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牧島大臣記者会見(令和4年3月25日)

牧島デジタル大臣記者会見要旨

(令和4年3月25日(金)9時40分から9時57分まで 於:オンライン)

1.発言要旨

本日3月25日、行政改革推進会議を持ち回りで開催いたしました。行政事業レビュー実施要領を一部改正しています。また、アジャイル型政策形成・評価ワーキンググループの検討状況の報告、令和3年上半期調達改善の取組に関する点検結果の報告などをいたしましたので、その旨をご報告いたします。

そして、本日は、来週から新年度を迎えるということもありますので、担当大臣として、行政改革に対する私の基本的な考え方もお示ししたいと思っています。

デジタル技術の急速な進展やコロナ禍に見られるように、行政を取り巻く環境は刻々と変化しています。こうした環境変化への対応が急務となっています。時代に即した合理的かつ効率的な行政を実現するために、行政のDXを進め、政策形成・評価のプロセスや公務員の働き方を含めた行政の在り方を抜本的に改革していく必要があると考えています。

このような考えの下、行政改革担当大臣に就任以降、昨年11月の秋のレビューでは、行政組織の構造的な諸課題をどう克服するか、旧来型の組織や社会をどう再構築していくかといった論点で、「感染再拡大に備えたコロナ対策の検証」、「デジタル社会の実現等」を議題に据えて議論をさせていただきました。

また、デジタル臨時行政調査会において、デジタル・規制・行政改革に通底する「デジタル原則」を共通の指針として策定し、デジタル時代に向けた行政改革について政策形成・評価の質の向上、体制の構築を実現するための議論を行う方針、こちらをお示ししたところです。

特に、政策形成・評価の在り方については、本年1月に、「アジャイル型政策形成・評価の在り方に関するワーキンググループ」いわゆるアジャイルWGを立ち上げていますが、このワーキンググループでは、行政の無謬性から脱却し、より機動的で柔軟に政策の見直し・改善を行っていくための新たな政策形成・評価の在り方について具体的な議論を進めています。

本日の行政改革推進会議にその検討状況を御報告いたしましたが、今後、具体的な事例を取り上げて政策形成に係るレビューを実施した上で、5月から6月目途に議論の結果を取りまとめ、デジタル臨調に報告する予定です。

また、デジタル人材の登用・活用や事務作業プロセスの効率化等、働き方改革について内閣人事局や人事院などと具体化に向けた検討を進めています。本日の行政改革推進会議でも、このような観点から、既存の行政事業レビューの事務作業プロセスを効率化・簡素化し、各府省庁の業務負担を軽減することで、行政事業レビューの質の向上や適切かつ正確な情報発信に資するよう、来年度の行政事業レビュー実施要領の一部改正を行いました。内容は、事前にお届けしている配付資料のとおりでございます。御覧いただければと思います。引き続き、無駄を削減する観点から、調達改善の取組、基金の点検等にも取り組んでいきたいと考えています。

行政改革担当大臣として、国民本位の時代に即した合理的かつ効率的な行政を実現するため、行政のデジタル化、働き方改革などを行って、質の高い行政サービスを提供できるよう、引き続き改革を進めてまいります。

私からは以上です。

2.質疑応答

(問)今の冒頭のご発言に関連してなんですけれども、大臣の問題意識のところをもう少し伺うことは可能でしょうか。特に働き方改革を進めたいというところなんですけれども、霞が関というと過重労働で、なかなか質の高い仕事ができないということで、採用に結び付かないというケースも結構あると思うんですが、そういった点についての大臣のお考えを伺えますでしょうか。

(答)霞が関人材として活躍されている方々が大勢おられます。一方で、途中で霞が関を去られる方達がおられるというのも、数字の中で出てきているということは実感しております。

デジタル庁に関しては、リモートワーク等も推奨されている状況でありますし、それぞれが持っている知見、経験を活かし、働き方改革に取り組んでいるというふうに私たちは考えてはおりますけれども、霞が関全体ということを考えますと、まだまだデジタルツールの活用を含めて課題が残っているところだろうというふうにも受け止めております。

本来、政策を作り上げていくプロセスという意味で、高い志を持って集っておられる霞が関の皆さん、そして、霞が関を目指しておられる次の世代を担う人々にとっても、魅力ある場所だというふうに思っていただくように努力をしなければならないだろうということも考えております。

また、民間人材の方の採用という意味では、デジタル庁はある意味ショーケース的に行わせていただいていますけれども、こうしたことも今後、議題になるのではないかなというふうには受け止めております。

(問)次は、デジタル臨調の作業部会なんですけれども、ここ数週間、4回分の会合を集中的に行ってこられたと思うんですが、その進捗状況ですとか、出てきた成果等、あと関係省庁ヒアリングがあったと思うので、そこで見えてきた障壁だとか課題、その辺を伺えますでしょうか。

(答)デジタル臨時行政調査会の下に、有識者によって構成される作業部会、こちら2月に設置しました。デジタル化を妨げる規制の中でも代表的な、目で確認することを求めている「目視規制」、人が常時特定の場所にいなければいけない「常駐規制」等、「7つの項目」というものを取り上げています。デジタル原則への適合性の点検・見直し作業を本格的に、今、進めています。

これまでに開催した計7回の作業部会においては、先端技術を保有するスタートアップ企業等からヒアリングを行いました。デジタル技術と「7つの規制項目」の対応関係を整理して、規制を横断的に見直すために類型化やフェーズを具体化し、これらの類型・フェーズに基づいて各省庁とのヒアリングの中で、規制の見直し方針を議論してきたところです。

こうした取組を通じて、作業部会で取り上げた案件については、前向きに見直しが行われているというふうに聞いています。

この点検・見直し作業を通じて、例えば、インフラの点検規制では、現状、「目視」に限定されているものを、デジタルにより、「遠隔」でも可能にする、さらにはAIによる認識・分析を行うことで「自動化・無人化」を目指す、これはフェーズが1つずつ上がっていくというイメージですけれども、そうしたものも可能になるというふうに考えています。

このインパクトとしては、例えば、作業部会で取り上げた規制の中に、河川延長12万kmとか、都市公園等11万箇所といったような、全国の様々なインフラについて、かなり大規模になりますけれども、点検・巡視に係る規制も含まれているので、この遠隔化・自動化を後押しするとともに、同じ性質を持つ規制に対しても横断的に点検・見直しを進めることを狙っているところです。

他方、作業部会で本格的な規制見直しを議論する中で、技術的な検証が必要なのではないかといったこと、またデジタル化をするためにシステム整備が必要なもの、法令の点検・見直し作業には多くの手作業に頼っている現状から、新規法令の策定の際の法制事務のデジタル化を早急に進めること等、新たな課題も見えてきたというふうに聞いてはいます。

今後、こうした課題解決も含めて、作業部会への議論や、デジタル原則への適合性の点検・見直し作業を加速化させ、一括見直しプランを策定してまいりたいと思っています。

(問)一昨日22日になるんですけれども、大臣と経団連の方とで会合があったかと思うんですが、こちらの中身といいますか、どういうお話をされたのか伺えますでしょうか。

(答)3月22日に経団連「デジタルトランスフォーメーション会議(DX会議)」にて、私から「デジタル臨時行政調査会の取組」ということを御説明させていただきました。

十倉会長からのコメントを少しご紹介いたしますと、「世界から周回遅れの日本が真のデジタル社会に生まれ変わるのに最大にして最後のチャンスと言っても過言ではない」といったようなご発言がございました。意見交換においても、デジタル臨調による改革の推進、地方の皆さんも一緒に、地方公共団体も一緒にということも含めてですが、規制・制度の見直し、マイナンバーの徹底活用、ヘルスケアをはじめとする様々な分野におけるデータ連携基盤の構築など、ご意見もいただきました。多岐に渡るテーマについて、官民連携による取組の推進など、出席者の方々から貴重な御意見を頂戴したというふうに受け止めております。

経団連の皆さん、産業界全体からも様々な御意見をいただいていますけれども、御要望、御提言を受け止めてデジタル臨調を通じて、デジタル化の取組のスピードを上げて、本当のDXを皆さんが実感できるように、新たな価値が創造されていると思っていただけるような社会を官民連携で作り上げていきたいと思っています。

(問)まず1点目になるんですけれども、冒頭ご発言のあった行政事業レビューの一部改正の件で、大臣の方からも質の向上という話がありましたが、このレビュー作成の省力化や、書面点検の省力化がどう質の点検に結び付くかという狙いの部分をもう少し具体的に教えていただけますでしょうか。

(答)今回、この行政事業レビュー実施要領の改訂を行います。4月から、各府省庁における行政事業レビュー、これにおいて事務作業プロセスを効率化・簡素化して負担を軽減するということにしています。

ここでは、行政評価との関係を記載する部分、URL記載でよろしいと思いますというようなこと等、レビューシートの簡素化をさせていただいています。また、最終実施年度・最終目標年度の事業に対する書面点検の廃止なども行わせていただいて、外部有識者の皆様による書面点検の省力化というものも見直し項目として出させていただいたところであります。

付け加えますと、中間公表のときには事業の実績が十分でないので空欄とかで出されていたこともあったりしましたので、これですと形骸化しているというふうにも見受けられますから、しっかりと実施結果を点検できるようなレビューシートの質の向上ということを踏まえて方針を作らせていただいたところです。

(問)今回の新年度予算が成立しまして、幅広いデジタル関連予算も盛り込まれていたかと思います。この新年度予算の成立の受止めと、また来月から新年度を迎えますが、デジタル施策への大臣の想い、または取り組まれる意気込みを改めてお願いします。

(答)令和4年度予算については3月22日に可決・成立をいただいたところです。デジタル庁の予算額は、4,720億円であり、昨年末に閣議決定した重点計画に沿って、デジタル化による成長戦略、地域の活性化、誰一人取り残されないデジタル社会の実現を目指すための予算と考えております。

具体的には、国民にとって使い勝手のよい行政サービスを実現するため、基幹的なものとしてガバメントクラウドや、マイナンバー制度関係などを含む、デジタル庁情報システムの整備・運用、税や社会保障関係等の各府省庁のシステムの年間を通じた一元的な統括・管理などを行ってまいります。

また、デジタル社会形成の推進として、健康・医療・介護・教育等の準公共分野のデジタル化に向けて、府省庁連携による分野横断的な取組も進めていくことができるかと考えています。

デジタル庁としては、これらの成立した予算を着実に執行していくとともに、デジタル臨時行政調査会及びデジタル田園都市国家構想実現会議でのデジタル実装を通じた地方の活性化、デジタルの視点による官民またがる本格的な構造改革、こうしたものを着実に進めてまいります。

令和4年度、国民の皆さん、お一人お一人がデジタルの恩恵というものを実感できるように、しっかりとした活動を、政策を動かしながら、皆さんがデジタル化の恩恵を感じられる場面を増やしていきたい、そんな年度にしていきたいというふうに考えております。

(以上)

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