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デジタル庁情報システム調達改革検討会(第1回)

概要

  • 日時:令和4年(2022年)6月21日(火)15時30分から17時00分まで
  • 場所:全国町村会館 第1会議室
  • 議事次第:
    1. 開会
    2. 議事
      1. 本検討会の背景と目的
      2. これまでの調達に関する議論から導出される論点と検討テーマ
      3. 検討会にあたっての調査の進め方
      4. 自由討議
      5. 今後の検討会の流れ
    3. 閉会

資料

関連政策

議事概要

日時

  • 令和4年(2022年)6月21日(火)15時30分から17時00分まで

場所

  • 全国町村会館 第1会議室

出席委員

梶川委員、有川委員、川澤委員、木村委員、坂下委員、隅屋委員

議事概要

事務局から検討会の背景と目的、調査の進め方について説明があった後、討議が行われた。各委員からの主な意見は以下のとおり。

全体について

  • 検討事項が多いため、実現への難易度を踏まえ、優先順位をつけて議論していく必要がある。重要度、実現可能性が高いものの優先順位付けをして議論すべき。
  • 政府の情報システム調達は、平成10年代から様々な機関が検討、調査している。過去に行われた議論の内容、課題の抽出、調査がどう生かされてきたのかを、整理しておきたい。
  • 公共調達改革を通じて達成したいKPI、アウトカムを意識して議論していきたい。例えば多様な調達参加者を参加させる観点であれば、実際に多様性が増えているのかどうかデータを収集する必要がある。また、税金利用の効率性の観点からは、金額の正確な把握が必要になる。そういったデータを公共財産として収集・公開し、それを踏まえて議論を重ねられるような体制を、検討会を通して構築していきたい。
  • 発注者・受注サイド双方の能力という観点は重要だと考えている。発注の公正性について評価する仕組みも議論していきたい。今後、IT調達は技術の進展の中で一層専門化、複雑化することを鑑み、調達スキルを常にリスキリングし続けるという環境、相互に知見を交換し合うようなシステムを議論していきたい。
  • 論点一つ一つ多岐にわたる議論となっている。どれが実現可能な論点であるかを念頭に置き、中期的な課題として新しい取り組みも残しつつ、実現可能なところから短期的に一つ一つ議論を進めていければと思っている。

論点A:調達プロセスの見直しと体制強化について

  • 予算制度の柔軟化は困難な課題だが、前払い・概算払いなど既存の手続きを明確化することは早期に対応可能ではないか。
  • プロジェクト全体では基本契約を結び、個別契約を随意契約のような多段階契約にするといった形で現行法の枠中で工夫する余地はある。一方で、長期にわたるプロジェクトの場合、公正性・競争性確保が懸念であり、透明性や情報公開が重要であると考える。
  • 予算制度の柔軟化については、BPRの確実な実施が論点になる。
  • 契約関係の調達に関しては、先進的な取り組みとして自治体の事例を参考にしたい。スタートアップ支援についても、自治体で成功している随意契約などの事例を参考にすることが考えられる。また、多段階契約についても、国は一本の契約にまとめるが、民間企業では情報システムの開発に関して基本契約を結びつつ個別契約を締結して対応している事例も増加しており、参考になると考えている。
  • デジタル庁が基本契約、各省庁で個別契約という形にできれば、契約内容もより質の高いものとなり、各省庁も取り組みやすいのではないか。一方で、個別契約の裁量の範囲によっては基本契約の意味がなくなることも想定される。また、情報システムの話だけでなく、公共調達全般に係る話であり、インパクトが大きいと考えている。
  • 調達条項の標準化は、透明性を高めることに繋がると考えられる。また、電子契約等は、決まったひな形を使うことで透明性が高まるのではないか。
  • 公共予算については、柔軟な予算執行も重要であるものの、国民による予算統制の観点を踏まえ、弾力性を検討すべきである。公共契約は仮に効率性や経済性を損なっても公正性や透明性を損なってはならない、という大前提に留意して議論していきたい。

論点B:多種多様なベンダーの参加、適切なベンダーの選定について

  • デジタルマーケットプレイスは、仕組みの導入とともに、スタートアップと行政側の担当者の間に立ち、公的機関の中でどういう実務があるのかと、スタートアップのソリューションをどう現場に落とし込むのか、両方をわかる人材による翻訳が必要である。
  • デジタルマーケットプレイスは発注するだけで済む仕組みのため、大規模調達などはカバーできない。他の調達システムについても、発注側・受託側双方から見た事務手続きの簡便さのUI/UXを捉えた上で、どのような調達ポータルが必要で、その中でデジタルマーケットプレイスをどう位置付けるのか議論したい。
  • 幅広い会社が参加すれば、公正性・競争性が高まる一方で、調達単位が細分化されることで調達件数が増えると見込まれる。現状政府内で電子契約を締結している割合は少ないが、調達から契約までを完全に電子化・一体化すべきではないか。
  • プラットフォームを整備しただけでは、必ずしもベンチャー企業が行政の公募の公示・告示を見に行くとは限らない。例えば、法人番号を利用し、どこの企業がどのような技術を持っているか分かれば、このような仕事が引き受けられるのではないか、と勧める形でベンチャーの参加を後押しできる。このような仕組みが無ければ、機会が作れないのではないか。
  • 今後、疎結合が必要とされる中で、モジュール形式で相互運用可能な形で調達をしていくという運用が諸外国では一般的。日本でも疎結合化は避けられないという前提の下、運用における原則やプロセスの簡便さを追求する制度が必要になると考えている。
  • 調達情報の透明化に関して、調達情報を標準化・公開し、Civic Techなどが活用できるよう整備していければと思っている。諸外国では調達情報のデータスタンダードなどを用いて積極的に情報を公開して施策を見直しており、参考にしたい。

論点C:プロセスの明確化・透明性の向上等

  • 一者応札について各府省で取り組みの度合いは異なるものの、取り組みが蓄積されてきている。既存の行政改革の取り組みの中に、情報システムもビルトインしていくことが重要ではないか。
  • APIや疎結合の件など、仕様書の内容に踏み込んだ改善が各府省でどこまでできるかは今後の課題と感じている。

その他

  • 財務省の「国際収支統計」によれば、日本の貿易黒字の半分以上が海外のクラウドの利用料で海外へ還流しており、国内のデジタル産業の育成も議論する必要がある。

以上