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河野大臣記者会見(令和5年6月20日)

河野デジタル大臣記者会見要旨

(令和5年6月20日(火)10時01分から10時24分まで 於:オンライン)

1.発言要旨

6月21日から24日の3日間で、21日深夜からシンガポールを訪問する予定です。

訪問中、ジョセフィン・テオ情報通信大臣兼第二内務大臣及びジャニル・プットゥチェリーGovTech担当大臣とお目にかかります。2022年5月にGovTechとの間で締結したデジタル分野における協力覚書に基づくパートナーシップを更に深めていくために、法人IDも含めたデジタルIDの利活用、デジタル・デバイド対策、あるいはPeppol・インボイスの具体的な取組の推進といった個別具体的な施策に関して意見交換をし、また双方の先進事例を共有していこうということになっております。

G7広島サミットあるいはG7群馬高崎デジタル・技術大臣会合で、信頼性のある自由なデータ流通、DFFTの具体化に向けて、国際的な枠組みの設立を合意したところですので、この枠組みの推進にとって重要なユースケースを作るための連携、あるいはグローバルサウスやASEAN諸国に参加を呼びかけるという意味でも非常に大事ではないかと思っております。こうした動きを通じて、DFFTに関する国際的な議論をリードしていきたいと思っております。

2つ目、静岡県から、障害者手帳の情報とマイナンバーの紐付けに誤りがあったことがわかり、調査中であるという報告が厚生労働省にありまして、厚生労働省からデジタル庁へも情報共有をしていただいております。

現時点で判明している紐付け誤りにつきましては、障害者のマイナンバーを記載していただいていない場合に、自治体が住民基本台帳ネットワークへカナ氏名と生年月日のみで照会を行ったということ。結果、同姓同名の情報が出力された場合に住所情報を確認しなかったまま、障害者手帳にそのマイナンバーを紐付けてしまったということ。それからもう一つのケースは、一度発行した手帳番号を取り消して、同じ手帳番号を改めて別な方に付番した際に、取り消したはずの手帳番号が手帳のシステムに残っていたことで、複数の手帳情報が紐付けられてしまった、という2つの原因があったようです。静岡県が今調査しているところで、現時点の誤りは数十件と聞いております。また、個人情報の漏えいはなく、障害福祉関連の給付にも影響はないとのことです。

障害者手帳の情報連携は、自治体に障害者手帳の提出をしなくても行政手続ができるということ、あるいは民間が出しているスマホ上の障害者手帳アプリとの連携を可能にする、こうした利便性の向上に資するものですので、安心して利用していただけるよう、他の自治体においてもこの紐付け誤りが起きていないか総点検を行うことといたします。

まず、全国の自治体の事務処理の実情を確認して、マイナンバーを付番するときに氏名・生年月日・性別・住所を用いた確認が行われないまま紐付けをされていることがないかを7月中に確認します。次に紐付け誤り事案に関するデータの総点検を行うこととして、住所を含まずに、氏名・生年月日などでマイナンバーを照会している自治体については氏名・生年月日・性別・住所を活用するということで、適切に紐付いているかどうか確認をしていただきます。3番目として、新たな間違いを生じさせないようにするために、手帳の申請様式のマイナンバーの記載欄に、申請者からの記載を求めるというように自治体の事務処理方法を見直していきます。こうした取扱いにつきまして、厚生労働省から本日自治体に通知をしていただく予定になっております。デジタル庁としても厚生労働省をしっかりサポートしてまいりたいと思います。

その他の誤登録事案につきまして、最新状況を報告いたします。

コンビニ交付サービスにつきましては、富士通Japanにおいて、システムの停止を伴う一斉点検を実施しておりましたが、6月17日(土)までに123団体全てで点検が完了いたしました。今回の点検において、システム負荷が高い場合であっても、申請者の証明書が他人の証明書と入れ替わることなく交付されることが確認されました。

また、富士通Japanでは、更なるフェールセーフの対策として、申請内容と印刷ファイルのデータがきちんと紐付いていることを確認する機能を既に開発し、今月下旬以降、順次実装を進めていくこととしております。また、富士通本社において、これまでのシステムトラブルを受けたシステム品質の改善・向上のため、第三者によるチェック体制を構築するなど、品質管理の取組を進めていただいております。デジタル庁としても適切にフォローしていきます。

公金受取口座につきましては、ログアウト忘れによる誤登録を防止するシステム改修を進めております。今週23日(金)の運用開始を目指しております。誤登録の可能性が高い748件につきましては、既に口座情報の閲覧・提供を不可とする措置を行っております。自治体が公金受取口座情報を利用する場合であっても、これら748件の情報が提供されることはありません。対象となる方々には、郵送の通知を今月末に発送するよう準備中です。

マイナポイントにつきましては、総務省において全国の自治体の調査を実施していただいております。内容を精査したところ、172件・131自治体ということのようです。若干前回と数字が違っておりますが、誤っていると思ったら別なサービスに紐付けていたなどの情報があったということで、多少数字が入り繰りされています。紐付けの原因は、ログアウト漏れが136件、決済サービスのIDの誤入力によるものが32件、自治体の職員がお貸しした端末で発生したものとマイナンバーカードの交付誤りによるものがそれぞれ2件ということです。172件のうち、半分以上は既にポイントその他は解決済みでございますが、まずは申込できなくなった方々について、速やかにポイントの申込が可能になるよう取り組んでまいります。

引き続き関係省庁と連携して、システム・データの再点検を迅速かつ徹底して行っていきたいと思います。

懸念のある方は、マイナンバー総合フリーダイヤル0120-95-0178にお問い合わせいただきたいと思います。

2.質疑応答

(問)総務省から発表があったマイナポイントの誤紐付け最終報告の件でお伺いします。この中には、別人のマイナンバーカードが登録されたことを原因とするものが2件ありました。マイナンバーカードが別人の手に渡った形となりましたが、こうしたことが起きると公的身分証であるため、銀行口座の開設でしたり、コンビニでの住民票などに悪用しようと思えば、使われる可能性があると思います。こうしたマイナンバーカードが別人の手に渡った場合のリスクについてどのように考えるのか、大臣の所感を教えていただけますでしょうか。

(答)マイナンバーカードを同姓同名の方に誤って交付されたというケースがあったということでございます。マイナンバーカードは申請時、あるいは交付時に本人確認をするということで、マイナンバーカードの厳格な本人確認書類としての地位を維持しなければならないところを誤って交付されたというのは、本来あってはならないミスですので、総務省の方できちんと事務フローを見直す、そのためのチェックリストを作成して徹底するということをもう既にしているのだろうと思いますが、それを徹底していただきたいと思います。

(問)マイナンバーカードが同姓同名の別人の手に渡った、別人の方のところに行ったということですけども、デジタル社会のパスポートとしてのマイナンバーカードの信頼っていうのが更に大きく揺らいでおりますけども、大臣はその辺についてはどのように捉えていらっしゃいますか。

(答)先ほども申し上げましたように、あってはならないことですので、交付事務をしっかり実施するため、総務省がチェックリストを作成して徹底するということを行っております。そこをしっかりやっていきたいと思います。

(問)冒頭にあった障害者手帳の誤紐付けなのですけれども、こちらは厚生労働省で詳細が出ているのかもしれないのですが、確認させてください。最初に誤って紐付けがあった端緒が何だったのかということと、先程のご説明の中で個人情報の漏えいはないということでしたけれども、年金のときのように、誤って紐付けられて先の方の情報が見えてしまったことはなかったのでしょうか。

(答)静岡県で、障害者手帳の情報がマイナポータルで閲覧できないという事案があったということが端緒だったと聞いております。6月14日に県から厚生労働省にご連絡をいただいて、厚生労働省から情報共有がありました。その際に個人情報の漏えい、あるいは障害者手帳を使った事務に支障はなかったという報告があったと聞いております。

(問)たまたま紐付けられた相手の方がマイナポータルを見ていなかっただけで、見ていたら見えてしまうという状況だったということですか。

(答)すみません。そこの状況はわかりません。

(問)障害者手帳の問題についてお伺いしたいのですけれども、冒頭で2つ主な原因をご紹介されましたけれども、1つ目が同姓同名で、2つ目が同じ手帳番号を使っていたということですけれども、合わせて数十件ということですけども、どちらの方が規模としては多いのでしょうか。

(答)詳細はまだわかりません。静岡県で調査していると聞いております。

(問)大手電力の送配電部門を切り離す所有権分離について、政府が先週の金曜日に規制改革実施計画を閣議決定した際に、必要性や妥当性について検討するということを明記しました。これについて大臣のご所見をお願いできればと思います。

(答)消費者庁として、今年5月15日に、電力市場における競争環境整備に向けた諸課題について、経済産業大臣宛てに意見を出しております。その中で、送配電事業者の所有権分離、あるいは発販分離について、メリット・デメリットを含めて総合的に検討してくださいという要請をしております。また、大手電力7社の規制料金の値上げ申請に関して経済産業省から協議がありましたが、電力業界の高コスト体質を是正する取組を行うことが必要であるという意見を出しておりますが、その中で、送配電事業者の所有権分離や発販分離といった、高コスト体質を是正する取組を行うことが必要だと申し上げております。諸外国では、所有権分離というものも行われておりますので、仮に日本で、諸外国で行われていることができないというならば、それはなぜなのかという理由も、明確にご説明をいただく必要があるのかなと思っております。

(問)所有権分離について、例えば財産権の問題だったり、それから災害時の対応についてというような慎重な意見も他の閣僚からは出ていますけど、これについては、大臣はどうお考えでしょうか。

(答)既に諸外国では所有権分離というものが行われておりますので、諸外国でも同じような検討をした結果、そういうことになったのだろうと思います。諸外国でできるものが、我が国では導入困難というならば明確な説明というのが必要だろうと思います。

(問)今週金曜日の運用開始を目指したシステム改修についてご発言がありましたけれども、具体的にどういったものなのか。多分、登録時のマイナンバーカードをかざすシステムなのかなと思いつつも、具体的に教えてください。

(答)公金受取口座の登録を始めるときだけでなく、口座登録を完了するときにもマイナンバーカードを改めて読み込んでいただくことで、ログアウト忘れによる誤登録を防止する、そういうシステム改修の運用を23日(金)に開始したいと思っております。

(問)自治体とかの支援窓口での共用端末のみならず一般的なスマホからのマイナポータルでも同様な形のシステムを導入する形で、認識でよろしいでしょうか。

(答)はい。おっしゃるとおりです。

(問)昨日、マイナポータルでの引越し手続ができないという投稿が、SNSなどで見られたのですけれども、どのくらいの時間で影響が出ていて、何が原因だった、こういうことが過去にもあったのかという辺り、もしわかれば教えていただきたいです。

(答)引越し手続、オンラインサービスの申請ができないということが土曜日のお昼頃に発生して、月曜日のお昼過ぎに復旧が完了いたしました。定期的に行っているサーバーの再起動のときに、サーバー上のアプリケーションが意図せず更新されてしまったということが原因だと報告を受けております。マイナポータル上で申請書に電子署名を付けていただくわけですが、それができなくなったということになります。同じことが起きないように確認して、しっかりシステムの運用を行っていきたいと思います。

(問)こういったことって、今注目が高まっているので、こういった反応が出ているのであって、システムを運用していく上では、こういうことは時々起こるものだというふうに理解すべきか、そこまでがわからないのですけれども。

(答)時々起こっては困るわけですが、そうしたことがないようにしなければならないとは思いますが、100%そうしたことが起きないのかと言われるとそこは起き得るとは思いますが、きちんと対応ができるようにしていきたいと思います。2日もかかってしまったというのは問題だと思っております。仮にこうしたことが起きたとしても、復旧をなるべく速やかにできるようにしなければならないと思っております。

(問)普段は置いておいて、時々こういうことが過去にもあったという理解でいいのでしょうか。

(答)この件が過去にあったかどうかは、すみません、今わかりません。

(以上)