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電子署名及び認証業務に関する法律(電子署名法)及び関係法令

法律の背景・目的

  • インターネットや携帯電話の急速な普及等に見られるように、ネットワークは、従来の企業間通信のみならず、国民生活一般にまで浸透してきています。その利用場面は、電子申請、電子商取引、教育におけるインターネットの活用、ゲーム、テレワーク等々、我が国の社会経済活動の多岐にわたっています。
  • インターネット等におけるやりとりでは、相手方と対面することが不要であるゆえに、情報の受信者と発信者がそれぞれ本当に本人なのか、情報が途中で改変されていないかを確認することが必要とされ、そのための有効な手段として、暗号技術を応用した電子署名及び認証業務が利用されています。
  • しかしながら、電子署名や認証業務が法的にどのように取り扱われるのかが明らかにされていないと、せっかく電子署名や認証業務が本人確認等の手段として利用されたとしても、ネットワーク上を流通する情報に関する訴訟があった際に、電子署名や認証業務がどのように評価され、どのような解決に至るのかが予見できず、そのことが電子商取引等の普及の妨げになるおそれがあります。
  • そこで、本法の制定により、電子署名に関し、電磁的記録の真正な成立の推定、特定認証業務に関する認定の制度、その他必要な事項を定めることにより、国民による電子署名の円滑な利用を確保し、電子商取引をはじめとするネットワークを利用した社会経済活動の一層の推進を図るものです。

法律の概要

1. 目的

電子署名に関し、電磁的記録の真正な成立の推定、特定認証業務に関する認定の制度その他必要な事項を定めることにより、電子署名の円滑な利用の確保による情報の電磁的方式による流通及び情報処理の促進を図り、もって国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に寄与すること

2. 内容

1. 電磁的記録の真正な成立の推定

電磁的記録に記録された情報について本人による一定の電子署名がなされているときは、真正に成立したものと推定する旨の規定を設ける。(第3条)
※電子署名:電磁的記録に記録された情報について作成者を示す目的で行う暗号化等の措置で、改変があれば検証可能な方法により行うもの

2. 特定認証業務に関する認定の制度

  1. 特定認証業務の認定等(第4条から第16条)
    認証業務(電子署名を確認するために用いる情報が本人に係るものであることを証明する業務)のうち一定の要件を充たすものを特定認証業務と定義し、これを行おうとする者は、主務大臣(内閣総理大臣及び法務大臣)の認定を受けることができることとする。認定の要件、認定を受けた特定認証業務を行う者の義務、認定を受けた業務についてその旨表示可能とする規定等を設ける。また、外国の認証事業者等に関する取扱いを規定する。(なお、禁錮以上の刑に処せられた者や、本法案に違反して刑に処せられたり、認定を取り消された者等は、一定の期間認定を受けられないものと規定。)
  2. 指定調査機関等(第17条から第32条)
    主務大臣は、認証業務の認定に当たり、その指定する者(指定調査機関)に調査の全部又は一部を行わせることができることとする。

3. その他必要な事項

  1. 特定認証業務に関する援助等
    内閣総理大臣は、特定認証業務に関する認定の制度の円滑な実施を図るため、電子署名及び認証業務に係る技術の評価に関する調査及び研究を行うとともに、特定認証業務を行う者及びその利用者に対し必要な情報の提供、助言その他の援助を行うよう努めなければならない旨を規定する。(第33条)
  2. 国民への教育活動、広報活動
    国は、教育活動、広報活動等を通じて電子署名及び認証業務に関する国民の理解を深めるよう努めなければならない旨を規定する。(第34条)
  3. 国家公安委員会の役割
    国家公安委員会は、認定を受けた特定認証業務に関して、重大な被害が生じることを防止するために必要があると認めるときには、主務大臣に対し、必要な措置をとることを要請できる旨規定。(第37条)
  4. 罰則
    利用者が認定認証事業者等に不実の証明をさせる行為について、3年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処する旨規定。(第41条)

3. 施行期日

平成13年(2001年)4月1日

関係法令等

法律

政令

省令

告示

その他