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河野大臣記者会見(令和5年5月26日)

河野デジタル大臣記者会見要旨

(令和5年5月26日(金)9時40分から10時11分まで 於:オンライン)

1.発言要旨

まずコンビニ交付サービスでの誤交付、あるいはマイナ保険証、公金受取口座、それにマイナポイントでの誤登録といったマイナンバーカードの利用に関連する一連の事案が起きていることで、国民の皆様に不安を与えることになってしまい、大変申し訳なく思います。

こうした事案を踏まえ、昨日、総理から私に対して、総務大臣、厚生労働大臣などの関係大臣と連携して、マイナンバーカードの信頼確保に向け、事案に関係する全てのデータ・システムを再点検するなど、万全の対策を迅速かつ徹底して講じるよう指示をいただきました。この指示を受けまして、マイナンバーカードの普及体制と同様に、デジタル庁を中心に、関係府省が一丸となって、国民の皆様の不安解消への対応を講じてまいります。具体的には、現在の誤り事案につきまして、既存のデータ・システムの総点検を行うとともに、新しい誤登録を防止するための対策を徹底いたします。

また、人為的なミスのリスクを低減させるため、人が介在する機会を減らすようなデジタル化、これを推進してまいります。また、新たな事案の発生が疑われる情報に接した場合を含め、速やかに担当の各省庁と状況の共有・対応の検討を行うとともに、国民の皆様が必要とする情報をデジタル庁から積極的にお届けしてまいりたいと思います。

それぞれの事案について最新の状況をお知らせいたします。

コンビニ交付サービスにつきましては、総務省と連携し、富士通及び富士通Japanにシステムの停止の要請をいたしました。現在、富士通及び富士通Japanでシステムの停止を伴う一斉点検を実施していただいております。

対象となる自治体は123団体、広域団体を1と数えておりますので実際の自治体数とは異なりますが、123団体のうち、昨日までに12団体の点検が終了しました。残り111団体での速やかな点検に向けて調整を行っております。対象となっている自治体及び住民の皆様にはご迷惑をおかけしておりますが、この後安心してサービスを利用していただくために、ご協力をお願いしたいと思います。

次にマイナ保険証につきまして、厚生労働省と連携して、まず全ての保険者の事務処理の点検をしていただいております。事務処理でマニュアルから逸脱しているところがあれば、確認していただくことにしております。また登録データ全体に誤りがないかどうかの確認も実施したいと思っております。

公金受取口座の誤登録につきまして、デジタル庁から各自治体に対して、公金受取口座の手続きを支援するためのマニュアルの遵守状況について調査を行いました。木曜日17時時点で、1,206自治体から回答をいただき、14の自治体において20件の誤登録があったと把握しております。具体的な自治体名につきましては、お手元に配付(※)したとおりでございます。

この14自治体では、マニュアルとは異なる取扱い、利用端末のログアウトをしなかったものと認識しております。今回の調査によって明らかになった案件もありますので、改めて内容を精査するとともに、まだ回答をいただいていない自治体についても調査を進めてまいります。

これまでに登録された公金受取口座につきましては、総点検を実施することとしております。これまでに把握した事案を踏まえ、まずは同一の口座が複数の方に登録されているデータを抽出し、本人の意思に基づかず登録されてしまった可能性が高いものを精査しているところでございます。その後、疑わしいものにつきましては、本人の確認を進めていきたいと思っております。具体的な時期については、改めてお知らせしようと思います。

公金受取口座の登録方法として、マイナポータル経由のほかに確定申告の還付金の受取口座を登録する方法もございます。この際、国税庁において、登録申請者を同姓同名の別の方と取り違えたことによる誤登録が1件ございました。同様の事例がないか、国税庁と連携して、点検を実施いたします。事案の発生要因を分析し、再発防止を徹底していきたいと思っております。

ご自身の公金受取口座の登録状況につきまして、ご不安な方はマイナポータルからご確認いただけます。また、各自治体において手続支援を受けて公金受取口座を登録された方が登録内容の確認を希望していらっしゃる場合について、窓口での支援をお願いしているところでございます。確定申告の際に還付先の口座を公金受取口座として登録される場合には、マイナポータル経由、あるいはe-Tax経由で電子的にお知らせが行くほか、紙の登録などを行った方には、ハガキによる通知を行っておりますので、確定申告で公金受取口座の登録をされた方には、全員電子的あるいはハガキでご確認いただくことができます。ぜひご確認いただきたいと思います。

マイナポイントの誤登録事案についてですが、自治体の支援窓口において申込みを行っていた方がログアウトをせずに、次に申込みを行った方が、自分の決済サービスを前の方に登録をしてしまったというケースがございました。

自治体からの報告によって、これまで90の自治体で113件の事案が起きております。総務省、自治体及び決済事業者が連携して対応した結果、今のところ28件が対応済みでございます。

総務省からこれまで複数回、自治体に通知を出して注意喚起を行うとともに、昨日改めてマニュアル遵守の徹底について通知を行いました。また、自治体の支援窓口に設置しているパソコン端末については、ログアウト漏れが発生しないようシステムを改修済みでございます。パソコン端末については、システムの改修が終わっておりますが、支援窓口でパソコン端末以外のタブレットなどを使っているところは、ログアウト漏れが発生しないように気をつけていただきたいと思います。

本人が受け取るべきポイントが別の方に付与されてしまった場合には、速やかに申込可能になるよう総務省で取組を進めていただいております。これまで把握している以外の事案が起きていないかどうか、全ての自治体に対して調査を実施するつもりでございます。

申し込みをしていないのに申込済みになっていたり、お心当たりのない決済サービスが紐づけられているような場合には、手続の支援を受けた自治体、あるいはマイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)までお問い合わせをいただきたいと思います。マイナポイントの申し込み画面からご自身の決済サービスが正しく登録されているかどうか確認いただくことも可能です。

こうしたそれぞれの事案につきまして、引き続き関係省庁とも連携をして、国民の皆様が安心してサービスを利用できるよう取組を進めていくと同時に、デジタル化が遅れたことによって、人間が介在をして、様々作業をやらなければいけない状況であったことが、こうした誤登録の原因になっていたということから、しっかりとデジタル化、システム化を進めてまいりたいと思っております。

次に、消費者及び食品安全担当大臣としてご報告ですが、今日から消費者庁及び環境省が連携して「令和5年度食品ロス削減推進表彰」の募集を開始いたします。

この表彰は、「食品ロス削減」の取組に焦点を当てて、消費者に対して広く普及し、直接的な波及効果が期待できる、優れた取組を実施した方を表彰するものでございます。

食品ロス削減については、半減という目標の達成に向けて、消費者庁が司令塔となって、政府一体となって取り組んでいるところでございます。更なる推進のために、国民の皆さんにそれぞれの立場で自発的に取り組んでいただくような社会的気運を醸成する必要があると思っております。事業者・団体のみならず、一人の消費者である皆さん、お一人お一人を含め、全国で様々な工夫を凝らして食品ロス削減を進めている方々に奮ってご応募いただきたいと思います。そうした方々の先進的な取組の表彰を通じて、全国で食品ロス削減の推進が一層広がることを期待したいと思います。

今年の応募の締め切りは7月31日を予定しております。有識者による審査の上、9月下旬を目途に大臣表彰の受賞者を決定する予定としております。

(※)公金受取口座の誤登録があった自治体(5月25日17時時点):計14自治体(20件):岩手県盛岡市(1件)、福島県福島市(4件)、福島県いわき市(1件)、埼玉県ふじみ野市(1件)、東京都豊島区(2件)、神奈川県海老名市(1件)、愛知県瀬戸市(1件)、大阪府富田林市(1件)、広島県大竹市(1件)、香川県高松市(2件)、福岡県北九州市(1件)、福岡県中間市(1件)、佐賀県嬉野市(1件)、大分県大分市(2件)

2.質疑応答

(問)総理から昨日指示があったという三大臣に対してのこの全データシステムの再点検ということなのですけれども、こちらの三省庁でいろいろミスが出ている中で、具体的にはどれぐらいの日程で、このデータの再点検というのを行いたいという目途みたいなものがあれば教えてください。

(答)マイナンバーカードの普及と同様にデジタル庁で司令塔となって、これらの事案の対応にあたれという指示でございます。それぞれ今まで起きているものについてのデータあるいはシステムの総点検を始めております。
マイナンバー保険証につきましては、全ての保険者に過去マニュアルを逸脱した対応がなかったかどうか、あった場合には、そのデータを抽出して、紐づけをしっかり確認していただきます。
公金受取口座の誤登録につきましては、まず同一口座、複数登録を抽出しているところでございます。この結果につきましては、結果が出次第、速やかに報告したいと思っております。
またマイナポイントの紐づけにつきましても、それぞれの自治体に同様の事案がなかったか調査をお願いしているところでございますので、それぞれの調査が何らかの進捗があった場合には、逐次ご報告をしていきたいと思っております。

(問)先ほどマニュアルの遵守状況について、1,206の自治体から回答があったというふうにおっしゃいましたけれども、全体の自治体でまだ回答がないところもあると思うのですけれども、分母としてはおいくつになるのでしょうか。

(答)自治体数1,741です。そのうちの1,206の自治体から回答があったということでございます。

(問)最初にご説明のあった、同姓同名の事案なのですけれども、マイナポイント支援事業、支援窓口ではないものが、1件あって、それは同姓同名の取り違えというのが、国税庁の手続であったということなのでしょうか。

(答)先程申し上げた同姓同名の案件は、公金受取口座の登録で、確定申告の還付口座を公金受取口座に登録をするという中で、一つの税務署管内に同姓同名の方が二人いらっしゃって、間違えた方に公金受取口座を登録してしまった。その方に公金受取口座を登録しましたとハガキでご連絡をしたところ、誤登録が判明をして、直ちに修正をしたということでございます。

(問)他の事案は基本的にマイナポイント支援事業で、ログアウト漏れ等で起きたというふうに理解しているので、この1件だけ性格が違うということなのでしょうか。

(答)この公金受取口座の国税庁においての誤登録は、現在のところこの1件です。国税庁で還付口座を、公金受取口座に登録をする場合は、マイナポータルあるいはe-Taxの電子的なお知らせ、紙で確定申告されている方にはハガキでお知らせが行きますので、誤りがあった場合には国税庁からの連絡を確認することで、誤りは判明をすることになると思いますが、現時点ではこの1件と承知しております。

(問)確認なのですが、国税庁によるミスということなのでしょうか。

(答)はい、税務署で二人いらっしゃった同姓同名の方を取り違えていたというのがこの案件です。

(問)最初の富士通Japanのコンビニ交付の点検対象123団体ということなのですが、先日、この会社のシステムをこの用途で使っているのは200団体というご説明があったかと思うのですけれども、この200団体という数との関係は、どのような関係なのでしょうか。

(答)123団体が富士通Japanの交付に関するシステムを利用していて、それ以外に数十の地方自治体でデータを出すところのシステムを使っているということで、これは今回の誤交付とは直接関係がないということで、123団体の確認をしています。

(問)総理から指示を受けた全ての再点検なのですけれども、これは今、不具合が確認されていないものも含めて、今後行っていくのかというのが1点です。それから誤登録防止の対策を徹底すると大臣冒頭でおっしゃいましたけれども、具体的にどういう対策を行うのか、いつから行うか教えてください。

(答)過去のデータも再点検をしていきたいと思っております。また、人間による入力が介在している以上、誤登録というのは起き得ますので、これは定期的にデータを洗っていくということは必要だと思います。新規データの誤登録の防止につきまして、マイナポイントについてはパソコンで支援をしているところはシステムの改修が終わりましたので、ここはおそらく新しい誤登録がないと思いますが、パソコン以外のものを使っている、タブレットを使っている支援窓口もあるかと思いますので、そこについては今、対応を検討しているところでございます。マイナンバーカードと保険証の紐づけにつきましては、登録のルールを、マイナンバーをきちんと書いて提出をしてもらって、マイナンバーに基づいて登録をする。マイナンバーがない場合には、5情報を当てるということを明確にいたしましたので、これがきちんと行われれば誤登録がないと思いますが、それでも人間が介在をすると何かしら起こる可能性がありますので、定期的なデータのチェックというものは必要になってくると思います。
公金受取口座についても、誤登録を防ぐためのシステム改修ができるかどうか、今検討をしているところでございます。

(問)総点検のあり方についてなんですが、大臣先ほども、同一口座が複数の人に登録されているものを抽出しての点検になるということでしたけれども、そうじゃないケース、例えば口座が間違って登録されているだけのケースという調査っていうのはされないのでしょうか。その辺のお考えを教えてください。

(答)そういうことも当然あり得ると思いますので、まずはログアウト漏れで登録されている同一口座が複数案件で出ておりますので、それを優先的にチェックしておりますが、誤った口座への登録というのも点検をしなければいけないと思っております。そのやり方については、今検討しているところです。

(問)誤登録の紐付けミスがあった14自治体なのですけれども、事案の発生した時期が去年のそもそも大臣がご就任される前の事案もあるというふうに聞いているのですけれども、発表がこのタイミングになった理由っていうのを教えていただけますか。

(答)本来は事案が最初に起きた時に、こうした事案が起きていますということを横展開できれば、あるいはそこでシステム的な対応がとられていれば防げたミスではなかったかと思っております。マイナポイントの支援システムの改修のお願いみたいな形で上がってきて、このシステムの改修をどうするかという議論に一つはなってしまったのではないかなと思っております。少しデジタル庁としての感度が低かったというところは、お詫びを申し上げなければならないと思っております。異常な事案が起きた時には、速やかに原因を究明して横展開をしていくということを徹底させたいと思います。

(問)今のところの14自治体20件のところで、いただいた資料を見ると、実名が載っている自治体の数を足したけど、17になるのですけども、残りは2自治体で3件ということでいいのかということと、先程の税務署の話は、この14自治体、20件の外の話になるのでしょうか。

(答)国税庁の話はこの外です。あと2つ自治体が発表について役所内の調整をしていると認識しております。

(問)今回、このそれぞれの問題なのですけども、その発生している原因はそれぞれ異なると思うのですけれども、マイナンバーカードの交付を急ピッチで進めたことによる問題っていうのが通底した原因としてあるというふうにお考えでしょうか。

(答)例えばマイナンバーと保険証の紐づけ。これは転職、あるいは扶養関係が変わった時に起こることですから、直接マイナンバーカードの数が増えたかどうかというのと、この保険証の紐づけというのは関係がないと思っております。マイナポイントと公金受取口座、これは自治体の支援窓口でやっていただいておりますが、おそらくそれぞれ枠が決まっていて、その予約をとっていただいて、自治体で支援をしていただいていると思いますので、たぶんマイナンバーカードが増えると、お待ちいただく時間が後ろへどんどん倒れていくということになるのかなと思いますが、急ぐためになるべく時間を短縮しようということも起こり得ると思いますので、それが原因でログアウトを忘れてしまったことがないとはおそらく言えないのだろうと思います。コンビニ交付につきましては、これは申請の問題というよりも、マイナンバーカードが広く行き渡って、このマイナンバーカードを使ってコンビニ交付をやる方が増えたことで、システム上隠れていた不具合が出てきたということで、カードが増えたというところがコンビニ交付の誤りの原因であった。これはマイナンバーカードの数が増えて、それだけ利用が増えたということだと思います。

(問)人が介在する機会を減らすようなデジタル化を推進すると、冒頭でお話しされていましたが、これ現時点ではどのようなものをイメージされているのですか。

(答)一つは、今回の法案でお願いをしている年金口座を、本人がお断りしますという方以外は公金受取口座にさせていただくことは、これはシステムでやりますので、ご高齢の方に支援窓口に来ていただいて、人間が登録をお手伝いするということをせずに済むようになります。そのように物事をシステムでやっていけるものというものをきちんとお願いをしてやってまいりたいと思います。

(問)この公金受取口座の問題をはじめとしてちょっと問い合わせ窓口がつながらない、デジタル庁に問い合わせても全然つながらないので、つながるようにしていただきたいってことがお願いベースで一つあるのですけど、それとはまた別で、14自治体20件の外に国税庁の話が外にあるっていうことが今お話しされていましたけど、ということは、国税庁の話は何件になるのですかね。また別であるってことですかね。

(答)国税庁の案件はさきほど申し上げた1件です。それからフリーダイヤルについては、60席を100席に増やして対応に当たりたいと思っておりますので、その手はずは進んでいるところです。

(問)ということは14自治体20件プラス国税庁1件という認識でいいいいのかということと、国税庁の案件は人為的なミスってことですか。

(答)そういうことです。

(問)所管外だと思うのですけども、一つだけお答えください。岸田総理の秘書官、長男の件なのですけど、もし大臣のご所管があればお願いします。

(答)特にございません。

(以上)