牧島大臣記者会見(令和4年7月29日)
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牧島デジタル大臣記者会見要旨
(令和4年7月29日(金)10時40分から10時59分まで 於:オンライン)
1.発言要旨
冒頭3件です。まず、北海道出張についてのお知らせです。
今日ですけれども、7月29日午後、日本科学未来館浅川館長が進めているAIスーツケースの実現に向けた日本国内の空港では初めてになります、この初めての実証に立ち会わせていただくことになりまして、新千歳空港を訪問する予定です。
デジタルを使った研究開発を進める実際の状況を、直に経験させていただける重要な機会になるというふうに感じています。
この視察を通じて、「誰一人取り残されない」あたたかいデジタル社会の実現、私たちが目指しているもの、デジタル技術の海外展開のためにも、デジタル庁が今後取り組むべき施策等について、貴重なご示唆がいただけるものと期待しています。
なお、今回の視察では、デモの取材と日本科学未来館の浅川館長、北海道エアポートの蒲生取締役社長と共にぶら下がり取材の機会も設けさせていただきます。既にご案内していますけれども、ぜひご参加ください。
そして、明日は、江別市におけるデジタル田園都市国家構想の取組を視察いたします。この江別市のデジ田の取組にも参画されています、北海道情報大学にて開催されるタウンミーティングにも参加をいたします。
江別市は、デジ田のデジタル実装タイプTYPE 2を活用していまして、市民向けの包括的健康管理・促進サービスである「生涯健康プラットフォーム」の実装を進めています。
タウンミーティングを通じて、北海道情報大学の学生の皆さんとも地域においてWell-Beingを実現するためのカギについて、一緒に考えていきたいと思っています。
また、江別市の視察についても、タウンミーティング等のぶら下がり取材の機会を設けさせていただいています。こちらもぜひご参加ください。
また、これは規制改革になりますけれども、環境省による脱炭素先行地域に選定されている石狩市、こちらを訪問します。データーセンターを中心とした再エネ100%ゾーンと、それから洋上風力発電の建設現場を視察させていただきます。DXや再エネの推進に向けた地域の取組に役立つ規制改革の要望があれば承っていきたいというふうに考えています。
今回の視察を通して、地域の特性を上手く活用した産官学の関係者の協力等で実施をされている、デジタルとかグリーン・トランスフォーメーション、地域におけるDX・GXの取組の実態や課題を把握して、関係者の声を伺いながら、今後の政府としての取組にしっかりと活かしていきたいと考えています。
続いて2点目でありますが、こちら13の自治体の独自給付を新たに特定公的給付に指定するということを発表いたします。
本日、7月29日に、13の自治体が実施する、新型コロナウイルスの感染症対応地方創生臨時交付金を活用した独自の給付について、「公金受取口座登録法」に基づく「特定公的給付」として指定いたします。
これにより、指定を行う給付金事務を当該自治体が行う際に、所得情報や口座情報等の確認・利用が容易になるとともに、マイナンバーを利用した管理が可能となってまいります。
自治体独自の給付について、自治体の皆様のニーズをお聞きしてまいりました。こうした中で、この度、指定が必要と判断したものであります。今後も最大限柔軟に特定公的給付の指定を行っていく予定です。
デジタル庁としても、引き続き、受給対象者からの申請を待つことなくプッシュ型に近い形で、国民にとって利便性が高く迅速な給付支給ができるように、取り組んでまいります。
3点目です。本日から本格運用を開始することになりました、「マイ制度ナビ」についてお知らせいたします。
「マイ制度ナビ」というのは、国とそれから都道府県が提供する給付金等の個人向け制度の情報をワンストップで提供するサービスとなります。行政機関が保有する社会の基本情報を管理するベース・レジストリ・プロジェクトの一環として推進してまいります。
また、個人向け制度に加えて、中小企業庁が提供している「ミラサポplus制度ナビ」ともリンクをさせていきますので、中小企業者向けの支援制度も検索できるようにしています。
この「マイ制度ナビ」は、平時だけではなくて、災害時にも有効活用されるものにしたいというふうに考えています。
いざ被災したときに、新たなシステムをそこから構築するというのではなくて、普段から使っているものを災害時にも使えるようにするということが必要だろう、このように、私たちも有識者の方々との意見交換の中で感じています。
発災後には、被災者支援の制度情報が提供されていますけれども、多くの制度があります。また順次新たな制度が追加されることもありますので、被災をした方が必要な制度をどうやって調べたらいいのかな、どういうふうに利用ができるのかな、というときに迷ってしまうことがないようにしたい、こうした時間とか労力を要していた部分を解消していきたい、というふうにも考えています。
「マイ制度ナビ」を多くの方に日常から活用いただくこと、災害時で支援機関が制度情報を円滑に登録すること、被災者が、行政機関の窓口職員、こうした方たちにとって、様々な支援制度をワンストップで簡単に把握できるようになるようにすること、こうしたことを目指しています。支援制度の利用促進、生活再建支援の迅速化につなげていきたいというふうにも思います。
また、「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」をミッションとするデジタル庁としては、支援を必要とする方に、支援の情報を、円滑に、広く届けられる「マイ制度ナビ」を重要なサービスとして認識をしていますし、今後推進を進めてまいります。
この会見には担当者も同席しておりますので、詳細、担当者からご質問あればお答えをさせていただければと思います。
私からは以上3点、ご報告させていただきました。
2.質疑応答
(問)マイ制度ナビ、ちょっと私よく存じ上げずに申し訳ありません。詳細は後ほど伺えればと思ってはいるんですが、これは仕組としてマイナンバーを活用したものということになるんでしょうか。
(答)マイ制度ナビは、ワンストップで検索を可能とするというところに、一つ特徴がありまして、実際に申請をするときにはマイナンバーカードとかマイナポータルとかぴったりワンストップサービスとかを活用していただくことになりますし、そこに上手につなげていかないといけないんですけれども、まず検索をする段階で、まだまだどこに何の情報があるかなというふうに思っている方たちがおられます。日常の支援ですと、例えば、ごみのこととか、医療福祉のこととか、子育て、教育のこととか色々相談したいことがあると思いますので、それをクリックしていただいて、次のページに行って、自分に合った制度を探す、というのが検索画面として作っているものになります。なので、ミラサポplusは、中小企業の皆さん向きですけれども、こちらマイ制度ナビは一人一人の個人も使えるというようなイメージで捉えていただくと、わかりやすいかなというふうに思います。
(問)もう1点お伺いしたいんですけれども、これ冒頭と別件なんですけれども、マイナンバーカードについてお伺いします。財務省が26日に公表した予算執行調査で、マイナンバーカードの交付率の低い自治体を重点支援するように総務省に求めました。普及率というのは、自治体によって極端な差が見られると思うんですけれども、これって、その取組に対する熱意だったり、予算配分だけの問題ではないように思います。これもあくまで自治体の話ではありますけれども、普及率の高い自治体と低い自治体と、この違いというのはどこにあるというふうにお考えでしょうか。
(答)総務大臣の所管ではありますけれども、カードの利活用ということを推進する立場としてお答え申し上げますと、マイナンバーカードの交付枚数が多い自治体、この首長さんと私も実際にお話を伺ったり、これまで大臣就任前も含めてですけれども、してきました。カードの利活用に積極的に取り組んでいる自治体にはやはり特徴があって、まずオンライン申請での活用が進んでいる、又はコンビニ交付も促進されている、さらには市民の皆さんによく使われている市の図書館のような図書館カードとしても活用されている、さらに市民割引への活用など、メリットを住民の皆さんが享受できるように、各自治体でしっかり取り組んでおられる。こういう自治体では、やはりカードの普及は進んでいるなという認識を持っています。
さらに、もう一つ特徴は、カードの申請をしやすい環境をいかに整えていくのか、丁寧な申請サポートが実施できているかどうかというところも交付されている自治体の特徴として挙げられる気がします。例えば、出張申請受付、そのお家にカードが必要だと思っている方がいたら、そこのお家まで行って丁寧に申請のサポートをする、こうした出張申請のサポート、さらには申請時間の拡大とか、事前予約制の休日窓口も開設をするとか、こうしたきめ細やかな取組が行われている自治体ほど、交付率は上がっているというのは、もう既に傾向として出てきているような気がします。
これに加えて、カードに係る広報に丁寧に取り組んでいただくということも大事だと思いますので、カードのメリットや安全性について住民の理解が得られ、交付が促進されていくこと、これを進めていく必要があるのではないかという認識であります。
引き続き、デジタル社会の基盤、このマイナンバーカードの普及利用に向けて重要な役割を果たしている自治体の皆さんと密にコミュニケーションを図りながらではありますが、マイナンバーカードの利用シーンの拡大、申請しやすい環境の整備、住民への広報、こうした以上3点が充実されるように、総務省はじめ、関係省庁と連携して積極的に進めていきたいと考えております。
(問)これに関連してなんですけれども、今、ご紹介いただいたところ普及率が高いところの特徴ということになると思うんですが、これをそのまま裏返すと、その逆が普及率が低い自治体という特徴になると思うんですけど、そこの低いところの特徴というか、何が課題とか障壁になっているというふうにお考えでしょうか。
(答)まだ、それぞれの自治体独自の取組が進められるというところ、また進むためには、どういう事業がこの地域の課題解決に必要なのかというところの議論が十分に重ねられる機会がなかった自治体さんというのもあるのかなという気はいたします。なので、私たちとしても、マイナンバーカードを図書館カードとして使っている自治体もありますよとか、又は交付率が8割の自治体さんもありますよっていうようなことをお伝えさせていただくようにしていますので、取組の事例、好事例の横展開というところも引き続き私たちとしてはしていかなければならないのかなというふうに思っています。
(問)2点目の地方自治体独自の給付金についてマイナンバーを活用するお話なんですが、こちら、ちょっと不勉強で教えていただきたいのですが、これどれぐらい新しいことなのか、過去に実績があるのかないのか、それからですね、仕組についてですね、いくつか教えてください。例えば、国で今集めている公金受取口座登録のシステム、こういった国の情報を使うのか、それとも自治体の方で独自に集めた口座情報とマイナンバーの関連付けのお話なのか、その辺を教えてください。
(答)まず、国が給付をする場合に特定公的給付に指定します。というのは、1号2号3号とそれぞれデジタル庁として指定してきたことを、この会見の場でもご報告をしてまいりました。今般、自治体独自で給付をする場合にも、この特定公的給付に指定をしてほしいというご要望がありまして、それを受けて13の自治体の発表に至ったという点では新しいことです。初めてのこと、ということになります。
今後もこうした自治体独自の給付に関しての指定について、ご相談、デジタル庁の方にも頂いておりますので、そこを対応するということになるかと思います。そうですね、山梨県は先に1回報告をさせていただきましたので、それに続いてということですね。ということですので、山梨県が一番最初の事例ということですね、そして、今日が13の自治体ということで、今後まだご相談を受けているところがありますので、それに対してデジタル庁としては対応をしていくということになろうかと思います。この公金受取口座については、国への登録の口座を使うということではありませんで、自治体が既にお持ちの口座情報を利用するものということになります。
(問)自治体の窓口手続のデジタル化についてお伺いいたします。大臣、昨日もオンラインで地方の首長の皆さんと意見交換されていましたが、各自治体、この窓口手続、デジタル化しようと考えていても、なかなか進んでいない現状が指摘されています。この地方自治体の窓口での手続のデジタル化について、今現在、交付金の採択等も進んでいますが、何が課題となっていると大臣としてはお考えでしょうか。また、デジタル庁として、そうした課題に対してどういった役割を今後担っていかれるとお考えでしょうか。
(答)まず自治体窓口DXを進めるときには、まずデジタルの話の前に業務をゼロベースで見直すBPRをしていただかなくてはいけないということだと思いますので、そこから、今作業をされている自治体の方たちもおられると思いますが、業務改革もしていただいた上でDX、又は同時並行で行うということになろうかと思います。そこがある意味、課題はどこにあるかと言われれば、一つ取り上げることができることかと思います。
さらに現場の職員の皆さんは、もっと効率的に進めることができるはずだという思いは持っておられて、その職員の皆さんのマインドが大事であると同時に、首長の皆さんのやる気、そして強力なリーダーシップというものは求められます。この両方がうまく合致しているのが昨日ヒアリングをさせていただいた11の自治体の特徴だと思います。どちらか欠けていても、窓口DXは成り立ちません。
住民の皆さんの負担感を減らしていくということだけではなくて、職員もハッピーになるということが、やはりDXの成立には必要なことですので、そうしたことを意識して進めることができるかどうか。同じような課題を抱えている自治体と共に考え、共に乗り越えていくというのをこの自治体DXを進めていくに当たって、私たちデジタル庁として大事にしているポイントになります。それが昨日の一つの行事として、皆さんにお伝えしたかったメッセージになろうかと思います。
それぞれ自治体もちろん人口規模も違いますし、課題も異なるんですけれども、それでも同じような課題を抱えている自治体もあります。なので、それを乗り越えていくために、昨日のような自治体リエゾンチームの取組、共創プラットフォームを通じた自治体の取組をしっかりと支援をしてまいります。
活力ある自治体と共に、これからも国の未来を形創っていくということが求められている。持続可能な街づくりを実現していくということを共に進めていく。そうしたことを、私たちとしては実現をさせていきたいと思っています。
(以上)