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河野大臣記者会見(令和5年2月17日)

河野デジタル大臣記者会見要旨

(令和5年2月17日(金)9時50分から10時18分まで 於:オンライン)

1.発言要旨

今日は冒頭3件です。

マイナンバーカードの申請数が運転免許証を上回って、現在8,700万件を超えております。国民の皆様のご協力、自治体の現場でのご努力、本当にありがとうございます。我が国の人口約1億2千5百万人のうち、障害のある方、介護が必要な高齢者、保護者の同伴が必要となるお子様など、このマイナンバーカードの取得のための環境整備が更に必要となる方が約2割程度いらっしゃると思います。

そのため、本日、デジタル庁、総務省、厚生労働省で進めてまいりました検討会におきまして、こうした方々の取得の円滑化に向けた環境整備、支援に関して、中間とりまとめの作成を行ったところでございます。

まず、より適切な医療が可能となることをはじめ、マイナンバーカードと保険証を一体化することによって、国民、医療機関・薬局、保険者、それぞれに様々なメリットがあるということを明らかにいたしました。そして、一体化に当たって、様々な取組をこれから行っていくものを整理したところです。

今、実際のカードの交付まで約1か月を要しております。自治体によってはもっと長くなってしまっているところがあるかもしれませんが、今後、紛失等速やかにカードを取得する必要がある場合に、申請から最短5日で交付できる仕組みを構築いたします。マイナンバーカード保険証を紛失してしまったというようなときには、最短で5日で再発行ができるような仕組みを構築いたします。

また、役所に出向くことが困難な方、代理交付をする場合のケースを拡充いたします。75歳以上のご高齢の方々、あるいは中学生以下のお子様については、本人が出向かなくてもいいようにしたいと思います。

また、マイナンバーカードを保険証として使っていただくことが基本ですが、紛失してしまったとき、あるいはベビーシッターなど第三者が同行して資格確認をするような場合に、資格確認書を提供することといたします。こうした資格確認書は、無償で提供することにいたします。

総理から中間とりまとめを踏まえて、2024年秋の健康保険証の廃止に向けてとるべき対応の一層の具体化、これに基づく環境整備、支援の徹底をするようにとのご指示をいただいたところであります。

総務省、厚生労働省とデジタル庁も力を合わせ、その具体化をしっかり行っていくとともに、今後も一人でも多くの方のマイナンバーカードの取得を目指してしっかり取り組んでまいりたいと思います。

自治体の皆様におかれても引き続きのご尽力をお願い申し上げたいと思います。

2点目、マイナンバーカードを取得していただくと、マイナポイントを付けることができます。マイナポイントを取るためのマイナンバーカードの申請期限につきましては、今年の2月まででございます。これはもう延長はいたしませんので、残り十数日がマイナポイントのラストチャンスとなりますので、よろしくお願いをしたいと思います。

2月末までにマイナンバーカードの申請をしていただく必要がありますが、ポイントの申し込みについては十分な期間を持って申し込みができるように、ポイント申し込みの期限を5月末とさせていただきます。2月末までにマイナンバーカードを申請していただいた方は、5月末までにポイントを申し込んでいただければマイナポイントが付与されますので、よろしくお願いしたいと思います。

なお、マイナポイントが始まる前にマイナンバーカードを取得していた方も、マイナポイントを申請することができます。是非最初に取って、後からマイナポイントをという方も、マイナポイントの申請をしていただきたいと思います。またマイナンバーカードの申請は3月に入っても受け付けますが、マイナポイントはつきません。2月末までの申請でないとマイナポイントはつきません。マイナンバーカードの申請は3月以降も受け付けますが、是非2月末までにお願いをしたいと思います。

3点目、COCOAです。今後のパンデミックで、こうしたデジタルのツールが効果的に活用されるように、厚生労働省とデジタル庁のチームで、このCOCOAの総括の作業を行ってまいりました。その結果が取りまとまりましたので、今日10時、デジタル庁のホームページにこのCOCOAの総括を掲載いたします。是非お読みいただきたいと思います。

この総括の作業は、COCOAの実装に関わられた方、あるいは感染症対策、政策評価の専門家の方々にヒアリングをすると同時に、昨年11月に配布しました最終のアップデート版で利用された方々から、COCOAが通知を発信した回数など、アンケートにお答えをいただきまして、その結果を活用しております。また、最終のアップデート版でのデータ適用とは別に、利用された方へのアンケートもやらせていただきました。

また、COCOAの運用に深く関わっていただいたオープンソースコミュニティーのGitHubでも、総括的な議論をお願いし、その結果をとりまとめていただきました。様々ご協力いただいた方々に深く感謝を申し上げたいと思います。

今回の報告書では、我が国の接触確認アプリの実装の検討をしたところからの経緯、COCOAの実績、ヒアリングあるいは利用者アンケートにおける評価などを取りまとめるとともに、今後パンデミックが起きたときに、このデジタルツールをどうやったら効果的に活用できるのかということを整理いたしました。

COCOAにつきまして、色々不具合がありまして、国民からの信頼を失う事態を招いたということはありましたが、パンデミックへの対応にデジタルツールを活用した事例として、様々教訓とすべき取組であったと思います。色々なことをアジャイルでやっていこうというようなこともありました。色々な教訓をここから引き出すための報告書でございますので、是非お時間のあるときにこの報告書を多くの皆様に読んでいただけたらと思っております。

2.質疑応答

(問)COCOAの報告書についてなんですけれども、そもそも利用実態もちょっとよくわかっていなかったというところからすれば、こうしたアンケートで利用実態がわかったということで、意義あるかと思うんですが、そもそもアプリは普及しなかった、4,000万件、国民の6割というのは当初目標としてたと思います。利用者もその6割は「良いと感じたことはなかった」というふうに答えています。そもそもこのCOCOAがなぜ有効に活用されなかったのか、そしてなぜ不満があるのかというところについては、あまり検証ができてないようにも読み取れるんですけれども、大臣自身はそもそもなぜもっと普及しなかったのかという点と、アプリの満足度についての課題についてどのように考えていますか。

(答)一つはこのアプリをどのように使うかというところで、担当する政務がなかなか見えなかったということがあるんだろうと思います。厚生労働省の政務官が常に入ってくれていたと思いますが、このアプリの活用に向けての政治のリーダーシップというのが欠如していた、あるいは弱かったというのがあると思います。また厚生労働省の中で、このアプリを活用するための体制というのがしっかりと組めていなかったというところもあるのではないかと思います。ただ、かなりの数の方がダウンロードしてくれ、また通知があった方、行動変容をされた方が4分の3、それなりに世の中に行動変容を促したというところでは、一定の効果はあったと思います。今回のコロナはだいぶ収まりつつありますが、重症化率あるいは致死率の高い感染症が入ってきた場合には、こういうデジタルのシステムをどのように使っていくのかというところを含め、次に備えてシステムをしっかり整えておくと同時に、使い方についてもこういうケースならこういう使い方をするということを決めておかなければいけないと思います。そういう議論の取っかかりとして、総括をしっかりやってもらったのではないかと思います。

(問)そもそもCOCOAの利用が広まらなかった、有効性の点が疑問視されたというところは、やはり強い推奨、義務化ができなかったとか、そもそも陽性判定を受けても、陽性登録をCOCOA上でやるかどうかは自主的な判断に委ねられた、位置情報をとれなかったとかがあると思うんですが、そういった課題は法整備とかも絡むような課題なのか、そういった大きな課題のところについて、強い推奨すべきだとか、そういう提言はされていると思うんですが、今後実際、今後の緊急時に向けて今平時にどういう議論すべきかというところが、今後どうつながるかというのがよく見えないんですけれども、大臣自身はどういうふうに議論をしたいと考えていますか。

(答)今回の総括は次のパンデミックのときにきちんと備えられているかどうかというのが大事だと思っております。今回はかなりお願いベースでしたし、陽性になったときもどういうふうにそれをインプットするのか、あるいはどれぐらいの方がインプットしてくれたのか、色々なことがあると思います。法律上、これをダウンロードするのを義務づけるのか、あるいは様々なイベントへの入場のときにこれを求めるのか、あるいは公共施設のようなもの、公共交通機関のようなものに乗るときにこういうものをダウンロードしてもらうのか、様々決めていかなければいけないものがあるんだと思います。そういう議論をするためのベースとして、役立つのではないかなと思っています。

(問)マイナンバーカードと健康保険証の中間報告についてなんですが、健康保険証廃止後の資格確認については、別の資格確認書も用意すると。ただこれはマイナンバーカードによるオンライン資格確認を受けることができない状況にある方というふうな限定を書いているのがちょっと気になりました。一方でマイナンバーカード自体が任意であり、自分の意思としてマイナンバーカードを取得しない方の扱いについてはどうなるかというのが報告書からはわからなかったのすが、どのような整理になるのでしょうか。

(答)マイナンバーカードを使っていただくことで、国民の医療の質が上がりますので、そこはきちんと丁寧にご説明をしていきたいと思います。

(問)自分の意思として取得してない方も、この資格確認書を受け取ることができるという理解でよろしいでしょうか。

(答)はい、マイナンバーカードを保険証として使っていただくことが基本ですので、しっかりご理解を得られるように努力していきたいと思います。

(問)マイナンバーカードについて、一部の報道で、政府は2026年を視野に、カードの表面に性別など個人情報を極力載せないということを検討してるという報道がありました。またその報道の中では、現在発行から10回目の誕生日までとされているカードの有効期限の見直しも想定されているとされています。こうした個人情報に配慮した新しいカード、また有効期限の見直しについて、政府の検討状況、事実関係を教えてください。

(答)マイナンバーカードの券面、マイナンバーカードの電子証明書、そこに使われている暗号、その他、これはもう不断に見直しをしていかなければいけないものだと思っております。

(問)具体的にはまだ、不断に見直すということではありますけど、今後そうした報道の部分も含めて検討されていくという形でしょうか。

(答)色々なことについて不断に見直しをしていきたいと思います。あらゆることが対象になると思います。

(問)資格確認書のところで有効期限が1年を限度とすると書いてありますけれども、基本的にはアップデート・更新をできるという理解でよろしいでしょうかというのが1つと、紛失とか新規発行とか最短5日で交付できる仕組みを新たに創設するというふうにおっしゃっていましたけども、これは具体的にいつから導入するお考えでしょうか。

(答)資格書の有効期限は、1年を限度として、各保険者が設定することになると思います。様式は国の方で定めることになるだろうと思います。またマイナンバーカードを紛失してしまって、再発行を待っている間は資格書が必要になりますが、それは1年である必要はないと思いますので、紛失の場合その他はもう少し短くていいのかなと思っております。特急発行につきまして、2024年の秋から保険証が廃止になりますので、そこまでに特急の発行ができるような体制は順次整えていきたいと思っております。

(問)昔の話で恐縮なんですけど、中国の無人偵察機と強く推定される気球に関して、当時防衛相だった河野大臣が「気球に聞いてください」という発言があったと思うのですが、当時の分析の上で安全保障上の問題がないという認識で、そういったふうに述べられたんでしょうか。

(答)分析の内容はお答えをしないということになっておりますから、お答えを差し控えますと言うべきなんだろうと思いますが、何かそれも冷たいので「気球に聞いてください」と申し上げたということです。安全保障について、当時の認識は申し上げたとおりでございます。詳細は現職の防衛大臣にお尋ねをいただきたいと思います。

(問)2点ありまして、COCOAの総括の件で、まず年内発表の予定がここまで遅くなった理由として、以前の会見で私が何度も突き返す、書き直しをさせたというふうにおっしゃっていましたけれども、具体的にどの辺りを中心に何度も書き直しを指示されていたのかというのが1点と、先程、政治のリーダーシップが足りなかったというようなお話がありますが、具体的にどのフェーズで、具体的にどの立場にいる人がもっとリーダーシップを発揮するべきだったというふうにお考えでしょうか。

(答)今回のCOCOAの総括は、次にパンデミックが起きたときに、こういうデジタルのシステムを生かすために何を教訓とするのかというのが大事ですので、次の議論につながるような総括にしてほしいということを指示いたしました。COCOAについては、「誰が」というよりも、COCOAのオーナーシップを持っているような、COCOAについてどうするんだという立場にある人がいなかったということだろうと思います。もう少しCOCOAをどう使うのか、その目的のために、それではどういうルールにするのか、あるいは必要なシステム変更・アップデートをどうするのかということをリーダーシップを持って決めるのは誰なのか、というのがいなかったということなんだろうと思います。

(問)つまり次のパンデミックのときには、どなたがそういうリーダーシップを持つべきだというふうにお考えですか。

(答)これは今度、健康危機管理を司る司令塔ができますから、おそらくそこの司令塔ということになるのではないかと思いますが、そこはこれからの議論ということだろうと思います。

(問)マイナ保険証についてなんですけれども、今回も前回も医療の質の向上というご説明があったと思うんですけれども、医療機関とか薬局にとっての連携のスピードの効率化というのは想像ができるのですけれども、患者にとってのメリットが、マイナンバーカードでなければいけない部分がまだちょっとわかりにくいなと思っておりまして、健康保険証とか保険制度の改善が不十分というのはわかるのですけれども、マイナ保険証がないとできない部分というのは、どこか、どこを強調されたいか、教えていただければと思います。

(答)患者ご本人が同意をしていただければ、薬剤の情報、特定検診情報などを医療機関と共有して、より良い治療を受けられる、重複の投薬も防止できると思います。それから限度額の適用認定証がなくても、窓口で限度額以上の一時的な支払い、立て替えをする必要がなくなります。転職、転居、その他今までの健康保険証では書き換えなければいけなかったものが、マイナンバーカードでずっと使うことができるようになります。そうしたメリットというのがあるんだろうと思います。

(問)今の保険証だと、どうバックヤード連携を改善しても、本人確認のところがネックになって、そこまでいけないということなのでしょうか。

(答)そもそも今の保険証には写真がついておりませんので、正確な本人確認ができない、なりすましの事案というのも起きてきているというところはあると思います。今の保険証を提示しても結局何らかの入力を医療機関でやらなければならなくなりますが、マイナンバー保険証であれば、システムの連携があれば、入力も不要になるというメリットは出てくると思います。

(問)これまでの質問とかなり違って大変申し訳ないんですけれども、東京藝術大学が電気代高騰のため、経費削減として電子用のピアノを売却することを決定したという報道があるのですけども、電気代の高騰によって東京藝術大学が楽器を売却するというこの状況について消費者担当大臣としてお考えをお聞かせください。

(答)教育機関ですので、文部科学大臣にお尋ねをいただきたいと思います。

(以上)