河野大臣記者会見(令和5年2月14日)
河野デジタル大臣記者会見要旨
(令和5年2月14日(火)10時20分から10時38分まで 於:オンライン)
1.発言要旨
埼玉県深谷市の「書かない窓口」の視察についてお知らせいたします。
「書かない窓口」は、自治体の対面の窓口業務を抜本的に改革するものです。様々な支援システムを使ってマイナンバーカード、それから自治体が持つデータを利用することで、窓口に来られた住民の方が書類を書く必要をなくすという取組です。また、利用される住民が役所内の窓口を何カ所も回らずに、一つの窓口で手続を終えることができる。実際にやっているところからは「大変便利になった」と実感をしていただけるいい取組だと思っております。
我々が目指しているデジタル社会は、マイナンバーカードの普及に伴って、多くの行政手続をスマートフォンで完結する、どこからでも行政の手続ができるようになるということです。
他方、スマートフォンを使わない方、苦手とする方がいらっしゃいまして、そういう方には窓口に引き続き来ていただくことにはなりますが、多くの方がスマートフォンで手続をやられますので、窓口が混雑するということはなくなるはずです。
また、役所のデジタル化によって、窓口に来た方も書類を書かなくて済むという利便性の向上を体験することができますし、また、自治体側にとっても業務を効率化することができます。窓口に来られる住民の方の利便性の向上に加えまして、自治体側にとってもこの庁内の情報を連携活用することで入力作業を削減し、業務の効率化につながります。好事例として、この「書かない窓口」の取組を横展開するということが始まっております。
各地域のデジタル実装を進めるということは、デジタル田園都市国家構想の推進という観点からも、非常に重要で「書かない窓口」、これをデジタル田園都市国家構想交付金で支援もしております。
デジタル庁としては、尾﨑大臣政務官をリーダーにして、この「書かない窓口」の導入に必要な業務の見直しをサポートするアドバイザーを今月から派遣する予定になっております。
また実現に必要となる「窓口DX SaaS」をガバメントクラウドの上で提供していきたいと思っております。これは、今年の夏からサービスの提供を開始できるように準備していきたいと思っております。こうした取組を通じて、自治体が利用しやすい共通のサービスとして全国展開を推進してまいります。
今回、この「書かない窓口」の取組を既に実施している地方自治体の窓口の現場に、私とデジタル庁でこれを横展開・推進している尾﨑大臣政務官の2人で視察に赴きまして、さらなる横展開の参考にしてまいりたいと思っております。
ぜひメディアの皆さんにも、実際の窓口での取組、あるいは効果をご覧いただいて、しっかり報道していただければありがたいと思っております。
2.質疑応答
(問)昨日電力大手4社をヒアリングされましたが、今後他の電力会社に対してヒアリングをされるお考えはありますでしょうか。まだ値上げ申請していない社もあると思うのですけれども、カルテルなど不祥事が明るみになっている社もあると思います。今後の方針を教えてください。
(答)昨日は値上げ申請をされている電力会社のうち、カルテルあるいは情報の不正利用といった問題があるところをお招きいたしました。消費者の理解・納得というのが大切だと思っておりますので、こうした問題の再発防止、あるいはこのカルテル、不正利用が直接ではないにしろ、消費者に与えた影響について、きっちりとその対応についてのご説明をお願いいたしたところでございますので、今後も必要に応じてヒアリングをやらせていただくこともあると思います。
(問)昨日のヒアリングで4社からそれぞれ説明があったと思いますが、大臣として納得のいく説明だったのでしょうか。そこの受け止めと、値上げ幅についての考え何かあれば聞かせてください。
(答)昨日は中国電力に関しては、カルテルと情報の不正利用ということがございましたので、再発防止策あるいは消費者に間接的にも与えた影響について、しっかり調査の上、ご報告をお願いしたいということを申し上げました。また、それぞれの他の3社は情報の不正利用、それについて消費者の理解が得られるような再発防止策というものをきちんと検討してご報告いただきたいということを申し上げました。それ以外に電力の料金値上げの基礎となるコストがきちんと効率的に抑えられているのかどうかということについて、消費者庁としても見ていかなければいけないと思っておりますので、そうしたことを見ながら、今後の対応を考えていきたいと思っています。
(問)大臣が自らこのようにヒアリングを実施するというのはかなり異例な、レアだと思うのですけれども、狙いについて教えてください。
(答)電力料金の規制料金の値上げというのは本当に久しぶりです。そういう意味で消費者庁として、消費者の立場に立って協議を受ける側でございますので、消費者庁としてもやるべきことはしっかりやっていきたいと思っております。
(問)健康保険証に伴うマイナンバーカードを持ってない人に発行する資格確認書についてなんですが、一部報道では既に政府は無料とする方針を固めたとの報道もあります。この間の日曜日の民放の番組でも、大臣は有料化に慎重な発言をされていました。現在の政府での検討状況と、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)マイナンバーカードを保険証として受診をしていただくことによって、患者ご本人の健康医療に関するデータに基づいて、より適切な医療を受けていただくことが可能になります。マイナ保険証は、医療DXに向けた取組の最初の一歩と思っております。ただこのマイナンバーカードで資格確認ができない場合に、保険診療を確実に受けていただくための対応策というのは、総理からのご指示もあって、考えていかなければいけないと思っております。マイナンバーカードで受診をしていただくことによって、医療の質を向上させていくことができると思っておりますので、マイナ保険証へのシフトというものは積極的にお願いをしたいと思っております。何らかの場合の資格確認証をどう発行するかということについては、関係省庁とも議論をしているところでございますが、保険料を払った方は保険診療を当然に受けられるということを考えれば、方向性というのはおのずと出てくると思っております。
(問)地域の幸福度を測る指標として作られていらっしゃるWell-Being指標を、今後どのような場面での活用を期待されていらっしゃいますでしょうか。
(答)Well-Being指標を使って地域の幸福度というものを測って、それを高めていくというのは重要なことだと思っております。デジタル技術を使うことで、より便利に、より豊かに生活を送っていただきたいと思っておりますので、そうしたものを測る一つの指標としてお使いをいただけたらと思っております。
(問)日曜日にテレビ出演された際に言及されたことを私も伺いたいです。マイナンバーに係る情報を利用者本人がどの機関にアクセスできるかというのをコントロールできる仕組みについて言及されました。番組では電子カルテを例示されていましたが、もう少し具体的にどんな活用を想定しているのか、今お考えのところがあれば教えてください。現状マイナポータルでシステム上、そういう仕組みみたいなのは入れられる状況になっているのでしょうか。この点もお願いいたします。
(答)現時点ではそうした機能はありません。正確な国名忘れましたけども、医療情報を電子的にご本人が、コントロールできるようになっていて、どの病院のどのお医者さんに私の医療情報を開示したいということを患者本人がコントロールすることができるような仕組みを入れているところがあるそうです。いずれ、電子カルテなどから、本人の医療情報を電子的に本人がコントロールできるようになったときに、あらゆるお医者さん、あらゆる病院が勝手に自分の医療情報にアクセスするのではなくて、自分がかかっているお医者さん、あるいは自分がかかろうと思っているお医者さんにそれを開示していくというような、本人の情報を本人がコントロールするということも、将来的には検討するということもあり得るかなと思っております。それをやるためのシステムというものは今ございませんから、そういうものを、しかも1億2,000万人に、そういうシステムを提供するとなると、まだ少し先にはなると思いますが、そういうことも考えられるだろうと思っております。
(問)マイナ保険証を持っていない方の資格確認書の件なのですけれども、大臣は先ほど保険料を払っていれば、方向性はおのずから明らかというふうにおっしゃっていたのですが、10日の厚生労働省の会見で、加藤大臣が基本的には無料とする方向で議論しているというようなことをおっしゃっているのですけれども、それと同じ考えだというふうに理解してよろしいでしょうか。
(答)先ほども申し上げたとおりでございます。今関係省庁と様々な議論をしておりますが、保険料を払った方が、保険診療を受けられるということを考えれば方向性は出てくるだろうと思っております。
(問)電力会社のヒアリングについてお伺いします。昨日のヒアリングですが、カルテルまたは情報の不正入手という切り口でヒアリングをされたわけですけれども、別の切り口のヒアリングというのはお考えにはならないでしょうか。例えば、制度の問題なので、経済産業省の問題なのかもしれませんが、かねてから問題視されている託送料金についてなど、何かしら別の切り口でのヒアリングというのをお考えだったら教えてください。
(答)託送料金については、既に2度、経済産業省に消費者庁から意見を提出しております。今後については、色々なことが考え得るだろうと思っております。
(以上)