令和5年(2023年)第2回政策評価・行政事業レビュー有識者会議
概要
- 日時:令和5年(2023年)4月21日(金)13時30分から12時00分まで
- 場所:オンライン開催
- 議事次第:
- 開会
- 議事
- 各事業の解決の方向性について
- 政府共通ウェブサイト(1事業)
- 旅費等内部管理業務共通システム(SEABIS)(1事業)
- 人事・給与関係業務情報システム(1事業)
- 職員認証サービス、政府職員等属性情報管理基盤(2事業)
- 政策評価・行政事業レビュー暫定報告書(たたき台)について
- 公開プロセス対象事業の選定について
- 各事業の解決の方向性について
- その他(今後の予定)
- 閉会
資料
議事概要
日時
令和5年(2023年)4月21日(金)13時30分から16時00分まで
場所
オンライン開催
出席者
委員
佐藤座長、岩﨑委員、笹嶋委員、水戸委員
※島田委員は当日欠席。ただし書面にて意見出し
議事概要
事務局から開会宣言の後、デジタル副大臣 大串 正樹より本会議開催にあたっての挨拶を行った後、座長の司会により会議が進められた。
まず、当日欠席の島田委員から出された書面での意見を事務局が代読。以後、議事順番に基づき、「政策目的」「目標設定」「アプローチ(政策手段)」「期日・期間」「予算・体制」「ステークホルダ」「管理プロセス」の7つの審議のフレームワークに分け、順次質疑応答が行われた。
なお、デジタル副大臣の挨拶と主な質疑については以下のとおり。
大串デジタル副大臣挨拶
デジタル副大臣の大串正樹でございます。
前回の第1回の会議では、公務のため出席ができませんでしたが、先生方には充実した御議論をいただいていると伺っております。改めてありがとうございます。
本日もどうぞよろしくお願いいたします。
前回、事務局から説明いたしましたが、昨年度は、デジタル庁発足間もないこともありまして、政策評価や行政事業レビューにおいては、これまで進めてきている事業の概要を報告して、その内容に対して皆様方から応援のメッセージを頂戴したと伺っております。
今年度は、もう一歩踏み込んで、改善の余地があると考えられるものの、各担当の努力だけでは解決が難しい課題を抱える事業を対象といたしまして、課題の明確化や、政策を推進する上で有益な御助言をいただきながら、評価される側、評価する側が互いにウィン・ウィンになる、そういった関係を目指していきたいと考えております。
デジタル庁といたしましては、このように、有識者の皆様のお知恵をお借りしながら、改善策や具体の見直しの方向性を取りまとめて、関連する計画の変更や予算・定員要求への反映等につなげたいと考えております。
前回は時間が限られていたため、意見交換が十分に行えなかったと伺っております。
本日お集まりの皆様方におかれましては、報告書の取りまとめに向けて、ぜひ担当が困っていることの解消につながる、前向きな御議論をいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
1. 政府共通ウェブサイト(1事業)
<政策目的について>
委員: デジタル庁の重点計画において、政府ウェブサイトの標準化・統一化と題しまして、標準化・統一化を図ると記述されています。標準化・統一化も大事ではありますが、ウェブサイトの利便性向上にまつわるノウハウとかベストプラクティスといったことの蓄積や更新といったものをもっと普及させていくとか、あるいは計画のコンセプトといったものも見直してもいいのではないかと考えるのですが、御認識を教えて下さい。
担当: デジタル庁としても、例えば1つのウェブサイトを作って、そこに全部入れていくのだという画一的な方向性はないのだろうと考えております。ただ、見やすさや必要な情報へのたどり着きやすさ、または、必要な情報に移っていくときの移りやすさとか、そういう個々の要素は、しっかりと各省庁のウェブサイトで実現しなければいけないと考えております。
デジタル庁自身のウェブサイトでの経験もございますので得られた経験、また、ほかの省庁における経験もしっかりと共有して、みんなで前に進めるということで考えておりまして、我々が持っている知見で各省庁のコストが下がるかもしれないし、利用者の利便性が上がるかもしれないということで、進んでいきたいと思っております。
委員: 政策目標としての標準化・統一化は、必ずしも画一的なことを考えずに、利便性の向上とかベストプラクティスという要素も入れていこうではないかというところについては、委員サイドと御担当と共通認識と理解しています。そのことは、行政事業レビューシートの作成などにも関係するのでしょうが、設定目標についても、利便性の向上や、ベストプラクティスの設定という点で見直しをされるということになるのか教えて下さい。
担当: どのような形で変えるべきなのかは、もう少し検討させていただきたいと思います。我々も標準化・統一化という中で、一つ、実証的に単一ウェブサイトを作ってみることを視野に進めたところですが、必ずしも良いゴールではないと。しかし、どのようにやるのかの標準化とか、パーツとしての統一化といったところは、引き続き作っていくことによって、各省庁の負担も減りますし、利用者側の負担も減ることがあるのではと考えています。
<政策手段について>
委員: 現在、独立してしまっているように思えるウェブサイトに関するドキュメント群ですが、各省庁の担当の方によって、ドキュメントの位置づけが分かりにくい状況にあるのではないかと思っています。今般、デジタル庁が発足されたことで、各府省の担当者からすると、デジタル庁の方で明確にドキュメントを位置づけた方が分かりやすいと思っているのではと推測するのですが、どのようにお考えか御認識を教えて下さい。
担当: 政府全体では、政府共通の基盤としてガイドライン、またはそれに付随する文書という形で統一したものが定められています。
各省庁はそれに基づいて、必要なウェブサイトの構築の中での検討を行っている状況ですが、ガイドラインの特性上、かなり幅があるというか「ガイドラインに従ってどうやって作っていったらいいのだろうか」というところが不足しているのではないかと考えています。
従いまして、そのあたりをしっかりとフォローして、各省庁に参照してもらうようにしていきたいということで、追加的にドキュメントの整備などを進めているところでありまして、参照文書という形で、例えばデザインをするのであれば、こういう考え方を取り入れた上で作ったほうが伝わりやすいとか、そのような形で進めています。
当然、外注も想定されますので、受託事業者にとっても分かりやすい資料にするよう進めていきたいと思っています。
委員: 行政機関におけるウェブは、民間と違って、情報を持続的に提供していかなければいけないと考えています。極端なことを言うと、アーカイブした後もちゃんと使えるようにしなければいけないので、行政ならではの特質に関しても今後、取り組まれるのか御認識を教えて下さい。
また、行政は、持続的に情報提供することも一つ、それもかなり長期にわたって提供することが求められるので、それに関する取組も今後されると思うのですが、その点についても教えて下さい。
担当: データの構造の観点でもデータとして、今後しっかりと参照し続けられる、または再利用できるということが一つの大きなポイントかと思います。デジタル庁では、ウェブの表現と内部に持っているデータを区別するような形でウェブサイトを構築しており、中のテキストというか、コンテンツについては、例えばAPIのような形でほかのシステムに出したとしても、そのまま使えるということで、取り組んでいるところです。
また、ウェブサイトを更新した際にリンクが切れてしまうという問題があります。我々は、CIOポータルというポータルサイトをアーカイブにすることによって、コストを下げる形で閲覧できる状態を今後も維持するということで、実験的に取組を行っています。そのときに気をつけたのが、リンクが切れないという形で、同じURLに同じ情報をちゃんと残すということで実現しました。維持コストにも配慮しつつも古い情報はちゃんと発信し続けないといけないと考えます。そういった意味でもデジタル庁の取組は一つの実験としてうまくいったのではないかと思いますので、各府省庁に共有していきたいと考えています。
委員: 「どんな情報があるかな」というところから入るのは、現代の人の多くの動向かなと思います。民間のネット時代のマーケティングというやり方で、AISASという言葉があります。消費者は、まずAttention、認知し、次にInterest、興味を持ち、Search、検索し、Action、商品やサービスを購入する。そこだけでとどまらず、Share、それを評価して、仲間や知り合いにSNS等を通じて発信するという流れを今マーケティングでは重視しています。政府共通ウェブサイトをAISASの中に位置づけて真ん中の「S」がSearchですが、その前段階のAttentionとかInterestの部分についても意識した上で、設計、デザインしていただくのがいいのではないかと思いますが、御認識を教えて下さい。
また、政策目的の標準化・統一化の微修正としての利便性向上とか、ベストプラクティスは何かということとも関係するのではないかと思っていますが、御認識を教えて下さい。
担当: e-Govという事業系手続システムがAISASモデルの中のどこに位置しているかというと、手続を検索する、それから手続をするということで「S」と「A」の部分の役割を担っています。ただ、それだけでは不十分で、御指摘のとおり「A」と「I」の部分でしっかりとしていかないといけないと考えています。また、最後の「S」のSNSの発信みたいなところも重要であり、我々自身、ウェブサイトがまさに「I」我々自身のオウンドメディアという側面もありますので、我々自身のメディアとして必要なものにつなげて行き、これまで「S」と「A」の部分に重きを置いてきたところがありますので、「A」の部分「I」の部分、最後の「S」のShareの部分といったところも実現する中の一つの役割として捉えていますので、御指摘の点でしっかりと今後も検討して行きたいと考えています。
委員: アクティブラーニングとかの受け身な形だけではなくて、実際に現場の方たちが逆に教える側の役割を担いながら学習する方が能動的な学習効果があるとも言われており、各府省のプロジェクトにもできるだけ参画して現場のことを蓄積しつつ、伴走型によって人材育成していく方法もあると思いますが、御認識を教えて下さい。
担当: 指摘は大変重要だと思っており、我々も自分自身でやるだけでは、できる範囲も限られており、各省庁において一定の力を持った人材を育成していくことが必要であると認識しています。
<ステークホルダについて>
委員: 政府共通ウェブサイトの事業は、必ずしも体制は強力ではないと聞き及んでいます。現体制では、府省庁のウェブサイトの支援はなかなか大変ではないかと思いますが、体制強化ができない場合は、優先順位や事業内容の見直しも含めて考えなければならないと考えますが、御認識を教えて下さい。
担当: 2名従事していますが、いずれもほかのチームとの兼務という形でやっており、一人も専門的に携われないのが現状です。これまで、各所の情報をウェブサイトを通じて正しく伝える、そして利用者にちゃんと届けるということをいかに実現するか、試行錯誤してきたところです。どういったところに注力するのか、また、すぐに全部やるのではなく、少しずつやるという側面も出てくるかと思いますが、引き続き着実に取り組んでいきたいと思っています。
委員: ウェブ上のデザインに関わる件ですが、デザインは「流行り廃り」があります。オープンソースを活用しているようですが、オープンソースのプロジェクトは、メンテナンスする人がいなくなるとか、使う人がいなくなると、本当にすぐに廃れてしまいます。政府のウェブサイトを考えるとかなり長期に提供し続けることもあると思いますが、長期の対応ができるものなのか、御認識を教えて下さい。
担当: デザインについて一番重視しているのは、見た目の良さより、いろいろな人から見て、ちゃんと見えることが一つのポイントと考えています。この点、専門的知識がないとなかなかできない部分もあるので、事業者に委託しても必ずしも十分な知識を有して居るわけでもありません。我々は、そこをサポートして、必要な人にちゃんと情報が届けられる環境をつくりたいと考え、取り組んできたところです。
また、フレームワークについては「流行り廃り」がありますので、新しいフレームワークに移ったとしても、データはそのまま使えるという形で作っています。
2. 旅費等内部管理業務共通システム(SEABIS)(1事業)
<目標設定について>
委員: 「目標設定」で稼働率と経費の削減という2つを挙げられていたと思いますが、ストレスなく利用できるといったようなことも重要と考えます。数値的なKPIを設定するのは難しいかもしれませんが、アンケートの実施による満足、大変満足の数の上昇とか、いろいろなやり方があるのではないかと思いますので、満足度の向上という指標も挙げていただきたいと思いますが、御認識を教えて下さい。
担当: 今、我々はクラウド移行を行っているところですが、新しいシステムになりましたら、次に何を目指すのかというのは御指摘のとおりであり、更なる利用者の利便性の向上などを図るべきと思っています。
<アプローチ(政策手段)について>
委員: 経路の選択とか、旅費の業務統一を図るためのマニュアルが作られているが、作業の現場では運用に差が出てしまう、あるいは複雑化してしまうということを伺いましたが、問題の根本的な原因を分析され、対策を講じる必要があると考えますが、御認識を教えて下さい。
担当: ユーザーの利便性を向上させるためにも、現状分析がマストで入ってくると思っています。なお、突発事案等の特殊要因が絡む場合もありますので、運用のばらつきみたいなものは、ある意味当然生じる部分もありますが、同じような場合の非効率的な部分のローカルルールをなくしていきたいと思っています。
委員: システムに関わる部分と制度に関わる部分に係る問題はいろいろとあるかと思っていますが、場合によっては、本末転倒と言われるかもしれませんが、システムに法制度を合わせることも大切かと思っていますので、既に旅費法の所管省庁へコミットしているとかの事実があるのか教えて下さい。
担当: 基本的に我々のSEABISのシステムは、シンプルなシステムを目指している点は制度官庁に再三お伝えしているところです。
<ステークホルダについて>
委員: 制度と業務マニュアルの所管が別々で、システムの管理運用はデジタル庁と、所管が分かれていると聞いていますが、ステークホルダの関係者がプロジェクトの推進チームに加わっていないのは、うまくいかなくなる原因になるのではないかと危惧します。ワンチームになるためにも、所管省庁にプロジェクトの推進体制に加わっていただき、意見もらうのが良いと考えますが、御認識を教えて下さい。
担当: 既に事務的にはいろいろとやり取りをしていますし、引き続き連携していきたいと思います。
3. 人事・給与関係業務情報システム(1事業)
4. 職員認証サービス、政府職員等属性情報管理基盤(2事業)
※ 3.と4.の2つは関連性があるとして、一括で審議することとなった。
<人事・給与関係業務情報システムの政策目的について>
委員: 前回の会議で民間にある人給システムと比較すると国のシステムは少しスコープが狭いのではないかとの指摘がありました。ただ、足りない機能をシステムに付加していくのでは、接ぎ木のようなシステムの構築にならざるを得ないとの懸念も生じます。この機会にシステム構築へのスコープ自体を見直して、少し広げるお考えがあるか教えて下さい。
担当: スコープが狭いというか、限られたところでプロジェクトが動いているところは認識していました。今後、刷新に向けて、民間が提供するサービスをうまく織り込めるように、別のシステムとか、データ連携が可能となるといったイメージや方向性を持って検討を進めていきたいと思っています。
<人事・給与関係業務情報システムの目標設定について>
委員: 資料によると、人事と給与のシステムが両方備わっている中で、目標設定が給与の支出官払化の導入府省数だけになっています。人事の方も目標に入ってくるのが自然と思ったので、人事システムにも導入府省数を目標に立てた方が良いと思いましたが、御認識について教えて下さい。
担当: 人事・給与のシステムは、セットになっており、共通人給が対象としている府省全てに導入し、全てで利用しています。ただ、給与計算の方が複雑でニーズは給与システムの方が高いのですが、人事システムの方も十分に利用していただいているのが現状です。ただ、職員認証サービスとのデータ連携ができているのは7府省に限られています。
なお、外務省、防衛省、復興庁はそれぞれが独自のシステムでやっており、かつ、かなり制度も違うので、共通化になじまないということで、人事・給与システムの利用対象から外れています。
担当: 現状、7府省に限られている人事・給与システムと職員認証サービスとのデータ連携については、7府省以外の省庁のシステムと職員認証サービスのデータ連携をいかに進めることができるかが大きな課題だと思っています。職員認証サービス、人事・給与システムの担当がともにタッグを組んで取り組んで行きたいと考えています。
<人事・給与関係業務情報システムの政策手段について>
委員: 使い勝手に関して、かなり改善要望が各府省庁から出ていたと認識していますが、なぜ現場で使いにくいものになっているのか、扱いづらいのか。ユーザーとなる職員のニーズ、あるいは利便性等に関しての客観的な事実に基づいて、根本的な原因究明をさせていくことが重要かと思いますが、現状の取組について教えて下さい。
担当: 現状、一定の業務はこなせるようになっていますが、言ってみれば、かゆいところに手が届いていないと認識しています。各府省からユーザー要望は多数いただきますが、重複などを排除しつつ要望の擦り合わせを行い、優先順位を付けながら改善に取り組んでいます。ログを取るなど数字に基づく客観性若しくは根拠を持って対策を検討したいと考えています。
<人事・給与関係業務情報システムの体制について>
委員: スコープの見直しと併せて体制や役割の見直し等も重要であると考えます。また、次の論点の「ステークホルダ」とも関わりますが、人給システムは、制度官庁がステークホルダーとして、かつ、コミュニケーションがFAQのやり取りのみという状況が深刻だと外側からは感じています。言い方は悪いかもしれませんが下請状態にあるのだと。従って、制度所管部門の皆さんも一緒にプロジェクトチームに入ってもらい一緒に悩むことが重要だと思うのですが、ご認識を教えて下さい。
担当: 関係する制度を持っている部署、いわゆる公務員制度に関する部署としては、人事院とか内閣人事局、あるいは財務省の共済関係や会計制度を所管する課があります。その他、税関係職員とか特別職の警察やその他法務関係の職員も人事・給与システムを使っていますが、一般職とは違うタイミングでの制度変更もあって、質問票のやり取りだけでは思うように情報が得られないのが現状です。公務員制度を所管する部署を中心に、ステークホルダーというよりは、一緒に進めていく体制ができるのが大変望ましいと私どもも思っています。
<職員の認証サービスの政策手段について>
委員: 職員認証サービスは、いろいろな情報システムを使うときに、かなりコアになるシステムだと思いますが、データの入力など、必ずしも自動化されていないというか、人手で取り込んでいる状態だと聞いています。データフォーマットが揃っていないとか、いろいろな問題があると思いますが、改善に取り組むのか教えて下さい。
担当: 指摘のとおりと認識しています。人事異動の際には、実際の異動と発令上の情報との間でギャップがある場合や、内示の段階から異動情報を取り込んでいく作業が必要ですが、そこのリアルタイム性は人手、手間がかかるので、非常に苦労していることを把握しています。人事担当が持っているデータも含めて、リアルに近いデータをうまく取り込むことが、認証サービスの今後の大きな鍵を握るのではないかと思っています。
委員: 今のお答えを伺うとデータ連携が7府省に止まっているのは、職員認証サービスの問題というよりは、やや人事システム側にいろいろな都合があると推測せざるを得ないですが、御認識を教えて下さい。
担当: 人事・給与システム側からの認識ですが、職員認証サービス側としては人事の情報として必要な情報が人事・給与システムの保持する情報では足りていないのではと認識しています。人事・給与システムの方が粒度が粗くて、職員認証サービスの方ではもっと細かい情報が欲しいということだと理解しています。想像ですが例えば、職員認証サービスの方では、職員がどの係に配属されるといった細かな情報が必要なのでしょうが、人事・給与システム側では、本来は発令上は必要が無い係の情報を保持すると発令ミスにも繋がり兼ねないので、そういった細かで不要な情報は人事担当としてはシステムの情報として保持したくないのではと思っています。
委員: 職員認証サービス側と人事・給与システム側がそれぞれ必要として保持するデータのクオリティに関するお考えの相違みたいなものが、システム間のデータ連携が7府省に止まっていることに関わっているということでしょうか。今度は職員認証サービス側の御認識を教えて下さい。
担当: 人事・給与システムの持っているデータと、リアルで配置されている人のデータのギャップがあるからこそ、7府省にとどまっていると認識しています。特に職員数が大きい府省であればあるほど、その手間が大きくかかってきますので、そういったところで二の足を踏んで、今の状態になっていると認識しています。
委員: 職員認証サービス側の認識を確認できましたので、それを踏まえた上で改めて人事・給与システム側の御認識を教えて下さい。
担当: デジタル庁が設立される前と後という形で、少し状況が変わるのではないかと思っています。デジタル庁になる前は、お互いがそれぞれの別の省庁でやっていたところなので、お互いにあまり言い合わなかったのですが、今はデジタル庁として一体なので、課題を認識した上で、解決策を一緒に考えていかなくてはいけないと思っています。従って、目標に掲げられるかどうかも含めて、検討させていただければと考えています。まずは、職員認証サービスの担当とも少し膝詰めで話をさせていただければと思っています。
委員: 認証システムは、民間でも最近、いわゆるゼロトラストネットワーク、またはゼロトラストアーキテクチャー的なものに取り組んでいます。これはジョブ型の雇用組織はやり易いのですが、ジェネラリスト志向プラスメンバーシップ型の雇用だとなかなか難しいところがあります。コア(核心)となるのはID管理になりますが、アクセス管理は、職務に応じて行わなければならないところがあり、ここを失敗するとセキュリティー的にも大変なことが起きるわけですが、どういう御方針で取り組まれているのか教えて下さい。
担当: まさにアクセス制御を適正に行っていくには、職員の属性情報として、割ときめ細かな情報まで、なおかつ、リアルな情報が必要だと考えています。併せて、職員IDの一致性もしっかりと担保しなくてはいけないので、リアルな情報からIDの一致性の担保、それから、その職員の属性情報として、よりきめ細かな情報として、持っている情報といかにうまく連携していくか、もう少し視野を広げて検討していきたいと考えています。
(2)政策評価・行政事業レビュー暫定報告書(たたき台)について
※暫定報告書(たたき台)について事務局より説明
委員: 報告書の件ですが、特に異論ございません。
委員: 報告書の暫定版については、通読させていただいて、特に異論はございません。
<内容の修正が必要な場合については、出席委員全会一致で座長一任となった。>
(3)公開プロセス対象事業の選定について
※事務局から公開プロセスは、国民向けの説明であるとの考え方に則り、本有識者会議で取り上げた事業の中でも「国民向けのサービス」という意味で「政府共通ウェブサイト」を公開プロセスの対象事業とすることを推薦。
委員: (出席委員全員)異議なし
以上