電子委任状の普及の促進に関する法律(電子委任状法)及び関係法令
法律の背景・目的
契約の申込み等の手続や行政機関に対する申請等の手続を電子的に行うことは、コストの削減や情報管理の効率化、国民の利便性向上につながることから、企業や行政機関において電子化の取組が進められています。
これらの電子的な手続において、法人の使用人等がその手続を行う権限を当該法人の代表者から委任されていることを証明し、その社員等が手続を行うことができるようになることは、「デジタルファースト」の実現に資するものです。
本法律は、法人の代表者等が使用人等に代理権を与えた旨を表示する電磁的記録である「電子委任状」の普及を促進するための基本的な指針について定めるとともに、電子委任状取扱業務の認定の制度を設けるものです。
法律の概要
1. 目的
電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により契約に関する書類の作成、保存等の業務を行う事業者の増加、情報通信ネットワークを通じて伝達される情報の安全性及び信頼性の確保に関する技術の向上その他の電子契約を取り巻く環境の変化の中で、電子委任状の信頼性が確保されることが電子契約における課題となっていることに鑑み、電子委任状の普及を促進するための基本的な指針について定めるとともに、電子委任状取扱業務の認定の制度を設けること等により、電子契約の推進を通じて電子商取引その他の高度情報通信ネットワークを利用した経済活動の促進を図る。
2. 内容
(1) 基本指針等
主務大臣は、電子委任状の普及を促進するための基本的な指針を定めるものとする。(第3条)
国は、広報活動等を通じて、電子契約の当事者その他の関係者の電子委任状に関する理解を深めるよう努めなければならない。(第4条)
(2)電子委任状取扱業務の認定等
- 電子委任状取扱業務の認定等(第5条~第12条)
電子委任状取扱業務(代理権授与を表示する目的で、電子契約の一方の当事者となる事業者の委託を受けて、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により、電子委任状を保管し、 当該電子契約の他方の当事者となる者又はその使用人その他の関係者に対し、当該電子委任状を提示し、又は提出する業務)を営み、又は営もうとする者は、主務大臣の認定を受けることができることとし、認定の 要件を定めるとともに、認定に係る手続、電気通信事業法の特例、認定を受けた業務についてその旨表示可能とする規定等を設ける。
(3)その他必要な事項
報告徴収及び立入検査(第13条)
主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、認定を受けた者(認定電子委任状取扱事業者)に対し、その認定に係る電子委任状取扱業務に関し報告をさせ、又はその職員に、認定電子委任状取扱事業者の営 業所、事務所その他の事業場に立ち入り、その認定に係る電子委任状取扱業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。罰則(第16条~第19条)
認定を受けた電子委任状取扱業務以外の用に供する特定電磁的記録等に、認定を受けた業務である旨の表示又はこれと紛らわしい表示を付した場合には、50万円以下の罰金に処する旨を規定 等
3. 施行日
平成30年1月1日
関係法令等
法律
政令
省令
申請書類等(様式第1から11)(Word/68KB)(2023年12月14日更新)
告示
その他
電子委任状の普及を促進するための基本的な指針解説(PDF/1,183KB)(令和3年9月1日初掲、令和5年10月16日更新)