平井大臣記者会見(令和3年6月1日)
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平井デジタル改革担当大臣記者会見要旨
(令和3年6月1日(火)9時25分から9時42分まで 於:中央合同庁舎第8号館1階S108記者会見室)
1.発言要旨
統合型入国者健康情報等管理システム、俗に言うオリパラシステムの契約の見直しについてご報告申し上げます。契約見直しの調整を行いまして、統合型入国者健康情報等管理システムについて、昨日、契約変更を締結いたしました。本システムについては、政府の主な見直し方針として、システムのユーザーは、アクレディテーションを有する選手等の大会関係者とする。大会関係者は、原則として査証の取得は不要であることから、査証申請に係る機能は不要とする。海外からの観客の競技場への入場時の利用を想定していた顔認証に係る機能は不要とする。ユーザー規模の縮小に伴い、サポートセンターの規模も縮小するとなったものであります。
これを受けまして、本システムは、選手等大会関係者向けに、入国時の検疫・入国審査・税関においてアプリを利用して必要な手続きを行うことを可能とする。入国後、日々の健康管理情報をアプリで登録してもらい、その情報を組織委員会のシステムと連携する。帰国に向けた陰性証明書を取得可能な医療・検査機関の検索・予約等を支援する、という大きく三つの機能を持ったシステムとして整理をいたしました。
以上の見直し内容を踏まえて、受注者と協議した結果、変更後の契約金額については約38.5億円となり、約34.7億円(約47%)削減することになりました。
なお、オリパラにおいて、選手等大会関係者のみが利用することとなったことから、まずは目前に迫ったオリパラ向けに必要な機能を整理し、開発・運用することとしたため、契約期間については、オリパラ終了後の9月15日までとしました。オリパラ後については、今開発しているアプリのソースコードや、情報連携基盤といったシステムの資産を活用しながら、必要な見直し・拡充をして、広く日本への入国者全体向けのシステムとして活用すべく、円滑な移行を図っていきたいと思います。また、本システムを6月中に稼働させるべく、引き続き準備を進めていくことになりました。
もう一つ、私の方からは、UI/UXを改善したマイナポータルのリニューアルと、児童手当の現況届の簡単な申請機能の追加についてであります。
昨日、UI/UXの改善として、マイナポータルをリニューアルするとともに、本日から児童手当の現況届が簡単に申請できる機能を追加しました。マイナポータルは、「マイナンバーカードをキーにした、わたしの暮らしと行政との入口」の役割を担っており、利用者目線で常にUI/UXを見直しています。この考え方に基づいて、今回のリニューアルでは、お勧めの情報をトップ画面に表示して、分かりやすいアイコンで直感的に選択できるようにするなど、画面構成やサービス選択の流れを抜本的に見直しました。利用者からの問い合わせが多い「ログイン」の方法を案内するチャットボット機能を実装しました。マイナポータルのアプリを立ち上げると、これまでは機能の項目だけが表示されて使いづらいという指摘もあり、アプリを開けばすぐにサービスを選択できるようにしました。
また、6月から始まる児童手当の現況届について、受給者の状況が市町村からはがきで通知している内容と変わらない方は、スマホでマイナポータルを開いて「はがきの内容で申請する」を選択することで、申請者情報の入力を不要として、電子署名を付して簡単にオンライン申請できる機能を追加しました。
これまでも申し上げておりますが、UI/UXは利用いただく方々を迷わせない、また利用したいと感じてもらえる体験を提供する、利用いただきながら常に改善を重ねていくものであって、引き続きUI/UXの見直しは行っていきたいと思います。
今回は、4月に採用されたUI/UXの専門人材も検討に加わってリニューアルしましたが、7月以降も児童手当の現況届以外のオンライン申請のリニューアル、ねんきんネットとの連携の改善など、順次機能を追加しようと考えています。
最終的には、誰もが自宅にいながらスマートフォンで全ての行政手続が60秒以内に完結する、圧倒的に便利で、「デジタルを意識しないデジタル社会」、「人間に優しい社会」を実現するよう、マイナポータルの更なる改善に取り組んでいきたいと考えております。
詳しくは番号制度担当室の方で資料をもう既に送信していると思うので、ご覧いただければと思います。
私からは以上です。
2.質疑応答
(問)オリパラアプリについて何点か確認です。約38.5億円、約73億円から圧縮ということですけれども、これはまだ予算は一部でも執行されてないんですよね。
(答)されていないです。
(問)それから、査証申請と顔認証というのは、4月の会見の時も、その辺は見直していかないといけないというお話でしたけれども、今回それ以外の部分で縮小、削減した部分というのは、サポートセンターの規模と、あとは。
(答)何が幾ら削減になったかというものは問い合わせがあればお出しすることになっていますね。
大体下がっているんですが、まずは不要となる機能の削減で、開発に係る費用について約8.6億円削減、サポートセンターの規模の縮小や契約期間を短縮することなどによって、運用に係る費用について約26.1億円削減ということであります。例えば、顔認証システム等々に関して言えば、開発も運用もなくなったわけなので、ゼロとさせていただきました。また、細かくは少しずつ下がっているということでございます。
(問)9月15日で一旦契約を終了というようなお話をされていたと思うんですけれども。もともとこのアプリというかシステムは、オリパラ後はインバウンドで使うというふうに仕様書にも明記されていましたけれども、改めてオリパラ後の活用法というのはどういうふうに。
(答)これからなんですけれども、アプリのソースコードとか情報連携基盤等々が成果物としてありますので、今回は査証の要らない人ということですが、今度はあらゆる査証を持った人に対応ということになりますと、ビザ申請システムと連携をした形で情報連携をしていくとか、オリパラ後の普通の状態、またインバウンドを歓迎するという状況の中で、そこを開発していくということになりますので、一旦はオリパラのアクレディテーションを持っている方というのはオリパラの時だけですから、終わったら通常に戻していくということです。
(問)コロナ禍で海外への渡航というのもなかなかスムーズにいかない中で、インバウンドの需要も見込みにくいということで、こういった形で、とりあえずはオリパラでというふうに。
(答)要するに、今回は海外から一般の方を入れないという決断が非常に大きくて、それによる改修だと考えていただければと思います。
(問)6月中に稼働ということなんですけれども、今日もう既に、海外選手団の先陣を切ってオーストラリアのソフトボールの女子代表が入国します。選手団のピークは7月ということで、6月中にも一定数の入国が予定されている中で、稼働が第一陣に間に合わなかったこと、これは機能変更による交渉の遅れが影響したのかどうかということをお伺いできますでしょうか。
(答)スケジュールは遅れていません。今、システムの基本的な開発を終えて、順次所要のテストに入っておりますので、当初のスケジュールどおりに進捗していると報告を受けております。
(問)先日、民放の番組で、GPS機能を搭載されないというお話がありましたけれども、今後アプリの実効性が問われていくと思うんですが、GPSを搭載しない中で実効性を持たせていくというところで、使い方とかでどういった点が考えられるか。
(答)アプリで全て解決できるわけではなくて、今回は組織委員会等々がどのように全体の大会を運営・管理していくかというところが非常に大きいと思います。それに対して、このアプリは一定の効果があると。あくまでもそれは大会の運営・管理の問題と思います。
(問)オリパラアプリの関連なんですけれども、まだインバウンドの再開が見通せない中でだと思うんですけれども、一般の機能拡充みたいなのはいつ頃になりそうでしょうか。
(答)それはこれから検討に入りますけれども、しばらく猶予はあると思っていますが、大会が終わるまでに、既に検討には入っていこうと思っています。また新たなシステム開発ということになりますし、恐らくその部分は、これからデジタル庁が担っていくプロジェクトになるように調整するのかなと思っています。
(問)話題が変わるんですけれども、デジタル庁の入札制限の在り方検討会の初会合が行われると思います。以前、この有識者検討会について大臣は、望ましい入札制限の在り方について検討を行っていくと述べられていましたけれども、具体的にどのような議論を期待するのか。それと、デジタル庁発足前に検討会としての答申なり報告を求めるご予定はありますでしょうか。
(答)デジタル庁では多数の民間人材を採用することを想定していますので、こうした人材が、システム調達に当たって兼業する先の企業等に便宜供与等を行うことがないよう、公平性・透明性の高い入札制限ルールの在り方を検討するというのは前もお話をしたところだと思います。また一方で、アジャイル型のシステム開発など、新たな開発ニーズを踏まえて、幅広い企業が参入しやすい、柔軟な調達制度の在り方も併せて検討したいと思っています。そこで望ましい入札制限等の在り方について、有識者検討会を設置・検討していくということにして、6月2日水曜日に第1回検討会を開催すると。今後複数回にわたり検討を行い、夏を目途に取りまとめを行う予定です。
調達に関しては、その他会計検査院からも、一社応札とかそういう問題等々ありますが、一方で、ベンチャー企業等々にもそういう可能性を広げてほしいということもありますし、割と検討しなければならないことがあるんですが、まずは一番公平性・透明性というものをどうやって確保するかということ。今までもIT総合戦略室も同様にやってきたんですが、デジタル庁はそこをもっと厳格にやりたいと考えています。
(以上)