牧島大臣記者会見(令和4年4月1日)
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牧島デジタル大臣記者会見要旨
(令和4年4月1日(金)9時50分から10時10分まで 於:20階記者会見室/オンライン)
1.発言要旨
本日ハイブリッドという形でさせていただきます。2件最初に発言させていただきます。
まず、4月1日オンライン診療やオンライン服薬指導など医療DXの進捗、そして新型コロナウイルス抗原定性検査キットについてお話しをさせていただきます。規制改革の状況についての報告となります。
昨日3月31日、オンライン服薬指導に関する厚労省の省令改正が行われました。この結果、在宅で受診から薬剤受取までが可能となる制度的な基盤としての一定の形が整うことになりました。
具体的に申し上げます。まず、オンライン診療については、初診から可能となるということ、それから対象疾患の制限がなくなるということ、そして自宅から30分以上かかる医療機関からも受診可能となるなど各種制約が撤廃されました。また、診療報酬の大幅引上げが行われまして、これまで既に決定されていましたけれども、その上で、今回、オンライン服薬指導についても、対面での指導と優劣がないという考え方が示されたので、各種制約が全廃されることになったというふうに私ども規制改革を担当する者としては考えております。
こうした結果、患者さん、国民の皆さんにはどのような世界観が広がるかということですけれども、症状などにはよるものの、御自宅で、外出する必要がなくなった、そして受診から薬剤受取までが完結できるようになったということになります。診療所や薬局まで電車とかバスを乗り継いで行かなければならない、体調が悪い中外に出なければならない、又は待合室で何分か待つ、その間密になってしまっているのではないかという不安がある、こうしたものが解消されたということです。負担がなくなったことと同時に、地方に住んでいても、どこに住んでいても、例えば都市部にいる専門医の方に受診をお願いする、申し込むことができるということにもなりますし、実際、配布資料をお届けさせていただいているかと思いますが、大手ベンダーが本年2月に行った調査では、9割弱の医師が、今回の規制改革が、オンライン診療を開始したり増加させる理由になるというふうに受け止めているということで、インセンティブが働いているのではないかというふうに思います。オンライン診療を行っていない医療機関の半数程度がオンライン診療の利用を開始する意向という結果も、民間の調査ではございますけれども出てきています。
また、薬剤師の皆さんの働き方改革も進むというふうに考えます。薬局外、例えば、薬剤師の自宅などからも患者さんに対するオンライン服薬指導、今年度早期に解禁いただく予定です。
次に、抗原定性検査キットについて、こちらもこれまでのこの会見の場でも御報告を随時行ってまいりましたが、キットの利用環境整備については規制改革推進会議でも何度も取り上げてきました。厚生労働省とも議論させていただきました。その結果、段階的に規制改革、随時に渡って行われてきましたけれども、3月17日からは、薬局からキットを購入する際の書面がなくなりなりました。書面廃止になりました。また無症状者であってもキットが購入できます、ということも明確になりました。薬機法未承認品の販売自粛要請の実施も現在検討されているということでございます。進捗のご報告です。
そして抗原定性検査キットについては、感染力は極めて強いオミクロン株が蔓延する中で、例えば海外の事例ですが、アメリカ、シンガポールなどではキットを国が買い上げて、国民に郵送配布するなどの取組が行われました。日本では、皆さんもご存知のとおり、一時的にキット不足が深刻化するといったような事態もありましたが、こういった経緯を踏まえて、我が国におけるキットの利用の在り方、またOTC化などについて、規制改革推進会議において、月内にも検討を行う予定です。
医療分野は、国民の皆さんにとって大変身近であると同時に生活に密着する、そしてまだまだコロナの現象がある中で、関心の高い領域だと思います。一昨日、デジタル臨時行政調査会が開かれた中でも、岸田総理から、全国どこでも、医療・介護サービスや、また医薬品に円滑にアクセスができて健康維持増進することができる、そうした医療や介護のデジタル化を推進していくようにというご指示を改めて頂戴しています。今後も、引き続き、利用者の皆さん、患者さんの皆さんの立場に立って、医療DX、薬局DX、介護DXを進めていきたいというふうに考えております。
そして、もう1点お話しをさせてください。4月1日、デジタル庁第一期生を本日迎え入れることになります。デジタル庁職員として10時40分から入庁式を実施いたします。そちらも記者の皆様にもオープンにさせていただいていますのでよろしくお願いいたします。
他にも、同じく本日付で、民間企業から25名、地方自治体から41名など、合計74名の方に新たに参画いただくことになります。この結果、新年度のデジタル庁の体制は、地方自治体も含めた官出身の職員が約450人、民間出身の職員が約250人ということで、その他、秘書や庶務等を担当する職員約50名、合計で700名の体制となりました。
従前から申し上げたとおり、デジタル庁の所掌範囲は非常に広いです。あらゆるバックグラウンドを持つ職員の皆さんに集まって来ていただいて、その知見を活かしていただく、適材適所で強みを発揮していただくということを目指してまいります。
今回新たにお越しいただく方々の中にも、例えば、民間出身の方、セキュリティやアーキテクチャの設計に関する業務に加え、デジタル化を妨げる規制の見直しを進めているデジタル臨調に係る業務等に従事をしていただく方もおりますし、地方自治体出身の方には、デジタル田園都市国家構想に係る業務、地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化、マイナンバー利活用の検討に関する業務などにおいて知見を活かしていただいて、また新たな技能も習得していただけるような環境を私たちとしては整備をしていきたいと、そうしたことを留意しながら進めていきたいと思っております。引き続き、デジタル社会の司令塔として新しく加わるメンバーとともに、約700名体制となりました、デジタル庁をしっかりと進めていきたいというふうに思います。
私からは以上です。
2.質疑応答
(問)今日のお話あったように、デジタル庁として第一期生を初めて迎え入れるということで、この一期生の方々、特にデジタルのスキルであったりとか、専門性というところは採用に関して重視されたようなところを教えてください。
(答)本日入庁された新人生は、これからはいわゆる文系・理系というカテゴリーはなくなっていくと思いますけれども、かねてより従前言われてきたいわゆる文系といわれる方とか、情報系といわれる理系の方とか、様々いらっしゃいますけれども、民間企業での経験を踏まえて、デジタル庁に入ってこられる方もいらっしゃいます。そういう意味では、出身やバックグラウンド様々であるからこそ、デジタル庁の個性になってきていただけると思いますし、高い志、目標を持って入庁されてきているというふうに思っています。情報科学などのデジタルに関する知見だけではなくて、デジタル庁は、広く社会全体のことに関心を持ち、そして課題の解決に向き合っていくという職務がございますので、そういう意味では、これまでのスキルとか学んできた領域を超えて、幅広い経験を、このデジタル庁で積んでいただきながらデジタル庁としてのミッション・ビジョン・バリューを実現していっていただければなというふうに思っているところです。
(問)30日のデジタル臨調で、地方のデジタル化について検討するよう指示があったと思うんですが、デジタル庁としての具体的な方向性、現時点と今後について、なるべく具体的によろしくお願いします。
(答)デジタル臨調については、30日行われまして、地方に向けてという点では総理から、金子総務大臣と連携しながら進めるようにといったようなご指示がございました。
アナログな規制の見直し、先行して7項目ございますけれども、それについてはしっかりと国として、その方針を示していかなければならないわけですが、それをしっかり今後見直し作業の情報提供を地方の皆様にもしていくということ、そして自主的な取組を行う際に参考となるマニュアルを提供すること、自治体における先進的な取組事例、福岡市からも発表もございましたけれども、そうしたものを調査・情報提供を行うことによって、地方自治体の皆さん、デジタル原則に沿った点検・見直しを後押しするといったことが私達としては重要であろうと思いますし、総理のご指示、そうした趣旨であったと受け止めております。
(問)質問なのですが、規制改革の関連でお伺いします。例えば、先程の服薬指導に関しての、河川ですとか公園の点検、そういった目視規制に関しても、ひとつひとつのメリットというのは分かるんですけれども、デジタル臨調全体の発信となった時に、これらが生活者に対してどういう恩恵をもたらして、どういうふうに暮らしが変わるのかというのが国民にとっては分かりづらいように感じていました。冒頭にご紹介いただいていた世界観は非常に分かりやすかったと思うのですけれども、大臣、この点、どうこれまで感じていらっしゃって、国民に伝える際にどういう工夫が求められているかというふうにお考えでしょうか。
(答)重要なご指摘だと思います。例えば、河川12万キロとか公園11万箇所とか消防設備約99万箇所とかというふうに、具体的に私たちも国民の皆様に伝わるように、その規模感、これだけ大きな規制改革を進めようとしているんだということをお伝えしているつもりではあるのですが、国民生活にとってはどういうことなのかということだと思います。例えば、旅館、ホテルの約款の備え置きみたいな話、これがオンラインでの掲示が可能になることによって、ホテルの側の皆さんだけではなくて、そのサービスを使おうと思っているいわゆるお客様の側にとっても確認ができるようになるとか、また安心して宿泊ができるといったような、安心材料をオンライン上で得ることができるというようなアプローチ、国民の皆さん、ユーザー側の皆さんにとってどういうように変わるのかというところをしっかりと伝えていく必要があるんだろうとは思っております。
また、そうしたものを通じて、私たちの毎日の生活がどのようになるのかということを、ただ、この法律の何条何項が変わりますよっていうことだけではなくて、その先の社会というものがしっかり描けるように今後もお伝えする努力はしていきたいというふうに思っております。
(問)先程の体制について確認なんですけれども、官出身は450人、民間が250人、その他庶務秘書50人で、計700人とおっしゃいましたが、750人ですかねというのと、このうち、常勤か非常勤の内訳を教えてください。3月末で退職された方もいらっしゃると思うんですけれども、何人減って、何人増えて、純増何人かっていうのがもし分かれば教えてください。
(答)すみません、3月末の状況など、今私手持ちになかったので、事務的にまたご説明させていただきたいです。
(問)関連してなんですけれども、個人情報保護委員会についての4月1日に50人増員されていると思うんですが、改正個人情報保護法も本日から施行されて、法執行のための体制が不十分ではないかという指摘がわりとあったり、今までもしていたと思うんですが、今後、増員していったり、体制強化していったりする予定はございますでしょうか。
(答)個人情報保護委員会の体制についてですけれども、令和4年4月から国の行政機関等における個人情報保護の制度及び監視監督業務を所管するということで、これらの業務を適切に行うために必要な体制として、公的部門の監視監督業務を統括する参事官、公的部門の個人情報保護制度を担当する企画官を設置するとともに、事務局全体の定員として、令和3年度定員148人から約50人増員しまして、約200人の体制を整備したというふうに報告を受けております。必要となる人員については、個人情報保護委員会において、各府省庁や各地方公共団体からの出向に加え、民間での実務経験を有する人を弁護士等の採用等により官民双方から多様な人材の確保に努めていくものと承知しております。
また、個人情報保護法の地方公共団体の適用が開始される令和5年度や今後必要となる体制についても必要に応じ、個人情報保護委員会において検討されていくものと承知しています。ここから先は、個人情報保護委員会の皆様にお問い合わせをいただければと思います。
(問)質問が行ったり来たり申し訳ないですが、冒頭のご発言の医療DXに関するところで、医療、介護のDXが進んで、デジタル規制の撤廃がどんどん進んでいく中で、利用者、ユーザー側のある意味技術を使えるようなところで、いわゆる促進とか周知活動が必要になっていくと思うんですけれども、今現在、自治体が主体となってスマホ教室とか、タブレットの配布とかやっているところとかありますけれども、国としての役割というか、どういうふうな方向でユーザー側のところで考えていることがあれば教えてください。
(答)デジタル庁としては、「デジタル推進委員」を、これから委嘱をさせていただくこととなります。もちろん、これまでも総務省の方でデジタル支援員を制度で、携帯電話などのショップの店員の皆さん等にご協力をいただいてきたところ、そこで、スマホ教室の講師をしていただいたりしていただいたところはありましたけれども、携帯電話ショップがない市町村というのもありますので、そうしたところをしっかり誰一人取り残されない環境を整えるために、デジタル庁としては更なるきめ細やかな体制を整える一万人のデジタル推進員の委嘱というところを随時これから進めていくことになります。
そうした方々は、この教室とか、デジタル社会についての講演などに参加をしてくださる講師側の役を果たしてくださる方と、それからこうした講習に行くことを促すようにお声がけをしてくださる方と、両方併せてデジタル推進委員ということで、地域、本当にコミュニティーベースで皆さんがデジタルというものに慣れ親しんでいくことができるように、ちょっと苦手だな、不慣れだなと思っている方であっても、ちょっとスマホを買い換えてみようかなとか、又はオンライン診療というものをやってみようかな、やる必要があるから誰かに聞いてみようかな、と思っている方達のサポーターになってくださる推進委員を増やしていくというのを、これから私たちの方で随時進めていくということになります。
(以上)