河野大臣記者会見(令和5年6月9日)
河野デジタル大臣記者会見要旨
(令和5年6月9日(金)11時19分から12時00分まで 於:オンライン)
1.発言要旨
本日の閣議においてデジタル社会推進会議で先日了承されました「デジタル社会の実現に向けた重点計画」の改定について決定いたしました。
今後はこの計画に基づいて、各府省庁と連携しながら、政府一丸となって迅速かつ重点的に改革を推進していきたいと思います。
2点目、「書かないワンストップ窓口」を実現するための機能をガバメントクラウド上で提供するSaaS事業者を公募しておりましたが、4つの事業者に決定いたしました。デジタル庁が定めた調達仕様書を満たす全ての事業者と契約いたしました。
書かないワンストップ窓口は、住民の皆様が転入手続を始め、様々な手続を市役所で行っていただくときに、自治体の窓口を何か所も回ったり、あるいは手続をするための書類を一々書いたりということをしなくても、1か所の窓口で必要な手続を全部、書類を書かずに終わらすことができる、非常に便利なサービスだということを実感していただくことができる取組です。北海道の北見市ですとか、あるいは私も行きました埼玉県の深谷市をはじめ、いくつか先行導入をしている自治体がございますが、そうした自治体の取組を全国的に横展開しようということで、デジタル庁も後押しをしておりましたが、今回、ガバメントクラウド上でその機能を提供する事業者を決定いたしました。決定した4社、そのうち地方に拠点がある事業者が3社あります。ガバメントクラウドを使って、そうした地域の事業者も全国の自治体にサービス展開をすることができるという機会を得ることができるようになります。また4社が参入するということで、競争が生まれてサービスの質の向上につながるのではと期待をしております。
対象の手続には、自治体の基幹業務の標準化の対象となっている事務もありますので、今後、標準準拠システムがガバメントクラウドに移行していくと、クラウド上でデータの連携・事務処理を実施することができるようになります。ガバメントクラウドを活用する意義の一つかなと思います。今回決定した事業者は、これからガバメントクラウド上に機能の構築をしていただいて、来月からサービス内容を自治体にお示しをして、自治体が選んで、使っていただけるようになります。
この取組は、システムを導入するだけではなくて、その前提となる自治体の中の業務のやり方を見直すBPRも重要になってきますので、自治体のBPRをサポートするアドバイザーをデジタル庁から希望する自治体に派遣しております。もう三十数団体だったと思いますが、派遣をしております。まだまだアドバイザーの派遣、余裕がございます。関心がある自治体にはぜひ手を挙げていただいて、書かないワンストップ窓口に向けての取組を進めていただきたいと思っております。
書かないワンストップ窓口の全国展開をより強力に、加速度的に進めることで、全国のあらゆる地域での「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」を実現していきたいと思っております。
マイナンバーカードの関連サービスの誤登録、その他の事案の最新状況についてお知らせいたします。
コンビニ交付サービスにつきましては、対象の123団体のうち、横浜市を除く全ての団体でシステムの一時停止を行って、点検を完了いたしました。横浜市は6月17日に終わると承知しております。皆様のご協力に感謝申し上げたいと思います。また、富士通Japan以外のコンビニ交付サービスの提供事業者は約50社ありますが、同じような事案が起きないような再発防止に関する調査を行っていただいておりまして、J-LISにおいてその内容を分析しているところでございます。
マイナ保険検証につきましては、引き続き全ての保険者で点検を実施してもらっております。そこは変わりございません。
公金受取口座は、水曜日にお知らせをしましたとおり、誤登録の可能性が高い748件に対しまして口座情報の閲覧、あるいは提供を不可とする措置を行いました。現在、郵送で通知する準備を行っているところでございます。また、公金受取口座にご本人でない、家族の口座などを登録している場合には、給付の際、ご本人以外に振り込むことができないので、給付の遅れにつながります。ご本人の口座登録の修正をお願いしたいと思います。こうした方々にはマイナポータルから通知を出させていただきます。また、誤登録を防止するためのシステムの改修につきましては、今月中の実装を進めているところでございます。
マイナポイントの誤登録は、総務省において97自治体・121件を把握し、総務省でこれらの事案の精査を進めております。申込ができなくなった方への対応につきましては、今引き続き総務省と連携して検討しているところでございます。詳細はまたご報告したいと思います。
マイナンバーカードに関するサービス、ご不安あるいは誤登録の懸念のある方は、マイナンバー総合フリーダイヤル0120-95-0178にお問い合わせをいただきたいと思います。
消費者担当大臣としてご報告申し上げますと、6月14日に第5回食物アレルギー表示に関するアドバイザー会議を開催いたします。
この会議は、食物アレルギーの表示制度を適切に運用するために、医学・分子生物学など専門家のご意見を聴くものとして、令和3年から毎年開催しております。今回の会議では、「くるみ」の特定原材料への追加、それから今年3月に作成した啓発資材による外食・中食における情報提供、コーデックス(CODEX)におけるアレルギー表示の検討状況などについて、ご報告し意見交換を行うと同時に、特定原材料に準ずるものに係る対象品目の選定に関する考え方について、委員より専門的見地からご意見を伺いたいと思っております。これは義務表示8品目の次の段階で表示を推奨している20品目の選定の考え方についてご意見を伺うということです。
14日の会議開催以降、議論の詳細を公表したいと思います。
もう1件消費者及び食品安全担当大臣として、ご報告です。
2021年度の食品ロスの量を報告したいと思います。これは2023年6月に2021年度の食品ロス量を報告するというのはちょっと遅いと思います。申し訳ございません。もうちょっとスピードアップして報告ができないかということは指示しているところでございますが、現段階ではお許しをいただきたいと思います。
本日、農林水産省・環境省から2021年度の事業系の食品ロスが前年度と比べて4万トン増の279万トン、家庭系が3万トン減の244万トンと公表されました。全体では1万トン増の523万トンとなりました。2021年度の数量は1万トン増。522万トンが523万トンということでございます。ただ2020年度に続いて、新型コロナウイルス感染症の拡大があって、飲食店が営業自粛をしている、あるいは消費者の外出の機会が減少しているという中での数字でございますので、2030年度までに2000年度比で食品ロスを半減させるという削減目標を着実に達成するためには、やはり更なる努力が必要で、事業者・消費者双方に食品ロスの削減に向けて取り組んでいただく必要があろうかと思っておりますので、この食品ロス削減目標の達成に向けて、消費者庁としても施策のパッケージを年末までに策定するということにしたいと思っております。
2.質疑応答
(問)発売中の雑誌に「マイナカード返納運動、怒れる国民が動き出した」と言う記事が出ているのですが、この受け止めをお願いします。ある程度の返納率になった場合には、抜本的な見直しをするとか、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)すみません、記事を読んでおりません。
(問)記事の内容は、マイナポイントを使っても返納運動ができる。マイナンバーカードへの信頼が毀損した、失われたことへの表れだと思うのですが、こういう運動が起きていることについての受け止めをお願いします。
(答)特にございません。
(問)大臣の突破力がマイナスに働いたのではないか。これだけのマイナンバーカードへの不信感を募らせていることに対する受け止めをお願いします。次期総裁選への実績づくりのために、これだけ混乱を招いているという見方も成り立つと思うのですが、いかがでしょうか。
(答)それはまったく当たりません。
(問)マイナスに働いたと思いませんか。ご自身の突破力が。
(答)マイナンバーカードが増えたことで、コンビニ交付のシステムのバグが表面化したというのはそのとおりでございますので、そこは点検を今しているところでございます。例えば、マイナンバー保険証の誤登録については、これは保険証の登録の問題ですので、特にマイナンバーカードの数の増減とは関係ないというのは、これまでも説明しているところでございます。
(問)河野大臣の突破力一声で健康保険証が消えると、使えなくなると、1本化されるというふうになったのは厳然たる事実だと思うのですが、それでも今の健康保険証を長期にわたって使えるように制度変更しないというお考えなんでしょうか。
(答)鶴の一声で決まったかのようなのは、まったくの事実誤認です。
(問)広報体制についてお尋ねしたいんですけれども、公金受取口座の問題について、現在、担当部局は直接メディア対応をするなという対応になっていまして、それは大臣の指示によるものと説明されているんですが、事実でしょうか。
(答)はい。今、公金受取口座の部隊は、作業とそれから国会の質問対応等があります。朝の3時、4時まで残業という者もおりますので、メディア対応については広報で一括して対応してもらうということにしております。
(問)先ほど情報発信のスピードアップについての言及もあったのですけれども、やっぱり直接伺った方が早いこともあるなというのが私の感覚でして、できるだけ早めに正常化いただけるといいなと要望としてもお伝えできればと思います。
(答)作業をしなければならない、あるいは業務の負荷もありますので、メディア対応は広報にきちんと情報を共有した上で、広報で対応することにしております。ご理解いただきたいと思います。
(問)当分は続くということになりそうですか。
(答)はい、そうです。そのつもりでおります。
(問)家族名義の口座の変更について、9月末までということのアナウンスがあったかと思うのですけども、9月末にされている理由について改めて伺わせてください。
(答)マイナポータルで何回かお知らせを出そうと思っております。マイナポータルのお知らせを電子メールに登録されている方は、電子メールも届きますので気付いていただけるかと思いますが、マイナポータルを見てお知らせが来ていると気付く方もいらっしゃると思います。そういうことも踏まえて9月末までにと。9月末まではおそらく自治体の支援窓口もあると思いますので、マイナポータルを通じて、かなり特殊な作業でご家族の名義を紐付けていただきましたので、マイナポータルでおそらく作業ができると思いますが、そうでない場合に支援窓口、おそらく9月末まで自治体は開いているだろうと思いますので、何かあったときには支援窓口で尋ねられるということから、なるべく9月末までに訂正していただければ、いざというときには支援窓口と思います。ただ、マイナポータルでかなり複雑な操作をされて紐付けされているわけですから、おそらく多くの方はご自身でできるだろうと思っております。
(問)先日の会見だと、誤って振込が行われた例などは、河野大臣が知る限りはないという話をしていましたけれども、改めてデジタル庁としてこのような誤った振込が既に行われていたりとか、そうした事例は確認されていますでしょうか。
(答)今のところ報告は上がってきておりません。
(問)前回の会見をもって総点検は終了したという認識でよろしいですか。その後、定期的な点検をしていくということなのかなと思っていたのですが、その辺りの認識を教えてください。
(答)公金受取口座の登録は、おそらく1週間に、正確ではないかもしれませんけども、50万件ぐらい増えておりますので、そこは点検を定期的にやっていきたいと思っています。
(問)今回の748件については、自治体数はどれくらいになっているのでしょうか。対応策として給付を行う行政機関等への口座情報の提供停止を行うという記載があったため、おそらく、自治体数も把握されているのかなと思いますが、その辺りを教えてください。
(答)口座の提供を停止していますので、これはデジタル庁から郵便で送りますので、自治体数はわかっているかどうか報告がありません。たぶん自治体ごとには見る必要がないので見ていないのではないかと思います。
(問)先ほど説明があったマイナポイントの申込中に手続きができなくなるトラブルについてなんですけども、総務省と連携して対応を検討しているってことでしたけども、そういったトラブルに対しての相談ってコールセンターでどれくらい上がっているものとか、規模感があれば教えていただきたいのですが。
(答)それはトラブルではありません。マイナポイントの申し込みをしている時に、キャンペーンの停止の操作をして、自分でポイントを付けるのを停止してしまった方です。自分でポイントの付与を停止すると、復活ができないということになりますので、「あ!しまった」という方がいらっしゃると思います。今これは総務省とどうしようかという検討をしております。
(問)消費者担当大臣の担当分野で、6月7日に公表された骨太の方針2023原案に関連して2問質問させてください。この食品ロス削減目標達成に向けた政策パッケージを年末までに策定する項目の中に、食品の寄附や食べ残しの持ち帰りを促進するための法的措置や、フードバンクの団体の体制強化を含むとありますが、政策パッケージって大体どのような内容をお考えで、食品ロス削減推進法の改正を視野に入れられているかどうかについてお教えください。
(答)この中に書かれている通りでございまして、まずは食品をフードバンクなどに寄付したときのその後の法的責任のあり方であったり、あるいは飲食店からドギーバッグなどで持ち帰った食品に対する法的責任をどうするかといったことも政策の中に盛り込んでいこうということでございます。これから関係省庁と様々協議をしていきますので、今の段階でどうなるか、どんな法形式になるかというのを今の段階で申し上げるのは差し控えたいと思います。内容的にはそういうことをしっかり検討していきたいと思っています。
(問)免責を入れるとなると、やはり法改正が必要になると思いますので、それも視野に含めて、今から検討するというような理解をいたしました。そんな感じで、含めて検討するということでよろしいということですよね。
(答)先ほどお答えした通りでございます。
(問)骨太の方針原案の中に消費生活相談のサービス向上への体制再構築という言葉を入れていただきました。国会審議の中でも消費生活相談員の現状を憂いて、抜本的な見直しを指示しているとご発言してくださっていて、この文言に盛り込まれてどのような再構築を検討していただいているのかお教えください。
(答)いろいろなトラブルが後を絶たず、またオンライン取引も拡大する中で、消費生活相談で受けている相談も複雑化、多様化、高度化してきている中で、やはりこの消費生活相談員の方の、キャリアパスを明確にするとか、処遇を改善するといったことを通じて、体制を再構築していかなければいけないと思っておりまして、ちょっとドラスティックな再構築も必要かと思っております。
(問)消費者庁が、全消費生活相談員を対象に5月にアンケート調査をしてくださっていて、そこで大臣にはどんなような問題があったというふうな報告がされているのかもお教えいただけるとありがたいのですが。
(答)アンケートを行いまして、今いろいろ集計、それから分析をしてくださいといってお願いをしているところですので、それが上がってきて、しっかり見させていただきたいと思っております。ご報告できるものはご報告したいと思います。デジタル化などを通じて、相談員の方々が十分に力を発揮できる環境づくりが必要だと思いますので、専門的な知識を持っている相談員の方々が、場所を選ばずにデジタルの力も利用して専門的な相談に対応できるようにやはりしなければならないと思いますので、変えるべきところは抜本的に変えようと思っております。
(問)大変期待しておりますのでよろしくお願いします。それからアンケート結果については、できるだけ早急に皆さんに公表していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
(答)はい。
(問)別人登録口座の748件の誤登録についてお伺いします。先週火曜日の会見の時の中間報告として21件というふうにご説明されていましたけれども、集計方法が違うんだと思いますけど、これだけ大きく増えた理由っていうのを教えていただけますか。
(答)748件は、これは登録されたもの全てを機械で同一口座・複数名義を抜き出して、目視で見たものです。自治体の中で気付いたものが上がってきているものとは、これは数字の出し方が違っています。
(問)一昨日の会見でもちょっと出ていたんですけれども、この748件の主な原因というのは、やはり支援窓口の人員的なミスと考えてよろしいのでしょうか。
(答)おそらくそうではないかと思っております。ログアウト忘れということだろうと思います。
(問)748件の誤登録について伺いたいのですけれども、本当に748件、ログアウト忘れなのかな、その多くはログアウト忘れなのかなっていうところがちょっと疑問でして、その途中段階では、自治体の8割から聞き取りに対して回答をもらっていて、15自治体21件という数字だったと思うんですけど、何かこの増え方がすごい急激だったもので、本当にそうなのかっていうところを、ちょっと疑問を持ってるっていうところと、あと機械的に抽出したと思うので、実態がどうだったのかっていうのを改めて調査、調べるっていう予定はありますでしょうか。
(答)最初はそれぞれの自治体で上がってきたものを報告していただきました。気付かれている自治体もあれば、気付かない自治体も結構あったのではないかと思いますが、この748件は、自治体に関係なく登録されている5,400万件を全部機械であてたものですから、それまで自治体から報告をされていた数字の上がりのスピードとはまったく関係なく機械で抽出して、目視ではじいていったというものです。この自治体の支援端末で登録されたのかどうか、支援端末でも結局はログインしてもらって、その方のマイナポータルで登録をしますので、原因の分析というのは、これはなかなか難しいと思っておりますが、今までわかっているのはログアウト忘れということで、それ以外に、知り合いのスマホを借りて登録をしてログアウトせずに返した。これもログアウトを忘れると言えばログアウト忘れですよね。ということかなと思っておりますが、今それ以外の原因として挙がっているものは、今の段階ではないと思います。
(問)ちょっとこんなことがあるのかとは思うのですけども、ログアウト忘れでもなく、まったくの第三者に紐付いてしまってということがないのかなと思った次第で、今のところ、そういうことは確認されていないってことですよね。
(答)あるとすると、何か意図的にまったく他人の口座の紐付けというのはできなくはないと思いますが、今のところそうしたことが起きているという報告はありません。
(問)デジタル庁の組織体制、人員体制について、ちょっと伺いたいんですけれども、今日重点計画が閣議決定されたと思います。そこに、トラブルとかに対しては各省庁に問題がまたがるので、デジタル庁が中心となって効果的な情報共有・対策の調整を行うっていうふうに記されてありました。先程、業務負荷っていうのはデジタル庁の職員の方ってすごく多いという話、大変だっていうお話がありましたけども、さらにこうやってマイナンバー機能が拡充していくと、より制度も複雑になり、いろいろ対応も大変になってくると思いますが、現時点、大臣として組織体制とか人員体制でデジタル庁に何か問題意識だとか課題っていうのを感じていらっしゃいますでしょうか。
(答)はい、シンガポール人口550万人の国で、シンガポールのデジタル庁3,500人いるとシンガポールのデジタル大臣から伺いました。我が国1億2,000万人で、デジタル庁が800人、900人ということですから、諸外国と比べるとかなり人員的には厳しいのかなと思っております。また、純粋な人数の中で、フルタイムでデジタル庁に来てくれる人もいれば、フルタイムでない方もいらっしゃいますので、実質的な数というのは更に少なくなります。そういう意味で今年200名の増員を認めていただいておりますので、4月から新年度の採用をやっているところで、この採用のピッチを少し上げていきたいというのと、やはり優秀な人材がデジタル庁に来たい、そう思っていただけるような職場環境をつくっていかなければいけないのかなと思っています。
(問)748の件で確認なのですけれども、ログアウト忘れか、もしくは、よほど何か意図を持ってやらない限りはということだと思うのですけれども。
(答)意図的にやったという報告はまだ上がってきておりません。可能性としては、ないわけではないと思いますが。
(問)ということであれば、基本的には、家族以外の口座が紐付けられているケースというこの748件のものに関しては、基本的に今回の総点検でやって、全て拾えているという理解でよろしいですか。
(答)そこはまだ分かりません。氏名の表記揺れのようなものもありますし、これは今回、同一口座複数名義で拾ったものですから、完全に間違えた口座に単独で紐付けられたケースがあれば、それはまた別途確認をしなければいけないと思います。
(問)そういうものは、基本的に今後の定期点検なども含めて拾っていくということですか。
(答)定期点検を含め、検知システムの開発ということもやっておりますので、いろんな手段でやっていきたいと思っております。また、自治体から公的給付が行われたときに、自治体が本人名義の口座を確認して、違っていればご報告をいただくというようなこともしていかなければいけないかなと思っています。
(問)SaaSの事業者で4事業者を採択と冒頭お話されたと思うのですが、これはどこの事業者なのでしょうか。
(答)北見市の株式会社北見コンピューター・ビジネス、米子市の株式会社ケイズ、新潟市の株式会社BSNアイネット、港区の日本電気株式会社、この4社です。
(問)公金受取口座の家族名義の口座について2月に担当レベルでは把握されていたけれども、庁内で情報共有されていなかったということについて、デジタル庁は今プロジェクト制という通常の役所とは違う体制をとられているのですが、これについて、プロジェクトの中では共有されていても、普通の課室と違って、上に情報が上がりにくい構造ではないかということを結構指摘されてる方もいらっしゃるのですが、これについて大臣の見解をお伺いできますでしょうか。
(答)デジタル庁は縦糸に、それぞれの専門家・エキスパートがアサインされる横糸みたいになって、マトリックス的なことになっております。そういうことで、普通の霞が関の役所とは、組織体制、レポート体制が違うというところがあった、おそらく、それも原因の一つだろうと思いますので、まずはイレギュラーのことがあれば、全部上に上げるという指示を出しましたので、それを徹底することで、マトリックス組織であっても、イレギュラーの事象がちゃんと共有されるということにしていきたいと思っております。
(問)今後も含めて、組織体制の見直しなどは特に今のところお考えはないということでよいでしょうか。
(答)デジタル庁で専門家というのがプロジェクトの様々なフェーズで必要になってきますので、縦糸・横糸の関係というのはこれからも続くと思いますが、こうした事案が幾つか起きておりますので、中の組織体制の見直しというのは行っているところです。
(問)もし差し支えなかったら、そのプロジェクト体制の見直しの具体的な内容を伺うこと可能でしょうか。
(答)一つには、意思決定をするための会議体、経営企画会議をトップにして、いくつかの会議体を入れて、そこで物事を決めていこうということにしました。それから、システムのリリースをするときには、きちんとリリースをどのレベルで意思決定をするのかということを決めております。それから、これまではプレイングマネージャーが結構いたのですが、やはりマネジメントとプロジェクトを動かすプレーヤーとをやはり少しずつ切り分けをしていく必要があるのかなと思っております。マネージャーにはマネジメントをしてもらって、プレーヤーにはプロジェクトをしっかり動かしてもらうという、そこの役割分担をもう少しきちんとできるような体制を少しずつ整備したいと思います。
(以上)