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河野大臣記者会見(令和4年12月27日)

(令和4年12月27日(火)11時30分から11時51分まで 於:オンライン)

1.発言要旨

まず、デジタル庁が運営しています、入国手続のオンラインサービス「Visit Japan Web」の利用促進についてお知らせしたいと思います。

年末年始に海外に出かける方、あるいは海外からいらっしゃる方も多いと思います。Visit Japan Webは、海外から帰国される日本人を含め、海外から入国される方がオンラインで「検疫」・「入国審査」・「税関申告」の手続を行うことができるウェブサービスです。

実際の利用前に利用方法や操作方法を具体的にイメージしていただくため、説明動画を作成いたしました。今月22日に、空港での利用のイメージがわかる動画をデジタル庁のYouTubeチャンネルにて公開いたしました。

空港でもチラシを配布したりしておりますが、日本に帰国される方、渡航される方は、ぜひご確認をいただきたいと思います。

空港会社・エアライン各社には既に協力をお願いしておりますが、関係業界の方々におかれても、Visit Japan Webの利用が一層進むように、周知のご協力をお願いしたいと思います。
また、Visit Japan Web、色々なクレームを受けております。短期的に直せるものと、抜本的な改革と両方進めていきたいと思っておりますが、なるべく事前にしっかりと準備をしていただけたらと思います。

2つ目、FAXの利用見直しです。前回の行政改革担当大臣をしていた時に、各府省にFAXの利用の見直しを求めておりました。

その後の状況について、今、内閣人事局がフォローアップをしておりますが、昨年の時点で各府省からFAXの利用を直ちに廃止することが困難という回答があった業務が336件ありました。

高齢者あるいは障害者向けの手続や相談、あるいは、南鳥島のような極度の遠隔離島で電子メールの利用が困難という特殊な環境の業務、こういうものを除きまして、336件の85%に当たる286件について、既に廃止済又は廃止予定ということが確認できました。

それ以外、相手方の事情ですぐに廃止が困難というものについても、FAXの利用の廃止・縮小に向けて取り組んでもらう、概ね道筋はできたと思っております。各省庁もしっかり取り組むと言ってくれておりますが、速やかな廃止に向けて、更にスピードを上げていただきたいと思っております。

国の行政機関だけでなく、社会全体のデジタル化の観点からも推進する必要があると思っております。デジタル庁においても、デジタル技術の活用推進、あるいは行政手続のデジタル化といったデジタル社会の実現に向けた取組と一体的にこのFAXの利用の廃止に取り組んでいきたいと思っております。

もう1点。高齢者の事故が年末年始多くなりますので、注意喚起についてお知らせしたいと思います。

年末年始は、特に、餅を喉に詰まらせる、入浴中に溺れる、大掃除などをされているときに脚立などから転落するといった事故が毎年多くなっております。毎年このタイミングで注意を呼びかけておりますが、今年も冬に起こりやすい高齢者の事故を防ぐためのポイントをお手元にお配りをしていると思いますが、予防に役立てていただきたいと思っております。

いずれも重要なのですが、今回特に、入浴関連の高齢者の事故、これは溺死だけでなく、いわゆるヒートショックに関連する事故が多いと考えられます。注意喚起・情報提供していきたいと思いますが、暖かいリビングから寒い脱衣所に移動して、服を脱いで、浴室で温かいお湯につかる、この温度変化を繰り返すことで、心筋梗塞あるいは不整脈を引き起こす可能性があります。

ヒートショックを防ぐためには、入浴前に脱衣所や浴室を暖めるということが注意ポイントになりますけども、部屋ごとの寒暖差、これには住宅の断熱性能が大きく関係していると言われております。断熱性能が低い住宅は、こうした健康への影響のみならず、暖房等光熱費の増加にもつながります。
日本の既存住宅の断熱性能が低いのは、開口部に断熱性能の低いアルミサッシ、それから単板の板ガラスが使われているということが非常に多くて、これが原因になっています。予期せぬ住宅内でのヒートショックのような事故を防ぎ、省エネルギーを推進するためにも、このアルミサッシとこの1枚板のガラスだけという組み合わせをいかに減らしていくかというのが大事だと思います。

このアルミサッシと1枚板の板ガラス、これはもう実質無断熱と言ってもいいわけで、寒い家の中で我慢するというのは健康上のリスクと専門家もコメントしております。リフォームの機会がある場合には、経済産業省や環境省、国土交通省の色々な補助金も用意されておりますので、是非、窓・サッシの断熱性を高めてみることをご検討いただきたいと思っております。その際、国土交通大臣に登録された住宅リフォーム事業者団体に所属する事業者を選ぶなど、悪質なリフォーム事業者には十分注意していただきたいと思っておりますが、万が一トラブルに遭ってしまった場合、ちょっと不安に思っていらっしゃる場合には、消費者ホットライン188(いやや)にご相談をいただきたいと思います。

この件については、事務方からも後程説明をすることになっておりますので、よろしくお願いします。

2.質疑応答

(問)高齢者の方の話に少し関連するのですけれども、郵便局は離れた高齢者を見守りたい家族のために、Amazonのスマートスピーカーを使った見守りサービスを自治体向けに提供しており、内閣府のデジ田交付金の対象にもなっているようなんですけれども、こうした取組についての大臣のご見解をお願いいたします。

(答)ご高齢の方々の見守りということに、様々な技術は使えるんだろうと思います。音声の直接のやりとりもありますし、例えば、電気ポットがインターネットに連動していて、しばらくお茶を飲まないと警報のフラグが立つみたいなシステムがあったり、色々なデジタルのシステムが見守りには使われるようになってきていると思いますので、ぜひ活用をしっかりしていただきたいと思います。

(問)消費者分野でステマについてお伺いします。今朝、消費者庁のステマの検討会で大臣もいらっしゃっていましたが、報告書が取りまとまりました。その受け止めと、どんなことに気をつけて制度設計をしていきたいかというものと、具体的な告示の制定とか施行の時期について今おっしゃられることあればお願いします。

(答)今日の検討会で報告書の取りまとめをしていただきました。3か月という非常に短期で密度の濃い議論をしていただきましたが、このステルスマーケティングの規制について、景表法の第5条第3号に基づく告示として指定するようにというご提言をいただきました。消費者庁は、告示の指定に向けて、必要な手続を速やかに行ってまいりたいと思っております。

今後、行政手続法に基づく30日間の意見募集の手続ですとか、景表法に基づく公聴会の開催、消費者委員会への諮問、これをそれぞれ行う必要がございますので、少なくとも今年度中には告示の指定は行っていきますが、もう少し具体的な時期というのは、もうちょっと詰まってからお知らせをしたいと思っております。

(問)接触確認アプリのCOCOAについてなんですけれども、大臣、先月の会見で、最終報告をできれば年内にとおっしゃられていましたけど、総括の見通しいかがなりましたでしょうか。

(答)総括をしっかりやっていただいておりまして、色々と利用者の皆様にご協力をいただきました最終アップデート版でのデータ提供、12月半ばで275万件のデータの提供をいただきました。また別途利用者アンケートを行って、こちらも約6,000件の回答をいただいて分析を進めているところです。私の方から担当に、次にパンデミックが起きたときにしっかりと活用できるように総括をしてほしいということで、少し要求を増やしたものですから、年明けになってしまうと思いますが、鋭意総括の作業を進めているところです。
携帯電話の自動アップデートの設定をしていない方で、アップデートもアプリの削除もしていない方は、COCOAの機能が残ってしまう可能性がありますので、再度の確認をお願いしたいと思います。

(問)年明け、そんなに遅くない時期に総括が出るという理解でよろしいでしょうか。

(答)なるべく早くとは思っておりますけども、報告がある度に私が色々要求を増やすものですから。すみません、ちょっと年をまたぎました。

(問)ステルスマーケティングの検討会の件で、今年度中には告示の指定をしたいとのお話しだったのですけれども、先ほど検討会では、座長の方から施行は来年秋頃になるのではないかという見通しが示されたんですが、施行の時期については、どういう風な見通しを持っていらっしゃいますか。

(答)すみません。施行の時期については改めて確認します。告示の指定は遅くとも年度内と思っております。

(問)ステマっていうのは実際、広告であることを隠した広告ということで、実際どういうものがステマに当たるかっていうのは、非常にまだ基準とかが難しいと思うのですが、その辺りの運用基準についても今後作成していくという見通しでよろしいでしょうか。

(答)しっかりとどれがステマというのがわかるようにしないと混乱になると思いますので、その辺はしっかりやってまいりたいと思います。

(問)ステルスマーケティングの検討会で一部重複をしているのですが、G7とかOECDのGDP上位9か国で規制がないのは日本だけだったということで、今回その広告であるにも関わらず広告であることを隠すステマを禁止するということに、やっと世界の土俵に乗るという点では画期的な一歩と評価されると思うんですが、そこのところの大臣の受け止めについてと、それから、インフルエンサーとか著名人が報酬をもらったり、商品を提供してもらってSNSで発信したときには広告であることをわかりやすく表示しなければいけないという、こういう委員からも新しい常識の周知が大変重要だというご指摘があったのですが、ここについて大臣はどのように取り組んでいかれるか、これについてお聞かせください。

(答)このステルスマーケティングが、消費者の商品の購買行動に影響を及ぼしているという科学的なデータもございますので、やはりここは対応が必要だということで、委員の皆様からも今回の提言を頂戴いたしました。そこはしっかりやっていきたいと思っておりますし、逆にステルスマーケティングというのはこういうもので、こういう理由でそれは今回の規制をやるんです、ということはしっかり広報していきたいと思っておりますし、それが世の中の常識ですというふうになるような広報を消費者庁としてもしっかりやっていきたいと思います。

(問)広告の中で、広告宣伝プロモーション、PRといったような文言を使用することが考えられるという運用基準の中身についてなんですけれども、大臣は英語得意なんですけど、PRはパブリックリレーションで、プロモーションっていうのは色々辞書を引いても価値を訴求するための消費者とのコミュニケーション全てとかって書いてあって、どうもそのちょっとわかりにくいと、広告とか宣伝とかって言ってもらうとわかりやすいと、この辺について、誰にでもわかりやすい文言を選んでいただけるとありがたいかなとかと感じたのですが、大臣いかがお考えでしょうか。

(答)これから具体的に色々作業しますので、分かりやすいというのは大事だと思います。

(問)マイナンバーカードについて伺います。申請件数が8,200万件弱っていうところで、数はかなり積み上がってきているんですけれども、改めてこの数字の評価というところと、政府目標として年度末に向けてほぼ全国民ということを掲げてらっしゃるんですけれども、来年に向けてどれぐらい数字を積み上げていきたいのか、ほぼ全国民っていうのは、どれぐらいをイメージされているのかというところを改めて伺いたいです。もう1点、マイナポイントの申請期限を2度延長され、何度も延長されているようにも映るんですけれども、そのことへの大臣の評価をお聞かせいただけますでしょうか。

(答)8,200万枚というと、運転免許証の数を超えていきますので、マイナンバーカードを前提とした色々な行政手続というのをこれから考えていけると思っております。またこれからはマイナンバーカードでいかに便利になるかという具体的な例をきちんと周知することと、今自治体によって非常に大きな差がありますので、自治体の底上げということをしっかりやっていきたいと思っております。これから年度末に向けて、どういうふうに考えていくかというのは、これは松本総務大臣としっかりとご相談をしながら、やっていきたいと思っております。
また、マイナポイントの期限になりますと、申請数が増えて、結構自治体一生懸命対応していただいておりますが、間に合わないみたいなことになってもいけませんので、そこは2回延長させていただきましたが、自治体にも色々ご協力をいただきながらしっかり取り組んでいきたいと思っております。自治体の皆様には、色々とご協力をいただいてありがたく思っています。

(問)昨日、マイナンバーカードとICカードの連携を全国展開するっていう報道がありましたけれども、これに対する想いとか、理由を一言だけお願いします。

(答)例えば群馬県の前橋市のケース、自分で視察したものですからしょっちゅう申し上げておりますが、こういう利便性を高める世の中を便利にする取組というのがもう実際に行われておりますので、そうした便利になるようなケースは積極的に横展開していただけるように、周知にも力を入れていきたいと思っておりますし、サポートもしっかりやっていきたいと思っています。

(答)先ほどご質問のあった施行日については周知期間を経てからの施行になりますので、詳しいことはまたご説明いたします。

(以上)