デジタル監による四半期活動報告
デジタル監による四半期の活動内容を報告します。
2023年
1月から3月
「国際的なデータ流通と利活用に向けて~「DFFT」の具体化に向けた取組み~」、「行政オンラインサービスを支える新たな情報連携システム「公共サービスメッシュ」」、「マイナンバーカードの利用シーン拡大」、「利用者視点の行政サービスづくり」、「開発体制の強化」について活動報告を行いました。詳細については以下の資料等をご覧ください。
- 2023年1月から3月の四半期活動報告(PDF/5,379KB)(2023年4月5日更新)
デジタル庁は、2023年3月30日に四半期(2023年1月から3月)の活動、及び今後の重点施策について報告会を行い、開発体制の強化に向けて、スタートアップ・中小企業との協業の強化、及び2023年度より「内部開発」の範囲拡大を実施することを発表しました。2023年度中に、専門性を有する民間出身人材を新たに200名以上採用することを目指します。これにより、民間出身人材はすでに入庁している300名とあわせて500名規模となります。
併せて、2023年4月29日、30日に開催されるG7群馬高崎デジタル・技術大臣会合でも協議される「信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)」を推進する取組み、行政オンラインサービスを支える新たな情報連携システム「公共サービスメッシュ」、マイナンバーカードの利用シーン拡大、利用者視点で開発を進めている「マイナポータル実証版」の追加機能など、主要な取組を報告しました。
デジタル庁は、2021年9月に日本のデジタル社会実現の司令塔として設立され、以降マイナンバーカードの普及、ワクチン接種証明アプリの提供、行政手数料のキャッシュレス化、ガバメントクラウドの整備、地方業務標準化の推進など、多様な取組を通じて「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」を推進してまいりました。
そして、この四半期は、国際的なデータ流通と利活用、行政オンラインサービスを支える情報連携システムの構築、マイナンバーカードのさらなる利用拡大、利用者視点でのサービス開発および開発体制の強化に取り組み、国民、事業者、職員に「やさしいサービス」の実現を推進してまいりました。
報告サマリー
国際的なデータ流通と利活用に向けて~「DFFT」の具体化に向けた取組み~
- セキュリティ等の信頼を確保しながら、国境を超えて自由にデータを流通、活用できるようにするDFFTのコンセプトを具体化するために、経済産業省や総務省をはじめとする関連省庁と連携して取組を進めています。現在、G7各国及び関係国際機関と連携し、通商ルールの形成、規制協力、技術による対応の3つの柱でDFFT推進に向け取り組んでいます。
- 4月に開催されるG7群馬高崎デジタル・技術大臣会合では、「国際的な枠組み」創設を含む閣僚宣言の合意を目指します。
- 「国際的な枠組み」の中では、政府と民間のステークホルダーが連携して様々なプロジェクトを一緒に進めていくことを想定しています。日本が主導して恒久的な事務局を設置し、官民が協力してデータ越境移転の規制によって生じているビジネス等の課題解消を可能にしたいと考えています。
DFFT(Data Free Flow with Trust:信頼性のある自由なデータ流通)
行政オンラインサービスを支える新たな情報連携システム「公共サービスメッシュ」
- 現状の行政オンラインサービスでは利用者側も提供者側も課題を抱えており、より良い体験の実現、新サービスの導入、効率的なシステム開発の実現に課題があります。
- これらの課題を踏まえて、目指す姿である「利用者、事業者、職員にやさしいサービス」に向けて、「スマートフォンで60秒で手続き完了」 「7日間で新サービスを立ち上げ」 「最適なコストの実現」 をスローガンに2025年をターゲットとして新たな仕組みづくりを進めていきます。
- 実現に向けたシステムの見直しとして、行政機関が保持する情報連携のための新たなシステムとして公共サービスメッシュの設計検討を進めています。
- 公共サービスメッシュは、様々なユーザやフロントサービスと、行政のシステムやデータとを、更に円滑かつ安全に連携できるようにします。全国民向けの行政オンラインサービスにも対応できる高い処理能力を実現するとともに、自治体システムの標準化の仕様を踏まえて設計することで、職員の方々が最小限のシステム対応で素早くデータを活用できるようにします。
- また、情報連携に必要な機能を、行政機関が利用できる共通機能としてガバメントクラウド上で提供することで、費用も最適化します。
- 2025年度中の稼働に向けて、設計・開発を進めていきます。
マイナンバーカードの利用シーン拡大
- マイナンバーカードの申請数は現在約9,500万件と、国民の4分の3を超える申請数に達し、デジタル社会において一番便利で安全な本人確認ツールとして広く認知されるようになってきました。
- マイナンバーカードは、コンビニでの住民票交付、健康保険証としての利用、 オンラインでの引越し手続など、利用シーンは拡大しており、日常生活においてさらなる拡大が期待されます。
- マイナンバーカードを中心とした便利なサービスを広げるために最も大事なことは「利用者にとってやさしいサービス」にすることです。「サービスを使える人を増やす」「サービスを使えるシーンを増やす」だけではなく、「サービスの使いやすさ」を追求する。「利用者中心のサービス」を徹底することによって、結果としてマイナンバーカードの利用数が増えると考えています。
- 利用シーンを拡大するためにデジタル田園都市構想では、地方自治体と民間企業が連携して、500以上の利用シーンを促進しています。また、マイナンバーカードを使った本人確認手続きやログイン認証ができる新たな認証アプリの開発企画に着手しており、新たなサービスを活用した民間サービスとの連携拡大の検討も進めています。
- 今後、マイナンバーカードを使った各種サービスの利用状況に関するデータの可視化と公開なども進めていきます。
マイナンバー(個人番号)制度・マイナンバーカード
利用者視点の行政サービスづくり
- 行政におけるデジタルサービスの開発では、外国政府と比較すると利用者視点が十分でない点が課題でした。
- 新たなマイナポータルの開発において、新たに、利用者中心の開発プロセスを導入しました。ユーザーテストやインタビューなどの利用者ニーズを捉えるアプローチや、短期間でサービスの開発と検証を繰り返すプロセスも実践しています。2022年末には、大規模な行政のデジタルサービスとしては初のテスト版をリリースしました。
- 利用者から意見が直接届く仕組みやユーザーインタビューなどを通して様々な意見を集約、リアルタイムに分析し、サービス改善に活かしています。
- 2023年3月23日には、利用者のフィードバックを活かし、「マイナポータル実証版」の機能追加をしました。
- やるべきことを忘れない(やること、証明書情報)サービス
申請した手続きの進捗や確認ができます。- マイナンバーカードの証明書の有効期限
- 健康保険証の利用登録
- 公金口座の登録
など
- 子育ての記録をいつでも確認
- 母子の健康診断情報
- 予防接種情報
- 健康保険証情報
など
- やるべきことを忘れない(やること、証明書情報)サービス
- 2023年夏にベータ版をリリースし、2023年度中に正式版をリリースする予定です。
マイナポータル実証アルファ版
開発体制の強化
- 現状の開発のやり方では、柔軟な開発が難しい、知見やノウハウが蓄積されないという課題があることが改めて見えてきました。
- 課題解決の1つ目の方針として、スタートアップや中小企業と連携の強化を進めます。これにより、事業者にとっては、行政機関と新たな取引を行うことができ、また、企業としての信頼度の向上にもつながります。行政機関は多様な事業者と協業でき、臨機応変で迅速な開発やサービス品質向上につながる可能性があります。最終的には、政府のシステム開発への参入企業の増加、開発期間の短縮、サービス品質の向上等をゴールとして目指していきます。
- 課題解決の2つ目の方針として、「内部開発」の範囲を拡大していきます。
- まずは、新規サービスや、比較的小規模のシステムとして切り出しが可能な、5つのプロジェクトから着手していきます。
- 本人確認手続きや個人認証を国、地方自治体、民間が横断的に利用できるワンアプリ「新認証アプリ」
- マイナンバーカードをわかりやすく説明したり、最新情報を提供したりする「新マイナポータル」のフロントUI
- インターネットで簡単に補助金が申請できる「jグランツ」
- 官民のAPIの連携を可能にする「公共APIゲートウェイ」
- 自治体での手続きなどを改善し、国民のみなさまの利便性を向上させるべく推進している、省庁のデザインシステムの統一
- 中長期的には、5つのプロジェクトでのチャレンジを経て得た知見を元に、将来的に中核になるシステム、柔軟な開発が求められるシステムなどを中心に、「内部開発」の範囲拡大を進めていきます。
- 今後のロードマップは、2023年度から「内部開発」の範囲拡大を進め、2023年4月からツールや開発環境の確保などを行います。さらに、2024年3月末までには上記5つのプロジェクトの内部開発が確実に進行している状態を目指します。
- これらを実現するために、2023年度中に、専門性を有する民間出身人材を新たに200名以上採用することを目指します。これにより、民間出身人材はすでに入庁している300名とあわせて500名規模となります。
2022年
9月から12月
「サービス開発ガイド提供と情報のオープン化」、「民間事業者との協業推進」、「生活者向けサービスの拡充」について、活動報告を行いました。詳細については以下の資料等をご覧ください。
- 2022年9月から12月の四半期活動報告(PDF/43,098KB)(2022年12月26日更新)
- 2022年9月から12月の四半期活動報告(テキスト版)(TXT/31KB)
- 2022年9月から12月のデジタル監の四半期報告。「マイナポータル実証アルファ版」をリリースしました(デジタル庁公式note)
報告サマリー
情報提供と公開:サービス開発ガイド提供と情報のオープン化
一貫したデザインや操作性でウェブサイトやアプリを提供することができる「デザインシステム」を構築。11月にウェブページおよびFigma Communityにてデザインデータを公開し、閲覧数は53,300PV以上(2022年11月11日から12月11日)、また3,900件以上ダウンロードされました(2022年12月時点)。
デザインシステム障害のある方やご高齢の方などを含むすべての方が、ウェブで提供されている情報やサービスがスムーズに利用できるよう、障害がある方の利用を考慮した「ウェブアクセシビリティガイド」を12月に公開しました。
ウェブアクセシビリティ導入ガイドブックマイナンバーカードは、本人確認書類としての利用や、子育てや介護に関する行政手続のオンライン申請、新型コロナウイルス感染症予防接種証明書取得など、利用できるシーンがどんどん広がっています。
ご自宅近くのコンビニで住民票や印鑑証明などの証明書の取得や、いつも通われている病院や薬局でも使えるようになり始めています。また、一部の市区町村では、図書館の利用やタクシー運賃の補助など、お住まいの地域サービスでも利用頂けます。一方で、マイナンバーカードの個人情報やセキュリティに対する懸念について、いろいろな声が寄せられています。国民の皆さまがマイナンバーカードを安心して利用して頂くために、紛失時の対策やマイナンバーカードの偽造防止、ICチップのセキュリティ対策などを行なっています。
国民の皆さまに対して、「広く政策や行政サービスに関する情報共有を行う」ことを目的に、本日よりマイナンバーカードの交付数などがわかる「政策データダッシュボード(ベータ版)」を公開しました。
政策データダッシュボード(ベータ版)
官民連携:民間事業者との協業推進
デジタル臨時行政調査会※1にて、法令約9,000条項のうち約99%の見直し方針が確定しました。(2022年10月時点)。これら項目に該当する規制は、2024年6月までを目処に点検・見直しを実施いたします。
※1 対面や目視などのアナログ規制を撤廃し、デジタル技術を活用して人による作業を減らしていく活動デジタル化に必要な技術の把握と、必要技術を保有する民間企業のマッチングをはかる「テクノロジーマップ」の整備を推進。第一弾の取り組みとして、デジタル庁ウェブサイトにて、対面の講習や対面の試験のデジタル化を実現するための公募を実施し、23件の製品やサービス情報を公表しました。
講習・試験のデジタル化を実現する製品に関する公募結果透明かつ迅速なIT公共調達を目指した日本版「デジタルマーケットプレイス(DMP)」の導入検討を開始。実力のある中小企業やスタートアップを、公共サービス提供のための「パートナー企業」として、調達を含めた連携機会を創出してまいります。
防災領域における民間サービスの活用推進のため、官民連携型防災DX推進協議会の公募を実施。約200者の応募をいただき、また、防災の現場で実用、活用可能なアプリ・技術の公募には約70件の応募登録がなされました。
防災アーキテクチャを設計し、データ連携基盤の構築を進めることで、別々のアプリなどに、個々にデータ入力を必要としない仕組みを実現し、個々の住民などが災害時に的確な支援が受けられるように取り組んでまいります。
やさしいサービスへ:生活者向けサービスの拡充
Visit Japan Webはアカウント作成数が204万件を突破、毎日約5万件以上のアカウントが作られています。更なる利便性向上に向けて2023年4月以降順次「免税品購入時の本人確認機能」、「代行入力の機能」、「パスポート情報の読み取り機能」、「ビザ連携の機能」の4機能を拡充予定です。
本日より「マイナポータル実証アルファ版」の提供を開始します。ユーザーからこれまでにいただいた「機能を見つけづらい」、「操作が難しい」といった声を踏まえ、「ひと目でわかりやすく、簡単に使える」サービスへと改善を行いました。
「マイナポータル実証アルファ版」の主なサービスとして、手続きをライフイベントから探せるようにする、自分の記録や情報を簡単に確認できる、やるべきことに気づいて完了できる、の3つのサービスを開始し、利用者からのご意見やご要望を募ります。今後、利用者からの頂いたご意見やご要望にもとづきサービスを改善や機能追加を行い「利用者といっしょにつくるサービス」を目指します。
マイナポータル実証アルファ版