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事業者のデジタル化等に係る関係省庁等連絡会議(第4回)

概要

  • 日時:2024年5月29日(水)13時15分から14時00分まで
  • 場所:オンライン開催
  • 議事次第:
    1. 開会
    2. 議事
      1. 公的手続等のデジタル化に関する対応状況等について
      2. 事業者向け行政手続システム整備に向けた調査の現状
      3. 事業者向け行政サービスのDXロードマップについて
      4. デジタルマーケットプレイスの概要と取組状況について
      5. 「DX支援ガイダンス - デジタル化から始める中堅・中小企業等の伴走支援アプローチ -」の概要
    3. 閉会

資料

議事録等

出席構成員

議長

  • 蓮井智哉(デジタル庁戦略・組織グループ審議官)

構成員

  • 中島朗洋(内閣官房 内閣審議官(内閣官房副長官補付))
  • 中村広樹(内閣官房 デジタル田園都市国家構想実現会議 事務局審議官)
  • 吉田宏平(内閣官房 デジタル行財政改革会議 事務局審議官)
    ※代理出席:小林剛也(内閣官房デジタル行財政改革会議 事務局参事官)
  • 伊藤誠一(内閣府 サイバーセキュリティ・情報化審議官)
  • 谷滋行(警察庁 総括審議官)
    ※代理出席:吉野亜理紗(警察庁長官 官房企画課課付)
  • 尾﨑有(金融庁 監督局 審議官)
  • 近藤玲子(総務省 大臣官房 企画課長)
  • 中村功一(法務省 大臣官房 サイバーセキュリティ・情報化審議官)
  • 松尾裕敬(外務省 サイバーセキュリティ・情報化参事官)
    ※代理出席:森田光枝(外務省 大臣官房 情報通信課長)
  • 植松利夫(財務省・国税庁 長官官房 審議官)
  • 豊岡宏規(文部科学省 大臣官房 総括審議官)
  • 三田一博(厚生労働省 サイバーセキュリティ・情報化審議官)
    ※代理出席:神長隆之(大臣官房 情報化担当参事官室室長補佐)
  • 菅家秀人(農林水産省 サイバーセキュリティ・情報化審議官)
  • 牛山智弘(経済産業省 大臣官房 審議官(IT戦略担当))
  • 松浦哲哉(中小企業庁 経営支援部長)
  • 岡本裕豪(国土交通省 大臣官房 サイバーセキュリティ・情報化審議官)
  • 神谷洋一(環境省 大臣官房 サイバーセキュリティ・情報化審議官)
  • 中西礎之(防衛省 サイバーセキュリティ・情報化審議官)
  • 上口洋司(日本銀行 業務局長)

議事録

蓮井審議官: それでは、定刻になりましたので、第4回事業者のデジタル化等に係る関係省庁連絡会議を開会いたします。

会議の進行をいたします、デジタル庁の蓮井でございます。いつもお世話になります。よろしくお願いいたします。

本日の会議ですが、構成員の皆様にはオンラインでご参加をいただいております。お忙しい中、ご出席いただきまして本当にありがとうございます。

また、資料につきましては、事前にお送りしているとおりでございます。

それでは、早速議事に入ります。

本日の議事は、1つ目が「公的手続等のデジタル化の対応状況等について」。2つ目が「事業者向け行政手続システム整備に向けた調査の現状」。3つ目が「事業者向け行政サービスのDXロードマップについて」。4つ目が「デジタルマーケットプレイスの概要と取組状況について」。5つ目が「『DX支援ガイダンス-デジタル化から始める中堅・中小企業等の伴走支援アプローチ-』の概要」でございます。

それでは、まず、議事1の「公的手続等のデジタル化の対応状況等について」でございます。
昨年、関係府省庁等の皆様方のご協力を得まして、2,600を超える団体に、書かない確定申告を進めるために源泉徴収票等のe-Taxでの提出をお願いするといった依頼文書を発出させていただいたところでございますが、それを受けての確定申告等の状況について、このたび取りまとまっているということございますので、国税庁からのご説明をお願いしたいと思います。それでは、国税庁の植松審議官、よろしくお願いいたします。

植松審議官: 国税庁の植松です。よろしくお願いします。
それでは、資料1を使って、国税庁関係の公的手続等のデジタル化の対応状況等についてご報告したいと思います。

スライドの2ページ目ですけれども、赤字の部分が、前回ご報告したところからの更新部分であります。

給与所得情報のマイナポータル連携等の推進に関しましては、今、蓮井審議官からご紹介がありましたように、令和5年分の所得税等の確定申告の結果概要がまとまってございますので、後ほどまとめてご報告したいと思います。

2番目のレ点の「マイナポータル連携の対応事業者の拡大」につきましては、デジタル庁・金融庁と連名で、生保協会、損保協会への通知文書を発出しております。

続きまして、スライドの3ページ目に行っていただきまして「申請における納税情報の添付自動化の推進」につきましては、関係省庁に対して個別に国税庁から相談を実施し、次期システム更改時での対応について検討を依頼しているところでございます。

また、デジタル庁・金融庁と連名で、全銀協へ通知文書を発出するとともに、総務省の協力を得まして、地方自治体への周知文書を発出してございます。

「預貯金等照会のオンライン化の拡大」につきましては、こちらも、デジタル庁・金融庁と連名で、生保協会、全銀協、日証協へ通知文書を発出、さらに、総務省の協力を得まして自治体への周知資料を発出してございます。

スライドの4ページ目でございます。

マイナポータル連携等を活用した確定申告・年末調整の連携ということで、今年1月から3月に行われました令和5年分の所得税等の確定申告の結果概要についてご報告いたします。

この関係省庁連絡会議の枠組みの下、令和5年12月に、国税庁から各府省庁に対しまして、所管する業界団体、独立行政法人等への周知を依頼しまして、その結果、各府省庁の協力もいただきまして、2,600を超える団体への周知を実現したのは前回もご報告したとおりでございます。その他の取組を併せて実施したところによりまして、令和5年分の所得税等の確定申告におきましては、以下のとおり公的手続のデジタル化が進捗してございます。

真ん中に棒グラフを並べてございます。まず左側のほうが、給与所得の源泉徴収票のオンライン提出件数でございますが、令和5年分につきましては1871万件と、昨年に比べまして+37.9%の増加になってございます。

続きまして、真ん中の確定申告におけるマイナンバーカードの利用人数でございますけれども、令和5年分につきましては、485万人と前年同期で+25.3%の増加となってございます。

さらに、右側の確定申告におけるマイナポータル連携の利用人数につきましては、令和5年分で191万人と、+44.7%となってございます。

このように一定の進捗が見られたところでありまして、本当にご協力ありがとうございました。今後ともさらにデジタル化を進める必要がございまして、来年の確定申告等に向けても、引き続きこうした取組を継続していくことが重要だと考えてございます。引き続きご協力のほど、よろしくお願いいたします。

私からは以上でございます。

蓮井審議官: ありがとうございました。

皆様方のお力添えの結果、一定程度、進捗があったということでございます。本当に改めてお礼を申し上げたいと思います。

デジタル化は、一旦進みますとさらにそれ以上進みやすくなるというところもあると思いますので、最初のハードルを超えるのは大変だと思いますけれども、引き続き皆様方のお力添えをいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

それでは、ただいまのご説明につきまして、ご意見やご質問等がございましたらお願いできればと思います。いかがでございますでしょうか。

我々としても、できればこういった成果が上がっているということにつきましては、様々なところにPR等もしてまいりたいと考えております。そういった際、お力添えをいただくこともあるかもしれませんが、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

続きまして、議事2の「事業者向け行政手続システム整備に向けた調査の現状」についてご説明をしたいと思います。

昨年度のデジタル行財政改革の中間取りまとめ、12月にまとめたものでございますが、この中で、事業者向けの補助金でJグランツの利用を原則とすることを目指すように位置づけられたというのがございまして、これを踏まえまして、現状の補助金の電子化の状況について調査を実施しているところでございます。現時点、府省間で共管の補助金などもありまして、100%の入力完了には至っていない状況ですが、関係府省庁の皆様にご協力いただきまして、相当程度多くの内容をご入力いただいたため、調査状況につきましてデジタル庁よりご説明させていただきます。

なお、本調査は、補助金のオンライン化に資するため、必要に応じてデジタル行財政改革会議と連携をしていきたいと考えてございます。

それでは、デジタル庁の畠山補佐、ご説明をお願いします。

畠山参事官補佐: デジタル庁の畠山でございます。私から説明させていただきます。

まずは、資料2の「事業者向け行政手続システム整備に向けた調査の現状」というものでございます。

こちらにつきまして、経緯をもう一度おさらいさせていただきますと、秋の行政事業レビューにおいて、国の既存の給付システムや民間の新しいデジタル技術の積極的な活用を検討づけるように取りまとめられております。その中で、デジタル行財政改革会議の中間取りまとめで、2025年度から全補助金でオンライン申請が原則であると位置づけられてございます。これを踏まえまして、現在、DXSというものを使って、補助金群に関する調査というのをやっております。

補助金群というのは何かといいますと、今、霞が関の全ての補助金についての網羅的な一覧というのはございませんので、こちらについて、財務省様や各省庁様のご協力をいただき、あくまで予算要求に関わる調査ベースで補助金群というものの一覧を出しております。そして、補助金をオンライン化する時期は、今年の冬か来年の冬の2回の機会がありまして、それが2025年度末のリミットに間に合わせるために必要であると考えています。

まずは、今年の冬から来年の春にかけてJグランツのご活用に向けて動いていただきたい補助金というのを、主要なものを絞り込んでおります。その中で、既に調査させていただいている中においても、最終受益者が個人事業主か法人になっているもの。それから、年間の採択件数が大体100件以上であること。それから、現状、Jグランツでは、地方自治体のネットワークであるLGWANにまだ対応できておりませんので、審査経路に地方公共団体を含まないもの。それから、現在、それぞれの省庁が整備している電子申請システム等に対応しておらず、電子メールや紙のみでしか申請ができないもの。そして、もちろん、令和5年度末で廃止する補助金については入れても仕方ありませんので、このように現存するものとなっております。

この調査につきまして、昨年の11月ぐらいから始めてまいりましたが、現在で約14%が未入力になっており、約11%がまだ入力中となっております。

現行の調査単位が補助金群であり、その一つの補助金群の中に複数種類のメニューとかいろいろな補助金がたばになっているものが存在しているだろうなと考えております。

また、補助金群のうち、国から補助金事務局へ1回支払い、その上で事務局で審査・採択をして事業者への支払いが行われるものもあります。このような場合、最後に補助金を受け取った人が1,000人いるのであれば採択件数は1,000件と記載いただきたいのですが、この補助金は、採択件数が1件しかないですという記入をされているものもありまして、具体的な名称ベースでも捕捉を始めておりますが、そうしたものがまだ載っていないという認識をしております。

4ページに参りまして、現在の入力状況でございますが、厚労省様のように大量に補助金群があるのにもかかわらず、ほぼ100%書いてくださっている省庁もあり、大変ありがたいなと思っております。

この下半分のほうのバーコードのようなグラフというのは、その入力作業が何人の職員で分業されてなされているかというものの目安となっております。これが、例えば厚労省、国交省、経産省、こども家庭庁、総務省、環境省のように複数の色に分かれている場合は、これは、恐らく原課・原班の二、三十人の方々を含めて分業して記入してくださったということになります。

逆に、1色で塗り潰されている省庁、2色で塗り潰されている省庁というのは、実際の入力作業が、1名ないし2名の特定の職員に大量に負荷がかかって、その職員が恐らく夜中までかかって作業したのではないかということが示唆されております。

なので、せっかく今回、分業ができるような体制としておりますので、各府省庁におかれましても、なるべく分業して作業を行っていただいたほうが、働き方改革の観点でも、迅速な入力の観点でもよろしいのではないかと考えております。

では、実際、今年の冬から来年の春にかけて、Jグランツに載せていってくださいという、より優先度が高いであろう補助金というものの絞り込みも始めております。

これについては、採択件数が100件を超えていて、かつ、既存の電子申請に載っていないというものがこのようになっております。例えば、ここでピンク色に塗っているeMAFFでございますが、eMAFFに載っているようなものについては、上記の電子メールまたは紙でしか申請ができないというものではないので、これを無理やりJグランツに載せてくださいというものではございません。なので、紙でしか受け付けていませんとか、電子メールでしか受け付けていませんというもの、かつ、年間採択件数100件以上ですというものについては、絞り込みをしていって、そして、こちらについては、もう2か年しかチャンスがないので、1年目の今年に載ってくださいという順番になろうかと考えております。

また、こちらから、これを埋めてくださいと依頼して、そして、皆様のほうで分業して埋めていただくということをやっておりますが、そうはいってもなかなか埋まってこないというものもあります。

この手の調査では、従来ですと、いつまでたっても埋まらないものについて、例えば少人数の係員・係長で徹夜で埋めるみたいなことがいろいろなところで繰り返されていたのですけれども、最近では、いわゆるネット検索と生成AIというものを組み合わせる、RAGということができるようになっておりまして、具体的には、補助金の名称を打ち込むと、その補助金の名称に沿ってネット検索を行い、そして、検索を行った結果を基に生成AIで自動的にその制度の概要とか、どのような審査経路をくぐるのかということの推測を作成して、それを入力フォームに埋めるということまで自動化されました。

なので、これまでは、入力欄が空欄だとずっとそのまま空欄でしたということになると思うのですけれども、これからは、入力欄が空欄のものについては、こちらのほうで生成AIを用いて、仮説ベースで一旦埋めて、これで合っていますかと確認させていただく。そして、それでもご回答がないというのであれば、一旦、そこに書いているものを正しいものとして次のステップに進めていくという順番になるかなと認識しております。

7ページに移ります。

「Jグランツの移行に向けた追加調査案」でございますが、現在のところ、補助金群という単位で調査を進めておりました。これは、予算要求をしているときの補助金群であり、大体この行政事業レビューシートの単位だったり、財務省に予算要求するときのポンチ絵の単位に相当するわけですけれども、これを、これ以上細かく分解できないよという最小単位レベルの単位補助金に分解するということが必要になります。それも、これから各省庁と一緒にやっていこうと考えております。

それから、単位補助金ごとに、現在どのようにオンライン化を検討なさっていますかとか、あとは、審査フローに自治体を含んでいますかとか、あとは、補助率がが、例えば国が2分の1補助したり、自治体から4分の1である等についても記載をいただこうかなと考えております。

そして、Jグランツの電子化の要件に当てはまるとなったもの、または、生成AIとかを使って条件を分岐させて、これは恐らく高いレベルで、高い可能性で当てはまるのではないかというものをリストアップしていくということをして、電子化対応が可能な補助金を網羅的に捕捉していくという営みを続けてまいります。

8ページになりますが、スケジュールについてはこのように考えておりまして、我々が2025年度末までに全補助金を電子化するということで打席に立てるのは2回だと思っています。来年春の打席と再来年春の打席でございますし、この2回の打席を無駄にしないように最大限のことをやってまいりたいと考えております。

資料2については以上でございます。

蓮井審議官: ありがとうございました。

では、続きまして、議事3の事業者向け行政サービスのDXロードマップ、こちらも併せてご説明したいと思います。引き続き、畠山補佐、お願いします。

畠山参事官補佐: 事業者向け行政サービスのDXロードマップというものでございます。こちらについては資料が2ページのみでございます。

これも既にお見せしているとおり、行政サービスのDXロードマップというのをやっていこうとしております。これは、個人向け、マイナポータルやマイナンバーカード系というのはある程度整備されてきましたが、事業者向けの行政サービスについても同様に整理していこうとしております。

こちらについては、ある程度、数か年かかって、どのようなことができていくのかということが重要な観点になりますので、このように並べ始めております。

この中で、結構エポックとなりますのが、例えば2025年度には認証・署名アプリとかGビズIDとかも含めて、幅広いウェブサービスでもGビズIDでログインできるようにするというようなことを今取り組んでおります。

次に、これも結構大きなエポックだなと思っておりますが、②の「共通機能」として、電子ロッカーというのを新しく機能として考えております。

これは、行政手続を申請するときに、例えば行政書士や税理士や社会保険労務士と一緒に共同作業しながら書類をつくったりしていると思います。このときに書類を一緒につくるという工程とか、書類を保管しておくという工程をちゃんと便利にできるようにするとか、あとは、例えば役所から既に発行された何らかの認定書だったり納税証明書だったりとか、様々な証明書類があると思うのですけれども、こういったものに、公的機関や民間企業の電子署名が打たれた状態で保管することもできるということをすることによって、電子ファイルのやり取りをより滑らかにしていけるのではないかと考えてございます。

③の「補助金申請(Jグランツ)」というところが、まさに先ほどお話しした内容でございまして、2024年の来年の春と再来年の春の2回の打席を無駄にしないようにしたいと考えております。

これだけではなく、事業者が関わっている手続というのを上から並べると、事業者が国と契約を交わしたり、国から調達に参加したいということもありますし、もっと根っこのところに戻っていくと、例えば自分の登記簿情報だったり法人ベースレジストリ等があります。それから、事業者向けのいろいろな補助金があるということや、いろいろな制度があるということが、ちゃんとポータルとして見られるようにしようという複合的な取組を進めております。

こちらもだんだん詳しくしていくのですけれども、早いうちからご紹介させていただいているのは、デジタル庁が既につくろうとしているものと同じような機能を持ったものを各省庁で一緒につくってしまうと、これは完全に二重投資になってしまいますので、私どもとしても、3か年ぐらいかけてこのようなものをつくろうとしておりますということを早いうちから明らかにして、皆様と意見交換をしていきたいなという趣旨でございます。

私からは以上でございます。ありがとうございます。

蓮井審議官: 議事2、議事3、併せてのご説明でございました。

先に私から1つ申し上げると、議事3の行政サービスの話につきましては、通常、横に線表があるのですけれども、これは縦軸も意識しているところがございまして、ユーザーとの関係で、何がいつ起きるのかということが、フロント、バックヤード、さらには、そこから出てくるアウトプットの部分と、それぞれ3つぐらいレイヤーが分かれているわけですけれども、これを縦の視点で見るということで、結果的に、ユーザーあるいはユーザーに対してサービスを提供する皆さんからして、どの機能がどのように使われた結果、いつ、それがリリースされるのかということ、いつから使えるのかがはっきりするということを我々は目指しております。

個人向けのサービスロードマップというのをつくっていまして、省庁さんにも、協議させていただいていると思いますけれども、それも縦の視点がありまして、そういう意味では、これは、事業者手続システム全般について1枚でまとめているものですから、先ほど畠山補佐からもありましたように、契約を結びたい、補助金を申請したいとか、企業を創業したいとか、その際に何らかの許可が必要だとか、そういった、企業にも一定のライフステージがあると考えるとすれば、そのライフステージごとにどういった手続が生じるのかということも踏まえて、もう少しブレークダウンした形で今後つくっていければと考えてございます。

そういうことで、議事2の話も含めてなりますけれども、システムの調査にもご協力いただいておりますが、これも含め、議事2及び議事3につきまして、ご質問・ご意見等がございましたらお願いしたいと思います。

よろしゅうございますでしょうか。

それでは、後ほど、もしございましたら、またご連絡をいただければと思います。

続きまして、議事4の「デジタルマーケットプレイスの概要と取組状況について」に移ります。

このデジタルマーケットプレイスについては、行政機関のSaaSの調達の迅速化、それから、多様なベンダーの参入による調達先の多様化というものを目的として進めてございます。

実証版のカタログサイトをリリースさせていただきましたので、今後のスケジュールなどを含めましてデジタル庁より説明いたします。吉田企画官、よろしくお願いします。

吉田企画官: デジタル庁でデジタルマーケットプレイスを担当しております企画官の吉田でございます。

デジタルマーケットプレイスという取組の内容と、現在、どういった進捗なのかというところをご紹介させていただこうと思います。

まず、どういった取組なのかということでございますけれども、目的としては、行政機関がクラウドソフトウエア、いわゆるSoftware as a Serviceの調達というものを迅速に行えるようにしようということと、多様なベンダーの参入を促していこうということでございます。

この後もご説明しますが、現状、なかなか調達というところのスピード感について、特にシステム調達になってくると時間がかかっているというところが、我々にとってもペインになっていると認識しております。こういったところを解決していくとともに、特定のベンダーに依存しがちである中から、多様なサービス提供者が参入できるような仕組みも目指していくというところでございます。

こちらにつきましては、英国で2014年から本格運用というところで進んでいまして、約10年遅れでございますけれども、我々としての取組を進めようとしております。

こちらは英国だけではなく、ほかの国でも同様な仕組みが進められているところでございます。

この取組自体は、2022年度から検討を開始しており、その後、昨年度については実証を行い、それを踏まえて、現在、正式版の開発を進めているところでございます。こちらも後でご説明差し上げます。

実際に英国でどういうことが起きたかというところですが、2009年時点では英国でも18社が調達の8割を占めていたというような、寡占的なIT公共調達市場であったというところが、このデジタルマーケットプレイスを導入したことによって、登録ベンダーの9割近くが中小ベンダー・スタートアップになり、実際に調達額の4割近くも、そういったプレーヤーに多様化したところです。

下のマップに点が打ってございますけれども、右側の図を見ていただくと、全国各地のベンダーさんがデジタルマーケットプレイスに登録していただいているのが分かるかと思います。

これまでのIT調達との違いというところでございますけれども、これまでは、どちらかというと、行政システム、スクラッチ、一から構築して、それを運用していくというタイプが多かったと考えております。その場合は、何らか調達仕様書を役所側でつくり、それに対して複数社から提案をいただき、価格と併せて評価することによって調達をしていくというところでした。

こちらも、金額は大きいと、公募期間とかそういった手続期間だけで約半年とかかかって、すぐシステムが使えるというわけではないというところで、年度単位とかで開発して、やっとその次の年度に使えるみたいな状況というのが多かったのかなと考えてございます。

一方で、クラウド・バイ・デフォルトの考え方であったり、あとは民間の市場においても、Software as a Serviceと呼ばれるクラウドベースのパッケージのソフトウエアというものが普及してきている中で、こういったものは、最初から、どういった目的でどういった機能を持っているかということが明らかになってございますので、まずはソフトウエアベンダーの皆さんにそういったサービスを登録いただき、各行政機関が自分たちの要件に合わせて調達できるようにするというような仕組みを実現しようというところでございます。

行政機関、事業者、双方のメリットがあり、お客さんとのお付き合いの中でしか物が選べなかったところが、目的にあったものをソフトウエアのリストの中から検索して、簡易によりよいものを見つけていくということができるのではないかという点と、これまでは、先ほど申し上げたとおり、システムを一からつくってから使うというようなところでしたが、もう既につくられているパッケージのソフトウエアを導入することで、そういったソフトウエア導入のスピードが上がり、DXの推進につながっていくのではないかというところでございます。

事業者にとっても、これまで手続負担が大きかったというところがあったために、ある意味参入障壁になっていたと思っており、こういったところが、まずカタログサイトに載せることによって、様々な行政機関の目に触れられ営業コストが下がるというところと、実際、調達プロセスの簡素化みたいなところで負担が減ることで、さらに障壁が下がり、中小・スタートアップも含めた参入が可能になってくるのではないかと考えてございます。

今回、デジタルマーケットプレイスの仕組みで調達可能な範囲というところで申し上げると、先ほど来申し上げているとおり、クラウドベースでつくられたパッケージのソフトウエア、SaaSと、あとは、それを導入する際には、そのままソフトウエアを買って「はい、使ってください」というのは難しいので、通常、販売会社等が、この導入支援とかセットアップみたいなところをお手伝いしているケースが多いと考えてございますので、ここをセットで調達できるようにするというような仕組みを考えてございます。

具体的な調達プロセスとしましては、まずソフトウエア会社、販売会社の皆様とデジタル庁のほうで基本契約というものを結ばせていただいて、その中で、このカタログサイトに載せる上で、調達する上で必要な要件というところに合意していただくのが、まずファーストステップになってまいります。

そのカタログサイトの商品・製品の中から、各行政機関が検索を通じて絞り込みを行い、それを選定して個別契約という形で調達していくというような形になります。

このカタログサイト上で検索条件を決めて絞り込むことが、ある意味、公平にサービスを比較しているというところの証跡になると思ってございまして、そちらのほうをエクスポートして、デジタルマーケットプレイス上で比較した結果、このソフトウエアが選ばれていますというエビデンスにしていただくというような形を想定しております。

実際のその検索につきましては、目的タグと機能タグとございます。まず、目的タグは、政策カテゴリーの中でどこに当てはまるのかを、機能タグは、そのファンクションとして、ソフトウエアの機能としてどういった機能を提供するのかを絞り込むことが可能です。

加えて、これだけではなく、対応端末やブラウザ、セキュリティー認証等、通常、ソフトウエアを構築する際に考慮するような点についても、チェックボックスでチェックして絞り込みが可能となってまいります。

まずソフトウエアを絞り込んでいただいた上で、次にどこから買うのかというところを選んでいただくというステップになります。当然、そのソフトウエア会社が直販の場合は直販で買いますが、多くのSaaSソフトウエアの場合、販売会社が代理販売しているケースが多くございます。こういったところについても、どういったセットアップのサービス等を行っているかの中で検索して絞り込んで選んでいただくというステップになってまいります。

先ほど申し上げたとおり、昨年度、2023年度は、こちらのカタログサイトの実証版を既にリリースしているところでございます。こちらについては、正式版がオープンするまで、引き続きサイトのほうをオープンしてございますので、よろしければこちらのQRコード等で、どんなものになるのかというところのイメージを持っていただくために、お触りいただくといいかなと考えてございます。

今後のスケジュールでございますが、先ほど申し上げていたとおり、昨年度は実証してございまして、既に、このカタログサイトの実証版をリリースしており、そちらを使ったユーザーテストということで、各省庁様からも何名か、特に情報システム、会計周りのご担当者様に出席いただきましたけれども、フィードバックをいただいているところでございます。

今年度の上半期につきましては、こちらの実証を踏まえまして、正式なDMPの導入に向けた準備を進めているところでございます。正式版のカタログサイトの開発とか、あとは会計制度上の整理というところで、これは国だけではなくて自治体も使っていただくことを想定しておりますので、両方に関しての調達上の位置づけも整理してございます。

加えまして、セキュリティー上、どういったことを調達プロセスの中で確認しなくてはいけないのかについても、こちらもセキュリティー当局と現在確認を進めています。

あとは、調達に必要なドキュメントということで、やはり何の調達仕様もない中で検索するというところではなかなか調達できませんので、その調達仕様をまとめるようなシートや、先ほどから申し上げている基本契約。あとは、ユーザー向けのガイドラインというようなドキュメント類についても、これから整備していくことを考えてございます。

実際に、このDMPを活用した調達になりますと、今年度の下半期以降になってまいります。まず、10月末ぐらいをめどに、正式版のカタログサイトをオープンするということを考えてございます。そちらから、各事業者さんのソフトウエアの登録が始まってまいりますので、恐らく、実際に調達に使えるような状況になるのは年明け等になってくるかなと現状予測してございますけれども、実際のカタログサイトの構築の状況によってスケジュールがずれてくることはあり得ると考えておりますが、現状ではこういったところで進めております。

まずは、こういった新しい調達のスキームを、デジタル庁のほうで整備し始めているということのご認識と、今後、こちらのほうが整備されてまいりましたら、また我々のほうでも情報をアップデートしてまいりますので、ご活用の検討というところにつなげていっていただきたいと考えてございます。

私からは以上です。

蓮井審議官: ありがとうございました。

デジタル庁で始めている新しい調達についての取組でございますので、また、各府省におかれてもご参考になればということでご紹介いたしました。これにつきまして、ご質問・ご意見等がございましたらお願いいたします。

これは、ぱっと説明をするだけでは、なかなかまだ分からないなという面もあるかと思いますので、別途、個別にご説明することも含めて考えられると思いますので、ご質問・ご意見等あればメール等を含めてお寄せいただければと思います。よろしくお願いします。

それでは、議事5に移ります。「『DX支援ガイダンス-デジタル化から始める中堅・中小企業等の伴走支援アプローチ-』の概要」でございます。

これは経済産業省からご説明をいただくことになってございます。中小企業などへの支援機関が、中堅・中小企業などに対し、DXの支援をする際に考慮すべき事項について解説する「DX支援ガイダンス」を策定されたということでございまして、この概要につきまして、経済産業省の牛山審議官、ご説明をよろしくお願いします。

牛山審議官: 今、ご紹介いただきました、経済産業省審議官の牛山でございます。

私から、中堅・中小企業等のDX、こちらは伴走支援する支援機関向け、こちらの「DX支援ガイダンス」について、今般取りまとめた内容を説明させていただきます。詳細につきましては、経済産業省のホームページに公開しておりますので、本日、サマリーの1枚ものの資料を使って簡単に概略のご説明をさせていただければと思います。

では、内容につきまして、移らせていただきます。

まず、背景ということでございますけれども、これまで経済産業省といたしましては、IT導入補助金とかものづくり補助金とか、そういう各種補助金や表彰や認定制度みたいなもの、いわゆる個社支援によるDX支援を進めてきたところでございます。そこで、中堅・中小企業と大企業とを比べまして、特に人材や情報、資金が不足している、やはりそういうようなことを考えますと、独力でのDX推進は困難な状況にある、そういう現状認識、問題意識をまず持ったところでございます。

そのために、いわゆる、地域の伴走役たる支援機関、具体的に支援機関と我々がイメージしておりますのは地域の金融機関とか地域のITベンダー、あるいは自治体や公益財団法人、そのような主体になってまいりますが、そのような主体を通じまして、中堅・中小企業のDXを支援していく、そういう新たなアプローチによる政策展開が有効ではないかと考えました。そこで、昨年11月から検討会を開催いたしまして、DX支援の望ましい在り方につきまして議論を重ねまして、今回、ガイダンスの策定に至ったものでございます。

実際にDXに取り組んでいる中小企業、こちらは、労働生産性、売上高が大きく向上しているという現実がございます。支援を充実していくことによりまして、中堅・中小企業等のDXがさらに加速していく、その成長の果実が地域に還元されて地域全体の持続的な成長が実現していく。そうした好循環を生み出していくことが非常に重要であると思っておりまして、このDX支援ガイダンスが、DX支援に取り組む支援機関にとりまして、有益な参考書となっていくことを非常に期待しているところでございます。

そこで内容に踏み入ってまいりますと「支援機関が抱える課題」ということで、私どもで検討を進めるに当たりまして、各地域の金融機関とかITベンダー、自治体、公益財団法人等、100の支援機関に対しまして、DX支援の取組や課題などについてヒアリングを行いましたところ、支援機関の抱えている課題といたしまして、大きく4つに分けてございます。具体的には、支援機関自身のDXの取組が遅れている、支援機関として有益なDX支援の方法が確立できていない、支援機関及び支援機関同士の連携が不足している、支援機関内のDX支援人材が不足している、といった課題があることが判明したところでございます。

そのため、こうした課題について、有識者による検討会での議論を重ねまして、DX支援ガイダンスにおきまして、いわゆる大所の考え方をまとめたところでございます。

具体的な支援の考え方、方法論ということで、私ども支援ガイダンスの第3章に整理している内容、こちらは、DX支援における基本的なアプローチから具体的な方法論までを整理しているところでございますけれども、内容を申し上げますと、例えば地域の支援機関は非常に多く存在しますが、その中でも特に中堅・中小企業等の成長を見守り続ける主治医として、先ほど申し上げましたような、特に、地域金融機関、地域ITベンダー、地域のコンサルタント、このような者に、主体的・能動的にDX支援に取り組んでいただくこと、これはやはり大いに期待されるだろうと考えます。

また、短期的な目線だけでなく、中長期的な目線から、金銭的のみならず非金銭的な「利益」を得ることのできる取組。DX支援というのはそういう取組であるということを取られてもらう、これが重要であろうということ。

また、DX支援のアプローチの拡大に向けまして、支援機関による積極的な働きかけによるアプローチ。これに加えまして、いわゆる間接業務の共通化・標準化のアプローチが非常に有効であって、特に、間接業務の共通化・標準化、こうしたアプローチは非常に積極的に追求すべきであろうという点、このような点がここで述べております重要なポイントになってまいります。

また、その際には、DX推進指標やDX認定制度といった、これまで経済産業省が進めてまいりました、個社DX推進政策もございますが、手前みそになりますけれども、このような支援を実施する際のツールとして、このような個社向けの取組というものも併せて使っていただくことで有益ではないかという点も、ポイントとして整理したところでございます。

また、支援機関同士の連携ということも重要になってまいりますが、こちらは支援ガイダンスの第4章において整理してございますけれども、こちら、支援機関同士が連携していただく意義といたしまして、支援機関の持つ強み弱みの相互補完、それぞれ強み弱みがございますので、支援機関1社だけでやるのは難しいことから、連携してそれぞれの強みを生かして取り組んでいくことが必要であると考えます。

また、支援機関同士での情報共有ということで、同じ地域内でも、支援機関がつながっていないこともありますので、DXの企業事例や、その取組内容を知らないことが非常に多い、そういう現実がございますので、そもそも連携を通じた情報共有、これ自身に意義がある、そのような意義が考えられるところでございます。

支援機関が連携する形としては、地域金融機関や地域ITベンダー、地域のコンサルタントといった、いわゆる主治医となるような存在が主体性を持って能動的に連携を追求すべきであると考えておりますけれども、あるべき連携の姿といたしましては、例えば、2社、3社間の連携が至るところで発生している、そういう姿が望ましい姿であると考えております。

また、DX支援人材の在り方、こちらはガイダンスの第5章で整理してございますけれども、DX支援は、第一に、企業側のありたい姿へ導くためのコンサルティングから始まる、そういうような意識づけがまず重要であるということでございまして、その上で、デジタルに関する知識やスキルを身につけて支援に当たっていく、こうしたアプローチが、支援機関側にとっても非常に重要であるというような考え方でございます。

その上で、具体的な支援人材の人材要件ということで、いわゆる変革に導くための具体的なスキルと、それを効果的に発揮するマインド、この両輪が必要であると考えておりまして、我々経済産業省は、社内でDXを推進する人材のスキルを既にデジタルスキル標準ということで整理してございますけれども、それに一定程度準拠する形で、DX支援に求められる人材のマインドセット、スキルセット、こちらのほうを本ガイダンスで整理させていただいたところです。

また、人材育成に当たりましては、座学やケーススタディ・実践・フィールドワークの提供に加えまして、DX支援の評価制度やインセンティブ設計が重要、このような方向性も得たところでございます。

以上、簡単にご説明いたしましたが、詳細については、経済産業省のホームページに記載しておりますので、ご関心の向きはそちらのほうもご参照いただければと思いますが、本ガイダンスの策定に当たりましては、検討会の段階から関係する府省庁にもご議論にご参画いただいてきたところでございます。この場を借りてご礼を申し上げますとともに、今後、本ガイダンスにのっとったアプローチによりまして、経済産業省としてもDX支援を進めていきたいと考えておりますが、また具体的な実施に当たりましては、関係の府省庁の皆様とも連携して進めていきたいと考えているところでございます。

以上、私からのご説明になります。

蓮井審議官: 牛山審議官、ありがとうございました。

最後におっしゃったとおりでございまして、こういった支援ツール、様々なツールがございますので、今日ご参加の省庁の皆様方も、所管業界で、特にデジタル化が必要だといった場合に、こういった支援をされるような方々との連携も重要だということがあろうかと思いますので、引き続き、経済産業省の皆様と含めて連携をさせていただければと思っております。ありがとうございました。

ただいまのご説明につきまして、ご質問・ご意見等がございましたらお願いいたします。

それでは、以上で本日予定しておりました議事は終了でございます。皆様、いつもご参加、ありがとうございます。次回、会合の日程につきましては、後日事務局よりご連絡をいたします。

本日は、皆様、お忙しい中、ご参加いただきましてありがとうございます。以上で本連絡会議を終了させていただきます。ありがとうございました。