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平井大臣記者会見(令和3年10月1日)

平井デジタル大臣記者会見要旨

(令和3年10月1日(金)11時30分から11時53分まで 於:紀尾井町20階 記者会見室)

1.発言要旨

まず、私からはデジタル庁の通年採用を開始したことについて報告させていただきます。

本日よりデジタル庁の非常勤職員の公募を開始します。これは今日の15時にデジタル庁のウェブサイトに公開をする予定です。本日から17職種の公募を開始して、これまでデジタル庁発足に向け採用を行ってきたところ重点分野における業務体制を更に拡充させるため、プロジェクトマネージャーやデータ・セキュリティのスペシャリスト等の公募を行います。また、順次募集職種は増加をさせていきたいと思っています。

これまでの採用とは違い、募集の期限等に柔軟性を持たせた形の、いわば通年採用の形式で募集を行う。これにより、公募をオープンにしている時期等を長く確保して、デジタル庁に応募したいと思う民間人材が柔軟に応募しやすい環境を整えるとともに、各プロジェクトの状況等に合わせた柔軟な採用を実現したいと考えています。

デジタル庁のミッション・ビジョン・バリューに共感し、デジタル庁の新しい組織文化やデジタル改革推進に向けた機運を一緒に作っていく想い、覚悟のある人を採用したいと考えているため、積極的な応募をお待ちしています。

募集内容については、ホームページを見ていただければ細かく書いてありますので、また参照していただければというふうに思います。

そして、もう1つは、本日、デジタル庁の職員の行動指針となるバリューについてデジタル庁のホームページにて公表します。バリューとは、デジタル庁の職員がどのような価値観を持ち、日々どのような行動をすべきか、既に策定しておりますミッションを達成し、ビジョンを実現するために必要となるものです。官民の職員が混在するデジタル庁において共通の意識を醸成するために策定に取り組んでまいりました。

合計3回の職員のワークショップや庁内からの意見募集を経て、「この国に暮らす1人ひとりのために」、「常に目的を問い」、「あらゆる立場を超えて」、「成果への挑戦を続けます」という4つのバリューを設定することになりました。

こうしたバリューを庁内にしっかり浸透させることで、職員一丸となって、真に国民のためとなる施策形成を進めていきたいと考えています。

私からは以上です。

2.質疑応答

(問)新しい内閣が今後近く発足します。岸田新総裁は、9月28日の記者会見で「成長と分配の好循環の実現」というのを主張しております。その観点で成長の源泉の1つでありますデジタルについては、デジタル田園都市国家構想というものを掲げておりますけれども、新内閣発足後はどのように支えていきたいと考えていらっしゃいますでしょうか。
デジタル庁への影響も含めて大臣の見解をお聞かせください。よろしくお願いします。

(答)新内閣発足後のことについてはまだ私は分かりませんが、今までこのデジタル庁が設立されるまでの経緯や、岸田総裁、候補が発表されていたデジタル田園都市国家構想とか、つまり、デジタル化というのは分散しても地方でも成長できるということと、分配というお話もありますが、実は公正、公平な分配をするにはデジタルによる情報連携というのが基盤にならなければいけないんです。つまり、成長と分配、そして地方の活性化等々もトータルで含めて、その基本になるデジタルのインフラを作っていくという意味で、成長戦略の柱、規制改革の象徴と菅総理から指示を受けて作られたデジタル庁ではありますが、もうまさに岸田内閣が誕生して目指す政策を実現するためには、非常に重要な役割を担っていくのがデジタル庁だろうというふうに思っています。

(問)それに関連して、今回、誰一人取り残さないためのデジタルデバイドの解消というところの観点で、前も平井大臣も見解を示されておりましたけれども、改めて岸田新総裁もデジタル格差というものに一つ向き合って、デジタル支援員を全国に展開する考えを一部メディアでも示されていたりしていたんですけれども、改めてそのデジタルデバイド解消に向けた取組についての考え方と今後の取組について伺えればと思います。

(答)デジタルデバイドの解消はデジタル庁だけではできませんので、これは他の省庁と、例えば教育現場であれば文科省、そして各地方の自治体等々も含めたものであれば当然総務省等々と、あと企業間の格差ということだったら経産省みたいなことで、結局こういう時代が大きく動いてデジタル化が加速するときには丁寧な対応をしていかなければいけないということで、デジタルデバイドの解消ということに関していえば、デジタル活用支援員のみならず、いろんな形でこれから政策パッケージが進められるというふうに考えています。

その中の1つに活用支援員の強化というようなことは、これは総務省が中心に予算を取り、実行をされると。他の政策との相乗効果でデジタルデバイドが解消されていくという方向が望ましいと思っています。

(問)先日大臣とNTTとの会食の関係なんですけれども、6月の文春報道の後の会見で、大臣がお話しになった、「割り勘として問題のないようにきっちり払った」という言葉ですけれども、前回の会見で文春取材の後に支払ったというご説明を踏まえて、虚偽の説明だったのではないか、隠蔽工作ではないかという指摘が上がっています。こういった指摘に対してどのように受け止められますか。

(答)当時文春からは度々取材があって、6月21日以前に私とNTTとの会食に関する事実確認依頼があったということ、NTTに確認して、21日に請求額を支払ったということだけです。何を隠すと言われても、何も隠していないというのが私の立場です。

(問)ピカピカなデジタル庁でスタートするためにということの大臣の指示で調査が始まったとお聞きしていますけれども、岸田政権で今後信頼の得られるデジタル庁という形であり続けるためにどうしていくべきか。独自のルールも設けられているということですが、お考えを改めてお聞かせください。

(答)デジタル庁というのは官民連合体というハイブリッドの他にない組織なので、先ほどもお話ししたミッション・ビジョン・バリュー、これも元々官僚の方々と民間から来た人たちが合宿しながら行動指針みたいなものというか、守るべきバリューを決めるというのがありました。これはもう前向きに仕事をするため、そしてもう1つはコンプライアンス委員会もデジタル庁が創立される前に前倒しでスタートをさせて、今回、いろいろな調達に係る報告書やオリパラアプリの報告書等々の報告もコンプライアンス委員会は受けて、相当厳しい社内ルールを設けています。

私を含む全ての、もう既に500人以上の職員の皆さんは誓約書にサインをしているというふうに聞いておりますし、細かいルール等々に付けたハンドブックみたいなものも今回用意をするということになっています。そういう意味で、会食のみならず、例えば株式の保有であるとか、特許を保持しているかどうかであるとか、利益相反が起きないというようなことをきちんとした上で、また、民間との意見交換というようなものに関しても、これは利害関係者に当たる方々との会食、意見交換等々はコーヒー1杯でもきちんと届け出しなければいけないというようなことで、これは一度相当厳しく作ってありますので、コンプライアンス委員会の内容について事務方から細かい内容も含めてきちんと説明をさせたいと思っています。

(問)今、利害関係者のお話が出ましたけれども、一般の方から見て、持ち株会社が利害関係者ではないということに違和感を覚える方も多いですけれども、独自の内規で利害関係者という定義を厳格化するようなお考えというのは今のところありますでしょうか。

(答)利害関係者であるかどうかというのは、我々が判断することではないというふうに考えています。

(問)今日は10月1日ということでデジタル庁が発足してちょうど1カ月になります。この間、デジタル審議官の懲戒処分とかもありましたけれども、大臣、この1カ月を振り返っての所感をお聞かせください。

(答)デジタル庁が発足してから1カ月ということで、その間、今後のデジタル改革の礎を築くべく取り組んできたと思います。

まず、その一端を申し上げますと、9月6日のデジタル社会推進会議、9月28日のデジタル社会構想会議をはじめ、内外の有識者を交えながらデジタル改革の方向性について検討を重ねてまいりました。

また、デジタル庁の組織作りについても、デジタル監の石倉さんや、CxOの皆さん、民間出身の方々も含めてデジタル庁の職員との闊達な議論を重ねて、先ほどご紹介したデジタル庁のミッション・ビジョン・バリューの策定を推進することができました。これはちょっと時間がかかりましたけれども、徹底的に議論をしたので非常に重要だと思っています。

この他にワクチン接種証明の二次元コード及びAPIの仕様に関する意見募集を行うなど、国民に必要なサービスを迅速に提供できるよう個別施策にも積極的に取り組んでまいりました。

このように着実なスタートを切ることができましたけれども、1カ月という短期間であり、デジタル庁が創設された意義を国民に実感していただくには、まだまだちょっと時間が足りないというふうに思っています。

デジタル庁の仕事の内容というのは、いろんな法律(案)の審議の委員会でもさんざん確認もされていますし、我々がホームページ上でいろいろ発表もさせていただいているんですが、一番大きいのは国のシステムや地方のシステム、それをアーキテクチャから見直して時間をかけて作り変えていくというような、この、今まで誰もできなかったことをやろうとしている大きな仕事はこれはやっぱり国民の理解が必要だというふうに思っています。

そういう大きな仕事で時間がかかるもの、それは社会全体のデジタル化の呼び水になると思っているので、次に重要なのはそういうプロジェクト、ロードマップ的なものが明らかになってくるのは年末策定の重点計画ということになると思います。

その重点計画を作るまでのプロセスもオープンにしていきたいというふうに考えていますが、それがデジタル庁としてこれから仕事をやっていく上で、1つの方向性を国民に示すことができる機会になるのではないかと思います。

仕事を今、進めて、各部門の皆さんから我々が言われている要望というのは、とにかく人が足りないと。人をもっと配置していかないと、やっぱり1,000以上あるシステムをどのようにこれから全体を管理して上手く進めていくか。そして、いろいろな個別の要望等々にも機動的に対応していかなければいけないというふうになると、やっぱり相当人的リソースを強化しなければいけないというようなことも含めて、地方の公務員の皆さんからの公募、そして、今日お話しさせていただいた通年採用の非常勤、そしてその後には常勤の採用というのもやらせていただこうということで、組織の強化とこれからのロードマップ作りと実行に移していくということをできる体制、巡航速度に乗るまでは苦労はすると思いますけれども、ちゃんと組織的に動き出せば、これは一気に進める体制ができるだろうと思っています。

何せデジタル庁というのは、プロジェクトを進める中でお互いに理解し合い、学び合い、そして、その中で組織もそれに対応していくということで、仕事をしながら組織を強化するという今までになかったやり方ではありますが、恐らくそれが今のデジタル庁には一番適切な方法なんだろうというふうに考えています。

1カ月ですけれども、この先、非常に上手くできると私自身は感じています。

(問)今、大臣がおっしゃられた人的リソースについてお伺いしたいんですが、本日からまた通年採用を始められるということなんですが、いつまでに大体どれくらいの規模の人数がいるといいなというのは大臣の中でお考えでしょうか。今、600人で、民間は200人ということなんですが。

(答)この非常勤の場合は機構定員のカウント外ということにはなるんです。

これは常勤もこれからさらに募集をすると、若い方々の常勤というようなことは、期限を切らずに常にいい人がいたら入ってもらうという状態、つまりデジタル庁のドアはいつでもオープンということを今日宣言したいんです。プロジェクトを進めている上で、必要な人材に関してはいつでも受け入れる体制があるということで、こういう技術を持った方々がほしいということです。

今、600人の体制ですけれども、正直分かりませんが、どうなんだろう、数十人、100人ぐらいまでいくかな。数十人から100人ぐらいまではやっぱり必要になるんではないかなというふうに思います。

(問)今年度ではなく。

(答)今年はもうはっきり言って時間がないのでそんなにできないんだけれども、今年度でどうだろう、数十人ぐらいの方々が確保できたらいいだろうと。

ただ、結局数の問題ではなくて、その必要なプロジェクトに能力を発揮してくれる人というので探しているので、それはタイミングが合えばどんどん入ってくれるだろうし、なかなか見つからなければやっぱりそこは苦労するんだろうと思います。

(問)数十人というのは非常勤の方ですか、常勤の方ですか。

(答)数十人というのは両方合わせてという感じです。

(問)先ほどの回答の中で、利害関係者の定義というのを我々が判断することではないというふうにおっしゃっていましたけれども、そこのところ、誰が判断するのかとか、建て付けを詳しく教えていただきたいんですが。

(答)倫理審査会の方で判断をするということでございます。

(問)分かりました。持ち株なので利害関係者ではないということに今、疑問の声も出ている中で、内規で定義を厳格にするかどうかというのが聞かれていると思うんですが、その辺はもうやらないということでいいんでしょうか。

(事務局)倫理規程に載っていますので倫理規程を見てください。

(答)倫理規程を見ていただいたらいいんだよね。

(事務局)規程が載っています。利害関係者の定義が書かれています。

(問)近く岸田総裁が組閣をされますけれども、その際にデジタル大臣を続投されたいというお気持ちはありますでしょうか。

(答)人事のことに関しては、私は申し上げる立場ではありません。いかなる立場になったとしても、このデジタル庁をつくる改革担当大臣として1年間苦労をしてスタートさせた以上、どのような立場になってもこのデジタル庁は応援していきたいというふうに思っています。

(以上)

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