牧島大臣記者会見(令和4年2月18日)
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牧島デジタル大臣記者会見要旨
(令和4年2月18日(金)10時22分から10時38分まで 於:オンライン)
1.発言要旨
今日は、規制改革案件についてご報告いたします。
まず1点目、来週の2月21日月曜日ですけれども、午後4時から「再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース」、いわゆる再エネタスクフォースを、いつもと同じようにオンライン形式で開催いたします。
議題は2つです。1つ目は、「舗装型太陽光発電を含めた道路・都市公園における再エネ導入の促進」ということになります。道路は日本の国土面積の3.7%、都市公園は国土面積の0.3%を占めております。太陽光等の再エネ設備を設置するポテンシャルを有しています。
もっと大きい数字のものがあるんじゃないかというふうに思われるかもしれませんが、そちらはもうほとんど措置済みになっていますので、これからやらなければならない分野として、道路と都市公園を取り上げます。
例えば、フランス等の事例を見ますと、道路等の舗装に太陽電池を組み込んだ「路面舗装型太陽光発電」というものが既に導入されていたりして、私道や駐車場だけではなくて、公道においても進みつつあるという状況が私たちのところにも届いてきています。
ということを考えますと、アジャイル型の開発が進められているというふうにもいえると思いますが、日本国内では私道とか駐車場での導入は徐々に進みつつあるものの、公道での設置は制度上できないということになっていて、導入拡大の弊害となっております。
そして、都市公園においても、舗装型太陽光発電に加えて、駐車場の屋根に太陽電池を設置した「ソーラーカーポート」の導入を拡大していく余地があると考えられますが、一方で、設置可能であるということが十分に周知されていなくて、やりたいというふうに希望されている方たちも、そうした事例を見たことがないというようなリアクションがあったりして、設置可能ということが伝わっていないので、普及の弊害になっているという声も届いてきています。
これらの弊害を解決するために、「路面舗装型太陽光発電」の公道での設置に向けた制度の見直しと、都市公園におけるソーラーカーポートの導入促進策についてご議論をいただきます。
2つ目は、「ディマンドレスポンスの普及拡大に向けた制度見直し」という点です。2050年カーボンニュートラル社会の実現に向けて、ディマンドレスポンスによる需要抑制や、または蓄電池による調整力の提供などの取組、事業機会の拡充が必要不可欠であるというふうに考えておりますけれども、経済産業省において、このディマンドレスポンスや蓄電池が有する価値に対価を与える仕組みを徐々に今、整備しているところです。
ただ、必ずしも発電所等の通常の電源と公平な扱いとなっていないという側面があるという声が聞こえています。なので、ディマンドレスポンスや蓄電池のさらなる普及拡大に向けて、それらが有する価値が十分に評価される仕組みの在り方について議論をいただきたいと思っております。
今回も、タスクフォースでの詳しい議論の内容については規制改革推進室のYouTubeチャンネルにて、これまで同様生配信いたしますので、是非ご覧いただきたいと思います。
もう1点ございまして、これも規制改革の話ですが、「介護施設における人員配置基準の特例的な柔軟化に関する規制改革推進会議の意見」についてでございます。
介護施設の人員配置基準に関する規制改革について御報告をいたします。現行、利用者の方3名に対して介護職員1人以上とされている人員配置基準がありますが、先進的な施設について、特例的に柔軟化できるか否かを検証するために、厚生労働省の方で本年4月から実証が行われることが予定されています。
この件について規制改革推進会議としての考え方をまとめました。そして、昨日議決を行いましたので御報告いたします。資料は皆さんのところにも届いているかと思いますが、ホームページ等でも公表しています。
今後、高齢者人口が急速に増加する、生産年齢人口は減少する、これは既知のものでありますが、既に不足している介護人材を取り巻く状況はますます深刻化していきますし、必要な方に適切な介護サービスを確実に提供するための取組、これが喫緊の課題です。
介護職員の方々の負担に関して、その処遇が負担に比して十分ではないのではないかといったような課題もあります。介護の仕事の魅力を高め、処遇を改善していくということが求められています。
このような中、一部の先進的な事業者から、利用者のケアに関するデータ解析、センサーやロボットなどの活用によって、介護の質を下げることなく、かつ介護職員の方々の御負担を増やさずに、介護職員の一人当たりでケアできる方の人数が増やせる、一人当たりの給与も引き上げられる、こうした処遇改善を行っていきたいという提案がありました。
もちろん利用者にとって介護の質が低下しないということは重要ですし、介護職員の方々にとって負担増ではなくて、むしろ処遇改善につながるということが大前提とはなりますが、今後の実証事業においてしっかりとこれらの点が確認されるのであれば、日本が10年後、20年後にも必要な方に必要な介護サービスを提供するための一つの重要な選択肢になることが期待できるというふうに考えています。
このような観点から、厚生労働省には丁寧な検証と早期に結論を出すことを期待しているところです。本日、規制改革推進室の担当が同席をしておりますので、私の会見が終了後、詳細を担当からもブリーフィングをさせていただきたいと思いますので、このテーマ、残ってお話を聞いていただければと思います。
私からは以上です。
2.質疑応答
(問)話が変わりまして、先日、大臣が視察された北海道の北見市の件なんですけれども、書かない窓口というのが重要ということで、これは政府としてもどういうふうにして支援して普及させていくか、色々な自治体で導入しつつあるという話も聞いていますので、その点お伺いできるでしょうか。
(答)ありがとうございます。
報道等も拝見しております。この北見市を一つのモデルとした、「書かない窓口」、様々な自治体にも進んできているところだなというふうに思っています。先進的な事例を私自身も見させていただいて、窓口において住民の皆さんのサービスが向上しているということを実感しています。また、バックオフィスの事後処理を含めて、一連の流れがしっかり効率化されるようにデザインもされている、職員の皆さんの事務負担の軽減にもつながっている。これは一つ一つの業務をしっかりと効率化に向けて見直しをしてきた職員の方達のご苦労の賜物だろうというふうに思います。
住民の利便性向上、行政の業務の効率化、この取組を全国にも広げていくためには「デジタル田園都市国家構想」(デジ田園)とつなげて進めていきたいというふうに思います。
デジ田園の推進交付金等を用いた取組について、これからさらに具体的に自治体の皆様が検討を進めていただいているところだと思いますので、この北見市の取組等も参考にしていただきながら、「スマートフォンで60秒で手続が完結」できる世界を、いち早く、どの場所であってもどこに住んでいても確実なものとしてできるように、デジ田園と連携して進めていきたいなというふうに思っています。
(問)まず、冒頭発言がございました配置基準の見直しについて伺いたいんですけれども、介護の質の低下を招かずに、一方で、処遇改善もするということでしたが、今回この実証の結果次第ではあると思うんですけれども、この実証実験自体につなげるめどが立ったということは、大臣としては一定の成果が今後見込めるというふうにお考えでいらっしゃるのでしょうか。
(答)事業者の皆さん、また、職場、介護施設等で働いている方たちのお声、またはドクターはじめ有識者からの検討、ご知見の分かち合い、このワーキンググループにも、私も参加をしながら学ばせていただいた部分もありました。
そうした中で、やはりこの人口動態を考えてみると、介護を受けることができない、サービス難民というような状態を起こしてはいけないという、そういった点では、それぞれのお立場の方たちも共有した、ある一定の危機感を持っていただいているのではないかなというふうに思っています。
だからこそ、今からできることは何なのか、しっかり実証事業を進めながら検討をしていかなければならない。その検討の項目に当たって気を付けなければならない点も、それぞれの皆さんからもいただきましたけれども、そういう意味では、しっかり一つの重要な選択肢を、この実証事業によって進めることができるのではないかというふうには思っております。
(問)関連してなんですけれども、今回のこの方向性を出すのに当たって、恐らく紆余曲折、厚生労働省側との議論というのはあったんじゃないかと推察するんですけれども、差し支えない範囲で結構なんですが、議論の過程というのは伺うことはできますでしょうか。
(答)厚生労働省の方でも、この介護の在り方という点では、やはり高齢者お一人お一人が様々な思いを持って過ごされている。施設で過ごされている方もいれば在宅の方もいたり、または医療と介護、両方のサービスを受けられている方もいたりと、いろんな形がありますけれども、一人一人の方が望む形での生活を安心して過ごせるためには何が必要なのかというところでは、共有した思いがありました。そういう意味で、具体的にまずは実証事業を行いながら検討していこうというところで議論が深まったかな、というふうに思っています。
(問)これは全然関連ではないんですが、この間、火曜日の会見でも質問させていただいたアジャイルな政策決定についてなんですけれども、柔軟に機動的に政策決定をやっていこうというふうになると、やはりどうしてもお金の問題ですとか、予算の柔軟性とか機動性というのは表裏一体の関係にあるんじゃないかというふうに思うんです。
今の日本の政府予算というのは、今は単年度主義でかつ、単年度での予算消化というのを求められると思うんですが、そことの兼ね合いというのはどういうふうに大臣は考えていらっしゃるんでしょうか。
(答)予算の在り方という大きな話になると、当然財政当局との相談というものも必要になってくるとは思いますけれども、昨年末(12月3日)に閣議決定した「予算編成の基本方針」において「財政の単年度主義の弊害を是正する」旨が書かれており、また、是正していこうという思いを総理も仰っておられるところであります。
そういう意味では、一つ一つの政策を確実に実行していく、成果を挙げていくという点でいえば、いろいろな考え方はあり得るのではないかなというふうには思います。
このワーキンググループでは、まず政策形成と評価の在り方を考えるという意味では、基金とか、またはソーシャル・インパクト・ボンドとか、Pay For Successとか、いろいろな在り方について有識者の方々も専門の方もおられますので、議論したいと思います。
同時に、このワーキンググループ、最終的な出口としては「デジタル臨調」になってまいります。それが霞が関、または広くは公務員一人一人への評価の在り方というところにもつながってくることだと思います。予算とか、または政策の在り方と、それから何を成果として一人一人が、公に奉仕する者が評価をされるのかということなど、本当に大きなテーマでありますので、ここは有識者のメンバーの方々ともいろいろな観点から今後考えていければなというふうに思っているところです。
(以上)