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事業者のデジタル化等に係る関係省庁等連絡会議(第5回)

概要

  • 日時:2024年9月27日(金)13時15分から14時00分まで
  • 場所:オンライン開催
  • 議事次第:
    1. 開会
    2. 議事
      1. 事業者向けの補助金の電子化及び行政手続の悉皆調査
      2. 公的手続等のデジタル化に関する対応状況等について
      3. 事業者のデジタル化に関する広報素材の活用について
      4. 電子調達システム(GEPS)の新機能(少額物品調達業務)のご紹介について
      5. 雇用関係助成金DXの検討状況について
    3. 閉会

資料

議事録等

出席構成員

議長

  • 蓮井智哉(デジタル庁戦略・組織グループ審議官)

構成員

  • 吉沢浩二郎 (内閣官房 内閣審議官(内閣官房副長官補付))
    ※代理出席:伊藤拓(内閣官房内閣参事官(内閣官房副長官補付))
  • 岸田里佳子(内閣官房 デジタル田園都市国家構想実現会議事務局審議官)
  • 吉田宏平(内閣官房デジタル行財政改革会議事務局審議官)
  • 伊藤誠一(内閣府サイバーセキュリティ・情報化審議官)
    ※代理出席:高橋敏明(内閣府大臣官房サイバーセキュリティ・情報化推進室長)
  • 重松弘教(警察庁 総括審議官)
    ※代理出席:小堀龍一郎(警察庁長官官房企画課長)
  • 尾﨑有(金融庁監督局審議官)
  • 金澤直樹(総務省大臣官房企画課長)
  • 中村功一(法務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官)
  • 斉田幸雄(外務省サイバーセキュリティ・情報化参事官)
    ※代理出席:森田光枝(外務省 大臣官房情報通信課長)
  • 斎須朋之 (財務省・国税庁長官官房審議官)
  • 渕上孝(文部科学省大臣官房総括審議官)
    ※代理出席:中村真太郎(文部科学省大臣官房総務課行政改革推進室長)
  • 林弘郷 (厚生労働省サイバーセキュリティ・情報化審議官)
  • 三野敏克(農林水産省サイバーセキュリティ・情報化審議官)
  • 牛山智弘(経済産業省大臣官房審議官(IT 戦略担当))
    ※代理出席:守谷学(商務情報政策局 情報経済課長)
  • 岡田智裕(中小企業庁経営支援部長)
    ※代理出席:山本慎一郎(経営支援部 生産性向上支援室室長)
  • 山下雄史(国土交通省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官)
  • 熊谷和哉(環境省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官)
    ※代理出席:明石健吾(環境省大臣官房総務課環境情報室長)
  • 家護谷昌徳(防衛省サイバーセキュリティ・情報化審議官)
  • 上口洋司(日本銀行業務局長)

議事録

蓮井審議官: それでは、時間になりましたので、第5回事業者のデジタル化等に係る関係省庁連絡会議を開会いたします。

会議の進行を担当いたしますデジタル庁の蓮井でございます。よろしくお願いいたします。

本日の会議ですが、構成員の皆様にはオンラインでご参加いただいております。お忙しい中、ご出席をいただきましてありがとうございます。

資料につきましては、事前にお送りしているとおりでございます。

それでは、早速議事に入ります。

本日の議事は、1つ目が、事業者向けの補助金の電子化及び行政手続の悉皆調査。

2つ目が、公的手続等のデジタル化等に関する対応状況について。

3つ目が、事業者のデジタル化に関する広報素材の活用について。

4つ目が、電子調達システム(GEPS)の新機能(少額物品調達業務)のご紹介。

5つ目が、雇用関係助成金DXの検討状況について。

この5つとなります。

まず、議事1つ目の「事業者向けの補助金の電子化及び行政手続の悉皆調査」にまいります。

昨年、デジタル行財政改革の中間取りまとめにおきまして、事業者向け補助金申請でJグランツの使用、あるいはデジタル化を原則とすることを目指すと位置づけられたことを受けまして、補助金に関する調査についてご協力いただいているところでございますが、本調査については皆様のご協力もあり、一定程度取りまとまってきたところでございます。

これまで本連絡会議でもお伝えしたところでございますが、このたび行政手続の悉皆調査につきましても、これを開始したいと思っておりますので、詳細について担当よりご説明 いたします。

デジタル庁の吉田企画官、よろしくお願います。

吉田企画官: 今ご紹介にあずかりました、デジタル庁企画官の吉田でございます。

補助金申請の調査につきましてご協力いただき、大変ありがとうございます。本日は、そちらの進捗と併せまして、行政手続の電子化状況の調査についてご説明させていただきたいと思います。

まず、事業者向けの補助金の電子化でございますけれども、昨今から申し上げているとおり、昨年の行政事業レビューを踏まえ、事業者向けの補助金申請について2025年度以降、電子申請の可能な環境を整えていくという中で、この灰色にされている要件に当てはまる補助金については原則電子化していこうというところで調査をかけさせていただいておりました。

実際に要件に当てはまるような補助金を我々のほうでも調べているところでございますが、赤枠で囲っているような数字が、まさに電子化の対象となってくるような補助金として、我々のほうで提示させていただいているところでございます。こちらはまだ電子化するための環境がなければ、Jグランツをご活用いただければと、我々としても考えているところでございます。

今お話ししたこの要件を満たすような補助金につきましては、デジタル庁でも直接この補助金について電子化の取組を進めてくださいという形で連絡させていただいて、Jグランツの利用等の検討をサポートさせていただきたいと思ってございます。きちんとフォローアップしていって、実際にどこまで電子化されているかを見ていきたいと考えております。

それ以外につきましても、100件以下の補助金等でも利用したいというところにつきましては、我々はサポートしていく所存でございますので、ぜひお声がけいただければと考えてございます。

実際に対象となるような補助金はどれぐらいの数があるのか、検討状況がどういう状況にあるのかということをダッシュボードのような形で我々はフォローアップさせていただき、その中で、どこまで補助金の電子化が進んでいるかをチェックしていきたいと考えてございます。

各省庁のPMO・原課担当者向けのJグランツの利用説明会等も今後開催してまいりますので、そういった機会をご利用いただきながら補助金申請の電子化の取組を進めていただければと思ってございますので、ご協力をよろしくお願いいたします。

加えまして、地方分権改革の有識者会議のほうでは、自治体のほうから国が提供している交付金についても一覧できちんと把握できるような形にできないのかというようなご要望もいただいているところでございます。交付金の情報もベースとなるデータは持ってございますので、こちらのほうもまた整理をさせていただきたいと考えてございまして、改めてどういった形で整理を進めていくかについて、事務方からご連絡させていただきたいと考えておりますので、ご了承ください。

続きまして、行政手続の悉皆調査でございますが、従前から申し上げているとおり、我々デジタル庁のほうで提供している共通機能を使って今度は各行政手続について電子化を進めていく上で、どんな手続が行政全体で存在しているのかということと、どういった形で電子化されているのか、もしくはされていないのかというような調査を行っていくことを考えております。

こちらは令和3年度まではデジタル庁、もしくはその前の内閣官房のIT室のほうで行政手続棚卸しという形で調査をさせていただいていたところでございますけれども、デジ手法が制定されたところで法定調査として位置づけられているようなものとして行っていくことを考えてございます。実際にどういった汎用的な電子システムに移行していくことが可能かといったところの中で、そもそも令和3年度の調査から追加されているような行政手続も多くあると思いますので、フェーズを2つに分けて調査をさせていただきたいと考えてございます。

フェーズ1調査が、まさにどんな行政手続が政府全体であるのかという調査になります。さらにフェーズ2で、どこが電子化されているのか、どういった手続件数が電子で行われているのかというようなところを調査させていただくというような形で進めていくことを想定しております。調査方法としましては、今回、補助金の申請の電子化の調査と同じようにDXSという調査ツールを使って調査させていただくことを考えてございます。

実際、この行政手続、棚卸しの中でも目指していたところであるとは思いますけれども、こういった調査を通じてそもそも政府内にどれだけの手続があるのか、それらは事業者向けにどういったものがあり、個人向けにはどういった手続があるのか、それらがどこまで電子化されているのかというところを把握していくことが、ある意味で各省庁のデジタル化を進めていく上でも非常に重要な情報になってくると考えてございますし、政府としてどういった手続を管理しているのかという観点からも重要な情報になってくると考えてございます。

こちらに表示しているのは令和3年度に行った棚卸し調査の結果をダッシュボード化しているものではございますけれども、内容をアップデートして見られるようにすることで、各省庁におかれましても、どこまで電子化が進んでいるのかということがチェックしやすくなると考えてございます。

以前、令和3年度のときは、棚卸し調査というところはエクセルの形でやられていたので非常に手間がかかるし、情報の漏れであったりヒューマンエラーも散見されるようなところがあって、各省庁にはかなりご負担をおかけしたと認識しております。こういったところをDXSを使うことによって各原課の方々に直接入力していただけるような環境、即時に集計されるような環境をつくることによって、より迅速に対応をしていけるような環境を提供していきたいと考えております。

加えまして、今回、生成AIを活用することで現場の方々の入力負担も軽減できないかということを考えております。前回の入力事項から生成AIを通じて最新の情報を介して、どういったアップデートが見込まれるかというようなサジェストを、一番右で表示させていただく。その中で変更する必要がない部分とある部分をサジェストさせていただくことによって、現場の方々の入力負担もかなり低減できるのではないかと考えてございますので、ぜひこういったところも活用しながら取組にご協力いただけると、大変ありがたいと考えてございます。

スケジュールとしましては10月初旬の10月14日頃から、まず、フェーズ1の調査で、どういった行政手続が存在するのかというところを2か月程度かけて調査させていただきたいと考えてございます。そちらを踏まえ、12月中旬頃からフェーズ2ということで、その中でどこまでが電子化されているかについても調査させていただこうと考えております。

本日の省庁連絡会議に先立ちまして、既に各省庁の文書課の方々にもこういった取組を進めていくというところをご説明させていただいておりますので、また現場の方々にはご負担をおかけするところがあり、大変恐縮ではございますが、ご協力いただければと考えてございます。

私のほうからは以上でございます。

蓮井審議官: ありがとうございました。

ただいまのご説明につきましてご意見・ご質問がございましたら、よろしくお願いいたします。

ご説明にございましたように、各府省庁におかれましては事業者向け補助金のオンライン化を進めていただきまして、その際には積極的なJグランツ利活用を検討いただきたいと思います。

また、Jグランツにつきましては先ほどご説明がありましたとおり、国から地方公共団体へ直接交付する交付金などにつきましても掲載すべきといったご指摘を地方分権改革有識者会議からもいただいているところでございまして、各省庁におかれましては、ご所管の交付金等につきましてもJグランツへの掲載を積極的にご検討いただければと存じますのでよろしくお願いします。

最後に、3年ぶりにデジタル行政推進法に基づく行政手続の悉皆調査、今回初めてオンライン調査ツールを用いて行います。生成AI等の先端技術を活用しまして実務を担う方々の業務負荷をできるだけ軽減する形で行いたいと思っておりますので、ぜひご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

それでは、議事2の「公的手続等のデジタル化等に関する対応状況について」、また議事3の「事業者のデジタル化に関する広報素材の活用について」に移ります。

議事2につきましては、昨年関係省庁の皆様方にご協力いただきまして、マイナポータル連携等を活用した確定申告ですとか、預貯金等照会のオンライン化の拡大につきまして今回もご説明いただきます。

また、議事3につきましては、国税庁において関係機関などと協力の上、事業者のデジタル化を支援する施策の周知広報を実施されてございますので、その内容等についてもご説明いただきます。

いずれも国税庁の斎須審議官にご説明をいただきます。恐縮ですが、続けてご説明いただければと存じます。斎須審議官、よろしくお願いします。

斎須審議官: 国税庁の斎須でございます。蓮井審議官、いつもありがとうございます。

それでは、資料に基づきましてご説明させていただきたいと思います。

まず、税務署に行かずにできる確定申告についてでございます。関係省庁のご協力をいただいてe-Taxもかなり進んできております。これをさらに広げていって、納税者に便利さをより実感していただけるような取組をさらに進めていきたいと考えております。上の箱の中でございますが、各府省庁さんのご協力によりまして2,600を超える団体への周知を実施できたところでございまして、ご協力に大変感謝を申し上げたいと思います。

また、確定申告は毎年来るわけでございますけれども、令和6年分の所得に対する関する確定申告に向けましても、さらにe-Tax利用拡大に向けて、あるいはe-Taxの中でマイナポ連携などをいたしますと大変便利でございますので、そういったことも含めた周知広報にご協力をいただければと考えております。具体的な内容につきましては、また改めて文書でご依頼をさせていただければと考えております。

給与所得の源泉徴収票につきまして、これがマイナポ連携で自動的に記入される機能が搭載されました。今年の2~3月において6万件ぐらい実施できたわけですけれども、これをまたさらに広げていきたいと考えておりまして、関係府省庁の皆様におかれましては所管の団体、それから、所管法人に対して周知をいただければと考えております。それから、役所でございますとか、あるいは関係の自治体、団体、あるいは所管法人の職員の方々を含めましてマイナポータル連携でありますとか、マイナンバーカードを利用したe-Taxによる確定申告は非常に便利で簡単なものになっておりますので、その利用の呼びかけについてご協力をいただければと考えております。

マイナポ連携の具体的な自動入力の対象等は左下のほうに書いてございまして、右側のほうにはスマホ用の電子証明書、マイナンバーカードがなくともできるように、Androidについては来年の確定申告の時期に間に合うように対応する予定でございまして、AppleのIOSについても準備ができ次第、来年の確定申告には間に合わないのではないかと思っておりますが、その後、対応できるようにしていきたいと考えております。

次のページでございますが、預貯金等照会のオンライン化の拡大でございます。これに基づきまして財産調査等の目的で金融機関に預貯金等情報の照会を行っておりますが、これをオンラインで行いますと、金融機関側の負担、それから、私ども税務当局のほうの負担も大変軽くなります。正確性が増します。ということでございますので、これを拡大していきたいと考えております。

金融庁をはじめ、関係省庁にご協力いただきまして、信用金庫に拡大するような取組が進んでおりますが、個々の金融機関を見ますと、まだまだ進んでないところもございます。参加する金融機関、証券会社や資金移動業者も含めて、また、地方自治体にも拡大していくことが必要だと考えております。今後、当面の対応といたしましては、日本資金決済業協会、日本クレカ協会等へオンライン照会への対応を呼びかける通知を発出いたしまして、それから、地方自治体の参加も呼びかけていければと考えております。

3ページ目、単に税に限らず、事業者の方々にデジタル化の促進に取り組んでいただくことによって、社会全体として、あるいは日本経済全体としての効率性が向上すると考えられます。したがいまして、私ども税務当局のほうでも事業者のデジタル化促進に向けた取組を進めているわけでございます。

下の○で囲んでおりますが、事業者の方々の規模によりましていろいろ状況も違うと思います。そういった企業さんの状況に応じて、中小事業者、個人事業者向け、それから、中堅・大企業向けと分けまして、デジタル化の便利さというものを簡単に分かっていただけるような動画ですとか、あるいはリーフレットですとか、様々な素材を準備させていただいております。

今後も順次リリースしていきたいと考えておりまして、こういった事業者の方々と例えば講演ですとか、あるいは何か勉強会のようなものとか、各省庁もそれぞれ様々な機会があろうかと思います。そういったときに、短い時間で素材をつくっておりますので、ぜひご活用いただいてデジタル化のメリットを理解していただける一助となればと思っております。順次こういった素材を共有させていただきたいと思っておりますので、ご活用いただければと考えております。

最後でございますけれども、電子帳簿保存制度を改正いたしまして、今まで紙ベースでやっていたものが電子で保存できますとなっているところでございます。将来的には様々な事業者のやり取りがデジタルデータで人の手を介さないような形でできるようになれば、1回の操作で様々なことができるようになると考えております。デジタルインボイスにつきましてもしっかりとPeppolに対応したシステムでやっていただければ、売り掛け・買い掛けみたいなものの消し込みなども一々人の手を介さずにできるようになりますし、そういった便利な社会が実現するために取り組んでまいりたいと思っております。

全省庁連携して進めていかなければいけない課題だと思っておりますので、引き続きご理解とご協力をいただければと考えております。

私からは以上です。

蓮井審議官: 斎須審議官、ありがとうございました。

では、ただいまのご説明につきましてご意見・ご質問等がございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。

本取組につきましては、昨年も皆様ご承知のとおり先ほど斎須審議官からお話がありましたとおり、各省庁の皆様方にご協力いただきまして一定の成果を上げることができたと、これもデジタル行財政改革会議でもご報告しているところでございます。今回の国税庁からのご要請につきましても、その結果につきまして昨年同様にフォローアップしたいと考えてございます。

なお、今ご説明の中にございました預貯金照会については、デジタル行財政改革会議のほうでも国と地方の共通化の対象としても議論がされているところでございますので、そういったことも念頭に置きながらフォローアップしてまいりたいと考えてございます。引き続き、皆様方にもご協力のほどよろしくお願いいたします。

斎須審議官、ありがとうございました。

続きまして、議事の4番目、「電子調達システム(GEPS)の新機能(少額物品調達業務)のご紹介について」に移ります。現在、デジタル庁におきまして、調達手続コストの削減などを目的としまして、電子調達システム(少額物品購入機能)を開発中でございます。

今回はこの機能の概要についてのご説明をいたします。デジタル庁の大塚参事官、よろしくお願いします。

大塚参事官: デジタル庁の参事官の大塚と申します。

電子調達システム、略称GEPSと呼んでおりますが、新機能(少額物品調達業務)のご紹介をさせていただきます。

最初に、新機能のお話の前に、電子調達システムというのはどういうシステムなのかというところからご説明をさせていただきます。政府における調達は入札を前提として、主に物品・役務と公共工事に分かれており、電子調達システム、GEPSについては府省共通システムとして、図の左側、赤い枠で囲っておりますが、物品・役務の調達を担っております。

GEPSでは資格審査、入札から契約、検査、請求までの手続をオンラインで行うことができますが、160万円以下の物品の調達については入札を行いませんので、GEPSで調達を行うことができませんでした。160万円以下の少額物品についても電子契約ができるよう、GEPSに少額物品調達業務に対応した新機能を追加し、来年3月から運用を開始しますので、新機能について説明をさせていただきます。

左下の図をご覧ください。少額物品購入機能では公募で選定をした、全国配送に対応し、GEPSとシステム連携するAmazon、アスクルなどの外部カタログ事業者5社と、GEPSにCSV形式で商品を登録する内部カタログ事業者の商品を、GEPS上でいわば価格ドットコムのように商品名や金額、納期等で検索し、購入したい商品を選択できるようにしております。公募時点の数字ではありますが、計7200万点以上の商品がGEPS上に並ぶことになります。

この新機能により従来紙で行われていた少額物品調達業務が電子化され、業務の効率化、商品の購入の際の競争性が増し、調達コストの削減効果も期待できます。

次に、この機能による業務フローを説明いたします。現状業務では複数社に見積り依頼をメール等で行い、結果を官側職員が取りまとめ、比較し、発注、会計手続も手入力で行っておりました。本機能を導入することで、画面上で複数事業者と価格比較することができますので、これまでのように複数社に見積りを取る手間や期間を短縮することができます。価格比較の帳票などもシステム連携できるなど、各種システム連携による効率化も実現しております。

また、システムで発注した情報は物品払い出し請求などの決済や支払い処理に連携することで業務の効率化も行います。特に調達コストの面は外部カタログ事業者の一部から、一般価格から7~30%程度安く提供する予定の商品もあるという話を聞いております。

前のページでも説明したとおり、少額物品調達業務は新しい取組になりますので、利用開始までに各府省庁の皆様宛てに丁寧な説明をしていきたいと考えております。既に複数省庁に対して利用者説明会を実施しておりますが、今後もこうした説明会を展開するとともに、マニュアル等の配付、利用者講習会を開催する予定にしておりますので、こうした機会を活用していただき、各府省内での利用を促進していただければと思います。

最後になりますが、電子調達システムの少額物品調達業務は令和7年3月から利用を開始いたします。本機能を利用することで、最初は導入するために手間はかかりますけれども、先ほども申し上げた、様々な業務効率化や調達コスト削減のメリットが期待できますので、ぜひ積極的なご利用をお願いできればと思います。

なお、参考として各府省におけるGEPSによる電子応札率と電子契約率の表をつけておりますけれども、新機能による契約数は160万円を超える契約案件と比較して件数も多くなります。この新機能の利用は電子契約率の数値向上にも大いに貢献すると思いますので、こうした観点でも利用を促進していただければと思います。

私からは以上です。

蓮井審議官: ありがとうございました。

ただいまのご説明につきましてご意見・ご質問がございましたらお願いをいたします。

これは来年の3月にリリースを予定しておりますので、その前も含めていろいろ周知等は引き続きやっていきたいと思っておりますけれども、よろしいでしょうか。

ありがとうございました。

今回ご説明した少額物品の購入機能は今説明したとおりでございますけれども、作業コストですとか調達コストといった業務効率化、コストの削減に加えまして、事業者の参入機会の拡大にもつながるものと考えてございます。ぜひ各府省庁におかれましても積極的にご活用いただけるようにご検討をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

続きまして、議事5番目の「雇用関係助成金DXの検討状況について」に移ります。第3回の本会議にて厚生労働省から共有いただきました雇用関係助成金のDXの検討状況につきまして、その後の進捗についてのご説明をいただきたいと思います。

それでは、厚生労働省の青山審議官、よろしくお願いします。

青山審議官: 厚生労働省の青山でございます。

2ページ、今ご紹介いただきましたとおり、労働者を雇用している事業主に支給する雇用関係助成金についてのDX化を検討してまいりました。オンライン支給申請を可能とはしておりますが、四角の中にありますとおりPDFや紙などの添付書類や申請項目が多く、また、審査する職員のほうも紙に打ち出して目視で確認するなど、いろいろ課題がございまして、矢印の下にありますとおり、関係局長による「雇用関係助成金DX化検討チーム」を昨年の12月に立ち上げて検討してきたところです。今年の6月の終わりに検討の結果がまとまりましたので、次の3ページ以降でご報告いたします。

DXの方向性は大きく4つに分かれます。

1つ目が既存の業務プロセスの見直しとありますが、要は多い申請項目や添付書類の簡素化でございます。いろいろ議論した結果、目標にありますとおり、申請項目、添付書類についておおむね半減を目指すとか、紙やPDFは原則廃止して、デジタル情報により完結することを目指すことを目標にしまして、主な見直し内容にありますとおり、重複した項目の削除をはじめとした様々な項目、書類の削除や要件の見直しなどをやった結果、黄色の矢印の先ですけれども、申請項目数は約3割、添付書類は約2割、それぞれ削減できるのではないかということをまとめたところでございます。

さらなる見直し、下の2行目、3行目ですけれども、この業務プロセスの見直しにつきましては引き続き不断の見直しを図っていきたいと思います。これが1つ目の見直し内容です。

2点目が4ページの上半分に不正受給対策とございます。簡素化を進める一方で、虚偽の内容で申請するなどの不正受給というのは、この手の助成金ではどうしてもあり得るもので、そこは防がなくてはいけません。審査業務のプロセスを見直すことによって書類などは簡素化する一方で、きちんとした調査を強化するという方向で事実確認のために支給決定前に行政側から確認しにいく能動的調査の取組を強化したり、調査に非協力的な場合などは不支給にするなど、調査に協力することを要件にするといったことについても検討いたしました。

見直しの3点目が申請手続の負担軽減・審査の効率化とありますとおり、申請者自身にとっての負担軽減とか審査する職員の効率化という視点で見直しをしようということでございます。

見直し内容の1つ目ですが、雇用関係助成金は事業主が負担する雇用保険二事業の保険料を原資にして支給しています。労働者氏名や被保険者番号など、雇用保険関係の情報を助成金の申請時に記載する場合がありますが、ハローワークでの雇用保険の手続きの際に把握している被保険者番号とか住所などは、助成金申請時に再入力を省略することを検討しています。

あと、初めのほうの議題でJグランツのお話がありましたけれども、今、雇用関係助成金はJグランツに掲載されておりませんが、Jグランツの検索機能に雇用関係助成金を追加することの検討や、Jグランツと雇用関係助成金の電子申請システムである「雇用関係助成金ポータル」とで相互にリンクを張るなど、利便性の向上を図りたいと思います。

最後の見直しが一番大きいのですけれども、添付書類のデジタル化とあります。PDFと紙という話を申し上げましたけれども、手続としてはどうしても助成金の性質上、賃金台帳とか出勤簿などを添付書類として提出してもらう必要がございます。助成金申請事業主が、自前のシステムや民間のソフトウェアなど、デジタルで管理しているデータを編集するなどしてPDFやExcelなどで提出しており、どうしても様式がまちまちなのですが、デジタル化技術の活用に向けた調査研究を来年度行いたいと思って予算要求しております。

見直し内容としましては、今言いましたとおり、紙やPDFのアナログデータをデジタルデータとして使用できないかなどについて検討するとか、(2)で、我々は助成金の電子申請システムとして「雇用関係助成金ポータル」がありますが、他方で、従業員の給与等の労務管理は、各会社が人事労務管理ソフトみたいなもの、よく民間で売られているものを様式として使われたりしているので、どうしても様式はまちまちになるのですけれども、それと我々の雇用関係助成金ポータルへのAPI連携の模索についても考えたいと思っております。

3つ目が添付書類様式の統一と利用促進ですが、まずは電子の標準様式を作って、当該様式を活用した添付書類の作成を推奨することや、どうしても中小企業などは紙による部分が残るのですけれども、それでもAI-OCRの読み取りがしやすいように、なるべく厚労省の標準様式の活用を推奨する方法、その他、AIを活用した標準データ化の方法についても検討したいと思います。

(4)が、その先には電子申請の義務化ができるかどうかということも検討したいと思います。そういうことを進めてまいります。

最後のスケジュールですけれども、今4つ見直しの方向性を申し上げましたけれども、1つ目の書類の簡素化とか、2つ目の不正受給対策の関係では6年度、今年度から進めてまいります。先ほど雇用保険データの再入力を省略するなどといった申請者の負担軽減などを申しましたし、Jグランツとの連携なども申し上げました。それは7年度からやろうと思いますし、最後の書類等のデジタル化そのものの検討につきましては先ほど申したとおり7年度で予算要求をしていますので、予算が措置されれば7年度から調査研究を進めたいと思っておりまして、8年度以降、実装に向けた内容の検討ができればと思っております。
ご説明は以上でございます。

蓮井審議官: 青山審議官、ありがとうございました。

ただいまのご説明につきましてご質問・ご意見等がございましたらお願いをいたします。

厚生労働省はこの取組に非常に意欲的でありまして、すばらしいなと我々思っております。デジタル庁としても、閣議決定している重点計画の中で、単にシステムのところだけをやるというのではなくて、業務の在り方ですとか、その制度とシステム、三位一体で見直していくべきだということが位置づけられてございまして、そういう意味でもこちらの取組は先駆的な取組だと思っていますので、引き続きしっかりとフォローしてまいりたいと思っておりますし、サポートできればと思っています。よろしくお願いします。どうもありがとうございました。

青山審議官: よろしくお願いします。ありがとうございます。

蓮井審議官: ありがとうございました。

以上で、本日予定をしておりました議事は終了となります。

引き続き所掌分野におけるDX化の取組ですとか、関係省庁で連携の上、地域の事業者に周知したい情報、あるいは取り組みたい案件等がございましたら、恐縮でございますが、この関係省庁連絡会議でもご共有いただきたいと思っております。今まさにそれを先駆的に厚生労働省にやっていただいていると思いますけれども、引き続き各省庁にも取り組んで頂き、我々デジタル庁といたしましてもできる範囲があるかもしれませんけれども、しっかりと伴走してサポートできるように頑張ってまいりたいと思います。

こういったことを通じまして関係省庁等の連携・協力を深めていくことで、公的な手続のDX、さらには事業者DXを促進してまいりたいと考えておりますので、引き続きご協力のほどよろしくお願いいたします。

次回会合の日程につきましては、後日事務局よりご連絡を申し上げます。
以上をもちまして、第5回事業者のデジタル化等に係る関係省庁連絡会議を終了したいと思います。本日はご参加いただきましてありがとうございました。