河野大臣記者会見(令和4年9月30日)
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河野デジタル大臣記者会見要旨
(令和4年9月30日(木)11時20分から11時50分まで 於:オンライン)
1.発言要旨
まず冒頭ですけども、今日デジタル庁にWeb3.0研究会の設置をいたします。政府として、新しいデジタルサービスを日本の経済成長につなげるべく、Web3.0の推進に向けた環境整備、政策の推進を政府一体としてやることにしております。デジ庁がデジタル社会実現の司令塔として、このWeb3.0に関する政府全体の取組を総合調整することになりますが、Web3.0により実現を目指す経済・産業・社会、こういうものの姿について、更なる検討を行うためにデジ庁の中にWeb3.0研究会を設置いたします。いろんな論点がありますが、スピード感を持って検討していただきたいと思っていますので、年末までに議論を取りまとめるということを目指していきたいと思っております。
2つ目、技術カタログ。これは今デジ臨で進めている書面とか、対面とか、常駐とか、専任とかを法律でやれといって規制するものを外していくわけですけども、これを外す代わりに新しい技術で置き換えるということをやります。今まであったアナログ規制を見直す時に、「どんな企業が持っているどんな技術があって、それでこのアナログ規制を置き換えることができるよね」というものをデジタル庁のホームページをご覧いただければ、「こういう技術があるのか」というのを知っていただけるようにしていきたいと思っていまして、今日からデジ庁のホームページで、まずは講習・試験、これのデジタル化に関する技術、今までは集まって講習を受けてもらったり、集まって試験を受けていただいたということがありましたけども、規制する官庁に対して、「まず約130の講習をデジタル化してください」と、「そのために使える技術として、こういう技術があるよ」というカタログを上げていきます。それから、法令に基づかない講習・試験があって、これは止めるものは止めてもらわなきゃいけないんだと思いますが、こういうものについても、技術カタログを活用していくということを求めていきたいと思っております。この技術カタログに技術が掲載されるということは、新しい市場の獲得にもつながってくると思いますので、様々な技術を持っている企業におかれては、積極的に応募していただきたいと思っております。特にスタートアップや中小企業が持っている技術を活用するいいチャンスだと思いますので、お願いをしたいと思います。
10月中にいろいろとカタログとして取りまとめていこうと思っているところでございます。第1弾として講習・試験は今日、デジ庁のホームページで募集を始めます。
3つ目、特定公的給付の指定についてお知らせをしたいと思いますが、今日9月30日付で、今度やります1世帯当たり5万円という物価高騰緊急支援給付金、それから自治体が独自にやるもの、これを公金受取口座登録法に基づく特定給付として指定をいたします。それによって指定された給付に関する事務を自治体が行うときに、所得情報や口座情報の確認・利用、あるいはマイナンバーを利用した管理というものを行うことができるようになります。自治体の独自給付については、自治体の皆様のニーズを伺って、これを指定してほしいというものについて指定をしておりますので、今後も自治体からニーズがあれば最大限柔軟に指定をしていきたいと思っていますので、ぜひご要望があればデジ庁にお知らせをいただきたいと思っております。確実・迅速な給付ができるように、デジ庁もしっかりやっていきたいと思っております。
あと、公金受取口座を今年ずっと登録をしてきていただいておりますが、この間もお知らせをしましたが、この登録をしていただいている公金受取口座の情報を自治体に10月11日から提供していきますので、自治体がこれを活用できるようにしていきたいと思っております。
食品ロスです。消費者及び食品担当大臣として、10月は食品ロス削減月間、10月30日が食品ロス削減の日ということになっております。2000年と比べて2030年までに食品ロスの量を半減させようというのが目標ですので、消費者庁、関係省庁、特に環境省、農水省としっかり連携をしていきたい。また、食品ロス削減に関する情報発信をしっかりやっていきたいと思っています。「『めざせ!食品ロス・ゼロ』川柳コンテスト」というのを去年からやっておりますが、今年もやります。消費者の皆様に食品ロスに関係するエピソードを元にした川柳を読んでいただいて、食品ロス問題を自分のこととして考えるきっかけにしてほしいなと思っております。たぶんコンビニで牛乳を買う時は、後ろの方に手を突っ込んで期限が先のものを取ろうとする人が結構いるんだと思いますが、自分の家の冷蔵庫に牛乳があった時にどうするかというと、多分期限が前のものから飲んでいくんだと思います。何でコンビニだと後から取るのに、自分の家の冷蔵庫だと期限が迫っているものを飲むのかというのは、自分の家の冷蔵庫に入っている牛乳は自分事。でもコンビニは自分事ではない。その差なのかなと思っています。ですから、まず食品ロス問題、自分事として消費者の皆さんに考えてもらうっていうのがすごく大事だと思っていまして、今回株式会社社明治からご協力の申し出をいただきましたので、昨年、川柳コンテストの担当大臣賞と消費者庁長官賞を受賞した作品を、牛乳とヨーグルトのパッケージに掲載をしてもらえることになりましたので、10月以降、全国のスーパーにおいてこれが販売されます。
去年は大臣賞が「冷蔵庫 開けて地球を のぞき込む。」、消費者庁長官賞が「あまりもの まほうをかけて 新レシピ」ということです。牛乳・ヨーグルトのパッケージに川柳が掲載されますので、ぜひ食品ロスのことを意識していただいて、食品ロス削減を進めていきたい、大きな推進力にしていきたいと思っています。
統一協会に関して、消費生活相談に寄せられている状況・情報を公表いたします。消費者庁でやっている霊感商法の検討会、2回目の非公開でやった個別事案の検証の中で、旧統一協会に関する消費生活相談の情報の分析を行いました。この旧統一協会につきましては、政府の中に関係省庁連絡会議が設置され、政府全体で対策を講じることとなっております。それからこの旧統一協会問題に関する合同電話相談窓口というものが、今いろんな情報の把握をしているわけですが、過去の相談件数・内容、こういう情報が被害の防止の対策の検討に資するという基準に照らして公表することに社会的な公益性があると判断して、この度情報を公表しようと。今日開かれます政府の旧統一教会問題関係省庁連絡会議にこれを提供して、法務省をはじめ、関係省庁と共有をしていきたいというふうに思っています。
以上です。
2.質疑応答
(問)先日公表されたデジタル競争力ランキングで日本が29位となって、去年より順位を1つ落としました。特に人材やビジネスの俊敏性の分野で最下位となっている項目もあります。また他の韓国や台湾など中国にも取り残されている状況ですが、こうした結果をデジタル大臣としてどう受けとめていらっしゃいますでしょうか。またデジタル競争力を今後上げていくために、どのような点に注力していきたいとお考えでしょうか。よろしくお願いします。
(答)何か色々なものが公表されて、国連のやつは14番でしたかね。国連はVery high countryと言っておりますが、IMDは63か国ですかね?順番が1つ下がったといいますが、それよりも例えばビッグデータの利用分析とか、国際経験とか63か国中ビリっていうものが結構ありました。それだけ企業の経営者が自分たちのビジネスがデジタル的な競争力がないということに危機感をやっぱり感じているからということなんだと思いますし、自ら「国際経験がないよね」という認識を持ってくれているというのは、きっと何か対応を考えてくれているんだろうと思いますので、危機感を持ってもらっているというのは非常にいいことではないかと思っております。もちろん競争力が低いというのは、それ自体大きな問題であることは間違いありませんが、デジタル庁としてはデジタル庁としてできること、規制改革、特にデジタル分野の規制をしっかり改革をしていくというようなことはやっていかなければいけませんし、行政が持っているデータをオープンにしていく、それからマイナンバーカードなど民間のサービスにも使ってもらえるような仕組みを提供しておりますので、これの利活用みたいなものについても、しっかり取組はやっていかなきゃいかんなと思っております。
(問)自治体システムの標準化について教えてください。当初基本方針が9月下旬閣議決定予定ということだったんですが、現状どうなってるのかということと、今後についてお伺いしたいです。また関連して、デジタル庁の会議で関連府省会議がございますけれども、去年の9月から開催されてないと思うんですけれども、こちら含めて今後どういうふうに進められていくのか。もしお考えあったら教えてください。よろしくお願いいたします。
(答)基本方針はもう10月の上旬にも閣議決定できると思っております。もう調整進んでますんで、大丈夫だと思います。
それから関係省庁の?昨日やったやつかな?
(問)失礼しました。昨日の横浜市ですね。そちらについてお伺いして、それじゃなくてもいいんですけど、標準化関連の今後の会議だったり、スケジュールだったりとか、取組がもし今お考えがあったら教えてください。
(答)昨日、横浜市・神戸市・堺市の市長さんと政令指定都市の基幹業務のガバメントクラウドへの移行について意見交換をさせていただきました。標準仕様書が20業務について出てるんですが、政令指定都市は市の中に区があって、権限移譲がされていたりとか、若干他の自治体と業務フローが違ったり、要望が違ったりということがあって、それが標準仕様書の中に全部入ってないのではないかというようなご懸念がありあるようですので、デジタル庁と政令指定都市と関係省庁とベンダーに入ってもらった検討会を速やかに立ち上げるということにいたしました。それから、神戸市長が政令市長会の会長、堺市がデジタル絡みの市長会でのご担当、横浜市は人口が一番多いよねっていうんで大変かなっていうところで、3人の政令市の首長さんと、その進捗管理を月1回ぐらいやっていきましょうかというお話をさせていただいて、インフォーマルでもいいと思うのですが、月1回くらいどんな状況っていうのを確認していきたいと思ってます。
(問)PIO-NETの保存期限についてお伺いします。現在PIO-NETの保存期間が10年間ということで、霊感商法だけでなく、長期間に被害が及ぶ消費者問題について、それでは短すぎるというふうな指摘があります。この点について、大臣のお考えをお伺いします。
(答)この間の検討会でも、その話になって、まさかフロッピーディスクに保存してないよねと思って聞いていたんですが、年間に90万件あるんだそうですが、別に画像を保存しているわけじゃないんだろうと思いますので、もうちょっと保管してもいいのかなと。今記憶メディアはかなりコスト的にも安くなっていると思いますので、そこは事務的にとどうすればいいのかというのは、検討を至急やってもらっております。
(問)旧統一教会に関する相談件数を公表されるのは初めての認識でよろしいでしょうか。このタイミングで公表された理由を教えてください。連絡会議に備えた形でしょうか。2012年4月から2022年9月28日に寄せられた相談ということでいいでしょうか。
(事務方)2012年からは事務方に後で聞いていただければと思います。
最初の2つところをお願いします。
(答)基本的には個別の事業者からのご相談についての情報は公表をしないというのが原則でございますけども、さきほど申し上げましたように、政府の中で関係省庁連絡会議が設置をされ、政府全体として対策を講じるような案件であることと、今、合同の電話相談窓口っていうんですかね、これを受けている時に過去どうだったのか比較するというのは、これからの対策を検討する中で大事なんじゃないのかということもありましたので、社会的な公益性があるという判断をいたしました。今日の省庁連絡会議で各省庁と共有をしたいと思っています。
(問)先ほどの質問に関連して、岸田総理の所信表明演説について、消費者契約法など、必要な法令について見直しを検討するというものが盛り込まれたのではないかという報道があるのですが、この事実関係を大臣に聞いても、それは総理に聞けというふうにおっしゃられると思うので、消費者契約法の見直しに関して大臣はそういうお話を総理とされているのか。あとご自身が消費者契約法を改正するお考えがあるのでしょうか。
(答)所信表明については総理に聞くのではなくて本会議で聞いていただきたいと思います。今、検討会でいろいろ議論をしていただいておりますので、公開されている部分もありますから、ぜひ検討会を引き続き傍聴していただきたいと思います。
(問)さらに関連して、今日公益性があるということで、国民生活センターが持っている情報が公開されたということは非常にいいことだと思っていまして、実はその相談事例に基づかない検討というのは本気で法律を変える気があるのかというふうに見えてしまいます。それで今までの議論だと、契約法だけでは不十分ということが前提になっているのはわかっているのですが、例えばその立憲の旧統一協会被害対策本部の元二世さんのお話なんかを伺っていますと、やっぱりその献金をさせられる背景には、今でもその先祖を解怨して祝福を受けるための料金表があるというような証言をされていますし、また音信不通の息子さんを見つけるための献金なんですけれども、献金書という御札のようなものを購入させられているというような証言が出てきていまして、こういう事例に基づいて検討すると、やはりその消費者契約で読める部分が結構出てくるのではないかと。献金をして何か後で物をもらうというものも、例えば、それがなければ救われないというようなことを勧誘の過程で言っていれば、消費者契約法の射程に入ってくるのではないかと、そういう具体例に基づいて、具体的に改正の内容を検討していただけないかと思うのですが、今後、そういう相談事例についても検討されるのでしょうか。
(答)今、検討会で議論が行われていますので、しっかりそれを承っていきたいと思います。
(問)旧統一協会に関する相談件数のところで、事件後の今年7月から9月までの件数が278件と、この10年間の年度と比べても非常に多い相談件数が集まってきてるかと思うのですけれども、率直にまずこれだけ件数が集まってることについて、大臣として率直にどう思われているか。そしてこれだけ急増してるわけなのですけれども、今後、相談員に対して、霊感商法に関する相談の研修や、相談員の増強については何か検討されているのかを教えてください。
(答)今回公表する情報に関しまして、数字を評価するというのは、今のところは差し控えたいと思っております。
(問)これだけ件数が集まっていて、それだけ霊感商法に関する相談が消費生活センターに集中して集まるようになったということで、これに対して何か相談員の研修や対策を行う考えは大臣にはあるんでしょうか。
(答)消費生活センターにはいろんな事業者に関してご相談があります。そういうものを全般的に見ながら、いろんなことは考えていきたいと思っています。
(問)旧統一教会の関係で、旧統一教会の関係者が消費生活センターを回っているという事案につきまして、消費者庁が昨日公表して、全国調査した結果を公表されて、47都道府県(全都道府県)で確認されたということがわかりました。この結果を見て、素直に大臣見て感じ取った教団の特性、どのようなことをお考えになりましたでしょうか。
(答)この訪問は組織的に行われたんだということはあるだろうと思います。
(問)長官もそのようにおっしゃっておりまして、組織的であり、全国的だということでやめてほしいというようなご発言もありましたけど、大臣としてはいかがでしょうか。そうした要望は教団に対してございますでしょうか。
(答)長官がおっしゃっているとおりなんだろうと思います。
(問)霊感商法等の対策検討会議で、新規立法、法改正が必要だという声が出て、韓国での直接献金を今の法律では防げないという声が出ているんですが、これを受けて河野大臣の決意・意気込みをお聞きしたいんですけど、例えば臨時国会でカルト規制法を成立させるように全力投球するとかというお考えをお聞きしたいんですが。
(答)まだ検討会続いております。
(問)臨時国会の日程を逆算すると、いつまでに検討会の結論を出して、法律作成のチームが準備して、審議して、法律成立させるという日程感については想定されていないんでしょうか。
(答)先ほども申し上げたとおりです。
(問)先ほどお話に出た関係省庁連絡会議でも、新規立法は対象外と言って岸田総理も現行法最大活用と言ってると。検討会での意見が反映されないけど。
(答)お答えしている通りです。
(以上)