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デジタル関係制度改革検討会(第6回)

概要

  • 日時:2024年6月11日(火)10時00分から11時30分まで
  • 場所:オンライン開催
  • 議事次第:
    1. 開会
    2. 議事
      1. 「テクノロジーベースの規制改革」の進捗及び当面の進め方
      2. 7項目等のアナログ規制見直しフォローアップ状況及び行政手続のデジタル完結に向けた工程表のフォローアップ状況
    3. 閉会

資料

議事録

事務局(黛): それでは、皆様おそろいになりましたので、第6回デジタル関係制度改革検討会を開始いたします。

今回も構成員の皆様にはオンラインでご参加いただいております。

また、本日の出欠状況ですが、岩村構成員、上野山構成員はご欠席と伺っております。

それでは、本日の議題についてご議論いただきます。以降の議事進行につきましては、座長にお願いしたいと存じます。安念先生、よろしくお願いいたします。

安念座長: 黛参事官、どうもありがとうございます。皆さん、おはようございます。

早速議論に入ります。本日の議題は次の2件です。第1「『テクノロジーベースの規制改革』の進捗及び当面の進め方」、第2「7項目等のアナログ規制見直しフォローアップ状況及び行政手続のデジタル完結に向けた工程表のフォローアップ状況」、以上の2件でございます。

それでは、まず第1「『テクノロジーベースの規制改革』の進捗及び当面の進め方」について、須賀参事官よりご説明をお願いいたします。

事務局(須賀): おはようございます。よろしくお願いいたします。

資料1『「テクノロジーベースの規制改革」の進捗及び当面の進め方』をベースに説明しますが、参考資料として資料1(別紙1)「令和5年度の技術検証事業一覧」をお配りしています。事務局の側で抜粋したものですが、適宜参照いただきながらお聞きいただければと思います。

1ページでございますけれども、これは5月24日にテクノロジーベースの規制改革推進委員会でご議論いただいたものから時点更新をした資料です。

2ページです。全体の進捗を簡単に振り返らせていただきますと、アナログ規制改革の工程表などを各省に作っていただく中で、技術にアナログ手法の代替可能性がある、もっと使える技術があるはずだと言われても本当にあるかが分からない、どういうものかが分からない、たとえあったとしても安全性や実効性という観点でしっかり検証しないと、特に安全規制のようなものはいきなり規制緩和というわけにはいきませんというご意見が多かったものですから、デジタル庁でご希望のある規制所管府省庁などにお声がけをして、一緒に技術検証をやってみていただくことにしました。

その間、昨年10月にテクノロジーマップの初版を公開しておりまして、かなりページビューを稼いでおります。また、マップに掲載した技術ラベルに対応する実際の製品やサービスをカタログの形でホームページにお出ししております。現在、まだ多少、検索性などを含めてUIがいまいちなのは、デジタル庁のウェブサイト全体の制約によるところも多いので、今年度、さらにそこは改善をしていきたいなと思っているところです。

5ページからが技術検証事業の振り返りでございます。32事業の中には、右側の規制所管府省庁のところに挙げていますが、経産省、国交省、内閣府、それから環境省、大分県、農水省、総務省などにご参加をいただいて府省庁横断的にやって参りました。

6ページ以降で、幾つか興味深かった技術検証事例を事務局でピックアップしてご紹介させていただければと思います。

まず、類型3で一般財団法人日本建築設備・昇降機センターに、ジェットコースターや観覧車の目視点検をドローンなどで代替できないかということを検証していただきました。検証の結果、人が検査をするのと同等以上の精度が確保できると結論づけていただきました。さらに、高いところですと足場を閉園後に設置するような作業が入りますので、そういったことを考えるとコスト面でも効率的だということが立証されました。

それから、その下の綜合警備保障株式会社の案件は河野大臣に現場の視察まで行っていただいたのですけれども、これはマンションの外壁検査などを有資格者が目視点検する義務がかかっているところ、有資格者が遠隔でドローンなどが撮った画像を見て判断をする。そうすると高いところなどは特にドローンが真横まで飛んで行けますので、より精度の高い画像で確認いただけるということも含めて、有資格者が全国のマンションを飛び回るというところが人手不足でボトルネックになっているところ、移動を不要にできるという効果が確認されたというものでございます。

それから、一番下の株式会社NTTデータですけれども、水害が起きたときの家の被害認定調査というのは現地に行かなければいけないという規制になっているのですけれども、これを空撮した画像で代替できないか。空撮をした画像から浸水の範囲や浸水の深さが床上1.8メートル以上ですと2階までで全壊判定になるらしいのですけれども、こういったものの判定を一括で画像から行うことで効率化・迅速化が可能という結論が示されておりますが、自治体の方にシステムを運用していただかなければいけないところが課題として抽出されております。

7ページに参りまして、再び一般財団法人日本建築設備・昇降機センターなのですけれども、この方々は大変面白くて、参考資料を見ていただきたいのですが、実は検査の後に、この条文を具体的にこう変えてくださいという提案まで出していただいた唯一の事業者になります。改正の内容は「目視」を「目視等」にするという極めて単純なことなのですけれども、9か所やってくれということを具体的に今回の検証結果を踏まえてということでご提案いただいております。こういう技術と法律を行ったり来たりできる事業者がいらっしゃるところはやはり強いなという感じがいたします。

7ページに戻りまして、一般財団法人日本建築設備・昇降機センターの2つ目の事例なのですけれども、今度はまさにお名前のとおり昇降機、エレベーターの定期検査において、現在は人が乗って検査をしているが、ブレーキやスイッチの作動状況などの判断を遠隔で精度高くできるかということを確認していただいています。特別な仕組みではなくて汎用品を使って、しかも検査期間を短縮してできるということが確認されたということで、さらに実物を触らなくてもツールの操作のみで検査ができるので、検査員の方の安全性も向上するという評価が出ております。

その次が理研計器株式会社にやっていただいたガスの検証ですけれども、これはどういうガスが発生しているかということを一日1回測定することが義務づけられているところ、独自の熱量計を使うことで常時監視に代替できないかという検証です。この精度が満足できるレベルで測定可能であるということが確認され、かつ、長期にわたってその精度を維持できることも確認されたという事例です。

それから、同じページの下の方に参りまして、株式会社モルフォAIソリューションズの事例です。これは大分県が持ち込んでくださった事案でありまして、大分県企業局の発電所の職員の方々が、委託事業者と一緒に水力発電所の巡視を行っています。何をやっているかというと、アナログな計器がいっぱい貼り付けてあって、その数字を目視で読み取っているところ、この巡視業務を遠隔化できないかということにトライしていただきました。83.7%で読み取り成功、さらにその読み取りできた数値の誤差は0.7%ということで、人が現地に行ってやるのと同等の誤差でしたということが確認されています。課題は計器がある場所が暗いときでありまして、そこは何らか照明設備を設置するなどが必要そうだというのが課題として提示されています。

それから、7ページの一番下ですけれども、パーソルプロセス&テクノロジー株式会社は消費設備・製造設備の点検を一部プロセスで無人化したいということで、ドローンやカメラなどを使って検証していただきました。撮影の角度や距離の確保が大事なので、そこの微調整スキルが必要そうだけれども、工場の中の設備の点検は潜在市場が大きいので、ここはさらに投資をする価値がありそうだとのこと。今回、高圧ガス取締法のほうで検証していただいたのですが、高圧ガス保安法の定期自主点検にも横展開が可能だと提案をされています。

それから8ページですが、株式会社NTTe-DroneTechnologyは、南極の環境を目視によって観測、あるいは実地調査するという規制がございますけれども、寒い場所においてドローンで代替ができるのかという主に気象条件の観点から検証をしていただきました。人工気象室でマイナス40度を実現したり、北海道の雪の時期にわざわざ飛ばしてみたりということをやっていただきまして、動作自体は問題ない、つまり技術は問題がなく、人の調査よりも効率がいい場合もあったということでした。さらに、これは人が撮るよりも撮った後のデータが残りますので、これがモデル化したり俯瞰する画像が撮れたりということで人がやるよりも付加価値が高いということまで書かれていました。

その次が、また大分県が一緒にやっていただいた最大の5社共同実証でございますけれども、特定保護樹という木の指定をするときに実地調査の義務がかかっておりまして、これがデジタル代替できるかということを検証していただきました。指定に必要な情報は十分に遠隔で収集できるということでございましたけれども、樹種の判定などを自動判定できるかということで言うと、今は学習データが圧倒的にまだ足りないということでありました。ただ、これは大分県だけでやる必要はなくて、全国のデータを蓄積していけばいいわけですから学習データの問題は時間が解決すると思います。あとは木が傾いていないかということを常時監視することができるということも示されましたが、まれに通信障害がネックになり得るということでした。今後様々なアナログ作業をデジタル代替しようとしますと、通信と電力が途絶した場合というのが、特に常時監視でありますと必ず皆さん共通でネックになります。通信と電力はインフラとして非常に重要性が上がっているなという感じがしております。

それから、同じページの一番下でKDDIスマートドローン株式会社はいろいろな条例にまたがって検証していただいたのですけれども、国立公園などで厳しい環境や複雑な地形、暗いところなどでの動物の生息状況、公園の利用状況、これは駐車場がどのくらい埋まっているかなども含めてですが、そういったものを様々現地に行かずにおおむね情報を取得できたということをおっしゃっていただいております。課題として、これも面白いのですが、ドローンを飛ばしていたら鳥類の忌避行動が生じたケースが見られ、環境への影響に留意するべきとのこと。あとはLTEの通信網の拡大、カメラの消費電力と、ここでまた通信と電力が出てきますが、そういったところが今後の課題ということが特定されています。

9ページは、カメラやリモート監査システムなどを使った、システムや設備の遠隔検査の検証事業の詳細をご紹介しています。

10ページの一番上は、実証類型9のDataLabs株式会社です。その下にシャープ株式会社と清水建設株式会社が共同実証していただいているものがありまして、ほぼ似たような内容でやっていただいています。これは検査員が現場で目視や手作業によって建物の中にコンクリートで埋まってしまうような配筋の検査の業務を行うということでありまして、これをレーザースキャナーで点群データから3Dモデル化するというのが上のものです。下の前田建設工業株式会社もカメラなどで撮影をして3Dモデル化をするという手法でやっていただきまして、どちらも代替可能な部分があると言われております。さらにシャープ株式会社と清水建設株式会社は十分な計測速度で適合性があるし、従来の方法と比べて作業の人数が50%減る、それから作業時間も63%短くなるということまで分かっております。ここはかなり効果が高そうだということであります。さらにこのデジタル化することの付加価値ですけれども、3次元データがモデル化されることによって検査・点検、修繕管理みたいなところにBIMを活用するというところの道が開けてくるのではないかということです。たくさん写真を撮ってどこのものだか分からなくなるのだけれども、場所を管理しながら保存するみたいな業務も要らなくなるということで、このモデル化はかなりの効果があると考えています。

さらに、シャープ株式会社と清水建設株式会社の事例で興味深いのが、3次元データとBIMデータを比較して確認するという方法が非常に配筋検査の適合性判定に役に立つ可能性があり、今後将来的に必要になるのではないかということまで、つまりこれは規制をある意味アップデートして強化をする、そして精度を上げていくという可能性まであるのではないかということもご指摘をいただいております。

それから、11ページは環境計測株式会社が鉱山で漏れてきた坑廃水の処理などをするときにセンサーで常時監視体制を構築するということをやっていただきまして、電源と電波がやはりまた必要になるということが書かれているのですが、これによって現地の作業も定期点検の周期が延長できる、現地に行くのが週に1回ぐらいでよさそうだということが分かってきました。さらに、人手による水質検査の代替は可能であり、課題は教師データであるという非常に典型的な結果を出されております。

12ページですが、一番下の日本電気株式会社と一般財団法人電気工事技術講習センターで、顔認証を使って不正、なりすましなどの不適切行為を防止できないのかということを主にチャレンジしていただきました。試験なり講習する側からしますと、ここの要望が一番高いのですね。居眠りなどの不適切行為の疑義の検知率は99.1%で、適切な評価の基準98%を十分上回りましたということです。本人確認を自動化していくとか、不適切な行為を検知したときに講習コンテンツが自動で停止するような措置というのが今後重要になるのではないか、というご提案までいただいております。

13ページですが、以上の技術検証の事業をまとめまして、いろいろと幅広いご示唆があったのですけれども、まずデジタル技術を使うことのプラス面とメリットということでは、とにかく精度が緻密になりますということ。今まで人ができなかったようなところが見えたり撮れたりしますということ、それから検査員の方々が高齢化したり人手不足もある中で特に高いところに行くような場合に安全性が圧倒的に向上します。それから、時間とコストのところはどちらもありまして、コストが上がる面と圧倒的に人的コストが圧縮できる面がございます。特に時間の削減ということがよく効果としては見られたということです。

他方で、デメリットというか、今の時点で導入に踏み切れないことも含めた課題ですけれども、まず技術が十分に流通していない、まだ開発段階であるというものがそれなりにありました。それから、新しい技術を使おうとすると、新たな承認手続などが生じてこれがオペレーションコストとなるということ。技術自体が単純にまだ普及していないこともあって高くなってしまいますという話。それから学習データが足りませんというのが一番下で、AIの自動判定をやろうと思ったけれども思ったほど精度が出なかったという事例が結構ありました。学習データなどは蓄積していけば解決できると思うのですけれども、コストのところは、メリットがあるのであれば、高い検査でもしっかり精度高い検査を優先してやってくださいという規制の在り方というのも考えられるのではないかという意見がテクノロジーベースの規制改革推進委員会のほうではございました。

それから、14ページから、技術検証の事業をそれぞれマップに置いてみるというマニアックなことをやっております。これはちょっと眺めていただければ十分なのですけれども、5ページに分かれて32事業それぞれがどの分野でどういうテクノロジーを実証していただいたのかということが見ていただけるようになっております。

さらにそれを踏まえまして、19ページまで飛びますが、全体をマッシュアップしまして、マップの上で今まで私たちが把握していたテクノロジーの可能性と比べてさらにここも使えそうだということで追加的に明らかになったような部分を赤枠でお示ししております。黄色くハイライトしているテクノロジーはそもそも私たちがマップに載せられていなかったものを今回の検証でご提案いただいて追加したものになります。

20ページは、縦軸が2種類目のパターン2になっているだけで中身は同じでございます。

以上が検証の概要まとめでございまして、21ページが、私たちが非常に気にしていたもので、有効な提案がなかった類型というのがございました。これは全体460のうちの41条項ですから8.9%に当たるものに有効なご提案がなく、さらに2次公募をしても出てこなかったというものでございます。何か改善すべき点があったのかどうかということを相当しつこくヒアリングやアンケートで追いかけてみました。22ページですが、結論として、技術は一定程度ありそうなものや、潜在的に提案が出てくる可能性があったものもあるのだけれども、多くの場合は市場が小さそう、つまり技術はあるのだけれども、そんな特殊な検査のために開発をしてもそこから広がりがない。検証範囲が特殊な環境だから市場が広がらない。地面の下や一般家庭の中、船の上などのセンサーを常時設置するのが難しいような場所ですと、なかなかデジタルのよさを生かし切れない。先ほど工場の中の設備点検は潜在市場が非常に大きいという話がありましたが、そういうことも見ての参入判断なので、テクノロジーマップ的なアプローチで言いますと、やはり規制所管府省庁がいくら規制を空けてくださっても、市場に広がりや転用可能性がなければ有効な提案がなされないというのは、それはそうだなというのが一番大きなラーニングでございました。

それ以外で言いますと、性能というのをエラー率なども含めて詳細に規制所管府省庁が規定してくださればくださるほど、当然検証はしやすいわけでございます。性能基準の具体化に向けては公募の際に相当コミュニケーションさせていただいて、規制所管府省庁の方にも明文化の努力をしていただいています。とはいえまだよく分からなかったというご意見も幾つか聞かれました。あとは、単純に私たちの事業の在り方として提案期間が短かったとか、そんな急に言われても社内でリソースが集められなかったというロジ的な面も幾つかございました。

ということで、全体として大きな改善すべき盲点があったかというとそういうことでもないようでした。あとはもともとは、規制所管府省庁自体は規制を開放してぜひ新しい技術を求めたいとおっしゃっていて、技術が出てきていないところを私たちが何らかマップで表示することで、お役に立てる可能性があるのかなという仮説を持っていましたが、そうでもなさそうということで、代替技術ニーズのある領域のテクノロジーマップはまだ作れなさそうということで、一旦、作成を見合わせたいと思っております。

以上が技術検証のご報告でございました。

続いて24ページですが、技術カタログも既に公募が全部終わりまして、一通り私たちが掲載をしておきたいと思った初期的な項目に対応した技術カタログは今、ネットに載ってございます。

25ページ、スタートアップの企業もかなり応募いただいていまして、SU企業というのがスタートアップの企業の件数でございますけれども、かなりの割合で技術カタログに載っていただいています。スタートアップの方々がデジタル庁のホームページに製品が載っているということで営業に使われているらしく、ニーズがあるようでして、今もまだ公募は続いているのかといって、引き続き掲載希望が送られてきているという状態にございます。

26ページからは、技術カタログの公募結果の取りまとめをしております。41件とか、59件など、たくさん応募いただいてありがたく思っています。セキュリティのところで独自基準で脆弱性検査をしていますとか、脆弱性検査をそもそもやっていませんということが回答としては多く、最低限このぐらいの国際基準に沿った脆弱性検査はしてほしいということがテクノロジーベースの規制改革推進委員会の中では聞かれました。

あとは、外国企業の場合に、技術を使って何か損害が生じたときの賠償額を聞け、あるいは免責がどうなっているか、引き当ての財産があるかということを聞けというご指摘があってカタログの質問項目に入っているのですが、ここはほとんど賠償しないという方が多いです。利用者の救済に充てる責任財産も非公開希望というのが1社あっただけで、回答がそもそもないところもありました。

28ページは、技術カタログに載せている件数に加えましてカタログ公募にあたって問合せだけでも600件近くいただいておりまして、そういった技術保有企業との会話の中で学ぶこともたくさんございました。

29ページは、先ほど冒頭にご紹介した技術検証の結果をしっかり技術カタログにも載せようという取組です。技術検証に使われた技術は、ある意味で最も高い精度で使える確率が高い技術群であります。30ページでございますけれども、検証結果を踏まえて新たに必要となりそうな要件というのも追加して技術カタログの反映を進めておりまして、現在、32件のうち23件はカタログにも載せますと言っていただいております。今、7割まで来ましたが、実は先月末の段階では半分でしたので、さらにこれから話が進むかもしれません。

31ページからがポータルサイトでございまして、テクノロジーマップが今はPDF形式で載ってしまっているものをもう少し利用性を上げていきましょうということで、初めにやりましたのは、デジタル庁のホームページの中でできることとして利用規約への同意をポップアップで確認するということと、それからマウスオーバーをしますと各項目の説明が出てくるような機能を藤本CTOにご尽力いただいて追加しております。

さらに33ページは、技術カタログが今はExcelで載っているのですが、もうちょっと検索機能を上げてほしいということで、今、フリーワード検索やフィルタリングはできるようにしておりますけれども、さらに拡張性を高めていきたいなと思っております。

それから、35ページ以降はコンソーシアムでございまして、おかげさまで現在、参加者が460名になっています。37ページですけれども、特にこの参加者の伸びに何が寄与しているかというと、一番好評なコンテンツが、RegTechミートという小さいイベントで、自治体の方などのこういうところに悩みながらこういうふうに技術を使っていますという経験談をシェアしていただくオンライン集会です。それによってコンソーシアム参加者が増え、さらにアクティブ参加率、コミットも上がっており、ありがたいことでございます。

以上がコンソーシアムのご説明です。

46ページは、デジタル臨調にはじまる全体の作業の中で、我々は黄色のところを今後さらに強化してやっていくというご説明をしておりましたけれども、「検証済技術を順次カタログ掲載」と赤字で書いている部分はもう既に始めているというのが今回のご報告でございました。

47ページでございますけれども、最後に今年度これから注力していくことをご説明いたします。RegTechミートでもご要望があったのですが、地方公共団体がたくさん規制を細かく持っていらして、そこにニーズの広がりもあるということであります。今回は2つ抽出をしまして、町田市と、建築設備の定期点検にセンサーを使えないかということを、建築基準法上の規制ということで国土交通省にもオブザーバーで入っていただいて一緒に検証していこうと思っています。

それから2つ目、「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」という告示・訓令のレベルで決まっていることが現場の技術活用の可能性を狭めているという事例を埼玉県がご提案くださいました。公共用地を収用するときには補償額を算定しなくてはいけないのですが、そのときにわざわざ現地に行って調査をしているのをLiDARなどのデータを使って簡略化できないかという検証をやってまいりたいなと思っております。

48ページは、先ほどご説明したとおり技術カタログやポータルサイト、それからコンソーシアムも今後少しずつてこ入れして改善していきますということで、最後の49ページにスケジュールを載せさせていただいております。

櫻井さん、最後にもし一言あれば、簡単にお願いします。

事務局(櫻井): デジタル庁で技術検証を主に担当しておりました、櫻井と申します。

技術検証については須賀参事官からご説明いただいたとおりかなと思っておりますが、32の事業について実証事業者、弊庁、間に入って支援いただいた三菱総研、所管府省庁をはじめかなりの数の関係者の方にご尽力いただいており、最終的に成果を報告書としてまとめ上げていただいております。ご興味のある方は弊庁のウェブサイトにもより詳細なものなどが公表されておりますので、ぜひ見ていただけますと大変参考になる情報もあるかと思っておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。

ありがとうございます。

事務局(須賀): ありがとうございました。

以上でございます。

安念座長: 須賀参事官、櫻井さん、ありがとうございました。

去年11月、RegTechDayというのを結構きらびやかにやって、私もお話をする機会をいただきまして、テクノロジーマップというものがあって面白いですよという話をして、そのコンテンツである技術カタログをどんどん埋めていきますと言いました。そのときは本当に埋まっていくものかなと率直に思いながら埋めていきますと外向きに言ったのだけれども、しかし本当に埋まってきたなというのが実感ですね。

事務局(須賀): おかげさまで、ありがとうございます。

安念座長: それと、エスタブリッシュされた例えばNTT関係の企業さんから出てくるのは想定の範囲だったと思うのですけれども、こう申しては失礼だけれども、私などでは名前も聞いたことのないような企業さんからこんなことの技術開発を進めたり、こんなことを考えておられるのだなと思って、何か非常に心強いものを感じましたね。

それともう一つ私がよかったなと思うのは、手挙げがなかった分野についてはどうしてなのかについても分析しておられて、これも非常に大きな教訓が得られましたね。当たり前といえば当たり前なのだけれども、企業である以上スケーリングができないことはやれない。そのスケーリングにどうやってつなげていくのかということもこれからの課題なのだろうなと思って拝聴していました。本当にどうもありがとうございました。

それでは、稲谷構成員よりお願いいたします。

稲谷構成員: ありがとうございます。

まず、座長がおっしゃっていましたけれども、私もこの資料を拝読して驚愕したというか、めちゃくちゃ興奮してすごいなというのが最初の感想です。ここまでできるんだというのが本当にびっくりしたと同時に、ここまでできるのだったらこの先も夢を見たいなと非常に思ったというのが最初の感想でございまして、先ほどもコメントにございましたけれども、本当にここまでよく皆さんまとめていただいたなという、本当にすごいなというのが率直なところです。ぜひこれは今後も進めていかなくてはと思いました。

既に須賀参事官から幾つかこの点が課題になったというところも含めてコメントがあったところですし、私の感想めいたものもその点と重なってくるところが結構あるのですけれども、順番に気づいた点について少し申し上げたいと思います。

まず、性能基準をどう具体化していくのかに関する考え方の問題です。特にその際のリスク評価、あるいは再評価も必要になってくる可能性があるということもおっしゃっていたと思うので、そのためのシステムというか、プロセスというか、やり方については恐らくどこかの省庁が一個でやるというよりは省庁横断的に考えていかないといけない枠組みになってくるのだと思います。AIなどの先端技術をどんどん活用していくということになると、リスク評価の枠組みやプロセスも省庁横断的に考えていかなくてはいけないのだろうなということを感じました。

今まで日本の中で規制をつくっていくときに、こう申し上げると失礼かもしれませんけれども、何か具体的な事象が起きてそれに対する手当てみたいな形で規制をいっぱいつくってきたというところがあるのに対して、恐らく今後の規制の考え方はよりEBPMのような、要するにエビデンスに基づいて、きっちりデータに基づいてやっていこうという考え方がどうしても必要になると思います。その際の枠組みであるとか、特に費用便益分析のやり方というものを、どうしてもこの種の規制の問題になると省庁の側の国賠の問題なども視野に入れて考えなくてはいけないところもありますので、そういった辺りの問題等も整理しながら進めていく必要があるのだろうと思います。その際、私も須賀参事官と一緒に入らせていただいた自動運転のためのルールづくりに関する話で出てきた論点などもうまく整理しながら、場面に応じて、適切に費用便益分析を使いながらやっていくということは考えなくてはいけないのではないのかなと思いました。

あと、この種の規制をやるときに、「同様に」の解釈をどのように考えていくのか、つまり人に代替するときに同様のレベルなのだというのですけれども、その同様のレベルもリスクベースで考えていかないと、きっと非常にどこかで詰まることになるのだろうと思います。

今回、一つ面白いなと思ったのが、たしかテクノロジーベースでやられるときに認知、判断、実行みたいな機能分解をいただいた記憶があるのですね。私は、機能分解はとてもいいことだと思っていて、今回面白かったのは、ここは人間以上だけれどもここは人間未満かもしれないとか、いろいろそういうフェーズごとに出てくるところというのはあると思うのです。そのときに、フェーズごとに一個一個規制をつくり直すやり方もあるのかもしれないのですけれども、逆にそれはコストがすごくかかるのだという話になってくるとします。そうすると、セットで見たときにこの部分とこの部分で、リスクで評価していくと全体としてはプラスか同じになっているからいいよねみたいな、パッケージで見ていくみたいなやり方も横展開を考えたときに必要になる場面とか、あるいは横展開ということになるとほかのところで活用するのにも持ってくるということになるので、ますますそういった場面は増えてくると思います。その種の考え方、パッケージで見た際のリスク評価の方法についても少し検討してみても面白いのかなと思いました。

今回、実証事業の中で定量的にいろいろな評価をされているものがいっぱい出てきていて、私はそれもすごく感激していて、これだよという感じだったので、こういうものを活用していきながら規制全体の合理化・定量化みたいなものも目指していけると非常にいいのかなと。ただ、ここもやはり先ほどと同じですけれども、横断的に考えていくことがどうしても必要になるのかなと思います。

それから、技術的な検証の観点から実証事業者さんのほうから法改正や規定を直したほうがいいのではないかという提言があったというところも私は非常に重要な問題だと思っています。技術の進展速度が高くなってくると、現場ではこういうことができるのに、ここの規制が気になってなかなか使えない、受け入れてもらえないという問題はこれからもっともっと出てくると思うのです。そのときにこういう提言をやっていただくということは、マルチステークホルダーとよく言われますけれども、クイックに規制を変えていく上ではそういった声をちゃんと汲み上げていくことは絶対必要になってくるので、そこをどうやって今後活用していくのかということも考えなくてはいけない。つまり、こういった事業もそうですし、ふだんの本当に普通の業務の中からそういった声を出してもらうということをエンカレッジすることも必要だし、その観点から見た場合には、省庁の側でもこういった提言をいただいた場合にそれをどうやって取り込んでいくのか、対応するのかということについても体制整備というものを考えていく必要があるのかなと感じました。私としては提言のインセンティブがそがれてしまうのが一番もったいないと思うのですね。せっかく真摯にやって、ここはもっと活用できるのにと気づいてくれて、それで全体がよくなる可能性があるのに、せっかく提言したのに何も返ってきませんとなると非常にかわいそうなことになると思いますので、その辺りのエンカレッジとコミットメントを高めていくような仕組みというものも少し考えていかれるといいのかなと思いました。

それから、事業全体として、これはもう皆さんがずっと進めてこられたこととも関係するのですけれども、通信基盤を強化していくでありますとか、あるいはデータ共有、連携基盤のインフラ的な側面を整備していくということの必要性も今回明らかになっていると思いますし、それから、これも横展開と関係すると思うのですが、業界や企業を横断してデータを共有する、連携していくという仕組みを、せっかくウラノス・エコシステムみたいなものもつくろうとしているわけですけれども、そういったものを活用していくことによってまさに眠っていた需要みたいなものに気づいてもらえる可能性も今後出てくると思うのですね。なので、その辺りというのも進めていくことが必要だと思いますし、導入・運用費用が高いとか、市場が見つからないという問題というのは前も少し議論になったかもしれませんけれども、その部分でせっかく性能を高めて安全性をより高められる、ひょっとすると潜在的に市場が大きいのではないか、あるいはその正の外部性が大きいのではないかみたいな話になった場合には、政府で支援するということも視野に入れた上で、今はコストが高いかもしれないけれども、中長期的にはこれだけ下がるのだからやはり促進していくべきではないかみたいなタイプの費用便益分析みたいな議論もやっていく必要があるのかなと思いました。

それから、本当にいっぱいあってすみません。めちゃくちゃ刺激されて興奮してしまっているのですけれども、承認手続に関してのコストというのもデジタル完結できるように、この部分を進めていくこともきっと大事なのだろうなと。こういった事業をやることによってここのデジタル完結を進めるとボトルネックを解消できるのではないかみたいなことが見えてくることがあると思うのですね。ご指摘があったドローンの飛行区域の承認などに関しては、これは海外の事例ですけれども、いわゆるオークション理論などを使って飛行可能区域を自動的に振り分けるアルゴリズムを走らせるということを実験的にやっている国なども、スイスだと思いますけれどもあったりするので、これもReAMOなどでひょっとしたらやられているのかもしれないですけれども、そうした方法に関する開発実証事業というのも活用されていくと、もっと進んでいくのだろうなと思いました。

セキュリティに関してはご指摘のとおりかなと思います。ここはもう少し頑張っていただいて、信頼できる統一的な基準をつくっていく。その際には責任法の考え方や規制の考え方なども同時にやっていくということは必要なのかなと。
あとは、事故の際の法的責任の所在や責任法の執行可能性について少し気になるコメントも寄せられているところかなと思いますので、その辺りもこれまでの議論の蓄積を利用しながら横断的に整理していく必要があるのかなと思いました。
いろいろと散漫に申し上げましたけれども、全体として物すごく進んでいて感激しているというのが私の現状でございまして、いろいろ申し上げましたけれども、ぜひ前向きにご検討いただければありがたいなと思います。
私からは以上です。ありがとうございました。

安念座長: ありがとうございました。

稲谷構成員、興奮しているでしょう。

稲谷構成員: めっちゃ興奮していますね。めちゃくちゃ面白いです。

安念座長: それはよく分かります。無理もないです。僕も興奮したもん。

稲谷構成員: これはやはり法学者としてはすごい時代になったなというのでめちゃめちゃ面白いです。

安念座長: テクノロジーがレギュレーションを変えていきますね。

稲谷構成員: そうなのです。すごいことです。

安念座長: 落合構成員、お願いいたします。

落合構成員: どうもありがとうございます。私も何点か申し上げたいと思います。

まず全体としては、稲谷構成員が申し上げられていて、安念構成員もご賛同されていたように本当にすばらしい成果が上がってきているなと思っております。RegTechという話も横断分野でここまで網羅的にやられている国というのはなかなか少ないのではないかと思いますので、ここと同じようなテーマに関する取組で言えばかなり先に進んだ整理を重点7項目で、フロッピーを入れると8項目だったかもしれませんが行われていると思いました。フロッピーの部分は遅れていた箇所でもありともかくとしても、そのほかの部分については特にすばらしい取組になってきているということだと思っております。

一つ、今回の実証を進めていく中でいろいろ課題などが出てきている部分はありますけれども、まず全般的にはテクノロジーベースで見直しを横展で行ったという着眼点が極めてうまくいったといいますか、その実例をしっかり示してつくることができたということが何よりすばらしかったのではないかと思います。情報通信技術自体はこういった横展でどの分野でも使えるという話につながりやすいというところがありますので、そのほかの技術分野以上にこういう形での横断的、包括的な見直しにそぐいやすいテーマだと思います。今回は7項目という話であったわけですけれども、また次に何か課題を見つけてきた場合に同じような形で取組をしていったほうが、要するに規制改革推進会議や国家戦略特区で個別論点ごとに議論しているだけではなく、テクノロジーとしてはこういうものを使えるという検証を先に行った上で横断的に見直しをしていくことが社会的にかなり効率が高いということが分かってきたということだと思います。ぜひこの委員会で行われていることにとどまらず、ほかの場面でも主導していただいたデジタル庁や経産省の方々が関わられたりするときに、また同様のスキームを思い出して使っていただくことにつなげていければと思っております。

その上で、13ページの令和5年度の技術検証事業で示された結果についてですが、精度の精緻化が出たことは非常によかったと思っております。安全性の向上も含めて人が行ったほうが得意な部分と技術・AIなどを使って行ったほうがいい部分というのが両方あるということが明確になってきていると思います。それは今後の人口減少社会における規制改革という意味では極めて重要な視点になってくると思います。こういった有用性は、しっかりと、一層普及啓発していただきたいと思います。

一方で、コストの部分をどう整理するかがあろうかと思っております。有用性のほうでも時間コストの削減があり、一方で技術活用に当たっての留意点・課題でもコストというところが出てきています。これと、最終的にプラスとしてカウントしていただいている人を削減するという部分と技術運用の工数、また、ドローンの飛行手続承認のような規制対応コストの部分も含めてどちらのほうが費用として合理性があるか、という話になってくる部分が実際のテクノロジー利用に当たっては重要な要素と思います。規制の対応や運用にもコストがかかることが明示的に出されること自体が重要だと思います。実際規制の目的と本当にそのコストとバランスが取れているのかどうかは、純粋な規制改革の見直しの点においても今後、検証されていくことが重要ではないかと思います。また、テクノロジーを利用して規制対応するかどうかというのを個別の方に決めていただくに当たっても極めて重要な考慮要素になると思いますので、そういう意味ではぜひこのコストや、規制との関係、技術との関係はさらに今後も分析をして、来年度以降もいろいろ議論を進めていただくということだと思いますので、そういった中でより深めていっていただけるといいのではないかと思っております。

また、22ページで有効な提案がなかった類型というお話もございました。ここは少し前の回でも議論していたような市場性の部分が非常に重要なのだろうと思います。一方で、市場性自体も技術の進展によってといいますか、完全に代替しようと思ったりするとなかなか難しかったり、その分野に合わせようとするとどうしても難しいことがあるので、そのまま使えるようになると利用の見通しが見えてきたり、ほかの技術との組合せで利用できるようになったタイミングで非常に爆発的に広がる可能性もあるとは思います。単純な現時点での市場性自体はしっかり認識はしておいた上で、ただ、後で現実に使われる可能性が出てくることもあると思いますので、実際にはいろいろなデジタル技術自体も国によってはなかなか使いにくいので最初に広まっていなかったけれども、しばらくして色々と使いやすくなるような感じで環境が整ってくると、さらにいろいろな国でも利用できるようになるということはあるかと思います。日本の中だけで見てもそういう部分はあろうかと思いますので、どうしてもタイミングがうまく合わないと技術の最終的な活用に至らない場合はあるとは思うのですが、これは着眼点としては間違ってはいなかった話ではあると思いますので、それでもこれはこれでしっかり見直しをして、ちゃんと将来のための可能性に投資したという意味では有意義な側面もあったのではないかと思います。

最後に、RegTechコンソーシアムで活動が活発になってきたということは極めてすばらしいことだと思います。こういったコミュニティーをつくる、特に先端技術の関係でつくっていくということは、なかなかこれまでの日本の中でできていなかったことであります。一方で、例えばFinTechなどでも必ず英国であったり、シンガポールでも政府の周りにそういうコミュニティーをアクセスできるようにつくっておくということは、政策を進めていったり関係するビジネスを進めていく上で、コミュニティーを極めて重要な役割だと捉えて活動されていると思います。そういう意味では今回の取組は非常にすばらしいものだと思いますし、特に当初のデジ臨の関係で言いますと、主要経済団体を巻き込んでいただいていたこともすばらしかったと思っております。ですので、技術を提供したりという側の方もそうですし、また今後も機会を見つけて岩村構成員の経団連や、同友会からもぜひまた要望を改めていろいろ集めて、今後の活動に反映することはぜひ進めていただければと思っております。

私のほうは以上です。

安念座長: ありがとうございました。

増島構成員、お願いします。

増島構成員: ありがとうございました。

僕はプランニングから実装までのクロスオーバー、ここで結果にコミットするということが一応ポリシーなので、その観点から今回のご報告を見て感じたことや、幾つか気づき事項がありましたので、少しそこをお話ししようかなと思います。

なるべく実践を広めていくという観点で業務なりいろいろなところで実際の民間の人たちに会っております。セグメントとしては大きくスタートアップと大企業と若い人の3つにセグメントしまして、それぞれに規制をどうにかする、ルールをつくるということに興味のあるコミュニティーと一緒に動くという活動を今しています。問題意識を共有してくれて、実際に動けることとしてどんなことがあるかという話になっているときにお勧めしているのが、RegTechコンソーシアムにぜひ入ろうよというご案内を差し上げておりまして、ここは技術の人などがルールに関われるなかなか面白い場所なのだよみたいな話をして入っていただいたり、あとは投資などをする人たちもここで規制のどんな技術が使えるかという情報が手に入るとか、いろいろなことを言って、いろいろな属性の人たちをここに呼ぶという活動をしています。

今日見せていただいたところでありますと、人数も順調に増えていらっしゃるということですので非常にすばらしいなと感じていますし、まだ属性がもう少し多様な形でいろいろな人たちに入ってもらうということが課題かなという感じがしました。引き続き興味のある人たちをここに誘っていくという活動を強化していきたいと思います。実際に入ってくれた人に対してはいろいろ意見を聞いていまして、活動はどうかとか、何かメリットがあったかみたいな話を聞くのですけれども、おおむね好評でして、カフェやミートなど、直接地方の人たちの課題などをリアルに共有してもらえるという機会が今までなかったので、これはすごくありがたいし、新しいモデルを考えるときにインスパイアされますみたいな話をしてくれる人が現実に多いです。こういうプロジェクトを次々と立てていただいて、良いコンテンツとして継続していただきたいと思っているというのが一つです。

あと、コミュニティーを維持するためにはコミュニティーマネジャーというのが死活的に大事だなということになっていると思いますので、今、コミュニティーマネジャーは募集でどこかに委託をしながら三菱総合研究所経由で任せているのかな。

事務局(須賀): 三菱総合研究所にお願いしています。

増島構成員: 三菱総合研究所にお願いしていただいているかなと思いますが、このコミュニティーマネジャーをどうやってエンパワーしていくかという部分は、委託という形で政府から若干間接的になっているようにも見えています。コミュニティーマネジャーをやってもらっている人たちへのエンゲージメントというのをもう少し強めていただくと、コミュニティーがさらに活性化してくということが起こるかなという感じが実際に彼らと話していたり、ミートを見にいくと感じたりすることもありますというのが一点です。

残りは実際に今やられているいろいろな施策で感じているところでありますけれども、日本は大きな絵を描いて動くのはあまり得意ではないのですけれども、一回描いて細かく切って実行するということになると途端に強みを発揮します。細かいことをすごく一生懸命やるという国なので、実は細かいものをいっぱいやって圧巻の成績を上げるというのはある意味日本らしくうまくいっている、まさにプランどおりという部分があるかなと感じているところでございます。これを多面で展開をすると、小さいものがいっぱい集まることによって位相転移というのが発生して、ほかの国がとても追いつけないような、なぜあの国でこんなことができているのだみたいな状態になるというのが大きな戦略だと思いますけれども、その辺にまでは到達できる感じがするなと感じています。

これをやってみていただいて、今はPDCAを一応回していただいているのですね。うまくいかなかった部分をどうしていくかとか、いろいろ整理をしていただいたり、課題はどこだみたいなものをやっていただいていると思うのですけれども、この課題を横に並べてみると、今度は課題ごとにまた何か抽象化をして一まとまりというのが幾つか出てくるみたいなことができるだろうと思っています。それを省庁ごとというよりはむしろ課題ごとにこういうことはどこの省庁の規制でも何の規制でも起こりがちだよねみたいなことは整理ができます。そうすると、今度はそれのソリューションを考えていくということになると思うのですけれども、このソリューションがうまくいくということになると、これが今度は対応マニュアルというか、どう対応していくのかという一つの知見になっていくみたいな話になっていくはずです。それを文書化するなりなんなりして抽象化したものを省庁なり民間なりいろいろな人たちのところに流布をしていくみたいな活動に全体がつながっていくと、さらに活動が加速する。具体・抽象を行き来するということだと思いますけれども、これをぜひやっていきたいなと感じているというのが一点です。

2点目は、今回これをやっていただいているのは、いわゆるディープテックの領域、特にセンサーなどの領域を結構やっていただいたのですけれども、今、いろいろなところで起こっているのは生成AIの利用なのですね。それもコミュニケーションの部分で使うということ、ご案内のようなものだと思うのですけれども、いわゆるAIエージェントというものをどんどん展開していきたいという話です。いまは社内的なところに使ってみているようですが、これを顧客向けという形でお客接点のところにどんどん置いていくというのが次なる戦略になってきます。その世界に入っていくときにどんな問題が発生してくるのかというのが一部のAIエージェントを進めていこうと考えている人たちの検討の中で割と浮き彫りになってきておりまして、僕は、ここは実は規制のデジタル化の話とほとんど論点が一緒だなと見ています。

例えば業法でお客さんとのコミュニケーションに際して差別的な取扱いをしてはいけませんとか、センシティブな情報を用いた判断をしてはいけませんとか、いろいろなルールがあります。そこにAIエージェントを使ったときに、もちろんどんな情報を入手するのかというのはちゃんとコントロールしていただくわけです。どういうアウトプットが出てきていれば、取りあえず規制との関係でそれをコンプライアントと判断していいのかという部分は、ルール側が定性的なものになっているのでよく分からないみたいな話になるということなのですね。これは規制をしている当局側も分かっていないということになるわけなので、本当はそこをコントロールしていく。こういう状態であれば、何とか率が何%以内であればいいですみたいな話をしていかないといけないのですけれども、恐らくまだこの辺にまで手が届いている領域というのは少ないかなと。自動運転などは頑張っていらっしゃるかなと見えているのですが、同じようなところはAIを顧客とのコミュニケーションで使う部分で、その顧客とのコミュニケーションについて事業に様々な制限がかかっている分野で、どうやるとコンプライアントなのかという問いに対してはまだ手つかずだという感じがしています。もちろんAI事業者ガイドラインなどでどうガバナンスしていくのかというやり方みたいなことは書いてあるので、それでうまくやっていくというのは大事なのですけれども、コンプライアントな状態がどういう状態なのかについての定性的なものが定量的に当局側と認識を共有できるレベル感みたいなものがないと、なかなか実際は物事が進まないぞという感じがしております。この辺は規制のデジタル化でまさにセンサーなどでやっていることと本質的には同じようなことをやっているというふうに見えていますから、今、やられているところのディープでいかにも数字でやるような世界だけではなくて、コミュニケーションなどの思わず定性的なルールで物事を見てしまいがちな部分にどう規制のデジタル化の論点というのをエクステンドしていくのかというところは、生成AIの力を本当に社会に実装していくために極めて大事なポイントだと思いますので、規制のプランニングの再に次なる論点としてご検討をいただけるとありがたいのかなというのが2点目です。

3点目は今の1点目、2点目と通じるところがあるのですけれども、こういう形でいろいろなことをやって目線は向いているのですけれども、他方において無意識的に古典的なことをやる規制の実務というのが残っていますよみたいな話です。これは特にインシデントが起こったときにレスポンシブにやらなくてはいけないとなったときに、規制当局的には何かルールを入れることを検討する際に、この辺までやっておかないと立っていられない的なことで、とかくエビデンスベースの目線というのがなくなるということが良く起こります。落合構成員がおっしゃっていたようなコストを無視した過剰なことをやるみたいなことになりがちというのもその一例で、そこに対してどうくさびを打ち込むのか。民主主義のコストですと言って大体の役人は諦めてしまうのですけれども、ここを諦めてコストを負担しているだけの国力はこの国にはなくなってきつつあるみたいなところがあります。そういう事故が起こったときの対応で何かルールを強化しなくてはいけないみたいなときにも規制のデジタル化の目線や無意味なことはやらないというところをきちんと入れられるようなアプローチ手法というのは考えていかないといけないと思います。もしかすると今回の自動車の不正みたいなものも、騒がれると国交省が立っていられなくて変なことをし始めて余計なコストがかかるみたいなことになってしまうかもしれないので、この一つのパターンで不祥事や事故への対応で何か対策を講じなければならないときにどうやっていくのかみたいなところのマニュアルがきちんとできていると、政府の人たちの立っていられない問題を解消というか、そこに陥らないで済むような枠組みを提供できるというのではないかなと感じました。

以上です。

安念座長: ありがとうございました。

多岐にわたるご発言をいただきましたが、須賀参事官、どうですか。何か現時点でのレスポンスがあれば、お願いいたします。

須賀参事官: いつも勇気づけていただき、しかもRegTechコンソーシアムの拡大にもご尽力いただいて本当にありがとうございます。

大きくまとめると、業種横断的というか、分野横断的に費用便益分析みたいなことをちゃんと規制のコンプライアンスの分野に持ち込むべきだということを口々におっしゃっていただいたかなと思っています。テクノロジーベースの規制改革推進委員会でも同様のご意見がありましたので、そのやり方についてぜひ少し知恵を絞ってみたいなと思いました。

ありがとうございます。

安念座長: どうも皆さん、ありがとうございました。

それでは、続いて議題2に入りたいと思います。「7項目等のアナログ規制見直しフォローアップ状況及び行政手続のデジタル完結に向けた工程表のフォローアップ状況」です。黛参事官からご説明をいただきます。

事務局(黛): まず説明の前になのですが、こちらのフォローアップの状況に関しましては、まだ公表はしておりません。近々公表の予定ではあるのですけれども、そういう状況ですので、この検討会の資料の公表に当たりましては、そちらの状況を見つつ資料の公開ということにさせていただきたいと考えてございます。

では、早速中身の説明に入らせていただきます。2ページ目ですが、これが前回のフォローアップ時点の状況ということで、上のほうが法令に基づく規制、下のほうが告知、通知・通達に基づくものということで表を作っております。上のほうの状況を簡単にご説明いたしますと、法令に基づく規制につきましては、洗い出された約1万条項のうち見直しが必要となるものが全体で6,364件でしたが、前回のフォローアップまでに見直し済みとなったものが合計で2,581件です。今回のフォローアップ対象となるのが赤枠で囲ってあるところなのですけれども、合計1,798件が今年3月までに終わりますということで予定を立てていたものがこの件数になっているということで、フォローアップの対象となってございます。

下の告示、通知・通達に基づくものにつきましては同じような形で整理されていて、全体で1,758件の見直しが必要ということで、前回のフォローアップまでのところで1,038件が済みとなっていて、今回対象となったのが198件という状況になってございました。

3ページに行きまして、フォローアップをかけて分かった結果はどういうことかということなのですけれども、まず法令等に基づくものにつきまして、全体で1,798件あったうちの見直し完了ということで報告があったものが1,729件となってございます。ちょっと残念なのですが、見直しが未了ということで報告があったのが69件ということなのですけれども、これらにつきましては所管省庁と協議をしまして、新たな見直し期限を設定しているという対応をさせていただいております。

右の表に行きまして、今回のフォローアップの対象外ではあったのですけれども、見直しが前倒しで終わりましたということで報告があったものが22件ほどございました。これらと前回までにフォローアップを完了したもの、見直しが完了したものを足しますと、合計で4,330件ほどの見直しが終わったというところまでやってまいりました。

4ページに行きまして、今度は通知・通達に基づくものにつきましては198件が対象だったのですけれども、見直し完了したものが168件で、見直し未了のものが30件ということでした。見直し未了のものに関しましては、同じように新たな時期を所管省庁と協議いたしまして、これらについては基本的には6月までということで回答が返ってきているという状況になってございます。

5ページに行きまして、全体の状況に今ご説明いたしましたフォローアップの状況を溶け込ませたものがこちらということで、法令等に基づくものに関しましては、今回完了済みということが確認されたのは累計で4,332件というところまでやってきました。これは見直しが必要なものの約7割というところまでやってまいりました。残りの2,032件のうち、今月というところで一応工程表を作成するときに目標としていた時期ではあるのですけれども、ここまでということになっているものが1,932件となってございまして、こちらにつきましては、今回対象としていたフォローアップが終わり次第、すぐにまたフォローアップに入っていくという状況になってございます。

6ページが通知等に基づく規制の全体の状況ということで、今回までで見直しが完了となったものが赤枠のところなのですけれども、1,206件ということで、こちらも見直しが必要なもの全体の約7割が完了というところまでやってまいりました。残りが552件で、そのうち6月までに完了予定のものが545件ということで、こちらもすぐにフォローアップに入っていくという状況になってございます。

7ページと8ページのところは具体例ですので説明は省略させていただきますが、7ページ目が法令に基づく規制で今回終わったものの例でございます。

8ページが通知等に基づく規制で、今回見直しが終わったものの例ということで挙げさせていただいておりますので、こちらはご覧いただければと思います。

9ページは、今度は行政手続のデジタル完結の工程表のフォローアップということでございます。こちらにつきましては、年間1万件以上の申請等が全体で1,260手続ほどなのですが、昨年12月にこの検討会でもご意見を頂いた上で行政手続のデジタル完結に向けた工程表というものを作成いたしまして、こちらに基づいて各手続の所管省庁が取組を進めているところです。工程表上は令和5年度中、今年3月までというものが39件ほどありましたので、こちらについてフォローアップを行ったということでございます。右のほうに赤字でプラスマイナスがあるのですけれども、今回フォローアップをやって少し後ろに倒れたとか、逆に前に倒れたとか、時期が明確化されたということなどがあったので、それを全部合計するとこうなるということを赤字でプラスマイナスも含めて数字を書き込んでいます。結局今回の39件というのが対象だったところ、実際に実施済みというのが分かったのが42件ということになってございまして、こちらはもともと実施済みだったものは700件ほどになっていましたので、足すと742で、全体で1,260件ですのでこちらは6割弱というところがオンライン化、デジタル完結が実施済みとなったという状況になってございます。また、こちらにつきましては今年度末、それから来年度末のところが一応の目標だったので、この368件というのが、今のところここで終わるということになっておりまして、令和6年度末、令和7年度末、一部のものについてはそれを超えてしまうのですけれども、それぞれの節目のところで改めてフォローアップを行う予定となってございます。

9ページの下のところに関しましては、2つほどオンライン化が行われた例を挙げさせていただいておりますので、こちらもご覧いただければと存じます。

私からの説明は以上でございます。

安念座長: ありがとうございました。地味な話ですが、これもなかなか着々と進んでいるようで大変結構でございました。

基本的にはご報告を承るという内容であったと思いますが、何か特にご発言がありましたら、どうぞお願いいたします。

よろしゅうございますかね。

それでは、フォローアップの状況を伺ったということにさせていただきたいと存じます。
それでは、今日の議題はこれで終わりました。

最後に、冨安統括官より一言頂戴したいと存じます。

冨安統括官: デジタル庁の冨安でございます。いつもお世話になっております。

本日は旧デジタル臨時行政調査会、今のデジタル関係制度改革検討会の現在の到達点をご報告いたしました。まさにテクノロジーベースの規制改革ですと技術検証事業、それからテクノロジーマップ、技術カタログ、コンソーシアムと、まさにこれは皆さんのいろいろなご意見をいただきながら進めてきた取組の現在地をご紹介させていただきまして、またいろいろとご意見いただきました。

また、約1万条項のアナログ規制の工程表につきまして、実際の各省の見直し作業につきましても3月末時点の状況をご報告いたしまして、ご覧いただいたように6月末時点見直しというのもまだ残っております。恐らくここにいろいろと課題のあるものなどもあると思いますので、そこをしっかりやっていきたいと思いますし、場合によってはまた引き続き構成員の皆様のご指導もいただきながら進めていく局面もあるのかなと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

構成員の皆さんもおっしゃっていましたように、今回、まさに面的にいろいろ各省が持っている制度について見直しをしていく。各省も単独でやると大変なところを共通のものをくくり出してしっかりと見直しをしていくという手法は大変有効だったと思っています。これからも横串部局として私どももおりますし、規制改革推進室、それからデジタル行財政改革会議事務局ということで各省のDXを進めていくという意味ではございますので、しっかりとこのDXは進めていきたいと思っています。

今回、デジタル庁で重点計画というのをまとめますけれども、まさに今回、アナログ規制をデジタル原則にのっとって見直していくということで、制度や業務を、デジタルを前提とした、あるいはデータの活用を前提とした制度なり業務にしていくという意味で、私どもも制度、業務、デジタルデータの三位一体でしっかりと整合性を保ちながら今後は進めるべきということを訴えていきたいと思っております。まさにこの検討会でこれまでご議論いただき、いろいろと指導いただきましたものをさらに各府省に強く訴えていきたいと思いまして、重点計画でもしっかりと目出しして訴えていきたいと思っております。

今後も引き続きいろいろご指導いただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

本日はありがとうございました。

安念座長: 統括官、どうもありがとうございました。

それでは、事務局より次回の検討会の開催などについてご説明をお願いいたします。

事務局(黛): それでは、最後に次回の検討会の日程及び議事録の取扱いについてご説明いたします。

次回の検討会の日程につきましては、事務局より追ってご連絡させていただきます。

本日の議事につきましては、後ほど議事録を作成し、皆様にご確認いただいた上で公開することといたします。

また、資料につきましては、本日の議題に関する公表の状況を踏まえつつ、デジタル関係制度改革検討会のホームページに公開することといたします。

ご説明は以上です。本日はご参加いただきまして誠にありがとうございました。

安念座長: ありがとうございました。

以上をもって第6回デジタル関係制度改革検討会を終了いたします。皆様、どうもありがとうございました。