本文へ移動

河野大臣記者会見・日EUデジタルパートナーシップ閣僚級会合記者会見(令和5年7月3日)

河野デジタル大臣記者会見・日EUデジタルパートナーシップ会合記者会見要旨

(令和5年7月3日(月)16時53分から17時09分まで 於:オンライン)

1.発言要旨

河野大臣
本日、日EUデジタルパートナーシップ初の閣僚級会合を行いました。日EUの共同議長の形で開催し、共同声明を採択いたしました。

閣僚級会合では、「安全で強靱なデジタル接続の確保」「オープンで、安全な革新的かつ強靱な通信インフラの重要性」「Beyond 5G」「AI・半導体に関する戦略的協力」「サイバーセキュリティー」「信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)」こうしたテーマについて議論いたしました。また今後の課題についても議論を行いました。

日本とEUは自由で開かれたルールに基づく国際秩序の維持、あるいは共通の価値やビジョンを守るために、これまで以上に結束をしていくということを共に確認いたしました。

お手元に共同声明並びに附属文書が配られていると思いますので、ぜひご覧いただきたいと思います。

松本大臣
今、河野大臣からご報告があった通りですが、私が担当する分野と、また、私がブルトン委員と閣僚会合に先だって前の会談で話をしたことを合わせて簡単にご報告申し上げます。

まずは、安全で持続可能な連結性の確保について議論させていただきました。また、この機会にブルトン委員と海底ケーブルに関する協力覚書に署名をいたしました。これは、総務省と欧州委員会との間のものとなります。また、オープンでセキュアなモバイルネットワークについて、そして、次世代通信についての研究開発協力などについても議論を行いました。さらに、AIなど、また、EUCSについても議論をさせていただきました。

それぞれさまざまな意見交換、熱心な議論を行うことができたと思いますが、これも河野大臣からあったように価値観を共有するEUと我が国が結束を深め協力を進めることが重要であるという認識が共有できたと思っています。

太田副大臣
今回の閣僚会合におきまして、経済産業省は、半導体やサイバーセキュリティーを初めとするアジェンダについて議論を行いました。

半導体につきましては、明日7月4日にブルトン欧州委員と西村経済産業大臣との間で半導体に関する協力覚書が署名されることになっておりまして、本日の会合でもこうした協力の成果を確認いたしました。またIoTセキュリティ適合性評価制度やインド太平洋地域向けのサイバーセキュリティ演習といったサイバーセキュリティに係る協力につきましても、これまでの協力の進捗と今後も引き続いて協力していくという方針について確認をいたしました。

引き続いてデジタル分野での日EU協力を進めるべく、経産省として全力で取り組んでまいります。

ブルトン欧州委員
本日、日EU間で大変素晴らしい会合を開くことができました。第1回目のデジタルパートナーシップ会合を開催し、双方が共同議長を務めました。それにつきましては、河野大臣、松本大臣、太田副大臣に大変有意義な議論ができましたことについて感謝を申し上げます。

EUと日本は既に大変素晴らしい経済的な関係を構築しております。また経済的な安全保障についても同じような懸念を抱えております。そうしたことを背景にして、さらに多くの分野で協力を日EU間で強化していくというような勢いが見られます。本日はそうしたものに基づいて、デジタル分野についても多く議論することができました。

本日の会合の中では、大変な重要な分野について、共に議論いたしました。半導体、HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)などについても議論をいたしましたし、またAIについても大いに議論をいたしました。デジタルに関するあらゆることについて、今日は議論をさせていただきました。それによって、経済、市民にとっても新たな機会の創出につながるものと考えます。

先ほど松本大臣からも言及がありましたように、大臣とともに本日は「安全な接続性に関する海底ケーブルに関する協力覚書」に署名をいたしました。明日は西村大臣とともに「半導体に関する戦略的な協力についての協力覚書」に署名をいたします。

このデジタルパートナーシップ会合の次回の開催については、2024年の上半期にブリュッセルで開催できればと考えております。

本日の成果としては主に3つ、デジタルパートナーシップの目標でもある3つの分野が挙げられるかと思います。それぞれの経済の強靭性の強化というのが1点目。2点目が半導体など重要な技術に関する投資の強化。3点目が研究イノベーションに関する優れた協力の推進。これに関しては、スキル・研究者・エンジニアの交流なども含めて強化をしていき、新しい技術・マイクロエレクトロニクスなども含めてさらに協力を強化していくということが3つの成果です。ありがとうございます。

2. 質疑応答

(問)河野大臣に伺いたいのですけれども、G7で信頼ある形でデータ流通促進するために国際的な枠組みを作ろうということで合意されたと思いますけれども、今回の会合で、こういった国際的な枠組みの具体化についてどのような議論があったか教えていただけますでしょうか。また今後、具体的な見通しというものが得られたのか教えてください。

(答:河野大臣)G7で合意をした国際枠組みの設立については、それぞれ国・地域でデータに関する制度やルールが違いますが、そこを尊重しながら相互の運用性を高めていく、あるいは規制の協力、データの共有、こうしたG7で合意をした優先分野について、具体的なプロジェクトを進めていこうということでございます。日本とEU、制度面の違いはありますけども、信頼性を確保したデータ流通、トラストを確保したデータ流通のために、例えばこの技術でトラストを確保する、そうしたことのためにどんなプロジェクトができるだろうかというような議論をいたしました。また日本とEUを含め、各国でユースケースをいろいろと積み上げていこうということですが、日本とEUの間では具体的にこのデジタルアイデンティティ・デジタルクレデンシャルの相互認証の可能性を議論いたしました。具体的なプロジェクトをなるべく早いうちに1つでも2つでも具体的な成果につなげていこうということで合意いたしました。

(問)松本総務大臣に対して、ブルトン委員とのバイ会談の内容についておたずねします。会談では、国際海底ケーブルについての連携の強化が確認されました。背景や狙い、意義について改めて教えてください。

(答:松本大臣)ブルトン委員とは、国際海底ケーブルの協力についての総務省と欧州委員会との間の協力覚書に署名しました。ご存じのとおり、国際通信の99%以上を国際海底ケーブルが担っています。安全・信頼性を高めて、通信の質を向上させることは大変重要なことだと考えておりまして、今回、日本と欧州間の海底ケーブルに係る協力を多面的に強化するということで、このような覚書を締結しました。特に、北極海を経由するなどして日本と欧州を直接つなぐ新たなルートの国際海底ケーブルが同志国の連携により構築されることは、遅延を少なくする、ルートの多様化によるレジリエンスの向上といったメリットがあります。また、日本と欧州の産業データ連携の強化や研究ネットワークの質の向上にもプラスになると考えられます。EUとこれからも連携をしまして、実現に向けた議論の喚起やそれぞれ、具体、実際のプロジェクトの進捗に応じた支援の検討や関連の行政手続の円滑化などを行っていきたいと考えています。
(以上)