河野デジタル大臣がヨルダン・ハシェミット王国、パレスチナ自治区、イスラエル国へ出張しました
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7月17日から22日にかけて、ヨルダン・ハシェミット王国、パレスチナ自治区、イスラエル国を訪問し、閣僚との対談、デジタル関連企業の視察・意見交換を実施しました。
G7広島サミット及びG7群馬高崎デジタル・技術大臣会合で合意された、信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)の具体化に向けたパートナーシップのための制度的アレンジメント(IAP:Institutional Arrangement for Partnership)について発信し、そこで優先的に取り組むプロジェクトの概要や重要なユースケースのための連携をG7以外の有志国とも協力すべく、中東各国に対して我が国の取組や狙いを説明し、意見交換を実施、各国の共感と賛同を得られました。今後もDFFTに関する国際的な動きを盛り上げ、具体化に向けて牽引してまいります。
中東各国は、デジタル分野の人材への投資、スタートアップ企業の輩出強化等、IT投資を呼び込むための仕掛けを推進しており、また、キャッシュレスの他、プライバシーを守った上での医療データの利活用に積極的であり、DFFTにおけるプロジェクト推進のヒントを得ることができました。
1. ヨルダン・ハシェミット王国訪問
7月18日にヨルダン・ハシェミット王国を訪問しました。
詳細については、「ヨルダン・ハシェミット王国とデジタル分野における協力覚書(MoC)の署名式を行いました」をご確認ください。
2. パレスチナ自治区訪問
7月19日にパレスチナ自治区を訪問しました。
(1)イスハク・サドル通信・IT大臣との会談
イスハク・サドル通信・IT大臣(H.E. Dr. Ishaq Sadr, The Palestinian Minister of Telecommunication and Information Technology)と会談を行いました。サドル大臣からは、来訪に対する感謝の言葉が述べられ、ヨルダン川西岸地区の「ラワービー」において、デジタル・テック・ハブとなる新都市の開発を民間主導で推進し、そこでデジタル人材の学校教育も含めたエコシステムの構築を進めているという説明を受けました。河野大臣からは、DFFTのコンセプト並びにG7の成果であるIAP について説明し、賛同を得た上で、今後の協力について意見交換を行いました。
(2)ムハンマド・シュタイエ首相との会談
ムハンマド・シュタイエ首相(H.E. Dr. Muhammad Shtayyeh, Prime Minister of Palestine)と会談を行いました。行政サービス、人材育成、注力分野における政策など、デジタルに関する国の取組について幅広く意見を交わし、相互支援について議論しました。
3. イスラエル国
7月19日および20日にイスラエル国を訪問しました。
(1)モシェ・アルベル内務大臣兼保健大臣との会談
モシェ・アルベル内務大臣との会談(H.E. Mr. Moshe Arbel, Minister of Interior and Minister of Health)と会談を行いました。
河野大臣から、G7の成果であるDFFTのコンセプト並びにIAPについて説明するとともに、日本のデジタル分野における様々な取組を紹介しました。アルベル大臣からは、日本の推し進めるDFFTに対して賛同いただくと共に協力意向を確認することができました。また、イスラエルが建国当初から取り組む国民識別番号の運用や行政サービスへの活用について、有用性や課題など幅広く議論し、今後の継続的な協力について確認しました。
(2)ニール・バルカット経済産業大臣との会談
ニール・バルカット経済産業大臣(H.E. Mr. Nir Barkat, Minister of Economy and Industry of Israel)との会談を行いました。
コロナ禍で顕在化したデジタル化の遅れに対して、日本が課題を乗り越えて取組を推進していること、そして世界をリードすべくDFFTに取り組んでいることについて紹介しました。バルカット大臣は、DFFTのコンセプトについて深く関心を持たれ、イスラエルにおける官と民の連携並びにその違いについて医療や環境分野のデータ化を例に説明され、今後の連携方法について意見交換をしました。
(3)デジタル庁を訪問
イスラエルのデジタル庁(National Digital of Israel)を訪問し、イスラエルのデジタルに関するフォーカス分野(技術、サービス、デジタル化、サイバー、データ)について幅広い説明を受けました。
イスラエルでは、デジタルIDの活用については、国が提供する行政サービスが充実しているものの、各自治体が提供する行政サービスの差分を吸収すべく取り組んでいるが課題もあると伺いました。また、CCoE(Cloud Center of Excellence: クラウド活用推進組織)の役割を担いガバメントクラウドを推進しているなど、意見交換を通じて日本のデジタル庁との共通点を多く見出すことができ、今後も知見の共有について協力していくことを確認しました。
連絡先
デジタル庁戦略・組織グループ国際担当
矢端、長船
電話:070-7416-9903(矢端)、070-2476-6619(長船)