本文へ移動

電子委任状法施行状況検討会(第5回)

電子委任状の普及の促進に関する法律(平成29年法律第64号)について、施行後5年が経過したことから、同法附則第4条の規定に基づき、施行状況の点検及び今後の方向性の検討を行うため、電子委任状法施行状況検討会を開催します。

概要

  • 日時:令和5年12月6日(水)から令和5年12月13日(水)まで
  • 場所:メールによるオンライン開催
  • 議事次第:
    1. 開会
    2. 議事
      1. 検討結果の取りまとめに向けた意見交換
    3. 閉会

資料

関連政策

議事録

日時

令和5年12月6日(水)から令和5年12月13日(水)まで

場所

メールによるオンライン開催

出席者

  • 上原哲太郎(立命館大学情報理工学部教授)
  • 濱口総志(慶應義塾大学SFC研究所 上席所員)
  • 宮内宏(宮内・水町IT法律事務所、弁護士)
  • 山口利恵(東京大学大学院情報理工学系研究科 准教授)
  • 板倉景子(株式会社メドレー コーポレートデザイン部 Head of Security)
  • 笠井玲子(株式会社ローソン インキュベーションカンパニーデジタルソリューション推進部 マネジャー)

オブザーバー

  • 一般社団法人デジタルトラスト協議会
  • 一般社団法人クラウド型電子署名サービス協議会
  • 日本公認会計士協会
  • 日本行政書士会連合会

議事録

笠井委員:

  • P.13の 「3.課題の整理と対応の方向性について」、タイトルの後に、突然課題と整理の具体的な内容に入っているので、なぜ以下の(1)(2)(3)に分けて説明されているのか、リード文があった方が読みやすいのではないかと思います。委員は、これまでの4回の委員会の流れを理解しているので、そもそも電子委任状の普及の前に電子契約の整理が必要といった背景知識がありますが、報告書だけを読んだ人にとっては、なぜ急に電子契約にフォーカスが当てられている混乱するように思います。
  • P.14の「(2)ガイドライン等の資料に関する課題と対応の方向性」において、課題の4つ目として、第4回の検討会での宮内委員と私の意見をマージし、印紙税削減以外の電子契約や電子署名の利用のメリットが広く理解されていないことを追加してはどうかと思います。電子契約における事務処理や書類の管理の負担軽減、電子委任状における正確性を担保された形での手続の簡素化、また、何かしらの理由で電子契約ができない方の代行手段などのメリットをガイドライン等で伝えてはどうでしょうか。
  • P.15「(4)法人内部の規程に関する課題と対応の方向性」において、電子署名に関する社会規程の整備が進んでいない点について、エビデンスとして、「商法総則・商行為法研究会(代表:清水真希子 大阪大学大学院法学研究科教授)による調査(商業登記と企業の契約締結実務に関する質問票調査)」の結果を注釈で記載した方が良いと思います。
  • 大変奥深いテーマの議論に参加させていただきありがとうございました。民間企業側の立場でいうと、アナログでの「押印」とデジタルでの「電子契約・電子署名・電子委任状」に関して非常に過渡期であるがゆえに、タイムリーに民間企業が安心して使えるガイドなどの推進を期待いたします。

宮内委員:

  • P.9の2段落目で、認定基準の概要について記載している箇所は、「××こと」が5~6個あり、一文が長く、非常に読みにくいので、これらを箇条書きにしてはいかがでしょうか。
  • p.10の3段落目冒頭の「電子調達システム」については、「政府電子調達システム」とする方がわかりやすいと思います。GEPSのホームページでも「政府」とつけていると思います。
  • p.11の表が読みにくいです。個別の数字と合計の数字の対応関係等がわかりやすくなるよう、工夫した方が良いと思います。

日本公認会計士協会・筏井氏:

  • P.17「(1)電子委任状の普及に関する課題」のイにおいて、「手軽な委任」とありますが、「手軽な委任」というのは存在しないのではないでしょうか。ここでは、おそらく「信用度の低い電子委任状」を意図しているものと思いますが、電子委任状は信用度の高低ではなく、あるかないかの二者択一ではないかと思います。信用度の高低は、電子委任状で出てくる委託者や受託者の本人確認の精度(厳密に本人確認したか否か)によって生じるものだと考えますので、正確には「簡易な本人確認に基づいた委任状」などの表現にするか、そのような補足をした方が誤解を生じないのではないかと思います。

事務局・當波:

  • 「手軽な委任」の点については、ご指摘のとおり、本人確認のレベルに加え、委任者・代理人と委任状を受領・確認する側の信頼関係等の要素が関係するものと考えられます。一方、今回の記述については、家族間の委任等についてカバーできていないのではないかという論点も念頭に置いたものとなりますので、こうした点も踏まえつつ、趣旨をより明確化できるよう、表現ぶりについては座長にご相談させていただきたいと思います。

板倉委員:

  • P.8の図2-6の枠付きのコメントについて、途中で終わっているように見えるので、表現や記載方法を工夫した方が良いと思います。
  • P.13「(1)電子契約における電子委任状の普及一般に関する課題」のカで、「手触り感」と出てくるが、他の文言と比べてカジュアルな表現になっている印象があります。
  • P.16「(1)代理人による電子申請の普及に関する課題と対応の方向性」のイにおいて、「隠れ委任」「隠れ代理」という表現が出てきますが、もう少し丁寧に説明した方が良いと思います。

濱口委員:

  • 他の委員のコメントも含めて内容を確認しました。

山口委員:

  • 板倉委員からもコメントがありましたが、P.13の「手触り感」という表現に違和感があります。この意図には賛同していますが、報告書には、もう少し固い表現であってもよいと思います。
  • 3.に記載されている「課題に対する対応の方向性」」については、電子署名法に基づく方法が現行制度により近しいと考えられる一方、もっと手軽に行う方法の方がより普及が進む点について記載があってもよいと思います。最終的には、ユースケースベースかと思います。

事務局・當波:

  • 委員及びオブザーバーの皆様には、報告書(案)のご確認及びご意見をありがとうございます。頂いたご意見を踏まえ、事務局において上原座長にご相談いたしました。
  • 「手触り感」の点につきましては、山口委員のほか、板倉委員からもご意見がありましたが、現在の「手触り感」から「仕組みの理解が困難」「仕組みの理解の困難性」といった表現に変更したいと考えております。
  • また、「手軽な委任」につきまして、オブザーバーの日本公認会計士協会・筏井様より、「手軽に委任を行いたいニーズ」ではなく「簡易な本人確認に基づいた委任状」の方が適切なのではないかとのご指摘を受けておりますが、「手軽な委任行為を行いたいニーズが拾われていない」こと自体が課題であること、家族間等の委任等についてもカバーする目的で記述しているため、この点については、「簡易な本人確認に基づいた委任状」とはせず、改めて「手軽に委任行為を行いたいニーズ」が拾われていないことが課題であると、強調した書き方としたいと考えております。
  • 「課題に対する対応の方向性」につきましても、山口委員からご指摘のあった「ユースケースベース」の検討について、一言記述することができないか、検討させていただきます。

上原座長:

  • 残りの作業につきましては、事務局と座長の方で進めさせていただき、最終版については、座長の方にご一任いただけないでしょうか。(→異議無し)
  • なお、少し議論になった「手触り感」という表現については、私としては、それほどこだわりがあるわけではないのですが、要するに、リアルの印鑑は意思の表明としての押印という行為と残る印章という関係が分かりやすく,かつ偽造リスクとその防止法を含めて誰にでもわかりやすい、ということがうまく表現できればと思っております。

宮内委員:

  • 「手触り感」の件ですが、私は、こういうものを「生活実感」と呼んだりしています。つまり、通常の活動(日々の生活)に根付いた実感が得られることが重要で、その中で、ある仕組み・機能を使用したことによる効果も認識できる(したがって、偽造や乱用の防止について実効性のある対策が立てられる)ということです。そういう意味では、「手触り感」、他の言葉でも結構ですが、記載することは重要だと思います。記載方法はお任せしますので、よろしくお願いします。

以上