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平井大臣記者会見(令和3年8月27日)

平井デジタル改革担当大臣記者会見要旨

(令和3年8月27日(金)11時01分から11時23分まで 於:中央合同庁舎第8号館1階S108記者会見室)

1.発言要旨

まず、私から本日は2点。1つは、8月25日に開催した「デジタル庁における入札制限等の在り方に関する検討会」において報告書が取りまとめられました。

梶川座長をはじめ、委員の皆さんに本当にご協力をいただきまして、心から感謝を申し上げたいと思います。

デジタル庁では多数の民間人材を採用しておりまして、こうした人材がシステム調達に当たって、兼業先企業等に便宜供与等を行うことがないよう、透明性・公平性の確保が重要との観点で検討を行いました。

採用時に「兼業先等の情報登録」や、「利益相反行為等には関与しない旨の誓約」を求めて、調達の仕様書を作成した職員や、その管理・監督者の兼業先等は入札制限の対象として、原則当該調達案件を落札できない仕組みを構築するとしております。

こうした仕組みについては、デジタル庁発足後すぐに運用を開始し、10月1日以降の調達案件への適用を目指しております。

また、その他の調達全般に係る課題として、柔軟で適切な調達プロセスや適切なベンダーの選定等に関しても、様々な検討課題をいただきました。

こうした課題については、デジタル庁設立後、個々の課題の検討を速やかに行って、調達手続の見直しも含めて実現可能となったものから順次実施していく予定です。

次に、本日午後、コンプライアンス委員会を開催します。本委員会はデジタル庁における規範順守の徹底、公務の公平性・調達の透明性確保のため、IT総合戦略室における課題について整理し、ぴかぴかの状態でデジタル庁のスタートを迎えるべく、デジタル庁発足に前倒しして設置するものであります。

委員の構成は、弁護士の名取俊也氏、芝昭彦氏、公認会計士の梶川融氏、藤森恵子氏、慶應義塾大学の國領二郎教授、それから前政府CIOの遠藤紘一氏の6名でございます。

本日の委員会では、20日に公表されたオリパラシステムの調達に係る調査結果や、先ほど申し上げた入札制限等の在り方に関する検討会の取りまとめの内容を報告し、それらも踏まえたデジタル庁独自の調達ルールや倫理規範の策定等についてご意見をいただく予定であります。

本日の議論を踏まえて、デジタル庁におけるルールや取組にしっかりと反映し、また、調達の透明性・公平性の確保を進めるとともに、幅広い企業が参画しやすい調達を実現していきたいと考えています。

次に、調査報告書を受けた関係者の処分についてであります。

いわゆる、オリパラシステムの調達に関する調査について、先日20日の記者会見において、不適切な対応があった部分については報告書を踏まえ、適切に対応していくと申し上げました。これに関し、不適切な対応のあった職員や監督責任のある幹部について、一定の措置を行うことで進めていると聞いております。

私にも一定の監督責任があると考えておりまして、給与の1カ月分を自主返納することとさせていただきます。

デジタル庁は民間からも多数の職員を採用することを予定しておりまして、従来以上に規範順守、公務の公平性及び調達の透明性の確保が求められると思っています。

本日午後、コンプライアンス委員会を立ち上げることとしておりまして、今般の報告書における提言も含め、しっかりとデジタル庁のルールに反映させ、いよいよ来週に迫ったデジタル庁の新たな門出に間に合わせたいと、そのように思っております。

私からは以上です。

2.質疑応答

(問)先ほど、大臣がおっしゃった、大臣ご自身の給与の1カ月分を自主返納ということですけれども、不適切な対応が指摘された職員への処分というのは、これは後日発表になるのでしょうか。

(答)今日辺りになるのだと思うのですが、前にもお話ししたとおり、IT総合戦略室への人事権が現在私にはないので、お願いしているということですが、今日にでも決まると思いますので、これはぜひ事務方の方にご確認いただければと思います。

(問)発足までいよいよあと5日となったデジタル庁についてお聞きします。
大臣はこれまでデジタル庁については既存の官庁と同じものは全く必要としないと、民間から新しい人材をたくさん入れて、新しい省庁を作ると、そういう機能を持たせないとこれからの時代の変化に付いていけないと思うといったご発言をされていますけれども、いよいよ発足直前になりましたが、改めて霞が関に新しい風、新風を吹かせることへの意気込みというのをお聞かせください。

(答)きちんと人数の規模というのは、今までざっくりとした話をしてましたけれども、デジタル庁の全体の人数というのは、約600人です。役人出身者が350人強、民間出身者が約200人、その他のスタッフ、庶務、秘書等々を含めて、それが約50人弱ということで、全部合わせて約600人いるということです。この中には、要するに非常勤の方で、毎週来るという方ではない方もいらっしゃるし、テレワークで参加していただくという方も多数いらっしゃいますので、この人数が一気に集まると、当然事務所ではスペース的には無理なので、そういう意味で新しいデジタルワーキングスタイルでスタートする人数とオフィスは一応、整えられたと思います。

今、やっぱりずっと前から言っていたように、スクラッチからこのデジタル庁は設計されて、そして法律を作ってスタートするということなので、やはり一番重要なのは、こういうハイブリッドの組織なので、ミッションとビジョンとバリューというのを常に職員の間で共有をしていくということが非常に重要だと思います。

普通の役所だと、そういうことがあまり必要がないと思うんですけれども、結局何のためにデジタル庁ができたのか、そしてどのような理想を掲げて組織としてやっていくのか、そして、日頃から仕事についての一定の価値観を共有していくということで、フラットな組織を目指すということで。こういう組織は私が準備室の室長になった時に、思わず出た言葉が“Government as a Startup”、まさにスタートアップと同じだなという意識で思わず出た言葉ではありますけれども、まさに今でもそういう状況だと思っています。

つい先日もバリューワークショップを開催させていただきましたし、官民のフラットな意見交換の中から新しい取組をプロジェクトベースに落として進めていくというのは、これはどの役所にもないやり方なので、是非成功させたいと思っています。

ただ、既に概算要求等々でも約5,400億円(要求予定)、これ全部で1,000を超えるぐらいのシステム数になるんですよね。それをどのようにこれからきちんと予算を見て、そしてデジタル庁の考え方を浸透させていくかということに関していえば、小さすぎるサイズだなと、今、自身は思いました。

ただ、この形で強い権限を持って船出をさせていただくということであれば、今の現行の人員で、全力を尽くしてスタートダッシュをしたいと思います。

ですから、一番大事なのは官民の皆さんが同じ方向を向いてやる気になってもらうこと、そこが今、一番重要なことだと思っていて、そこのところが浸透できるように、意識合わせは常にやっていきたいと、そんなふうに思います。

(問)霞が関の縦割り打破というのがすごく大きなミッションになりますけれども、その辺の手応えというのは。

(答)これはどの国も、同じような仕事をされている立場の皆さんから聞くんですけれども、縦割りの打破というのはなかなか簡単ではありません。各省庁にやはり協力をしていただく方々がいてこそ初めて実効性のある縦割りの打破ができるので、そういう意味でデジタル庁は各省に対して協力して、共に学び合いながら新しい価値を作っていこうという同士を増やしていくということも必要だと思います。

そういうことなので、縦割りの打破というのは、権限で上から刀を振り下ろすようなことではできるものでは実はないので、そこはやっぱり説得をしながら確実に進めていきたいと思っています。

(問)デジタル庁は当初500人という規模で発足するということだったと思うんですけれども、今回600人規模でということで、その理由をもう一度説明していただいてもよろしいでしょうか。

(答)これは500人規模といってもよかったんですけれども、恐らく変わっているわけではないです。ただ、非常勤とかそういう方々とか、庶務の方々とか、運転される方々とかも全部入れるとそのぐらいのサイズになるということで。当初の500人という説明をしてもよかったんですけれども、あえて実員を正確にということに言い方を変えると600人ということになるだけです。

(問)先週公表されたオリパラアプリの報告書についてなんですけれども、中身で、かなりずさんな発注プロセスが出ておりましたけれども、大臣の認識として、ああいった問題がオリパラアプリだけに限るものなのか。それともITの発注で多かれ少なかれ、ああいうことが横行しているのか、コンプライアンス委員会でも今後の議論に関わってくるとは思うんですけれども、その辺りの期待と問題意識をお願いいたします。

(答)ああいう報告書にある発注プロセスというのがいたるところで行われている発注だとは思いません。やはり時間も限られた中で特別な例ではあったと思うんですが、各省に対して今回、コンプライアンス委員会、デジタル庁の中でのコンプライアンス委員会ですけれども、これは同様に各省庁に対しても、やっぱりそこは透明性を上げていく、調達の工夫が必要だということだと思っております。

ですから、全システムの調達に関して私は知りませんが、ああいうことが今後起こらないようにしたいということで、調査報告書の内容は全てコンプライアンス委員会で共有して、それを幾つか調査報告の先生方から指摘もいただいていますので、それをコンプライアンス委員会の中で活かしていただくということだと思います。

(問)先ほど大臣がおっしゃった自主返納の件なんですけれども、こちらはそういった、特に今回の監督責任ということだったと思うんですけれども、そういったことで自主返納をされるということなんでしょうか。もう少し詳しくお願いいたします。

(答)今回、調査報告書にあったとおり、私のもやはり、もう少し積極的に報告を求めるべきではなかったかというような指摘もありますが、ただ、適切な報告はされていない。そして、この決裁に関していえば、別段私は決裁ルートに入っていなかったとしても、1つの組織としては、今後こういうやり方ではまずかろうということであって、監督責任は当然、調査報告書に出てきた名前の皆さんを監督する立場の人たちに関しても一定の責任があるだろうと考えていて、組織としては私が知らなかったということではやっぱり済まされない部分もあるんだろうと考えて、この一定の責任ということで自主返納をするということでございます。

(問)今日発足するコンプライアンス委員会についてなんですが、オリパラアプリの調査でも、最終的には解明できなかった疑惑が多数あったという書き方をされています。
改めてコンプライアンス委員会で調達はどのように検証されていくのか、体制や働き、狙いなどについてご説明をお願いいたします。

(答)これは今日コンプライアンス委員会が開かれますので、そこの議論を踏まえてということになると思うので、今、私が委員長の権限を越えていろいろ言う立場ではないと思っています。

ただ、今回調査報告書と、さっき言った調達の適正化のための、梶川先生と名取先生のそれぞれの報告書をコンプライアンス委員会で受けて、そこの中で議論をする中で、つまり国民にきちんと説明できるような調達というものをデジタル庁は目指しているということだと思います。

私は何度も何度もここでぴかぴかの状態で船出をさせたいということで、実は相当今回苦労をしましたけれども、最終的にはぎりぎり船出には間に合ったと、体制的には整ったと思っています。

あと、職員の皆さんに誓約書を全部書いてもらわなければいけなかったり、これも1日に設立されて以後でなければできないので、デジタル庁としてのそういうスタートの中でそういうことをやっていこうということだと思います。

ただ私の今のデジタル改革担当大臣という立場は、デジタル庁の制度設計と法律と設立ということで、31日で1回切れるわけです。この立場はなくなる。新しくデジタル庁の大臣として任命されれば、そこはそこで今度は大臣の立場でまたお話することもできるんですけれども、今は処分をできる権限のない大臣でございますので、今日の時点ではそれ以上はお話しないということでご了承いただければと思います。

(問)自民党総裁選の日程が決まりましたけれども、大臣個人としてどうなされるのか。あと派閥の長の岸田さんが今日、会見されましたように、ご覧になったのでしょうか。

(答)この会見の場は菅内閣の閣僚の一人としての会見の場なので、議員個人としての考え方を話す場ではないと思うので、どうかお許しをいただきたいと思います。

菅内閣の一員として、特に私の場合は9月1日にうまく船出ができるように、まだまだ実は仕事もたくさん残っていますし、そこに集中したいと思っています。

(以上)

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