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デジタル関係制度改革検討会(第7回)

概要

  • 日時:2024年9月25日(水)13時00分から15時00分まで
  • 場所:オンライン開催
  • 議事次第:
    1. 開会
    2. 議事
      1. ベース・レジストリの利用促進に向けた課題について
      2. アナログ規制見直しに係る取組の概要について
    3. 閉会

資料

議事録

事務局(平野): それでは、第7回デジタル関係制度改革検討会を開催させていただきます。

今回も構成員の皆様にはオンラインでご参加いただいております。

本日の出欠状況でございますけれども、稲谷構成員、上野山構成員におかれましてはご欠席と伺ってございます。

それでは、本日の議題についてご議論いただきたいと存じます。以降の議事進行につきましては、安念座長にお願いしたいと存じます。安念座長、どうぞよろしくお願いいたします。

安念座長: ありがとうございます。

早速議事に入りたいと思います。本日の議題は2件ございます。第1の議題「ベース・レジストリの利用促進に向けた課題について」、第2の議題「アナログ規制見直しに係る取組の概要について」、この2件でございます。

それでは、まず「ベース・レジストリの利用促進に向けた課題について」、杦浦参事官よりご説明をお願いいたします。

杦浦参事官: 杦浦でございます。ありがとうございます。

では、早速始めさせていただきます。ベース・レジストリの関係でございます。

まず、おかげさまで法案のほうは5月、6月の国会審議を経て成立をしてございます。法案の中身をかいつまんで2点申し上げますと、ベース・レジストリに関しては整備改善計画というものをつくって政府全体で取り組んでいくということ、それから、法制度に大きく関係するところとしては、いわゆる届出省略を可能とする仕組みをデジタル手続法の中で規定したことになります。今後はそれらに基づきまして具体的にシステム整備をしていくことになりますが、特にこの届出省略を実現するに当たっては、各省で法令の中でどういった手続を省略可能とするのかの対象をお決めいただくとともに、具体的に接続のためのシステム整備、システム更改に取り組んでいただく必要がございます。そうなると当然予算のかかる話でもありますので、その投資に見合う効果はちゃんと出るのかというところもきちんと説明していく必要がございます。

今回、ベース・レジストリの政策効果について、我々のほうで少し精査したものをお示しいたします。どういった考え方で積み上げているのか、お話をさせていただきます。
先に政策効果算出の考え方のところに入ってございますけれども、ベース・レジストリにつきましては、ユースケースをメインにしてどういった効果があるのかというのを積み上げていくような形で整理をしてございます。特にベース・レジストリに関しましては、手続をする国民の側が様々な利便を向上できるということと、行政運営側においても効率化が図れるという大きく2者の立場がございます。そのおのおのにつきまして、法人ベース・レジストリであれば書類の添付が要らなくなる、また、申請するときに項目の入力を一定程度自動化して先に入れてしまうといったこともできる。また、先ほど申し上げたような変更届出の省略もできる。また、特に自治体の実務の中で数多くございますのが登記事項を確認するといった作業で、これがオンラインでできるようになるといったところが大きな効果として期待をされてございます。

また、不動産登記ベース・レジストリに関しましては、書類の添付削減、登記事項のオンライン化がメインのところと考えてございます。

また、アドレス・ベース・レジストリに関しましては、申請項目の自動入力といったところで効果が出ていくだろうと考えてございます。

政策効果の考え方はこれらおのおのの事項に対して一手続当たり誰の時間が何時間、あるいは何分削減されるのかを推定して、それに年間の該当する手続の件数を掛け算した上でトータルの時間数を出してしまえば、それに単価というか、時給というか、金額に換算するためのものを掛けて効果を最終的には金額としてお出ししているという形になってございます。

政策効果の考え方は、この後、資料のほうでは個別にどんな例についてこういった時間数でこういった件数でというのを比較的事細かに記載してございます。こちらはまたお時間のあるときにご一読いただきまして、もし不明点やここはこうではないのかといったご意見があれば、頂戴できればと思っておりますのでよろしくお願いいたします。

ここではまとめた表のみご紹介をさせていただきます。22ページになりますが、法人ベース・レジストリの場合ということで、こちらは書類添付の削減等々がございます。行政手続に関するものですので、何千億円の経済効果みたいな形ではございませんけれども、一定程度積み上げることによって年間100億円程度を国民の側で、特に届出を省略できる、登記のほうを変更すれば個別の役所にはわざわざ行かなくてよいといったことが実現できるというのが大きな効果なのだろうと思っておりますし、積み上げのほうでもそちらのほうが一番大きな効果として算出されてございます。

それから、不動産登記ベース・レジストリが23ページになりますけれども、こちらは自治体のほうで実務の中で不動産の情報、登記の情報を見に行くということが多々ございます。こちらは先ほどの法人と同様に100億円規模の削減効果を見込んでおりますので、こちらも着実に取り組んでいくべきだろうと考えております。

また、アドレス・ベース・レジストリにつきましては、今回、行政手続関係ということで自動入力のみを計上してございます。こちらの額としては単体ではそれほど大きな額にはならないものの、これが広く行政手続や民間の方にも参照いただくことによって、これまで例えばここの住所はどう書けばいいのだっけみたいなところを迷っていたようなこともすっきりと書けるようになりますし、あるいはいろいろなところで複数の人が同じ住所を書いたときの突合が必要なとき、例えば配送などは一つの分野でもありますし、あと不動産の売買や仲介をするといったときもよくあるかと思います。そういったときにこの表記揺らぎというものがなくなっていくことで皆さんの業務の効率化が図れるということで、アドレス・ベース・レジストリに関しましてはこの外側にも波及効果というのが当然あるのだろうと思ってございます。これがまず1点目でございました。

2点目に入る前に、最初のページのときに説明を飛ばしてしまったのですけれども、今回、政策効果ということでご議論いただいた話とともに、その政策効果を発揮していくに当たって何らか課題があれば、それは解消していかないといけないし、さらに効果を高めるようなデータがあるということであれば拡充も考えていくということで、ここでは課題の一番典型的なと申しますか、例としては文字の話、それから提供データを拡充し得るかどうかということに関しては地図データが一定のニーズがあると聞いておりますので、こちらを今日はご紹介させていただきつつ、後ほど意見交換というか、いつも先生方にアドバイスというか、我々のお悩み相談ということでご意見を伺っておりますので、今日もそういった形でお話しさせていただければと思います。

では、文字のほうをお話しさせていただきます。文字に関しましてはいわゆる文字規格というのはたくさんの種類がございます。資料に書いてあるものでもいわゆる常用漢字からJISの第1、第2、第3、第4と呼ばれる水準のもの、我々はJISX0213と呼んでおりますが、こちらが1万文字程度であり、これは一般的なパソコン、スマートフォンで表示ができるものになります。ただ、住民基本台帳になりますとその外側にもある程度の文字があり、さらに戸籍になるとそれ以上のバリエーションがあるというのが現状でございます。こういった辺りの自治体のシステムに関しましては、自治体システム標準化の取組の中で行政事務で標準的に使う文字セットということで我々は「MJ+」と呼んでおりますけれども、そういったものを今後使っていこうということで詳細な検討を進めてございます。片や、登記も含めた国のシステムについてはまだそういった明示的な標準規格の議論をしておりませんので、今回、その辺りをやっていくべきだろうと考えてございます。

29ページは文字規格の現状となりますけれども、ここでは特に登記のシステムについて話をさせていただきます。この登記の中に例えばデジタル何とかというデータがあったとして、この登記の元のシステムではその文字をちゃんと扱えるような規格を使っていたとする。ただ、それがデータ連携をしていった先のシステムではそれに対応していないといういわゆる外字扱い、これはビットマップで画像的なデータを作って読み込ませて表示をさせたり、あるいはそういった営みを諦めてアンダーバーなり黒丸になるといったことがあります。あるいは頑張って連携元のシステムに合わせたようなものを整備することも当然可能ではございますけれども、それ相応のコストがかかるということになりますので、こういった現状を丁寧に見ながら文字規格に関する課題・方針を整理して、登記データの文字規格は標準的なものを考えていく必要があるのだろうと考えてございます。

簡単に詳しくご紹介したのが次の2枚になりますけれども、30ページは先ほどの文字要件で外字の扱いというのが具体的にどういう形で処理されているのかという一例を示しております。連携元のシステムにあるけれども連携先のシステムに入っていない文字は、例えば外字というタグで外字を使うのですよということを宣言した上で、外字に対応するものをつくって表示させるといったことが行われてございます。そうすると当然いろいろそういったシステムごとにそういう機能を具備する必要がございますので、これはコスト高・非効率化ということでございますし、また、それをやらないということになれば、アンダーバーなり外字なりということになってございます。

これは全く私の個人的な話なのですけれども、私の杦浦の「杦」の字は木偏に久しいという字を正式には使ってございまして、これはマイナンバーカードには券面にも表示されておりますし、マイナポータルにログインしてもちゃんと出るのですけれども、実は保険証の券面にはちゃんと木偏に久しいの「杦」が出るのですが、マイナポータルで自分の保険証の確認をする、いわゆるマイナカードの一体化という話ですけれども、マイナ保険証の名前をマイナポータルで確認しようとすると、実は私の名前は黒丸になってしまいまして、これはどこかで何かが起きているのだろうなということでございます。まさかそれを扱う担当が自分になるとは思っていなかったのですが、これも何かの因果かなということで、すみません、余談でございました。

次に、では何か表示されていればいいのかというと、そう簡単ではないということの一例で、事前のご説明のときに麹町の話をしましたが、その「麹」の文字についてでございます。この「麹」という文字はJISの中で第1水準、第3水準と違う文字が入ってございまして、これがどうも両方使われている。有楽町線の麹町の駅の例を出しましたけれども、どうも地上とホームで違う字が使われているらしいということがございます。こちらは表示システム上でJISに対応していれば出なくもないので、表示はちゃんと両方されるといった場合でも、元のデータをよく見てみると、こちらは第1水準で、こちらは第3水準で使われてデータができているとなった場合は、これは当然目視をすれば同じ文字ですねということが確認できるものの、なかなかプログラム上で処理させようとするとうまくいかないかもしれないということで、やはり人手を介すような必要が出てくるといったことがございますし、また、こういった第1水準、第3水準といったレベルだけでなく、ベンダー独自で文字規格をつくっていらっしゃる場合、それを変換させようとすると当然特別なツールというのが要るようになるということで、なかなかこの文字のバリエーションの問題というのは奥深いことでございます。

これによって何が困るのかというのが、先ほど私的な例でも申し上げましたけれども、32ページで例えば検索をかけるような場合、そもそも文字として検索をかけたとしても、ちゃんと文字が扱われる状態になかったら検索すらできないという例もございますし、あるいは文字による検索ではなくて法人番号などで検索をかけるといった場合でも、答えがしっかり返ってこないということになりますと、先ほど政策効果で挙げました自動入力といったことも実現ができなくなるということでございますので、ここをどうしていくかということでございます。

この対応方針としまして33ページに簡単に記載してございますけれども、まず自治体の行政における標準的な文字のセットということでMJ+というのをこれまで結構な時間をかけて議論してきましたので、まずはMJ+というものがどれぐらい登記ベース・レジストリで適用できるかということを一度当たってみるのかなと思ってございます。当然MJ+のほうもそれなりに人名や住所等はカバーしてございますので、それに加えてもし登記のほうではみ出す部分があるとすれば、企業名というか、屋号というのですかね、割と伝統ある文字やちょっと特別な字体であったり、字形であったりというのを使われている場合は、もしかするとMJ+の外に出てしまうものがあるのかないのか、あるいはあったとして、それにどれぐらいのインパクトがあるのかといったところは一回調べてみるのかなと思ってございます。それでMJ+でいけそうだということであれば、それを使うのがコストという面ではよいかと思いますし、仮にそれだけではどうしても具合が悪いということであれば、新しく文字規格というのを最小限度かとは思いますが策定していくということも検討するということで考えてございます。

以上、これが文字でございました。

最後は地図の関係のお話でございます。地図につきましては41ページのように、何かしら申請をするときにその場所を表す地図を必要とする場所の情報、あるいは形状の情報を必要とするといった場合がございます。例えばある特定の区域で不動産の売買が制限されているといった場合がございます。そのとき、当然登記のここの地番の土地を売買していいのかということを審査する場合には、その土地がどこにあるのかということを地図上で確認することが必要でございますし、また、その制約を受ける・受けないのほかに、例えばある地域では必要な情報、あるいは証明すべき、添付すべき書類がまた変わってくるといった状況もございますので、申請ごとに必要な制度に応じてどこにあるかといった地図を確認しないといけないということがございます。

ただ、一般的にこの不動産の登記の情報、特に地番の情報というのは地図情報と紐づいていないので、なかなか検索をしたり、最後は登記所備付地図をコピーして出してくださいみたいな、追加でお願いしますといったケースも出てしまうというのが現状でございます。

42ページに課題をブレークダウンして書いてございます。先ほど申し上げました不動産の登記の情報と地図の情報がどれぐらい乖離しているのかということでございます。そもそもこの検討会でもたびたび話題になっておりましたとおり、不動産の登記の情報というのは基本的に地番の体系で書かれている一方、一般的な地図はいわゆる住所の住居表示といったもので書かれておりますので、なかなかぱっと紐づくケースというのは限定的である。また、登記所備付の地図に関しましては地番ごとに整備されておって、それだけ考えると登記の情報と備付地図はすぐに紐づくのではないのと思うのですが、これを調べてみたところ、実は表記揺れがあって、地図のほうの地番の書き方、地名の書き方がなかなか統一されていないと。必ずしも登記に書かれている書き方と一致しておらず、機械的な紐づけというのは意外に難しいというのが現状でございます。その結果、登記の情報と地図情報で別々に違うワードを入れたり、違う書き方の入力で検索をするといった場合や、いろいろ追加で情報をくださいといったことが出てございます。

また、登記所備付地図のデータ自体、更新頻度が実はあまり高くないという実情がございまして、今は年1回程度と聞いておりますので、やはり更新から時間がたってしまうと必ずしも現状と合っていないという状況もあると聞いてございますので、この辺りも解決が必要なのだろうと我々としては考えてございます。

というわけで、我々が目指す姿というのを43ページにまとめてございますけれども、デジタル庁におきまして実証事業の形で昨年度、先ほどの登記データと登記所備付地図のデータはどれぐらい紐づけができるのかなということをやってみましたところ、表記揺らぎを何とかすれば9割ぐらいのデータは紐づけができるということが見えてまいりましたので、まずは表記揺れの解消というのをやってみて、データを提供できるのではないかと考えてございます。

あわせて、地図のデータのほうも不動産登記ベース・レジストリの整備によって情報の連携、データを取り出して配るというのが今までよりも円滑にできるようになりますので、提供の頻度自体も高められるのではないかと考えておりまして、そちらは月1回ということでできればこれはかなりいいのかなと思っております。こういった形で地図データと不動産登記データを紐づけて提供していければ、なかなか便利に使っていけるのではないかなと考えておりますので、今後、詳しくフィージビリティーや政策の効果、投資との兼ね合いも見ながら考えていきたいと思っております。

なお、資料には登記所備付地図とはどんなものかみたいな話とか、さきの法案審議の過程でもこの地図の話、あるいは文字の話というのが質問の中で取り上げられておりますので、そちらを議事録等の抜粋の形でご紹介しておりますので、また後ほどご覧いただければと思います。

説明は以上でございます。またいろいろ意見交換させていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

安念座長: 杦浦参事官、どうもありがとうございました。

これからご意見、ご質問を承りますが、最初にご紹介がありましたように本日は稲谷構成員と上野山構成員がお休みでございまして、誠に勝手ながら、お三方からそれぞれあいうえお順にご発言をいただけないかと思います。岩村構成員、落合構成員、増島構成員の順番にご発言をいただければ幸いです。

岩村構成員、どうでしょう。

岩村構成員: ありがとうございます。

政策効果を定量的に示すことで、なぜ取り組むのか、ある程度の説得力を持って世の中に発信する材料にもなるところ、非常にクリアにおまとめいただいたと思います。

その上で質問です。政策効果を経年ごとに表の形で整理されていますが、後ろに行くほど数字が大きくなっているということは、積み上げの効果という理解で良いでしょうか。

杦浦参事官: 基本的には対応するシステムが増えていくという想定で今はやっております。システムのほうも整備等が必要になりますので、それに対応していただくシステム数、対象となる手続数が増えていくということで、年度ごとに。

岩村構成員: 年度ごとの数字ということですね。

杦浦参事官: そういうことです。

岩村構成員: そういうことですね。ありがとうございます。

安念座長: 岩村構成員が最初におっしゃったのは累積値みたいな読み方ということですね。そういう意味ではないということですね。

岩村構成員: 分かりました。

経団連では、産業用のデータスペースを構築する必要があるのではないかという議論をしています。ご案内のように、EUなどではCatena-XやGaia-Xというものが存在するところ、それに対応して我が国でもデータスペースの構築に向けて、トラスト基盤という、データの真正性や本人性を認証する仕組みが必要ではないかと考えています。その中でデータ連携をする際、ベース・レジストリがきっちりと整備された環境は非常に重要だと考えます。先ほどの文字や地図の話などについて、専門的にここをこうしたらいいという知見はないのですけれども、非常に地道な作業だと思われるところ、政策効果も示していただいたところ、ぜひ継続して、着実に整備をしていただきたくお願い申し上げます。

以上です。

安念座長: ありがとうございました。

それでは、一通りご発言を承りたいと存じます。落合構成員、お願いします。

落合構成員: どうもありがとうございます。これまでのいろいろな議論をまとめていただいて、大変充実した形で出していただいたと思っております。メンバーが少ないということもありまして、できるだけ多くの項目に触れていきたいと思っております。

ページとしては12ページから17ページ辺りで添付の削減や自動入力についてご報告をいただいているかと思っております。先ほども少し議論になりましたように、そもそも政策効果を測っておくこと自体大事だと思うのですが、作業の削減の時間を計っていただいた印象です。この1や2の中で特に2の、ページで申し上げますと15ページの下のほうにデータ品質が確保されることにもつながるという話がございます。ここの部分はまさしくそうなのではないかと思っております。やはり手入力の作業がありますと、品質が落ちたり、品質だけでもなくそこで文字が間違ってしまうと書き直しになることがあると思っております。間違う可能性がどのくらいあるのかを数字で書くのは難しいとは思うのですが、実際の政策的な意義・効果という意味では、削減された時間量以上に正確なデータの確保であったり、過誤による戻り作業を防止していることも今回計算していただいたものに負けず劣らず重要な効果ではないかと思っておりますので、その点はぜひコメントとして残しておきたいと思った次第です。

また、「利用形態③変更届出の省略概要」ですが、18ページ以下のこういった点も非常に重要な点になると思っております。ここで取り組まれていることはデジ庁ができたときから言われている、いわゆるワンスオンリーに関する部分で一部実装が進んだということだと思っています。規制改革推進会議も含めて見ていく中で、ワンスオンリーはイメージすることは簡単だけれども、実現はかなり大変と思っていましたので、そういう意味ではここの利用形態③もほかでまだできていないことを、特に基礎的になる部分で行っていただいたということで、意味がある内容と思っております。最終的にはこういった添付省略ができている状態になることは、最終的にデジタル化の中で目指していくべきプッシュ型の行政にもつながってくる部分になるかと思います。まずワンスオンリーを行っていただいたこと自体は重要なことだと思いますが、さらにそういったところにつなげていけるように、今後も拡充をしていっていただければと思っております。

利用形態⑤についてはデータの提供に関する部分でして、先ほど岩村常務もおっしゃられていましたが、データの連携基盤を整備していくことで、その際にIDや認証の仕組み、また、署名の仕組みといった部分をしっかり整備していくことは基本になると思います。商業登記、不動産登記のいずれにしても、そういった意味で極めて基本的な情報になってくると思っております。そこからデータが整備できていくことは、どちらかというと公的なデータの整備であって、将来的には準公共分野も含めてということで、これも今後、進んでいってほしいと思うところですが、まず幾つか整理をしていただいた成果が出ていると思っております。

続きまして、33ページの2番の項目の対応方針に関するところです。こういった行政事務標準文字をベースに検討すべきではないかと書いていただいておりますが、文字の表記は日本語の仕組みの中でも、システム化を難しくしている一つの要素と思っております。例えば銀行の分野ですと半角仮名などがあり、これは明らかに日本特有のものであろうかと思います。これは日本では特に頑張らないといけない点だと思っておりまして、これをベース・レジストリで一つやっていただいたことは大事な経験だと思っております。一方で、これはベース・レジストリだけの話かとも思ったところがあります。国公共の持っているシステムの中でも、やはりこういった揺れがあるものは多くあるように思っております。もちろん住所などに関しては、住居表示と地番表示とのずれであったり、書くときにカジュアルに内容がずれている場合など、いろいろなタイプがあると思います。まず一番基本的なものは、文字自体のずれということだと思いますので、こういったずれ自体を標準化していくことも、どうしてもシステム化を行っていくという中では大変重要な、ただ、地道であってあまり気づいてもらえない作業だと思います。ここをしっかり詰めていただいたということは大変重要だと思いますし、改めてほかのテーマでもこういったぶれのような部分、特に日本で起こりやすいいろいろな問題について、またこの経験を生かしていっていただければと思っております。

最後の「地図データの目指す姿」で、43ページでしたが、この地図データの提供の頻度と最新性の改善はまた大変大事だと思っております。せっかくのデータベースであるので、これは正確性を確保していただきたいところがありますので、それに当たっては最新性を保つことは大事だろうと思っております。

ただ、今後、実際の用途という中で言うと、このデータとさらにほかのデータをどううまくつなげていくのかという話もあり得るところだとは思います。まずはこの不動産の登記簿でできるところに注力して、不動産のベース・レジストリとして進めていくということでいいかと思います。その先については、どうしてもデータ自体、完全に現況に合わせることが不動産などは難しい部分もありますし、昔から残ってしまっている情報もあると思います。少なくともまずは電子的に入力されたものは、しっかり最新性を保っていくというところから、次にできるところをまた見つけていっていただきたいと思っております。

いろいろ述べてしまいましたが、私は以上でございます。

ただ、非常に大変なお仕事を進めていただいたと思っております。

安念座長: ありがとうございました。

いただいたのではなくて、これからまだいっぱい茂みの中に分け入っていかなくてはいけないという感じ。

増島構成員、いかがでしょう。

増島構成員: ありがとうございます。

僕からもまずこの政策効果のところとの関係では、これはきちんと議事録に残しておくという趣旨で申し上げると、先ほど落合構成員から過誤が発生しないという点はご指摘をいただきましたが、それ以上にデジタル化されていることによって発生する、今の段階で数字化できない便益、恐らくこれはデジタルになっていることによって発生する様々な使い勝手のよさみたいなところからイノベーションが起こったり、新しいものをつくるときにも簡単にできるとか、実はいろいろな効果があって、この数字というのはあくまでも先ほどの工数というのを最低限見積もった政策効果なのだということで、恐らくこれの何十倍もこの政策の効果というのはあるはずだというところはまず強く指摘させていただきまして、この政策にはこんなしょぼい成果しか出ないのだったら予算が出ないみたいな話にならないようにしなければいけないなというのがまず1点目でございます。

2点目は、ベース・レジストリの文字と土地という部分でございますけれども、ベース・レジストリの課題というのは実際に、データ戦略でベース・レジストリをやりましょうといったときはそうだそうだという話になって、これをやらないと何も始まらないねみたいな形になっていたわけですけれども、実際にやるとこういう様々な話が出てくるということですね。先ほど麹町の話も聞かせていただきまして、非常にトリビアルな話でかつ面白い話で、僕はどちらかというとそういうものは何だっていいじゃないかというところがあって、むしろそういう違いがあるから余白があって面白い世の中だよねという感じもしますし、サイトウさんもいろいろなサイトウさんがいたり、ワタナベさんもいろいろなワタナベさんがあったほうが絶対社会は豊かだろうという感じがいたしますので、ベース・レジストリを整えていっていろいろ効率的になってみたいな話と、いろいろなものが雑多に残っているということのアンビバレントな両方をどのように満たしていくのかというのは、非常に大事かつ重要な論点なのだろうなと思いながら聞いておりました。あとは我々は政策を進めなければいけないとなったときに、例えば外字がいっぱいありますみたいな話でこれからサイトウは一個の簡単なサイトウしかありませんみたいな話になると、メディアで騒がれて、全国のたくさんのサイトウさんとたくさんのワタナベさんがとんでもないと言って物が進まなくなるという話が起こるということでしょうから、それを起こさないで前に進めるためにも、こういうきめ細かい対応というのが構造的に恐らく必要になるということなのだろうとも思っておりますし、恐らく誰も取り残さないというスローガンの中にはそういうものも含まれて出されているということなのだろうと思いますので、今回のこの進め方は、一見みんなそろえてしまえばいいではないかみたいな話になりがちなところではあるのですけれども、むしろこういう取組をすることが取組全体を前に進めるために必須のものなのだという捉え方をしたいかなと思っているところでございます。

最後の土地の部分も、登記のところをご覧いただいている方は皆さんご存じですけれども、昔の団子図みたいなものから境界も決まっていないみたいなものまでいっぱいある中で登記制度があって、これをさらにデジタル化をする。デジタル化というのはとにかく曖昧なものを許しませんので、曖昧に何とか納めていたものをデジタルに置き換えるといったときに、デジタルにしたことによって何か曖昧であったものが表に出てきてしまうみたいなことになると、またこれは何かが騒ぐみたいなことが起こりがちかなと思いますので、この辺を少し期間をかけながら、とにかくわっと出ると物ごとがスタックするという構造観があるものですから、納得性の高い形で進めていくということを重視しながら、この土地のベース・レジストリの部分、不動産のベース・レジストリの部分はやっていただくのが結局は早道なのかなと思いました。

以上でございます。ありがとうございます。

安念座長: どうも先生方、ありがとうございました。お二人お休みだとちゃんとその分を補っていただけるというのが当検討会の委員の先生が能力の高いところで、お世辞で申し上げたわけではなく本当に座長として楽ですよ。

満遍なくいろいろな論点に触れていただきましたが、杦浦参事官、いかがでしょう。現時点で何かコメントがあれば、伺いたいと存じます。

杦浦参事官: ありがとうございます。

まずもって、いつものことながら応援のコメントをいただきまして我々は大変励みになるところでございます。まさにご指摘がございましたとおり、何か問題が解決したというよりは解決すべきところが見えてきたので、茨の道を今から踏み出しますけれども、皆さん一緒に来てくれますよねという会議でございますので、大変励みになっているところでございます。

いろいろご指摘がありましたけれども、例えば政策効果のところで時間の節約だけではなくて間違いがなくなることによる個別のイレギュラー対応の時間もなくなるというのは大変大きなところでございまして、そういったところは目に見えないというか、必ずしも明示的には出ていないかもしれないけれども、そういったものが多々現場では出ておりますので、そういうものがどんどんなくなっていくということは大変大きな効果だと我々も思っております。それは取りも直さず人手がいない中でどれだけ自動化が進められるかということのキーにもなるかと思っております。

あと、MJ+や文字の規格はベース・レジストリだけではないというのもご指摘のとおりでございますし、データの持ち方、データのそろえ方というのはベース・レジストリに限らず一般的な取組として我々はガバメントのインターオペラビリティーのフレームワークというキーワードでGIFという形で取り組んでいるものもございますし、そういった形でいろいろなデータの連携のさせ方を円滑にしていこうということは検討がそれなりに進められてございます。

また、今回、こちらで議論しておりますのは主に行政手続に特化というか、フォーカスしたものではありますけれども、地図などはオープンデータとして使われているものもございますので、そういったオープンデータをどうやって活用していくかということもこの広がり、政策効果なりを大きくしていくことの一つのキーなのだろうと思っております。
また、文字の話で言うと、サイトウさん、ワタナベさんに限らずスギウラも意外にそうだったのですけれども、そういう多様性をなるべく包摂していきつつ、デジタル化でどうやって効率的な行政なりを実現していくかというのはバランスがなかなか難しい。おっしゃったとおりデジタルというのは曖昧さを許さないところの良い面と、そこまで言うなという面も両方あることはあるので、そこをどうバランスを取っていくのかというのは我々も気にしていく必要があるのだろうなと思っております。

あと、最後に岩村さんからご指摘がございましたデータスペースや連携、トラストの話は議論を別の枠組みなりで進めておりますし、経済界との対話も別途走ってございます。特に今回、データスペースの中でよく問題になりますのは、自国の中でデータを流通させるときにどういった枠組みでやるのかという話と、それを国境を越えて、特にEUなどが典型ですけれども、日本の企業が何かパーツを輸出していくときにそこに付随するデータ、よくあるのはそこまでのCO2の排出量みたいなものをデータとしてくっつけるみたいな話など、多分そういうものがあるのだと思うのですけれども、そういったときにそれを作ったパーツの企業はそもそも実在しているのかという実在性の証明とか、IDは何番だみたいなIDをちゃんと振るのかどうかといったデータベース自体の整備と相互運用性をどう構築していくかというのは、民間と政府で適切な役割分担をしながらやっていくものだと思っております。トラストのフレームワーク自体は別の班が担当しておりまして、たまたま担当参事官が私になっていますけれども、そういった議論は別途のルートでやっておりますので、これはまた検討をしていきたいと思います。

私のコメントも雑駁にいきますけれども、文字の問題というのは欧米にはなく、アルファベットを20何文字扱えばいいというところはやはり違うなと。ただ、片や彼らは彼らで文字のバリエーションが少ないので同姓同名がやたら多いという、名前と誕生日だけでは同姓同名が何百何万といるという難しさを抱えておって、アメリカなどはあまり戸籍をつくったりすることに熱心ではないのでそういう問題はないのかもしれませんけれども、そういった文字の話というのは効率化と多様性をまさにどう両立していくかというのが大きな課題だと思っております。

いずれにせよ、本日もご意見をいろいろありがとうございました。

安念座長: ありがとうございました。

MJ+だと杦浦さんの「杦」はカバーしているのですか。

杦浦参事官: 私のはたしかJISの中に入っているはずです。

安念座長: JISの中に既に入っている。そうか。
しかし、戸籍や登記簿というのはもともと筆で書いていて、しかも必ずしも昔のものを見ると楷書で書いているわけでもないので、魑魅魍魎がいるかもしれない世界という、要するにやってみないと分からないということですね。どうもありがとうございました。

それでは、次の議題に入りたいと存じます。議題2「アナログ規制見直しに係る取組の概要について」です。

それでは、川野参事官よりご説明をいただきます。

川野参事官: デジタル庁参事官の川野と申します。

それでは、議題の2つ目「アナログ規制の見直しに係る取組の概要について」、ご説明申し上げます。内容が多岐にわたりますので、じっくりご説明させていただきます。

1枚おめくりいただきまして、アナログ規制に関する取組の経緯を簡単に一枚にまとめさせていただいております。先生方はもう以前からお世話になっているのでよくご存知だと思いますけれども、改めておさらいを申し上げます。一番上にございますとおり、2021年にデジタル臨時行政調査会、いわゆるデジタル臨調という名前でデジタル改革と規制改革等を一体に進めていくという体制を政府内に設置したということでございます。

その後、2つ下の2022年6月、約2年前になりますけれども、デジタル原則に照らした規制の一括見直しプランというものを政府として決定させていただきまして、当時から3年間、実は来年の6月までという期間を集中改革期間と位置づけて、いわゆるアナログ規制の点検・見直し、あとは地方公共団体における取組支援、また、テクノロジーマップの整備といった現在の取組の根幹をなす取組方針というものを明示させていただきました。

その後、2022年10月、同じ年なのですけれども、大臣が河野大臣に替わったということもあって、6月に3年間としていた集中改革期間を1年間前倒しして、2024年6月までに一括見直しプランを完成させるということを表明させていただきまして、同じ年の12月までに具体的なアナログ規制見直しに関する工程表というものを決定させていただきました。当初3年のものだった訳ですので、要は2年間でアナログ規制を全部見直していこうというのを政府一体として進めてきたというところでございます。

アナログ規制の中には、省令、あるいは通達なり告示というレベルのものもあり、法律をいじらないといけないものもあったということでございまして、2023年の通常国会にいわゆるデジタル規制改革推進の一括法という法律案を出させていただきまして、法律上の手当てが必要なものについてはこの一括法に基づいて規制改革を行ったということでございます。2年間の集中改革期間の終期というのがこの一番下でございますけれども、今年の6月であったということでございまして、6月までに見直しをする予定だった規制につきまして、この夏、フォローアップを実施して、先般、9月10日に発表いたしました。今般、この発表した内容についてご報告させていただくものでございます。

2ページ目をご覧いただきますと、今、申し上げましたアナログ規制というものの代表的な項目ということで、当時、7項目に整理をしております。先生方はよくご存知だと思うのですけれども、いわゆる目視、あるいは実地監査といった、要は人間が現地に赴いて実際のものをリアルに目で見て判断なり適合性を見るようなもの、あるいは定期検査・点検の規制といったもの、また、4つ目のところで常駐規制・専任規制という特定の事業を行う事業所、あるいはその現場に、一定の資格を有する人間を物理的に配置をしなければいけない、なおかつそれは現場ごとに1人置かなければいけないという形で兼任を認めていないというもの、あと、下から3つ目の対面講習規制というものでございまして、国は様々な国家資格を持っておりますけれども、この資格を維持するための講習をオンラインではなく、結局とある場所まで来ていわゆる講義形式という形で受けなければならないということを求めているといったもの、また、下から2つ目、書面掲示ということで、相変わらず実はいろいろな役所の1階にはぺたぺた紙が貼ってあったりするのですけれども、何か情報を国民に発信するときに、特定の場所にまさに書面を掲示するということを求めているという規制、あと、往訪閲覧・縦覧規制、役所が持っているいわゆる簿冊のような大量の情報を見たい際には、役所の官署まで来てご覧くださいという形の規制、この7項目について、全ての法令について我々は見直しをしてきたというところでございます。

3ページ目をご覧いただきますと、これは工程表を策定した当時の資料を引用させていただいています。2022年12月に策定した資料でございますが、約1万条項と当時は申しておりましたけれども、法令でございますので法律、政令、省令までの条項として9,669条項の洗い出しを行いまして、下にございますとおり、各法令の条項ごとに規制の類型というものを整理し、この見直しの完了をいつまでに行うと。実際にその完了に向けての工程表、作業スケジュールみたいなものを赤矢印で下に示しておりますけれども、この一つ一つの条項ごとに定めていただいて、この表自体はすごく大きな表で、なかなか全部見る気にはならない表になるのですけれども、そういったものを整理させていただいたというものでございます。

4ページでございますが、一応復習というか、頭の整理がてらこのアナログ規制の見直しというのはどういう効果を持っているのかということも、当時、頭の整理をしております。一つには、先ほど申しましたとおり人間がここにいなければいけないとか、行って点検をしなければならないということになりますと、当然いろいろな点検や意思決定をする際に人手が必要になってくるということですが、ご案内のとおり我が国が人口減少社会になっている中、人手不足、特に地方は人手がどんどん減っている中で人を求めるということで非常に業務効率が悪くなるというところでございます。

また、真ん中の2つは似たところになりますけれども、人を使わずにテクノロジーを使って点検なり、これまで人がやっていたことを置き換えるということの可能性が広がりますと、そこを新たな市場として、特に我々が期待しているのはテクノロジーを持つスタートアップ企業がそういったところに新たな市場を見つけて、ある意味産業を生むということで、役所の効率性を進めながらも市場も生み出すということも期待しているということでございます。

一番右側にございますとおり、今、申し上げたとおり行政等の進め方ということも効果的にしていくという大きく4つの効果がこの規制の見直しによって得られるだろうと考えております。

続きまして、5ページをお願いいたします。先ほど申しましたとおり昨年2023年の通常国会にデジタル規制改革推進の一括法というものを提出して成立をいただいているというものでございます。真ん中の「改正のポイント」というところでございますけれども、まずⅠとしてデジタル規制改革をするための基本的な方針、あるいは具体的な施策というものを定めてございます。その上で、Ⅱのところでございますが、先ほど申しましたとおり政省令改正では対応できない、法律改正が必要となる規制の見直し、法律レベルでの規制の見直しが必要なものについてはこの一括法でまとめて改正を行ったというものでございます。改正のポイントのⅠにある基本方針といったところに関しては、下に少し例が載っておりまして、デジタル規制改革というのを国の基本方針という形で法律上明定して、いわゆるデジタル法制局、後ほど説明いたしますけれども、デジタル技術の効果的な活用が規制によって妨げられないようにするための措置を講ずるということで、法案を政府として提出するときにそういったチェックを行うという方針を一つ決めたということでございます。

加えまして、下のところでございますが、実際にそういった新しいテクノロジーを行政の現場、あるいは地域の現場で利用しようと思うと、どういった技術が利用可能なのかという情報が入手可能でないとなかなか活用が進まないということでございまして、後ほどご説明いたしますが、我々はデジタル庁になりますけれども、テクノロジーマップといったものを内閣総理大臣が公表するという規定も設けさせていただいたということでございます。

こうした取組の結果、6ページでございます。今回、9月10日に発表させていただいた、集大成的な数字がこちらの表でまとめられているということでございます。先ほど1万条項と申しましたが、1万条項は対象が法令でございます。すなわち省令までの規定でございます。それに加えて、タイトルにございますとおり告示通達、いわゆる省令までには至らないけれども役所が出すいろいろな文書の中で事実上アナログ規制になっているものも含めますと、表の右下の数字にあるとおり、約1万2000の条項があるということが全体像になっているということでございます。このうち、列で言いますと左から2つ目の列「見直し不要」とされたものが約4,000条項あります。この見直し不要になった情報というのはどういうものかと言いますと、そもそもアナログ規制的な条項が書いてあっても、デジタル技術を使ってもいいですよという解釈がしっかり明らかになっており、実態としてもそういうことが進んでいるというものはもう問題はないということで見直し不要。

もう一つは、例えば実際に法令違反があった者に対して立入検査をするような場合は、ある意味抜き打ちで法令違反の現場に係官が乗り込んで資料を見たりということをする訳ですけれども、これはデジタルでやろうとすると事前に向こうに電話をかけて見せていただけますかというやり取りをすることになり、ある意味証拠隠滅等のおそれもあるということでございますので、そういう意味では公権力の行使として実際に物理的な現場を押さえなければいけないという規律については見直しを不要とさせていただいております。

また、もう一つ見直し不要としているカテゴリーとしては、現在のテクノロジーではさすがにアナログ的な手法を置き換えることができないというものについては見直し不要ということで、大きくこの3つを見直し不要と位置づけさせていただいております。

逆に言うと、それ以外に、表の上に書いていますけれども見直しが必要な規制が8,164件ございまして、これを今年6月までに皆さん見直しをしてくださいと各府省庁にお願いしていたということでございますけれども、結論といたしまして7,835件、約96%の規制において予定どおり見直しをしていただいたということでございます。もともと3年の目標だったものを1年前倒ししていく中で96%やっていただいたというのは各府省庁の担当者のご尽力に我々としても感謝申し上げたいと思っております。

残りが約330件あるということですけれども、それが右側の「見直し要」というところでございまして、これにつきましてもご覧いただくと分かりますが、今年度中に終わるというものが163、約半数は今年度中に終わるというものがございます。これには例えば、実は昨年の臨時国会に法案を出して、そこの臨時国会で法案が成立していれば、下位法令を春先に整備して6月時点では間に合う予定だったものが、法案の成立そのものが通常国会までずれ込んだために、どうしても下位法令の整備が今年の9~10月に少しずれ込むという条項があったりします。こういったものは行政庁の不作為というよりは国会での事情ということなので、我々も納得できるものだなと思っております。

また、来年度以降に完了予定となっているものもありますけれども、これも一つ一つの条項を全て担当が各省と確認しておりまして、一部システム整備が必要になるというものであったり、例えば国際条約の規定の整備を待つ必要があるものであったり、公示送達制度と言われる民訴法の改正法に基づく最高裁規則の整備と合わせて省令を整備するということで、慌てて整備ができないというものであったり、いずれにしましてもそれなりに時期が遅れることについては合理的な理由が認められるというものを我々としては確認しております。全ての条項については先ほど申しました一覧表に載せさせていただいているということでございまして、引き続きこの残りについても予定どおり見直されるかどうか、フォローアップはしていきたいと思っておりますけれども、全体としてこの3年間でやると言っていたものを2年間でやるというのをここまで進めていただいたという状況でございます。

次の7ページ目が法令の内訳でございまして、次の8ページ目が告示通達ということでございます。いずれも大体96%ということでございますので、法令と告示通達で何か特徴的な動向が出ているという状況ではございません。

次の9ページ目が、我々デジタル庁のホームページに載せている政策ダッシュボードという、例えばマイナンバーカードの普及数などもこういうビジュアルなグラフ等で示しているのですけれども、このアナログ規制の見直しの取組状況というのもこういった形で先週公開をさせていただいているという状況でございます。

続きまして、10ページ目以降が見直しの具体例で、先ほど申しましたとおり実は取りまとめ表自体は非常に細かい表になっていて、産業界の方がご覧になっても何がどうなっているかなかなか分からないということもあって、少しイメージがしやすい資料というものを我々のほうで作らせていただいております。例えば目視、実地監査の規制で言うと、代表例といたしまして左上の罹災証明書の交付。まさに今週も能登地方でまた大雨が降って被害が出ているということで、被害者の皆様には本当にお気の毒なことだなと思っておりますけれども、皆さんご案内のとおり、ああいった水害が起こると家屋の被害というものを自治体の職員がこれまでは現場に歩いて行って床上浸水なのか、床下浸水なのか、あるいは地震であれば一部損壊なのか、半壊なのか、全壊なのかといったものを実地で見て逐一判断をする。ご案内のとおり、大体そういった災害が起こるとその自治体の職員の方もご自身が被害者だったりする中で、被害者の方々はすぐにでも生活復旧したいために罹災証明をもらって国の補助金等を交付してほしいと思うわけですけれども、なかなかこれが物理的にその方々が来て見ないと発行できないということでございましたけれども、こういったものを内閣府防災において、被災地区全体をドローンで撮影して3次元化して、何メートルぐらい水が来たということを算出することでこの辺りの家々は全部床上ということでいいのではないかという形の法令の運用の見直しをしていただいているということでございます。こういったもので実際我々の技術実証も使って民間のサービスなども出始めておりますので、我が国は残念ながら常に災害にさらされる国ですけれども、今後の被害における復旧なり補助金なり義援金といったものが受けられるスピードが上がるのではないかなと思ってございます。

続きまして、次の11ページ目をご覧になりますと、いわゆる定期検査・点検の規制といったところでございますと、代表的なもので右上のガス事業法、高圧ガスの保安に関する法律に関しては、まさに情報通信技術を用いてしっかりと保安の確保を高度にやった方については定期検査の2年に1回のものを3年に1回にするといった形に促すような形で経済産業省にやっていただいているということでございます。

続きまして、12ページ目は先ほど言いました常駐で人を置かなければいけないということで、やはり一番大きいのは右上の介護や右下の特養の老人ホームにおける感染対策者というのを各ホームごとに1人ずつ置かなければならないとなると、介護の現場の負担が多い中で経済的な負担にもなりますし、運用上の負担にもなるということですけれども、こういったものを兼業ですることができるとか、テレワークで見ることができるという形をして介護現場の負担を軽減することにもつながると期待してございます。

また、13ページ目はいろいろな資格になりますけれども対面講習の規定で、様々な資格を維持するための講習をオンラインでできるように様々な規制において見直していただいたということでございます。

また、次の14ページ目でございます。これは宿泊仲介業務、あるいは海上運送法といった例えばフェリーとか、そういうものなのですけれども、受付のところを見ると実は壁のところに約款や料金表が載っていたりするのですけれども、ほとんどの方がああいうものを見ることはなくて、ウェブで見るという形で法令を見直していただいているということでございます。

続きまして、15ページ目ですと、いわゆる往訪閲覧・縦覧規制ということで、例えば右下の測量法は国土地理院さんが実はウェブ上に彼らの地図情報というのを公開しているのですけれども、これの見直しを少ししまして、これまで高解像度の地図や、実は古い過去の例えば昭和20年代、30年代といった地図データは国土地理院の役場まで来てくださいということになっていたのですけれども、これもネットで公開をしていて、学術研究などで使う方が結構いいじゃないかこれといって評判になっていたりという形で、こういうものは非常に効果があるのだなと思っております。

また、次の16ページ目はいわゆるフロッピーディスク等の記録媒体を求めるような規制というもので、これも全廃をしたというところでございます。

以上、こうした既存の法令に存在するアナログ規制というものをかなり見直すことができたということでございますが、ご案内のとおり法令というのは次々と生まれているということでございまして、こちらのデジタル法制審査というのは、今後、政府が国会に出す法案について、事前にその条項を見てアナログ規制につながるようなものがないかどうかというものを我々デジタル庁のデジタル法制審査の担当者のほうでチェックさせていただくという仕組みを2年前の臨時国会から取り組んでいるということでございます。

さらに、規制の条項が設けられることによってアナログ規制が生まれるかどうかということもございますし、何か法律をつくって制度をつくると、それを運用上処理するための情報システムを各省が整備することもあるということでございますけれども、その場合の情報システムの整備計画というものもシステム開発プロジェクトを我々の技術が分かる人間がチェックさせていただくということも併せて行っているということでございます。

次の18ページ目で、実際、直近では今年の通常国会には政府からは全部で62法案が出されたということでございますけれども、これをチェックして30法案がアナログ規制に関係しそうだということでチェックをしました。実際、このうち27法案につきまして、アナログ規制になり得るけれども我々としてはこれはデジタルの技術を活用してもいいのですよね、そういった通知なりを出していただけますよね、あるいはその方針をホームページに載せていただけますよねということを確認させていただいて、その上で法案を国会に出していただくという形のチェック機能を果たさせていただいているということでございます。

他方、残り3条項という矢羽根の2つ目は、いわゆる行政の監督権限として検査対象者の現場に入るという立入検査規定が今回の法案では3条項ありまして、これについてはやはりデジタルでやるということにしては規律の意味がなかろうということで、これはアナログのままという形で認めているということでございます。

また、情報システムの整備に関する条項ということについても7法案35条項が該当するということでございまして、これまでの制度に係るプロジェクトの計画書等をチェックさせていただき、いわゆるデジタル庁が用意している共通機能を利用していただくことで大丈夫ですねといった形で、要はばらばらと非効率な情報システムが整備されないような形での対応を事前にチェックさせていただいたということでございます。

下でございます。この営みは一回やって終わりということではなくて、今後、国会が開かれるたびに毎回毎回、デジタル庁としてはほぼ永続的にやっていく必要があろうかなと思っております。次期臨時国会、今は総裁選があるので実質的な法案の審議ができるような臨時国会がどうなるかは本当に国会で決まる話なので我々は予想ができませんけれども、他方で何らかあるのであろうという想定の下で、既に各省庁には次期臨時国会が開かれた場合に出すことを検討中の法案については同じようなチェックをさせていただきますよという連絡をして、事務的には準備を進めているということでございます。

この中で特に今回、この夏に実はアナログ規制点検ツールのβ版というものを新たに公表し、配布しているというものでございます。19ページをご覧いただきますと、すなわち法令の条文を見て、そこにアナログ規制につながりそうな条項があるかどうかを見つけるという作業をしなければいけないわけですけれども、これはまた人間が全部いちいち目で見てということをやるのではなく、ここもデジタルに頼れないかということで、もともと我々は右側のα版というツールを準備して各省庁にご活用いただいていたということでございます。ただ、実はこのα版というのはExcelのマクロを利用したツールになっておりまして、したがって例えばPC環境によって利用できないということがあったり、あるいはそのツールでチェックした案文ファイルを開いていちいち指摘箇所を見ていく必要があるということで、少し使い勝手が悪いツールだったということでございます。今回、左側のカラーにしてあるβ版というのをリリースさせていただきまして、こちらはウェブブラウザベースということでございますので、これはWordの絵が描いてあるのですけれども、Wordの条文案をウェブ上でアップロードすると、しっかりとそれが点検をしてくれて、その結果をWordファイルとして出力してくれて、アウトになりそうな条項にマーカーを引いた形で送ってくれる。さらに言えば、我々のデジタル法制審査のためにデジ庁が出してくださいねと言っている点検結果報告書というのもこれまで担当者が一生懸命打ち込んでいたものなのですけれども、これのほぼ出来上がったようなものがこのツールから出てくるという形で、事前の審査の作業も各省庁の法令担当の方のお手間を大きく低減するためのツールというのも我々が改良して出させていただいているということでございます。

以上、法令自体を見直すということを進めているわけでございますが、次の20ページをご覧いただきますと、実際に条例なり法律が直ることで新たにデジタル技術を活用することができるという余地が生まれるわけですけれども、本当にそれができるのかどうかということをまず技術的にフィージビリティーを見るという意味での技術検証の事業で、一番上にアナログの1万条項とありましたうちの1,043条項につきましては、それぞれ457条項はデジタル庁で、586条項は各府省庁でということで技術検証をするという取組をしております。それに基づいて規制見直しを行うと。実際に規制を見直した場合にそういったことができる環境ができたときに使える技術というものをしっかり我々が技術カタログとしてお示ししますといった作業の流れになっているということでございます。

21ページ目でございますが、我々が実際の規制の見直しをしつつ、その技術を実際に活用するためのテクノロジーマップというものを公表し、あとはテクノロジーマップに対応する技術カタログというものを整備して情報提供させていただいているというものでございます。具体的に前回の検討会でこれをご説明したと思いますが、22ページ目がテクノロジーマップの概略版でございまして、左側が法令に基づく規制なり規律目的があり、人の適格性を判断する、あるいは物の適格性を判断するといういわゆる法目的があって、それに対して縦軸として右側にどういった技術が使えるかを示しております。まずインプットという、情報をある意味センサリングするといいますか、入手するところと、次にプロセスという処理判断するところ、最後にアウトプットでその結果を出力して伝えるというところの技術にどういったものがあるかをこういった形でテクノロジーマップとしてまとめさせていただいているというものでございます。

これには様々な技術があるわけですけれども、当然一つ一つ具体的な製品やサービスがあるということでございまして、23ページにございますけれども、それを我々は技術カタログという形で民間事業者の方からの提案を募集してこのカタログに載せさせていただいております。今年の9月時点で200件近い196件の技術を掲載させていただいております。特にこの表をご覧いただきますと、全体が196件で、そのうちスタートアップ企業のテクノロジーで載せさせていただいているのが84件と、約半数近くという形で載せさせていただいているということでございます。冒頭申し上げたとおり、このスタートアップも含めた産業界で新たに市場が生まれるわけなので、ここに新しいテクノロジーを持ち込んで、お客さんにとっての効率化、彼らにとってのビジネスチャンスというものをしっかり捉えていただきたいなと考えてございます。そういった条項を我々のポータルサイトにも載せさせていただいているということでございます。

続きまして24ページです。こういったものをつくるための前提となる技術検証の取組についてもご紹介いたします。先ほど申しましたとおり約1,000条項ある中で、450ぐらいの条項はデジタル庁の予算に基づいて技術検証を行うという形で、この14類型で32の技術検証、この32の技術検証の中で先ほどの450ぐらいの条項のフィージビリティーのスタディーを行ったということでございます。

また、25ページでございます。こちらは逆に各省庁が各省庁の事業の中で、先ほど言いましたように全体で586条項ございますけれども、こちらの技術実証をしていただいて、こちらも約98%と残り10件ぐらいございますけれども、ほぼ技術実証をやっていただいたということでございます。

こういった情報を開示するとともに、実際に導入しようとしますと、その導入する自治体や現場と実際にテック企業とのある意味お見合いというものが必要になってくるということでございますので、次の26ページ目になりますが、我々はコンソーシアムを設けて規制対象となる事業者と技術保有事業者とを対象とした意見交換、あるいはその情報共有を目的としたコンソーシアムというのを開始しているということでございます。

27ページで今申し上げたことを文字にしておりますけれども、実際に現場でどのように変えられるかということで、実際に規制は撤廃されたので、我々はどんどん現場にデジタルテクノロジーを入れて現場を効率化していくというフェーズに入ってきているものと考えてございます。

最後に、28ページ目からでございますが、地方のアナログ規制の見直しというのも今後、手をつけなければならないかなと考えております。これまで私がご説明してきましたのは、基本的には国に各府省庁が持っている法律なり省令、あるいは告示通達という国レベルの規制の話をしておりましたが、実際に左下の円グラフをご覧いただきますと、これは昨年度の調査で13のモデル団体を対象に、アナログ規制が国の法令由来なのか、地方の条例に基づいて生じているものなのかというのを調査したところ、ご覧いただくと分かりますとおり、国の法令由来というのが4割ぐらいで、実は残り6割ぐらいは地方公共団体単位での条例ないし様々な規則等によってアナログ規制が残っているということでございます。

上の箱の一番上に書かせていただいておりますけれども、冒頭申し上げたとおり、我が国で人口減少が激しい中、特に地方のほうがその進展が速いということでございまして、地方こそ人手不足が深刻になっていくという中で、限られた人的資源の中でしっかりと行政サービスを維持する、あるいは地域の社会機能を維持していくという観点から、東京よりむしろ地方こそこういったデジタル技術を最大限に活躍してその恩恵にあずかっていただきたいと思っております。地方公共団体の皆さんも過去からの条例というのは当然あると思うので仕方ないですけれども、ぜひこれを見直していただきたいなと我々としては思っているということでございます。

右側の3つの円グラフが今年度行った調査でございまして、実際にアナログ規制の点検・見直しに取り組んでいますかということを調査したところ、青いグラフの全団体で見ますと約1割が既に見直し実施中、約1割が実施予定ということで、実際にもうやるぞというところまではまだ2割ぐらいだという状況でございます。実際に都道府県と市町村という形で内訳を見ると、やはり都道府県のほうが数としては進んでいるということで、市町村の方は少し遅れが見られるという状況でございます。これは都道府県も市町村もぜひ見直していただきたいなと思っております。

実際に積極的に取り組んでいらっしゃる都道府県がございまして、29ページに大分県の例をご紹介しています。実はこれは私どもデジタル庁と都道府県のCIOの皆さんの会議において、大分県にプレゼンしていただいた内容なのですけれども、中小企業庁の補助金で県を通じて地元の商工会などが小規模の事業者にいろいろ相談や指導をするときの事業アドバイスをするといった活動に対し、補助金を支出しているという事業でございます。これは県を通じて補助金を流しているのですが、これまで大分県は商工会などの方々の補助金の申請を受けて事業計画を確認するというのを、右側の四角にございますけれども、面談、要は対面で直接お会いして確認して補助金をお渡しするということをしていたということでございます。これをオンライン、要はWebexであったり、Teamsであったり、Zoomでもいいのではないかと思いますけれども、オンラインでもいいですよということにしたと。これは非常に簡単な話なのですけれども、実は大分県内に商工会議所が27か所あるということで、一番遠いところですと片道約1時間かけて県庁までわざわざ行ってこの事業計画を説明して申請をしていたということになります。ドローンやAIといった高度な技術を使ってやらないとこのアナログ規制は見直しできないのだということではありません。こういったデジタルテクノロジーがなかった時代を前提に、いろいろな手続などを書いている補助金の手続や書類であったりというものが山のようにいろいろなところに埋もれていて、各地方公共団体の皆さんには決して悪気なくそういうものがある意味事業者の活動を制約してしまっているということがあろうかと思います。この大分県の例などはそういう意味では一番プリミティブなものをあえてご説明いただいて、各都道府県の皆さん、または市町村の皆さんに、こういうことでいいのですからね、という形でご紹介をさせていただいたということでございます。

30ページでございますが、私どもは実際にこの地方公共団体の皆さんが取組を進めるための左側のマニュアルを公表したり、あるいは右側、国の法令ではどういう見直しをしていますと実際の国の条項の新旧の違いなどもお示しをして、国の法令ですとこのように直していますよという参考資料として情報提供させていただいているということでございます。
31ページ、これも実例になりますけれども、福岡市ですと、駐輪場の臨時休業に関する情報の掲示は、これまでは駐輪場に行かないと今日駐輪場は臨時休業であることが分かりませんでした。自転車でそこまで来てから臨時休業と言われてもということだと思うのですけれども、それがインターネットで事前に見られるようにしたということを分かりやすく説明させていただいております。

あと、右側の郡山市は福祉サービスの心身の状況把握というのはこれまでは居宅訪問がマストだったということですが、今後は必要に応じてデジタル技術の活用ができるようにしたということです。この条文などは「訪問することにより、又はテレビ電話装置等を活用して」という形で、利用者の状況によってはわざわざ毎回全員について遠方まで行かなくてはいけないということではないと思いますので、こういった見直しをしていただいているということでございます。

今後、ある意味国のほうは一段落ついたというのもございますので、地方側の支援に我々も力を入れていきたいと思っています。

今後の我々デジタル庁としての取組について32ページ目に整理をさせていただいております。まず(1)、国のアナログ規制の見直しに関しては、先ほど言いましたように96%終わったということでございますが、4%残っておりますので、ここはしっかりフォローアップを行うというものでございます。

続きまして(2)でございますが、先ほど申しましたように今後、国会が開かれるたびに出てくるであろう法令について事前に審査を行って、新たなアナログ規制が生まれないようにしっかりと審査を継続的に行っていきたいと思っております。

2ポツ目が最後に申し上げた点でございまして、地方公共団体のアナログ規制の見直し、既に取り組んでいらっしゃる自治体もございますけれども、まだ検討していないというところもありますので、私どもの情報提供に加えて、特に2つ目のところにございますけれども、今後は意欲的にやりたいという意欲を示していただいた地方公共団体に対してはもう少し踏み込んでデジタル庁の職員を実際に個別にアサインするなどして、そういった見直し作業の後押しをしていきたいと思っております。

また、テクノロジーマップにつきましては、当然民間産業界において新しい技術、新しいサービスをどんどん出してくださると思いますので、そういったものをしっかりとアップデートしていきたいと思っております。

また、最後の一番下、これはちょっと大きな話になりますけれども、国全体としてデジタル化を推進していく上で、いわゆる制度と実際の業務とシステムを三位一体で見直していく必要があろうということで、デジタル行財政改革事務局とも連携してこの取組に各府省庁さんにも我が事としてぜひ取り組んでくださいという働きかけ、また、それに対して必要な支援を提供したいと思ってございます。

33ページ以降は参考資料でございます。

説明が長くなりましたが、一連の取組に約2年前から先生方のご支援をいただきながら取り組んでまいりましたが、一つ節目を迎えたというところでございましてご報告をさせていただいたところでございます。

それでは、何かご質問、ご意見等があれば、頂戴したいと存じます。よろしくお願いいたします。

安念座長: 川野参事官、どうもありがとうございました。

実質2年くらいでこうやって集大成の資料を見せていただくと、随分大きな仕事がなされてきたものだなと思ってちょっと感慨深いものがありました。誠にありがとうございます。
それでは、先ほどと同じように岩村構成員から順次ご発言をいただいて、一通りご発言をいただいた後で事務局からコメントをいただきたいと存じます。

岩村構成員、いかがでしょう。

岩村構成員: ありがとうございます。

安念座長がおっしゃったとおり、集中改革期間を1年前倒しし、大変苦労されて、アナログ規制の見直しにスピード感を持って取り組んでいただいたデジタル庁の皆さん、また、リーダーシップを発揮された河野大臣のご尽力に深く感謝したいと思います。

過去にも、規制の見直し集中期間などいろいろありましたけれども、集中改革期間が終わったら終わりではなく、まだいろいろ課題もありますので、透明性の高いPDCAサイクルを回していただいて、進捗・効果を定期的に検証・公開することで、利用者目線での徹底した改革を断行していただきたいと考えてございます。特にAIや量子など、これから新しい技術も出てまいりますので、そういった対応は絶え間ないチャレンジになるところ、フォローアップは非常に重要だと思います。

一点、アナログ規制に関しては例の常駐専任規制がまだ残っています。経団連では例年、規制改革要望を出しておりますが、今月公表した規制改革要望の中で建設業における営業所の専任技術者の複数営業所の兼任の容認という要望も出しています。人手不足が深刻化する中で、デジタル技術を活用して常駐専任規制を撤廃していくことは重要だと思います。今回、できたものをご紹介いただきましたけれども、さらに加えてご対応をお願いしたいと思っています。

続いて、デジタル法制審査については、経団連の提言でも、これまで着実に実施されていることを非常に評価しております。経団連では、デジタル5原則に合致しない法制度・規制を存続させる場合は、「デジタルによる代替措置が不可能であってかつその法目的を逆に毀損することが証明された場合のみ」に限定すべきという内容の提言をしております。ぜひ所管省庁が挙証責任を負って説明できる仕組みが機能するように、デジタル庁のリーダーシップの発揮をお願いしたいと思っています。

それから、テクノロジーマップについて、今日の資料の27ページに課題・今後の取組が整理された下の箱の2つ目のポツで、現場での理解が進むよう、情報発信を検討することが必要と記載されています。経団連でも、デジタル庁によるテクノロジーマップに関する説明会を開催しましたが、最後の開催から1年半ぐらいたっています。経団連としても、認知度向上の観点からスタートアップを含む会員への説明会の機会を設けるといったことで、またご協力申し上げたいと思いますので、ここは引き続き緊密な連携をお願いしたいと思います。

それから、地方です。これは安念座長からも宿題をいただいていて、先行事例のご紹介もあったのですけれども、なかなかこれはボトムアップで進む話ではありません。デジタル完結の最後の課題は地方公共団体ということで、特に2040年の人口推計をみると生産年齢人口が首都圏、中京圏、関西圏を除くと現在の半分ぐらいになってしまうという状況の中、人手不足が深刻化することから、地方はアナログ規制を徹底的に見直していく必要があるのではないかと思います。国も支援強化に努力されていることは十分認識していますが、まさに32ページでご紹介のあった制度・業務・システムの三位一体という話もあるところ、技術的助言にとどまらない工夫が何かできないか、引き続き検討していかなくてはいけないのではないかと問題意識を持っています。これと並行して、基本的な業務システムの統一・標準化といった取組も推進していただくよう、ぜひこのイニシアチブを発揮していただきたいと思っています。

以上です。

安念座長: ありがとうございました。

霞が関はやれと言えばやるのだけれども、その先の難しさですね。ありがとうございました。

落合構成員、いかがでしょう。

落合構成員: どうもありがとうございます。改めてご整理いただいて、これまでのデジ臨以来の一番中心的な活動を取りまとめていただいたように思っております。

このアナログ規制7項目の見直しというのはデジタル技術の本質に沿ったものだと思っております。同じような技術が同様に使うことができると、それを一気に見直すということは規制改革会議でもなかなか、もちろん特区なども含めてですが、できなかったことでありまして、横展できる項目に着目して一気に直していくという方法は非常にすばらしい手法として実施されたと思っております。まだ課題は残っておりますし、今後も新しいテーマが追加されることがあるかもしれませんが、いずれにしてもここまでの取り組みも非常に重要な取組だったと思っております。

その中で、これは法制上で言いますと、やはり性能規定化を各条項について行ったという取組の一つだと思っております。一方で、その中で単純に性能規定化をするだけではなくて、先ほどもお話がございましたテクノロジーマップの整備や、コンソーシアムの形成ということで、もちろん新しい提案も受け入れるが、既にこういうものは使っていいのではないのかといった成果には、比較的簡単に転用していただけるようにしていくということで、日本的な企業活動を踏まえて、性能規定を実践していくことに当たって、全体として非常にモデルになる取組を行えたと思っております。規制改革でも新しいものに取り組みたいという話は出てきて、それはそれで重要なのですが、面で広げていくためには、うまく過去の成果に乗っていきたいという人たちに、使っていただけるようにすることも非常に重要な取組だったと思っております。テクノロジーベースの取組を行っていただいたことは最後の性能規定化の画竜点睛を行ったというものだと思っております。

また、デジタル法制審査についてもツールを開発していただいたということはとてもすばらしかったと思いますし、一度見直しをしても何度も同じようにタケノコのように出てきたりすることがやはりありますので、そこに対して歯止めの策を打っていただいたということは、基本方針で述べるだけではなくてある種のツールを開発していただいたところも含めて、初めて行政が、コードのアーキテクチャーも組み入れて、デジタル化に対応していくことになったと思います。もともとの発想としてのアジャイルガバナンスのナンバー1の報告書のときも、アーキテクチャーとコードという話が中心だったように思っております。それをまさしく民間のプラットフォームだけではなく、行政も使っていこうという話になり、非常に良い取組になっていると思っております。

最後に、地方公共団体の点も重要なところです。規制改革推進会議でもローカルルールに関する部分は意見書をまとめて公表しておりますし、断続的にローカルルール見直しをすることが規制改革のテーマの一部を占めることが依然としてあるように思っております。しかも、国民生活に近いのはどちらかというと国の官庁というより、実は地方自治体だったりいたしますので、最終的に実感してもらえるようになるために、この取組は重要だと思います。一方で、非常に息の長い取組にもなり得るのではないかとは思いますので、この部分については。デジタル庁として継続して後押しを続けていただきたいな、と思っております。

一応全体の取組について、私なりに規制改革推進会議や関わってきた経緯を踏まえての位置づけなど、こういった点が良かったのではないかという点をコメントさせていただきました。本当にどうもありがとうございました。

安念座長: ありがとうございました。総括的にコメントいただきました。

やはりアーキテクチャーがないとタケノコ狩りもできませんね。

増島構成員、いかがでしょう。

増島構成員: ありがとうございました。何となく全体が総括に向かってきれいに進んでいるところでございまして、ここまでの取組につき事務局のみなさま本当に大変お疲れさまでしたという話がまず一つだと思っております。

もう一つ僕らの目線からありますのは、利用者の目線から見ると新しい規制の改革というのは、アナログ規制のデジタル化ということでもそれ以外でもそうなのですけれども、出したルールというのはプロダクトなのですね。プロダクトが出たときに、これは便利なのだからみんな使えみたいな話というのは実は成り立たないということで、良いプロダクトなのだから使わないほうがおかしいみたいな話というのはないのです。プロダクトというのは出てからが仕事で、出た後にみんなにそのプロダクトのマーケティングをして、良いプロダクトですよ、このように使えるのですよ、ほら使うとこんなに便利になったでしょうというのを一生懸命マーケティングをして初めて使ってもらえる、これがプロダクトというものですということでありまして、これは民間が出している新商品も当たり前なのですけれども、ルールというものもまさにそういうものだと思っております。なので、新しい規制をつくって、ここでほらこれをスタートアップが使えば新しいサービスが提供できるのだから、民間は当然それをするべきだというのは僕らからすると世の中そういうものではないですということでありまして、どうしたってこのマーケティングという作業を最後にやらないと、全体、特に行政としてはそれを使ってもらいたいというニーズがあるわけだから、ここが完結していないのだということだと思っています。

マーケティングの部分というのはなかなか官庁は持ち得ないというか、持つのが難しいというか、あまりそういう発想で業務をやっていないのでなかなか持ちにくいファンクションですし、そこに予算を取るという発想がそもそもないので難しいことだということは重々承知をしているところではあるのですけれども、全体のアウェアネスを高めるための仕組みづくりみたいなところまで本当は各省庁さんが見ないと、結局ルールをつくることがミッションではなくてそれで世の中を変えることがミッションだと思いますから、そこまで本当は民間がやれという話なのだと思うのですけれども、必ずしもそういう役割分担ではないので、プロダクトとしての使命というか宿命みたいなところがありますので、そこをつないでいくような、自走できるような仕組みというのをどうするのかというのは大事なポイントだろうと思っています。

その観点から、この場のイニシアチブは少し手じまいの方向なので、可能な限りできることみたいな話でいきますと、例えば先ほどダッシュボードと書いていただいた部分があったと思うのですけれども、この進捗の過程が表で誰でも見えるようにする。これはコロナのときにもやっていただいたと思うのですけれども、これだけ進んでいますとか、もしくはマイナンバーカードのときにもやっていましたかね、ダッシュボードといってどんどん何かやっていくみたいなものが見えているというのが出ていると、いろいろな人がここまで来ているんだみたいなことが分かりやすい。この辺は進捗はきちんと管理をしているので、あとはエンドユーザーに対する見せ方という部分だけをちょっと工夫するだけで、ああやっているのだなというのが少なくとも見たい人には見えますし、特にメディアみたいな人たちはそれを拡散してくれますので、これが図みたいなものになっていればそういう人たちがいかにも取り上げてくれるわけですね。例えばそういうものを提供するというのは少しのリソースでその効果を大きくするという観点ではとてもよいのではないかというのが一つ。

もう一つは、今回、デジタル規制チェックみたいなツールをつくっていただいていて、今、このツールは自治体さんなどには提供しようというふうに一定なっていらっしゃるのではないかと先ほどのお話で推察しましたけれども、ユーザーの目線に立つと、ルールというのはそこにとどまらないわけです。たくさんの自主規制機関が存在して、何だかルールをつくって、それに判子や署名などと何かつまらないことがいっぱい書いてあったり、さらに言うと、契約書みたいなのものを作っている立場から言うのも変なのですけれども、およそデジタルという頭で契約を書いていないものもたくさんあります。さらに会社のいろいろな社内規定というものもまさにそのようになっているものがいっぱいあるでしょうし、もしこれがブラウザベースでファイルを貼り付けるとここがデジタル化されていないよというのが出るという話なのであれば、サーバーにかかるコストはそんなにないのではないのという感じもちょっとするものですから、なるべくたくさんの人たちにこういうものを使ってもらってはどうでしょうか。こういうITプロダクトというのはスケーラビリティーというのが一番良いところですから、一回つくればいろいろな人に使ってもらえるというところがよくて、もちろん国のためにつくっているものなのでそこに最適化されているものなのですよという注意書きは全然あってもよくて、β版なので信用しないでくださいでも何でもいいのですけれども、それであってもそういうものが出ていてここにあると、ここがデジタル化されていないというのが出てくるものがもしあれば、それを使う人で便利だと思う人たちというのは役所の中以外にもいっぱいいると思いますし、そういうツールを出すことがプロジェクト全体のアウェアネスを高めていくみたいなところにつながってくるということなのだろうなと思っております。この辺も最小の手だてでやっていることを効果的にマーケティングをするための一つの手法という気がいたしますので、手じまいをするに当たってそのようなことも考えていただけるとありがたいかなと思って聞いていた次第でございます。

以上です。

安念座長: どうもありがとうございました。

ルールアズアプロダクトという世界ですかね。ありがとうございました。

川野参事官、何かコメントがあれば、いただきたいと存じます。

川野参事官: ありがとうございました。多岐にわたる、全体としてポジティブなコメントをいただきまして本当にありがとうございました。

私自身は実は今年の7月に着任したばかりで、まさに6月末の皆さんの見直しの状況の最後の稲穂の収穫のときだけ私が担当させていただいているというすごくおいしい場面を仰せつかっているわけですけれども、先生方からお話がありましたとおり、これは2年前に横串で、先ほど落合構成員からも面的なやり方として非常に良いモデルではないかというお話がありましたけれども、こういう手法で国の規制全体を横串的にテクノロジーベースで直すというのは非常に一つの成功事例として、AIや量子という話もありましたけれども、今後、まさに新しいテクノロジーが出たときにも使える手法なのではないかなと思って、特に2年前にこの取組を各省としっかりと調整して進めたデジタル庁の当時の人たちにまず敬意を表したいと思っております。

その上で、私も霞が関の人間なので少し申し上げると、タケノコのようにという話がありましたけれども、実はあまり私は心配しておりませんで、やらなくてはいけないのだという事がルーチン化すると、霞が関の人種というのは結構真面目にやるものだと考えています。内閣法制局に法案を出さなくてはいけないというのは、私が1年生のときからずっと法律を出すときにやらなくてはいけないことで、こういうことを詰められるというのをたたき込まれているので、今、各省の法令を担当する若者たちは、規制制度をつくるときにはデジタルテクノロジーというのを意識して法令というのはデザインしなくてはいけないのだというのが徐々に浸透し始めているのだと思います。これがあと5年ぐらい積み重なると、もうそれが常識になってなかなか新しいものは出てこなくなるのではないかなというところは何となく希望的な観測を持っているということでございます。

あと、増島構成員からありましたマーケティングが大事だというのは全くおっしゃるとおりでございまして、この資料はとにかく今、各省と数字をしっかりまとめるために霞が関の中でかなり作業していたわけですけれども、冒頭、経団連さんからもご提案いただいたとおり、この一連の取組で、私が説明しましたとおり実際の規制をこのように見直したというのを6ページか7ページぐらい、具体の表ではなくて少し分かりやすい図を設けたという話をしましたけれども、これをもって、先ほど言いました経団連さん、あるいはスタートアップ企業さんとの会話というのをもう少し強化したほうがいいと思っております。RegTechコンソの活動もこれからまさにこの成果が一応出ましたので、これはどちらかというと目視規制などの規制の種類で分けているのですけれども、むしろ業界ごとに割ったほうがいいのではないか。建設業界で割るとか、福祉業界で割って、福祉業界にあったこういう規制が全部なくなったよ、皆さんやりたいことをやってねみたいなことで、そこにテクノロジーを持っている企業がこんなことができますよということを一緒に会話できるような場といったものを、コンソなども使いながらある意味引っかき回して、触媒のように対話をするような進め方というのをしていきたいなと思っております。

あと、地方は今後、なかなか大変な数が残っていると思うのですけれども、これは霞が関の職員も、地方公共団体の職員も、先ほど少し申し上げましたが、別にアナログ規制をかけたくて規制をかけているわけではなくて、昔やったものが残っているというだけなので、それを何としても権限のように守りたいみたいな職員というのは全国にほとんどいないのではないかなと思っています。だから、むしろ見直すための作業のハードルを下げてあげるということが我々の役割として重要かなと思っておりまして、先ほどご紹介がありましたけれども、点検ツールのβ版についても地方公共団体の皆さんにも実はもうご案内していまして、条例案をこれに突っ込むといけますよということはご案内していますし、これからもっと各地方公共団体の団体には情報発信していきたいなと思っております。

その上で、最後に増島さんからあった、これはいわゆる行政機関だけではなくて、いろいろな契約のひな型や会社の社内規定というものにも運用したらいいのではないかというのは本当に目からうろこで、なるほどと思いました。というか、実はこのツール自体はe-Govに載っているので、今でも皆さん誰でも使えるという状況でございますので、増島構成員、なんでしたらそのビジネスアイデアはご自身だけのアイデアにされてビジネス化を考えてもいいのではないかなと思ったぐらいでございまして、そういう方が出られると他の人も使われてということかもしれませんけれども、そのまま使えるのかどうかというのは我々も試してみないと分かりませんが、おっしゃるとおり国から始まったこのツールが民間のいろいろな内規とか、あるいは場合によっては町内会の決まり事といったもののツールにも簡単に使えるみたいになると、それは夢のある話だなと思って、何となく今日は良いことを聞いたと思ったということでございます。

すみません、少し時間をオーバーしていますので、簡単ですけれどもこれぐらいでコメントとさせていただきます。ありがとうございました。

安念座長: どうもありがとうございました。

それでは、最後に冨安統括官より一言お願いできますでしょうか。

冨安統括官: 本日も構成員の皆様、ありがとうございました。

本日取り上げました2つのプロジェクトはまさにデジタル庁ができてから新しく取りかかったプロジェクトで、デジタル庁ならではのものだと思っておりまして、なかなか大変なところもありますけれども、しっかりやってまいりたいと思います。

最初にご説明しましたベース・レジストリにつきましては、今年、法案も通りまして本格的に着手しております。進めるにつれて、今日ご紹介したような課題がいろいろ出てまいります。息の長いプロジェクトですが、今日申し上げたように効果が上がると考えておりますので、しっかりとやってまいりたいと思います。

また、アナログ規制見直しのほうは旧作業部会の時代に本当にゼロから委員の皆様にご指導いただき、一緒に検討いただきご助言いただいたりして、方向性をつくるところも含めましていろいろとありがとうございました。おかげさまで2年間の工程表が本年6月末までということで本日ご報告させていただきました。

今後につきましては、地方に対する支援をしっかりやっていく、積極的に取り組んでいただくような支援をやってまいります。また、ご意見がございましたが、PDCAとか、新技術が出てきたら新しく見直しができるのではないかといったことも当然あろうと思います。デジタル法制業務につきましても恒常化してまいりますし、まだまだ私どもも課題があると思っています。

それに加えまして、今年、我々の重点計画で制度を考える際に業務・システムを一体的に考えるのだということで、制度・業務・システムの三位一体ということでしっかり取り組んでいくということを各省にも働きかけているのですけれども、恐らくこういった考え方から新しい課題も出てくるのかなと思っております。

また、新しく内閣も替わるということだと思いますので、新たにどういったことを課題として、あるいはどういった体制でやっていくかなど、また改めてご相談させていただきながら進めたいと思っておりますので、どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。

安念座長: 統括官、ありがとうございました。

それでは、事務局より連絡事項があれば、お願いいたします。

事務局(平野): それでは、最後に議事録の取扱いについてご説明いたします。本日の議事につきましては、後ほど議事録を作成し、皆様にご確認いただいた上で公開することといたします。

また、資料につきましては、本日の議題に関する公表状況を踏まえつつ、デジタル関係制度改革検討会のホームページに公開することといたします。

事務局からの説明は以上となります。本日はご参加いただき、どうもありがとうございました。

安念座長: ありがとうございました。

事務局の皆様、構成員の各位、絶大なご尽力をいただきまして本当にありがとうございました。皆様極めて闊達なご議論をいただきましたので、進行について何か気を配らなければならないことも何もなくて、大変楽しく過ごすことができました。本当にありがとうございました。

以上をもって、第7回デジタル関係制度改革検討会を終了いたします。どうもありがとうございました。