令和5年(2023年)第4回政策評価・行政事業レビュー有識者会議
概要
- 日時:令和5年(2023年)8月8日(火)16時30分から17時30分まで
- 場所:ハイブリッド開催
- 議事概要:
- 開会
- 議事
- これまでの議論の報告
- 各事業の改善の方向性について
- 政府共通ウェブサイト(1事業)
- 旅費等内部管理業務共通システム(SEABIS)(1事業)
- 人事・給与関係業務情報システム(1事業)
- 職員認証サービス、政府職員等属性情報管理基盤(2事業)
- 閉会
資料
議事概要
日時
令和5年(2023年)8月8日(火) 16時30分から17時30分まで
場所
ハイブリッド開催
出席者
佐藤座長、岩﨑委員、笹嶋委員、島田委員、水戸委員
議事概要
事務局から開会宣言の後、河野デジタル大臣より本会議開催にあたっての挨拶を行った後、事務局の司会により会議が進められた。
まず、有識者会議座長より、第2回政策評価・行政事業レビュー有識者会議において、取り纏めた報告書及び第3回政策評価・行政事業レビュー有識者会議(公開プロセス)での議論を踏まえ、事業改善に向けた方向性について説明があった。その後、各事業担当者より、報告書及び公開プロセスを踏まえた事業改善の方向性について報告があり、有識者、河野デジタル大臣より、各事業担当者からの報告に対して所感を述べ、尾﨑デジタル大臣政務官より閉会の挨拶を行った。
河野デジタル大臣挨拶
有識者の皆様には、お忙しい中、ご参加を賜りましてありがとうございます。また、これまでのご議論に改めて感謝申し上げたいと思います。
デジタル庁では、政策評価と行政事業レビューをこれまで別々の会議で議論していたところでございますが、今年度から、有識者の先生方に政策評価と行政事業レビューを一緒の会議で議論をお願いし、デジタル庁の取組につきまして、いかに事業を改善していくか、方向性などをご議論いただいたところでございます。
今日は、これまで有識者の皆様にご議論いただいた内容をまとめた報告書を受領するとともに、事業担当者から報告書を踏まえた事業改善の方向性について報告をさせていただくことになります。どうぞよろしくお願いいたします。
事務局
ありがとうございます。それでは、有識者会議座長より報告書について説明をお願いします。
有識者会議座長
私を含めて5人の外部有識者に今回のご議論の取りまとめをしましたところ、僭越ながら私からこの報告書について説明をさせていただきたいと思います。
まず、従来の政策評価、行政事業レビューは
- 原課視点では似たような取組に見え、重複感があった
- これまでの行政事業レビューでは予算への反映が難しいスケジュールであった
ため、政策評価と行政事業レビューを一体化し、今回、選定した4事業について議論を進めてまいりました。
さらに、こういった評価会議では、被評価者の「何を指摘されるか分からない」という心理的不安が生じるため、そうした不安を払拭するべく、議論のフレームワークを設定し、評価を実施しました。それでは、事業ごとに、これまでの議論について報告させていただきます。
- 政府共通ウェブサイト
政策目的の観点では、各府省庁の業務・ウェブサイトの閲覧者の層も異なるところ、政策目的も標準化・統一化を目的とするのではなく、利用者にとって利便性が高く、重要な情報が得られるという観点から事業を実施するべきではないかと考えております。
目標設定につきましても、政策目的の変更に鑑みて、目標設定も改めることをお願いいいたします。
政策手段としましては、政府で統一のウェブサイトを作成するのではなく、各府省庁のウェブサイト構築への協力、特に伴走型で開発に協力するのが良いのではないかと考えており、アクセシビリティの観点からデジ庁ならではのガイドブックや考え方をまとめたものの策定が必要ではないかと考えております。
また、こういった行政機関のウェブサイトというのは、長期にわたって情報を提供することも重要であると考えておりますので、ご検討いただきたいと考えております。
体制としましては、伴走型の支援は各府省庁の様々な悩みを聞き、助言するとなると、1人、2人で対応は厳しいため、体制強化が重要であると考えております。
最後に、ステークホルダとしましては、最終的には国民に裨益するものであるが、先ずは各府省庁のウェブサイト担当とのコミュニケーションをとり、担当者の負担が少なくなるよう取り組んでいただきたいと考えております。
- 旅費等内部管理業務共通システム
こういったシステムは各府省庁の要件に沿ってカスタマイズすることとなり、標準的なシステム構築が難しいと考えております。そうした中で、各府省庁の要件に沿ってカスタマイズする際は、個別に対応するのではなく、方針を持って対応していただきたいと考えております。
また、本旅費システムは、特定の企業のパッケージソフトウエアを活用しておりますが、こういった業務系におけるパッケージは、カスタマイズするとコストがかかり、不具合等の要因になりやすいことから、パッケージをそのまま使用するのが極力良いと考えております。一方で旅費法という法律に合わせてシステムを構築しているため、結局、旅費法に合わせてパッケージをカスタマイズしなければいけなくなりますが、法改正段階からシステム的な要件を取り入れられるように、ぜひデジタル庁と制度官庁とで調整等をしてほしいと考えております。
体制の観点では、これまでに述べた事項に取り組むため、なるべく早期に体制の拡充が必要なのではないかという結論を出させていただきました。
最後に、ステークホルダに関しましても、旅費は給与などの様々なものと連動しておりますので、関係しうるシステムとの連携というのもお願いしたいと思います。
- 人事・給与関係業務情報システム
民間企業における人事管理システムは人事評価やその他、多くの情報を人事システムに入れているところがあり、本システムのスコープについて、指摘させていただきました。
また、本システムの利用者は各府省庁の人事担当者となり、想定よりも狭いといえ、各府省庁の実態に合わせるとともに、各府省庁から改善要望が来ているとも聞いておりますので、対応をお願いしたいと考えております。
体制については、スコープの検討や課題解決を行う上で、この人数が適正なのかを、ご検討いただければと思っております。
最後に、本システムは、この後ご説明する職員の認証システムなどとも関係するので、そうした関連部署とも連携して進めていただきたいと考えております。
- 職員認証サービス(GIMA)・政府職員等属性情報管理基盤
まず、人事・給与のシステムと連携をしているため、担当のチーム同士で連携いただきたいと考えておりましたので、今回の有識者会議では、その機会を作れたのではないかと考えております。
また、アプローチについては、企業の認証システム、いわゆるゼロトラストネットワークへの移行が進んでおります。ゼロトラストネットワークは攻撃に対して強いため、企業などによく使われております。その一方で、ユーザーのID管理や、特にアクセス制御が難しい点があり、正確かつきめ細かく設定しないと、かえって危険になるものでございます。そのため、民間企業における課題もよく研究していただいて、アクセス制御のところも含めてしっかり対応いただきたいと考えております。
最後に、本システムは非常に重要なシステムであり、今後、かなりドラスティックな変更を予定されているので、周到な計画を立てて進めていただければと思っております。
事務局
ありがとうございます。それでは、事業担当者より第2回有識者会議で取り纏めた報告書及び第3回有識者会議に対する事業改善の検討・措置状況について説明をお願いします。
事業担当者
政府共通ウェブサイト
政府共通ウェブサイトは、各省が整備しているウェブサイトについて、
- 必ずしもアクセシビリティが高くない
- 各省庁のシステム担当側からみても、運用のコストや改善の仕方のノウハウがない
等の課題があり、課題解決のために、政府で単一のウェブサイトを策定していく方向性で検討を進めてきました。そうした中で、先ほど座長からご指摘のあったとおり、ユーザーや目的が違う中でそれぞれのサイトがしっかり見やすいものになるという状態を実現すべきであるということで、方向性の変更を検討していた際に有識者の先生方よりご助言等をいただきました。
そのため、ご指摘を踏まえて、ウェブサイトの標準化・統一化という方針ではなく、政府ウェブサイトの発信力の向上支援という方針に変更させていただきました。例えば、デジタル庁が共通基盤、機能の整備、または基準、参照資料等を提供することにより、各府省がより簡単に必要な機能を実現する方向に変更したいと考えております。実現に向けて、会議体をつくる必要があると思い、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」の記載内容についても見直しを行いました。
そうした中で、目標設定についても、会議体やコミュニティーという形で担当者が情報交換できる場をつくっていきたいと考えており、目標設定を改めております。
また、ウェブサイトの在り方など、各省庁の参考になる考え方を示すべきであるというご指摘に関して、デジタル庁では、デザインガイドブックやアクセシビリティ導入ガイドブックといった資料を公開しておりますが、さらに整理を行い、標準ガイドラインという形でより使いやすく、網羅的なものにするための準備を現在進めているところでございます。
その他、伴走型の支援を各府省庁に対して提供すべきだというご指摘をいただいたところ、デジタル庁では、デジタル庁のウェブサイトやこども家庭庁のウェブサイト設立に基づく経験などがございますので、まずはそういった経験を提供しつつ、それ以外の府省庁での状況を踏まえて、各府省庁の担当者が自走できるように支援を行っていきたいと考えてございます。それに伴い、体制強化や体制に見合った事業内容の検討についてご指摘をいただいております。デジタル庁の職員でなければ実現できないところはデジタル庁の職員が実現し、それ以外の部分については、外部委託も含めた形でコミュニティーの運営など、より合理的な進め方を考えていきたいということで現在準備を進めているところでございます。
最後に、各府省とのコミュニケーションにつきまして、既存の枠組みを活用する旨、ご指摘いただいております。こちらについても既存の枠組みの可能な限りの活用や、インターネット上のツールを用いたコミュニティーの相互の情報交換といった基盤を整備することにより、各府省の負担とならないような形で必要な情報が、特に担当執務者に着実に渡って、必要な議論が提供できると考えております。その中にはデジタル庁から提供するパーツやツール、またはノウハウといったものも含めて対応していくということで、ご指摘いただいた点に対応してまいります。
旅費等内部管理業務共通システム
座長より強調いただいた点から説明させていただきます。まずは、パッケージ利用の欠点を克服するシステムの検討、可能な限りのパッケージのカスタマイズは最小限にする旨、ご指摘をいただきました。こちらのご指摘については、民間のパッケージの技術動向について情報収集をしており、また、旅費の関係の制度改正については、制度官庁である財務省に対してシンプルな制度設計を既に要請しております。今後も具体的な要請をしてまいりたいと考えており、また、将来のシステム刷新の際にもシンプルで拡張性に優れたシステム構築を目指すこととしております。
また、体制についてのご指摘については、今年の異動でかなり人員増強を図ることができました。今回の人員体制強化をもって、財務省や内閣官房行政改革推進本部事務局と合同で先ほどの民間の動向も含めた勉強会の開催や、今後の制度見直しに当たってのシステム側からの要請を行っております。
利用者に対するポジティブな効果を評価するための指標検討については、将来のシステム刷新の際にしっかり利用者の利便性向上を指標として設定する予定です。
さらに、現場で運用の差・複雑化が生じるというご指摘についても、制度改正に当たって内閣官房行政改革推進本部事務局から各省に対してヒアリングが行われており、旅費業務の標準化・シンプル化のBPRと連携して、システム面の対策をしっかり検討していきたいと思います。
最後の点は、しっかり制度所管部門や業務実施部門とチームとしての行動についてのご指摘ですが、制度官庁等とも緊密に連携して、しっかりデータ収集、プロセス改善等を緊密に協力しながら実施してまいりたいと考えております。
人事・給与関係業務情報システム
政策目的については、システム刷新の際には現在のスコープを見直すべきとのご指摘について、現在、人事関連制度を所管している人事院や内閣人事局と連携し、現行のシステムでは対象となっていない他の人事領域のシステム化を検討しているところでございます。次回の人給システムの更改は令和10年度頃となる予定ですが、更改に向けて、人事院や内閣人事局とも連携して、人給システムのスコープの検討を進めてまいりたいと考えております。
目標設定に関わるご指摘のうち、各府省の要望に早急に対応すべきというご指摘については、要望が多くかつ効果が見込まれるものについて、できるものから優先して進めてまいりたいと考えております。
また、職員認証システム、いわゆるGIMAとのデータ連携につきましては、GIMA担当チームとも連携いたしまして、それぞれのシステムの目的や仕様を確認した上で課題を整理し、利用者である府省の利便性が高くなるよう、改善策を検討してまいりたいと考えております。
政策手段、アプローチに係るご指摘のうち、まず使われていない、使いづらい根本原因の調査・追求については、データやログの分析に加え、利用者の声も聞きながら引き続き探求してまいりたいと考えております。
後段の部分につきましては、多くの利用者の目に触れる届出申請機能と、それ以外の部分に分けて報告させていただきます。まず、届出申請機能に関しては、サービスデザインを考慮したプロトタイプの作成に既に着手しており、そこで得た結果を踏まえてシステム本体の実装に向けて準備をしてまいりたいと考えております。また、届出申請機能以外の部分につきましても、先ほどの府省からの要望と同様に、できるものから順次UI・UXの改善を進めてまいりたいと考えております。
最後に、体制及びステークホルダについて、まずは実運用の面でより的確に対応できるよう、人事院や内閣人事局等と業務方法や連携方法について改善策を現在検討しているところです。そういった改善策を進めていく中で、最終的には要件定義やテストといった開発工程にもご参加いただけるように取り組んでまいりたいと考えております。
職員認証サービス(GIMA)・政府職員等属性情報管理基盤
職員認証サービスは、現在、システムのログインの認証の部分で使われている現行のシステムと、それから政府職員等属性情報管理基盤という次の基盤に向けての動きについて、現行の課題のあぶり出しと、次の基盤に向けてどういうことに留意する必要があるのかご提言をいただきました。
先ず、人事・給与関係システムとの一層の連携をするべきとのご指摘について、人事・給与関係システムの担当者からも報告がありましたが、連携をしつつ、実際に連携する際にどういったデータを連携していくのかといった点の見直しを前提に、新たな属性情報管理基盤のアーキテクチャーを検討・整備したいと考えております。
その際、既存の連携データ、人事情報では足りないというご指摘もありましたので、人事情報の一層の活用が重要だと認識しております。これにつきましても、先ほど座長からお話がありましたとおり、関係する各府省との連携を密にしながら、人給のシステムとの連携の在り方も含め、どういうデータを連携すればいいか、どういうやり方で連携をすればいいかなどについて具体的に定めていきたいと考えてございます。
それから、ゼロトラストの実現ということで、アクセス権と本人確認が重要であり、運用の観点から実務的な仕組みになるかを検討するべきとのご指摘ですが、こちらについても本人確認の方法・手段の在り方を改めて見直し・検討した上で、業務運用が効率的に実現し、継続的に維持・徹底できる手続・システムの仕組みを構築していき、さらには、システム面だけではなく、手続の面でもしっかり構築していきたいと考えております。併せて、対象とする政府職員の働き方の多様化や多様な人材等も考慮した仕組みを検討していきたいと考えてございます。
最後に異なるアーキテクチャー間での移行になりますので、周到な計画を立てるべきとのご指摘について、認証サービスを提供する形になりますので、各省の多種多様な多くのシステムと接続することになるため、移行作業が伴います。そのため、接続先のシステムの仕様をしっかり把握し、移行のプロセスやスケジュールをしっかり明確化し、合意形成を含め、丁寧で綿密な計画立てを行った上で取り組んでいきたいと考えております。
事務局
ありがとうございます。それでは有識者会議委員の方に所感を述べていただき、最後に有識者会議座長からも所感をいただきたく存じます。
有識者会議委員
今回、政策評価と行政事業レビューの一体化を目指す中で、4事業を評価させていただきました。課題が非常に明確になったことで事業の方向性が示されることとなり、PDCAを回しながら適切に改善されていくことを期待しています。
もともと、政策と事業の重複感や負担感を払拭するために有機的な連携が求められてきましたが、今回の評価とレビューを通して、4事業について非常に有意義な意見交換や示唆に富むディスカッションができたと私も実感しています。
具体的には、先ほどご説明もいただきましたとおり、各府省ばらばらに運用している政府ウェブサイトでは、UI・UXの一貫性のなさや利用者目線の欠如によって使い勝手のよさに課題を抱えていました。さらに、省庁縦割りで所有するシステム基盤、あるいはコンテンツ管理のシステムがコストの増大や人的リソースの不足につながっていましたが、運用の標準化や統一化の重点計画も見直しつつ、利用者目線重視を踏まえて改善していく方向性を定めることができたと思っています。
また、人材不足が深刻になる中でデジタル庁側の人的リソースをどう充足するのか、各事業や政策に不可欠な人材をどう確保できるのか、外部任用や人材育成、また、内製化等の視点も今後求められるかと思っています。既に提起されておられる見直しと検討を適宜実行されながら、スピード感を持って進めていただく必要があると思います。
今後は4事業のみならず、全ての活動で他の中央官庁、地方自治体、そして国民を説得する強力な発信力・広報力が発揮できるガバナンスをぜひ構築していただきたいと思います。
有識者会議委員
全体を通して、とにかく体制の拡充が急務であると考えております。どのシステムにおきましても、とにかく手間のかかるような課題がたくさん残っていると思います。
実際にこれらの問題解決するうえで、個人の頑張りにのみ頼って解決していくのは非常によくない解決の仕方だと考えておりますので、ぜひとも、そうした観点からも体制づくりをしっかりして問題解決していただきたいと思います。
有識者会議委員
無駄などを感じると人間のモチベーションは下がる傾向にありますので、そういったモチベーションが下がらないように取組を進めていくことが非常に重要かと思います。
心理的安全を感じられるような、コミュニケーションの良く取れたチームづくりが出来ると、エンゲージメントが向上します。1人と1人が合わさって2人になって効果が出るのではなく、1人と1人が合わさって2人以上の効果が出るということがチームでやっている意味なので、そういった点に留意して取組を進めていただきたいと考えております。
デジタル庁が存在されている目的は明確だと思いますが、デジタルの活用で一人一人の幸せを実現するというところにもやはりWell-beingというのがあるのだと思っています。
そのため、今回、色々とご報告いただきましたが、取り組むことが目的にならないようにしていただきたいと考えております。取り組まれる方のモチベーションやエンゲージメント、それからWell-beingは本当に重要だと思いますので、取組を継続しながらそこにも私たち5名がプラスの形で関わっていけるような存在でいたいと考えております。
最後に、人員が足りないという問題について何かやるときに必ず人手が足りないとなるので、そこに集中するのではなくて、スキルが足りないのか、それともマインドセットなどの在り方が足りないのかという点に留意すると良いのではないかと思います。
有識者会議委員
まず、デジタル庁におかれましては、今回、政策評価と行政事業レビューを一緒にして、時期的にも早めて予算への反映をしやすくされたという点を私は一番高く評価したいと考えております。私は9年目の行政改革事務局の委員を務めておりますが、最も感動したところであります。個人的には他省庁も本取組を参考にしていただきたいと考えておりますので、コメントとしてまず残させていただきました。
内容面については、政府共通ウェブサイトについて特だしして、コメントさせていただきます。先ずは、重点計画での目的を標準化・統一化というものから発信力の向上支援というものに変えられたわけですけれども、抽象的なように見えて大変大事な修正であると考えております。標準化・統一化というのは、作成側の効率性の観点からの文言だと思いますので、使用する側の目線で考えた際に、この政策の目的というのは発信力の向上の「どのように寄与するかにフォーカスされたということで、その後の細かい政策の手直しについても大きな意味を持たれたのではないかなと思います。
欲を言えば、さらに進めて、将来的には、ユーザビリティーやアクセシビリティという利用者目線の文言になっていくと良いのではないかと考えます。
そんな中で、私はデジタル庁のサイトも見てみて、ぜひ期待を込めて、デジタル庁のサイトが他省庁の模範になるような作り方やユーザビリティーを持っていただきたいと考える中では、まだ正直に言うと不満な点もあります。期待も込めて申し上げれば、例えば、民間企業の検索エンジンで「マイナンバーカード 何ができる」と検索に入れると、いろいろな記事が手軽に出てくると思います。他方で、デジタル庁の場合は「マイナンバーカード 何ができる」とか、「できること」と入れても、大きなページしか出てこないので、まだ改良の余地があると思います。
先ほど、座長からお話があったように、政府の場合には安定性や永続性という情報を置いておくことに意味があるという点から来ているのだとは思うものの、感覚的にキーワードを複数入れる、合わなかったらもう一回別のものに変えてみるという感覚的検索で情報にアプローチするというのが、非常に一般的だと思うので、そういった視点からの作り込み・見直しをやっていただけると大変良いと思いますとともに、他省庁の模範になると考えております。期待しております。
有識者会議座長
まず、冒頭でも申し上げましたが、今回の政策評価・行政事業レビューに関しては、新しい・有意義な試みができたと考えておりますので、ぜひ他府省庁の参考になれば良いと考えております。
2点目として、ITに、失敗はつきものです。役所は失敗を許容しないところありますが、デジタル庁の場合はITやデジタルを扱うことを考えると、失敗を許容するような仕組みというのをつくっていく必要があると考えております。もともと政策評価とは、行政も失敗する可能性もあるが、結果を評価することによって失敗を許容するような制度をつくっていこうというところが最初でございました。
そのため、デジタル庁が今後、様々な施策に取り組んでいく中で全てが順調にはいかないかもしれませんが、そういった際にうまくこの政策評価・行政事業レビューを使って軌道修正するような仕組みで使っていただければ、良いと考えております。
事務局
ありがとうございます。それでは、河野デジタル大臣より所感を述べていただきたく存じます。
河野デジタル大臣
座長をはじめ、皆様、本当にありがとうございました。
私が最初に行政改革担当大臣を拝命したときに、SEABIS等は、省庁ごとに運用が異なる点も多く、一般常識とは異なる霞が関特有の運用が散見されたため、民間企業の取組を参考にすることを随分と実施しました。今回、ご指摘のあったパッケージをなるべくカスタマイズしないで導入することにより、霞が関も民間企業に近づいていくのだろうと思います。
また、デジタル庁においても、職員の数を増やしているのですが、バックオフィスが大変であると感じており、個人の頑張りにのみ頼るのは良くないとのご指摘もいただきましたが、その点をシステムで補っていく必要があると考えております。また、バックオフィスの負担にならないような、デジタル化したシステムの構築というのが、きっと重要になってくると思いますので、ご指摘いただいたようなかたちで実現できれば、恐らくデジタル庁のバックオフィスだけではなくて、霞が関の各省庁が働きやすい環境に変化していくと思います。
さらには、人手が不足しているという点については、どこも人手が足らない中でどうするかというのは、考えていかないといけないと思っています。
多くのご指摘をいただいて、そのご指摘を担当がしっかり受け止めて、具体的にいろいろな検討につながったということはありがたく思っており、今までの2つの会議体を1つにして検討・議論いただいたのは良かったと思っております。
今回のご指摘を踏まえ、その他の取組につきましても、しっかり改善していけるようにしたいと考えておりますので、今後とも引き続きのご指導をよろしくお願い申し上げたいと思います。
事務局
ありがとうございます。それでは、尾﨑デジタル大臣政務官よりご挨拶をお願いいたします。
尾﨑デジタル大臣政務官
本日は、有識者の先生方には数々の貴重なご意見をお寄せいただきまして、本当に心から感謝を申し上げます。
今回の、政策評価・行政事業レビューを一体で行っていくという一連の取組について、私も事務局から初めてプランを聞いたときに、これは本当に画期的なことだと思ったところでありました。本当にそのとおりの所期の効果を上げていただいたと心から感謝を申し上げる次第です。
政策評価・行政事業レビューを一体で行っていくことで、重複業務の改善ということにつながったことが大きかったと思います。そして何よりもレビューの時期を早めていただいて、しかもこの最も霞が関が改革をしようとする時期、来年度の予算案をどうしようかと考えているこの時期に合わせてやっていただいたということは非常に大きいことだと思います。
既にご指摘いただいた項目で、今年6月に閣議決定した重点計画に反映させていただいた事項もございます。また、これから予算編成に当たりまして、今回ご指摘いただいたことを大いに議論していくということになろうかと考えるところであります。霞が関のEBPMの推進、更にはPDCAサイクルの推進という両面から非常に有意義なお取組をしていただいた、それをまずデジタル庁でやらせていただいたということでございます。
今回、すばらしいこのレビューを頂きましたことに改めて心から感謝を申し上げる次第でございます。本当にどうもありがとうございました。
事務局
以上を持ちまして、第4回政策評価・行政事業レビュー有識者会議を終了いたします。
以上