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河野大臣記者会見(令和5年4月21日)

河野デジタル大臣記者会見要旨

(令和5年4月21日(金)9時01分から9時14分まで 於:オンライン)

1.発言要旨

まずe-Taxを利用したオンラインの確定申告について、「書かない確定申告」を目指した取組を進めます。

国税庁には、e-Taxの利便性向上に大変ご努力をいただいておりまして、今年の確定申告をされた方はよくわかると思いますが、マイナポータルと連携した医療費控除ですとか、ふるさと納税のポータル事業者と連携した寄附金控除などの情報が自動入力されるようになってまいりました。こうした取組の結果、2021年の時点で、もう6割の方がe-Taxを使ってオンライン申告をいただいております。この割合は多分高くなっていると思いますが、この利便性向上をさらに進めるために「書かない確定申告」を実現していきたいと思っておりまして、次のステップとして、来年の確定申告から給与所得情報についても自動入力の対象とするように、国税庁においてシステムのご準備を進めていただくことといたしました。

確定申告をしている方のうち、給与所得のある方は1,000万人以上いらっしゃいますが、給与所得情報の自動入力の対象となりますのは、このうち企業・事業者から国税庁に源泉徴収票がオンライン提出されている場合に限られます。多くの方々がこの「書かない確定申告」の恩恵を受けるためには、雇用者、各企業・事業者が源泉徴収票をオンライン提出していただく必要があります。2021年のオンライン提出の割合は約5割と思いますが、ぜひ事業者・企業には従業員、職員の利便性向上の観点から、ぜひ今年分の源泉徴収票をオンライン提出するように切り替えていただきたいと思います。

源泉徴収票の提出義務があるのは年間500万円を超える場合ですが、500万円という閾値で区別をせずに、500万円以下の方でも確定申告をされる方がいらっしゃいますので、500万円以下の方の分もオンラインで提出していただければ、自動入力の対象となります。

企業の皆様にとっても、閾値でオンラインで出す・出さないを区別する必要もなくなりますし、500万円を超える場合のみならず、500万円以下の従業員、職員の確定申告の手間の軽減にもつながりますので、ぜひ給与所得の源泉徴収票の提出はオンラインでお願いをしたいと思います。一部の寄附金や雑所得の経費などはやはり個人で入力をしていただく必要が残りますけども、その他の部分は自動入力にどんどんしていきたいと思っております。

デジタル庁として、デジタル化を進めることで、国民の利便性を向上させるために、まずは源泉徴収票のオンライン提出、これについて積極的に働きかけを行い、確定申告は一々提出者が書かなくてもできる、それを目指していきたいと思っております。

2つ目。消費者担当大臣といたしまして、エシカルライフスタイルSDGsアンバサダーの冨永愛さんと懇談をいたしました。

冨永さんには今年4月から、エシカルライフスタイルSDGsアンバサダーの3期目にご就任をいただきまして、サステナブルファッションをはじめとしたエシカル消費について、意見交換をいたしました。冨永愛さんからは、消費者との橋渡し役として頑張ってくださるという大変心強いお話をいただきました。また、ファッション業界も変化しており、サステナブルファッションの取組が大手にとっては当たり前になりつつあるというお話もありました。

今、世界全体で毎秒トラック1台分の衣服が埋め立て、または焼却処分されているそうで、人間の活動で排出される炭素の10%が衣服の生産段階で排出されるとも言われております。事業者だけでなく、消費者側の意識改革も求められているのかなと思います。ファッションの分野でもこのデザインとか価格で選ぶだけでなく、それぞれのブランドの環境負荷だったり、フェアトレードだったり、あるいは動物福祉、いろいろな配慮を訴えているブランド・製品が登場してきております。消費者の皆様には、自分が共感する推しのブランドを見つけて、応援していくことから始めていただければと思います。また、こうした消費者の行動が事業者の行動の変革につながり、ひいては地球環境や社会のあり方を変えるエネルギーになり得る。そういうことから消費者庁としてもエシカル消費の推進に努めてまいりたいと思います。

2.質疑応答

(問)中央銀行のデジタル通貨に関する有識者会議というものが、今日、財務省の方で始まります。所管外だとは思うんですけれども、日本がデジタル円を発行するかどうかというところはまだ未定ではありますが、キャッシュレスを推進しているデジタル庁の立場から見て、この会議への期待ですとか、注文があればお聞かせいただけますでしょうか。

(答)キャッシュレスに関して申し上げれば、先日報告をしたと思いますが、マイナポータルの「ぴったりサービス」と新たにデジタル庁で構築しました決済基盤によって、宮崎県都城市で除籍及び改製原戸籍のオンライン申請とキャッシュレス納付を実現してテストしているところです。これがうまくいけば業務、それから対象自治体の両方を拡大していきたいと思ってますので、デジタル庁としては行政手続のデジタル化、これを推進するにあたって、キャッシュレスを有効に活用したいと思っております。財務省、日本銀行、いろいろデジタル通貨の議論をされていると思いますが、特にデジタル庁から申し上げることはございません。財務省にお尋ねをいただけたらと思います。

(問)冒頭でおっしゃった「書かない確定申告」の件ですけれども、これ3月の会見でも大臣ちょっとご紹介いただいたものだと思うんですけど、これは多くの人がこの恩恵を受けるには、源泉徴収票のオンライン提出というのを多くの会社がしてもらうことが多分重要だと思うんですけれども、この企業向けの周知だったりというのは、今後、来年に向けてどのように進めていくお考えでしょうか。

(答)それぞれの省庁から所管している業界団体などを通じてもお願いをしたいと思っております。源泉徴収票をオンラインで提出していただいているところと、紙やフロッピーディスク、CDなどで提出していただいているところといろいろあると思います。オンラインで提出していただければ、それが自動的に入力されますので、企業側のシステムの変換が出てくるかもしれませんが、そこで働いている方の確定申告の手間の大幅な軽減につながるんだと思いますので、そこはぜひご協力をいただきたいと思っております。今日、記者会見に参加をいただいているメディア、企業の皆様にも、ぜひ企業の経理部に話をしていただいて、オンライン提出をお願いしたいと思います。

(問)今月末のデジタル大臣会合で、共同声明をまとめられるというような報道も一部で出ております。実際に声明を出すお考え、用意があるのかということと、報道では責任あるAIなんかに触れるということですけれども、それ以外にもDFFTなどについても盛り込まれる予定はありますでしょうか。

(答)デジタル大臣会合につきましては、ご報告できるタイミングで逐次ご報告をしていきたいと思っております。高崎で皆さんをお待ちしております。

(以上)