省令に関する規定につきましては、今月中に点検・見直しの検討を各府省庁に要請する予定となっています。括弧内に記載がありますように、先般の作業部会でのご議論等も踏まえまして、望ましい規定のイメージ等も示した上で検討を要請することを考えております。
また、※のところですが、政令・省令の規定につきましては、法律の規定と違って、機器や装置に対する規制、廃棄物等で磁気ディスク装置といった規定ですとか、録音や録画用の媒体としてのDVDとかCDの規定等、様々なものが存在しているところですので、個別の規定の性質に応じて、見直しの必要性等を精査してまいりたいと考えているところです。
また、今後の対応ですが、政令・省令を含めた個別の記録媒体に関する規定が重複を除くと全部で1,600条項ほどになりますが、この1,600条項について年内を目途に各府省庁の見直し方針を取りまとめて、デジタル臨調において公表する予定です。また、その見直し方針を踏まえて、令和5年中には各府省庁において必要な法令改正等を実施することを予定しておりますので、併せてご報告いたします。
次のページですが、こちらは各府省庁での検討の結果を一覧化したものでございます。箱の中にありますように、磁気ディスク等に関する法律上の規定は165条項存在するところで、既に対応がなされているものを除き、全ての規定について、オンライン手続やクラウド利用等が可能である旨を明確に示す方針となっているところです。こうした対応により、法律上の規定が先端的技術の活用の妨げとなるような状況については対応できるものと考えているところです。
表のほうですが、法律上で規定を置いている省庁は限られており、25省庁のうち10省庁ぐらいしかないという状況です。また、数としても法律は165条項ですので、全体の1,600のうちの10分の1、まだまだこれからというところではあるのですが、一つの節目としてご報告させていただきます。
ご報告については以上です。よろしくお願いいたします。
安念副座長: 楠目さん、どうもありがとうございました。
ただいまのご説明についてご意見、ご質問等がありましたら、どうぞお願いいたします。
増島先生、どうぞ。
増島構成員: 1点、ここで法律と言っているのは正確な意味での法律ですか。基本的にこういう話が書いてあるのは法律というよりは政令規則のほうに大体落ちていると理解しているのですけれども、ここで今検討状況といって検討いただいたのは、かぎ括弧付きの「法律」のことをおっしゃっているかどうかだけ確認させてください。
事務局(楠目): 法律、政令、省令を全部含むと1,600ぐらいになるのですが、先生おっしゃっていただきましたとおり、先行して法律の165条項について検討した結果ということでご説明いたしました。
増島構成員: ありがとうございます。
安念副座長: 法律そのもので決まっているものが結構あるのですね。それはちょっと意外でした。私も省令ぐらいに落ちているのだと思っていましたけれども、分かりました。ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。落合先生、どうぞ。
落合構成員: ありがとうございます。こちらのほうも議論が進んでいるということですが、オンライン手続の際に、最終的にクラウド利用ができるような形で全体的に、今の時点での整備の目標としてはフェーズ分けをしても仕方がないかもしれませんが、クラウド利用ができるところまでを目標に、ぜひ進めていただければと思っております。
以上でございます。
安念副座長: ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。
では、一応、第2の議題についてはこれぐらいにしておきましょうか。
ここで議論してくださいという意味ではなくて、もし番外で教えていただけると大変ありがたいのです。今度の民事訴訟法の改正で書面等がデジタル化されるということなのですが、送信する方法は、電磁的記録媒体もしくはオンラインという書き方だったと思います。ああいう規定は、ここで議論していた技術中立的な規定の仕方と言えるものなのですか。これを話していると長くなってしまうので、番外でもし教えていただく機会があったら教えていただきたいと存じます。野次馬的な関心で申し訳ありませんでしたが、ここで言う技術中立性というのは非常に重要なキーワードだなと思ったので、私自身の個人的な疑問を述べさせていただきました。また後ほど何かの機会に教えていただければ幸いです。どうもありがとうございました。
それでは、第3の議題「第5回デジタル臨時行政調査会における発表事項について」ですが、大澤参事官からご説明をいただきます。よろしくお願いいたします。
事務局(大澤): 大澤でございます。急遽松田に代わりご説明させていただきます。
来週、25日に官邸でデジタル臨調の親会合が開催される予定となっておりまして、ご覧いただきますように(3)の主な議題は、デジタル原則に照らした規制の一括見直しの進捗と取組の加速化、それから、省庁横断的な課題であります民間人材の採用の円滑化ということでございます。
これからご説明する内容はこの議題1の河野大臣から発表する資料でございます。6月以降にこの作業部会でもご議論を賜ってきた成果を盛り込んで、また、年末に向けて取組の概要をご説明する内容になっています。
1ページですが、最初はデジタル臨調の取組の加速化ということで、第1に、3年間と設定してまいりました集中改革期間を2年に前倒しするということ。第2に、「2+1」の枠組みで大臣レベルでの規制の見直しの在り方を議論していくということ。既に10月11日に加藤厚労大臣をお招きして、作業主任者の常駐規制、ハローワークの失業認定のオンライン化についてご議論をいただきました。それから、第3に、臨時国会提出法案につきまして、デジタル原則への適合性の確認作業を試行的に実施しまして、一部は下位法令での措置の要請などの対応を行ったこと、こういったことをご紹介したいと考えております。
2ページに参りまして、7項目のアナログ規制、それから先ほどのフロッピーディスク等の記録媒体を指定する規制につきましては、点検の結果、9,000条項について方針が確定するというところまで積み上がってきております。枠内にありますように、99%というところまで方針の確定が進んでおり、左下に小さな字で記載がありますが、残り1%は立入検査について各府省庁から断続的に追加があるもの、常駐・専任規制について最終的な調整を行っているもの、プライバシーの関係のものとなっています。これらにつきましても年末には方針を確定する見込みでして、残り約110条項となっております。
それから、右下に目を移していただきますと、法令に加えまして、通知・通達につきましても事務局の方で洗い出しております。早期に見直しが可能なものにつきましては本年中に、その他のものにつきましても来年の春を目途に見直しの方針を確定させる方針です。
3ページ目、7項目のアナログ規制の点検・見直しの結果、どのような規制が見直されるのかということでありますが、例えば河川、ダム等のインフラの巡視・点検、罹災証明書の交付のための調査、こういったものにデジタル技術を利用して業務の効率化、安全性の向上を目指すということ。それから、右側に建築物、消火器具の定期点検につきましては、人が定期的に点検しなくてもデジタル技術を活用して常時遠隔で監視することを可能にする。
左下、介護サービスの管理者・専門職でありますとか作業主任者の常駐・専任規制について、遠隔からの業務実施を可能にするということで、民間企業の生産性向上と人材不足の解消等々を図ってまいると。
それから、右側にありますように、安全運転管理者の講習のデジタル完結、あるいは先ほどもご紹介しましたダム放流の情報をインターネット掲載する。こういったことで国民の利便性の向上を図る。こうした事例をご紹介していきたいと考えております。
4ページになります。テクノロジーマップ・技術カタログの整備につきましては、ご指導いただきました作業部会の下に新たに委員会を立ち上げまして、専門的な見地からの議論を開始しているということ。それからまた、この技術カタログにつきましては、2にありますように、第一弾として講習、試験のデジタル化に必要な技術ということで、離席の検知でありますとか、なりすましの検知でありますとか、カンニングの検知でありますとか、こういった不正受験対策が課題になっていますので、企業から積極的に技術の提案を受けて、今募集中でありますが、今後、提案を取りまとめて試行版として公表していくということであります。
5ページにお進みいただきまして、ここまでが国が実施するアナログ規制の見直しに関する取組のご紹介でありましたが、地方公共団体の取組も支援してまいりたいと思っております。3つの課題への対応ということで、1つには親会の髙島構成員、福岡市長からもご指摘がありましたけれども、地方の規制を見直すために、まずは国の規制の見直しが必要であるということで、この点につきましては、先ほどご紹介しましたアナログ規制の見直しの中で検討を進めていくということ。第2に、条例など地方においてもアナログ規制を見直す場合の体制整備の在り方、あるいは手順でありますとか先行的な取組の事例であるとか、こういったものをまとめたマニュアルを作成・公表していきたいと考えています。11月にもこのマニュアルの1.0版ということで作成・公表したいと考えております。第3に、デジタル化に向けまして、国と地方が連携して直していかなければいけないものがあると考えておりまして、一例で言えば、地方ごとに手続のルールが異なる独自の様式のようなものが存在する点を国と地方で連携しながら見直していくということでございます。
6ページは今ご紹介しました地方の点検の見直しのマニュアルの1.0版の概要となっていますが、趣旨のところにありますように、国の法令等の見直しの考え方、それから先行団体の取組を紹介する、そして、地方団体が条例等の見直しに取り組むための推進体制、それから、作業の手順案をマニュアルとして取りまとめるということでして、ステップ1から5までありますけれども、推進体制を整備していただいた上で、3のところにありますように規制を洗い出し、我々がやってまいりましたように類型フェーズに当てはめて最終的に規制の見直しにつなげていただく、こういったフローといいますか、手順案のイメージをお示しして、役立てていただこうと考えております。
次のページをお願いします。以上を踏まえまして、年末に向けてデジタル臨調として今後重点的に何に取り組んでいくのかということでございますけれども、先ほどご紹介しました9,000条項につきましては、今後2年間で工程表を確定させまして、それからまた、法律の改正を伴うものにつきましては、法改正の具体化をしていくということ。
2点目、テクノロジーマップ・技術カタログの整備につきましては、各省で横断的な課題を抱えているということでありますが、各省ばらばらに技術検証を進めていくということではなくて、やはり横串を通して技術検証ができないかという観点から必要な支援を具体化していくということ。
3つ目、デジタル法制審査チームにつきまして、今回、臨時国会提出法案でありましたが、次期通常国会に提出される法案につきましても、デジタル原則への適合性を確認していくということでございます。
4つ目、マニュアルのほうは11月に公表し、取組を後押ししていくということ。
そして最後に、国とか地方の手続のデジタル完結に向けた取組について、経済界からも各種要望を受けておりますので、これを踏まえて加速化していくということ。
以上、デジタル臨調におけます河野大臣からの発表事項についてご説明を申し上げました。
安念副座長: どうもありがとうございました。
それでは、ただいまのご説明について何かご意見、ご質問等がございましたら、どうぞ。どなたからでも結構でございます。
稲谷先生、どうぞ。
稲谷構成員: ご説明ありがとうございました。繰り返しになりますが、全体としても非常によく進んでおられて、また、2年というふうに短縮されて非常にコミットメントを求められる中、大変だと思いますけれども、ぜひ引き続きご尽力いただければと思います。
私のほうは何点か意見というかコメントに近いのですけれども、例えばテクノロジーマップ・技術カタログの整備に関するテクノロジーベースの規制改革推進委員会の議論内容というのは非常に興味深いものでして、登先生が非常に面白いプレゼンテーションをされていました。どうやったら既成のデジタル化に活用できそうなテクノロジーが民間の方からいっぱい出てくるのか、特に技術者の方から出してもらうためにはどのような形が望ましいのかという話を中心にされていたと思います。恐らくそのときにも少し論点になった話かと思うのですが、技術者の方から色々と出していただいたアイデアに基づいて、実際に規制を変えていくという際には、その技術でどのくらい規制目的を達成できるのかという点について、法的な側面からも見ていくことがどうしても必要になると思うのです。この点については、こちらの作業部会も協力しながら進めていくという話になっていたと思いますので、私自身もこちらのほうの推進委員会にオブザーバーとしてなるべく出て情報を得ようと思いますけれども、ぜひ事務局のほうでもこの2つのグループの作業がうまくコラボレーションしながら進むように、いろいろとお力を引き続きお借りできればと思うところでございます。
もう一つ、地方自治体のほうの改革の取組は、結構この作業部会でも何度も、結局ネックになるのはここではないかという話が出てきていたように思います。やはり私が思うのは、もうお考えになっていると思いますけれども、恐らくこのマニュアルに従って準備を進めてもらうという形を取った場合、地方公共団体のほうから必要なシステムに関する要望が共通して出てくる可能性があるのではないかと思っています。そういうものが出てきたときには、デジタル原則の中でも共通基盤を作ることに関する原則があったように記憶しておりますので、その原則に則って、共通基盤を国と共に進めていくための手続であるとか仕組みのようなものを整えていただけると非常によろしいのかなと思いました。
あと、最後に法的な論点として、閲覧及び縦覧に関するアナログ規制の際にもプライバシーの観点から慎重なご意見も出たように思うのですけれども、今回の取組に法的な観点から慎重な意見が出てくるとすると、いわゆる地方自治の本旨との関係でデジタル化を進めることについてご意見が出る可能性はあるのかなと思います。ただ、個人情報保護法を一元化するときにもそんな話はあったのですが、基盤的に進めていくのだという話と地方自治の本旨を守るということは全然矛盾するわけではないはずなので、もしその辺りがまた論点になるようでしたら、ぜひこちらのほうにも挙げていただいて、みんなで知恵を出しながら説得して進めていくことができればと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
以上でございます。
安念副座長: ありがとうございました。リーガルアスペクツは残るというか、多少は出てくるのですよね。
落合先生、いかがでしょうか。
落合構成員: ありがとうございます。この件も全般的にやはり進捗が出ておりまして、それはまず感謝申し上げます。法制局のプロジェクトも今の段階でできる限り出ている法案はフォローアップしていただいているということだと思います。まず、臨時国会の中で行ってうまく常会でもたくさんの法案をさばけるようなプロセスにブラッシュアップされていくと、本当に本格的な法制局になると思って非常に楽しみにしております。
気づいた点としては、1つはテクノロジーマップの点で、講習、試験のデジタル化を通していろいろな分野で対面でというか、会場に来ることを要求されていることを一斉にオンライン利用できるようにすることがあります。これは先ほどの7項目の見直しもそうですが、テクノロジーや共通基盤をつくることによって、それに乗ってもらって比較的容易にみんな同じようにデジタル化をしていき、重複投資も避けるということは、経済的にも合理性があることだと思います。議論を進めていくに当たっても、横展開で議論しやすくなるという意味で非常に有用な取組でもありますし、テクノロジーをつくりながら規制改革をするというのは規制改革推進会議だけだとできないことだと思いますので、これはまさしくデジタル庁にいるからこそできることだろうと思います。こういったデジタル規制改革ができるということは、デジタル庁自体の価値を非常に高めているというか、デジタル規制改革の中で重要な役割を果たしていくことになると思います。作業部会の中でも講習ですとか試験の重要性に気づいたことがありましたが、またほかの案件でもこういうものに至れるものがあるのではないかということは、ぜひ作業部会のメンバーでも鋭意発掘できればと思いますし、委員会のほうから上がってくれば、法令面の話になってくる場合は作業部会がより力を発揮すると思いますので、そういった連携ができるといいと思っております。
2つ目として地方公共団体の取組の部分です。稲谷先生が先ほどおっしゃられた地方自治の本旨につきましては、昨年、規制改革推進会議で私の方で意見書を出させていただいたことがありました。様式を個別につくることが地方自治ではないという意見書を出させていただきました。そういうのも踏まえて厚労省、省令改正で一気に対応していただいている手法があると承知しています。ただ、省令で全部書いて様式に関するものを全部引き上げてしまうという手法ができる場合とできない場合があると思いますので、ここはもう少し解決の手段の開発が必要だと思います。しかし、やはり分権をするべきは政策であって、様式や細かい手続ではないということであり、これはぜひデジタル臨調でもスローガンにしていっていただければと思います。
地方公共団体との関係では、口頭では以前もご紹介したことがあったかもしれないですが、キャッシュレスの導入の手順書をつくったことがあります。経産省のほうでモニター自治体の定例会を行って、最近また更新されたので第3版になっていたのですが、いわゆるペイ決済などを窓口でできるようにするということが目的となったものです。業務プロセス全体をどうやって見直すかを書いておりまして、組織の導入イメージや、実施事例とも書いていますが、当然ながら法令上の整理などもしておりました。第3版に載っていたかどうかは分からないのですが、民法上、領収書を発行する必要があるかどうかなども自治体の方がすごく気にされていたので、それは必ずしも発行しなくても大丈夫ですよと書きました。また、例えば業務プロセスの流れとして、業務フローで決済をしても後ろのレジの奥での会計の突合が同時に業務設計がされていないと、むしろ三度手間ぐらいになったりしましたという声が幾つかありましたので、こういう辺りも考えて例えば手順も書きました。また、条例の直し方も紹介しながらでしたので、全部これがこのままできるかは分かりませんが、これは自治体向けにテクノロジーを利用してもらうときに、こういう手法でやるといいですよということをフルセットで書いたように思っております。20ぐらいの自治体にご参加いただいていたので、それを踏まえて議論していたと思いますので、何らか指導書をつくっていただくときに参考にしていただけると、参考になることがあるかもしれないと思います。自治体の現場が楽になるようなデジタル化というか、本人たちはなかなかおっしゃられないのを非常によく実感していますので、楽になってほかの仕事を適切に進めていただくことがあなたたちの仕事ですとぜひお伝えいただけるような、利用者だけ楽になればいいだけだと中途半端で終わってしまいますので、ぜひそういう形のものをつくっていただければと思っております。
以上です。
安念副座長: ありがとうございました。ご紹介いただいた見直しマニュアルはすごくよくできているので、ますますもってブラッシュアップする有力な材料になる気がいたしました。ありがとうございます。
では、増島先生、お願いします。
増島構成員: ありがとうございます。デジタル庁さんの役割で、特に地方公共団体の展開の部分でデジタル庁さんの役割としてここが担えないと物事が進まないかもしれないなと感じておりますのが、さきほど落合先生が言っていただいたように、マニュアルをつくってこういうふうに変えるんですよみたいなものはある程度やっていて、自治体さんに導入を推進していただくというのがあると思うのですけれども、アナログのルールの中で、そもそもこういうのってどうなのみたいな話を地方自治体のところできちんと議論をして、あるべき方向に進めていくという、ここがもしかすると少し難しいものもあるのかなという感じがいたしました。
そもそもこれって変だよねみたいな議論が自治体さんのレイヤーでどのぐらい勇気を持ってやっていただけるかという部分があるように思いまして、そういうものを、いわゆる法律の結構深いところをちゃんと検討して前に進めていくというファンクションを各自治体さんで持つのは結構大変そうだなという感じがします。この辺が一定程度、デジタル庁さん、もしくはこういうワーキンググループもそうだと思うのですけれども、これがご支援できますよという枠組みが、デジタル法制局という枠組みなのかもしれないですけれども、本当はそれがあったほうがいいのだろうなと感じた次第です。
以上です。
安念副座長: ありがとうございました。3先生から共通して地方自治体での取組の重要性をご指摘いただいて、これはそのとおりなのですが、さっき落合先生からおっしゃったように、やれやれと言ったって、それはなかなか自発的にやりませんね。自治体だってどんどん人が少なくなって、1人当たりの負荷がどんどん高まっているわけだから、これをやるとあなた方自身の仕事が楽になりますよ、それから窓口に来る住民のお客さんだって喜ぶのですよ、ウィン・ウィンになりますからねという実例で示していかないと、ただ単にやれといったって仕事が増えるだけだということになりますでしょうね。
そういう意味では、今、増島先生がおっしゃったように、何かしらコンサルテーションの機能があればそれは理想的だということになると思いますので、大変重要なご指摘をいただきました。
ほかにはいかがでしょうか。よろしゅうございますか。
地方自治の本旨は、一応私もロイヤーなのだから申し上げておくと、それは申し上げるまでもないけれども、書式まで違っているのは幕藩体制というのであって、それは地方自治の本旨とは何の関係もありませんね。言うまでもないことだろうと思います。
それからもう一つ、落合先生、さっきおっしゃっていた、これだけ成果が出たのはメソッドがよかったのだというご指摘をいただいて、私も全く同感です。私も規制改革には長く携わっていますが、結局何をやっていたかというと、各個撃破をやっていたのですね。個別での戦闘をやっていた。今回のデジ庁の取組はそうではなくて、カテゴリーで攻めるというほうですね。これは下準備をするのが大変なのだけれども、一度走り出すとこういう成果が上がる。こういう成果がなぜ上がったのかということの経験を言語化するというのか、それは落合先生がおっしゃったように私も大変重要だなと思いました。各個撃破というのは、攻めるほうも守るほうも主観的にはすごくアドレナリンが出ていいのだけれども、結局大した成果が上がらないままに終わったなというのが率直なところであります。だから、攻め口が非常によかったのだなという気がいたします。
事務局(大澤): 安念先生のおっしゃるとおりだと考えております。デジタル臨調における規制の点検・見直しは、類型化、それからフェーズという方法で実施してきました。横串を通して9000条項の各法令をカテゴライズをした上で、同じカテゴリーのものを横に並べてみると、横で見ているからこそ分かってくることや、積み上がった先行事例を横展開できるものがかなりありました。具体的な事例を示して、別の規制に横展開できないかという視点で各府省庁と調整をしたり、各府省庁でも事例を研究して積極的にご提案いただいたりもしました。そういう意味で横串を刺してみたところに今回大きな意義があったのだろうと感じております。
安念副座長: ごもっともだと思います。横串を刺すというのは誰でも言うのだけれども、横串をきちんと刺すにはすごく下ごしらえが大変なのだよね。それをきちんとやったというのが今回成果に結びついたのだなとつくづく思います。
どうも皆さん、ありがとうございました。大変よかったと思います。
それでは、最後になっていまいましたが、大串副大臣より一言頂戴したいと存じます。
大串座長: 本日も皆様、積極的なご発言 をありがとうございました。今日の作業部会では3つの議題、1つ目が「常駐・専任」、「対面講習」、「書面掲示」及び「往訪閲覧縦覧」に関する法令見直しの現状、2番目がFD等の記録媒体を指定する規制の見直しの検討状況、3番目がデジタル臨時行政調査会の5回目の発表事項についてご議論いただいたところでございます。このうち法令見直しについては、今後、年末に向けて工程表の内容を精査する中で、この作業部会においてヒアリング等を行うことも想定しておりますので、今後とも積極的にご議論をいただければと思います。また、フロッピーディスク等に関する規制については、年内をめどに約1,600の条項について見直し方針を取りまとめることとしております。今後、年末に向けて政令・省令の多様な規定の見直し作業を進めてまいります。引き続きのご指導のほど、よろしくお願いいたします。
近日中に官邸で第5回のデジタル臨時行政調査会が開かれる予定ですので、本日いただいた貴重なご意見を踏まえて、引き続き詰めの準備を進めてまいります。本日はありがとうございました。
安念副座長: 副大臣、どうもありがとうございました。
それでは、事務局より事務的なご連絡をいただきます。
事務局(小暮): ありがとうございます。次回の作業部会の詳細につきましては、事務局より追ってご連絡させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
なお、本日の議事についてですが、最初の「『常駐・専任』、『対面講習』、『書面掲示』及び『往訪閲覧縦覧』に関する法令見直しの現状」につきまして、ご異議がないようでございましたら非公開とさせていただきまして、それ以外の部分につきましては後ほど議事録を作成し、皆様にご確認いただいた上で公開させていただきたいと存じます。
また、本日の資料の取扱いについてです。「『常駐・専任』、『対面講習』、『書面掲示』及び『往訪閲覧縦覧』に関する法令見直しの現状」と最後の「第5回デジタル臨時行政調査会における発表事項について」、こちらを除く資料につきましては、デジタル臨時行政調査会のホームページに公開させていただきたいと存じます。
以上でございます。本日はご参加いただきまして誠にありがとうございます。
安念副座長: 第1の議題についての資料の非公開についてはご異議ございませんね。よろしゅうございますかね。ご異議ないと認めます。
それでは、第15回の会議をこれで終わります。どうもありがとうございました。