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河野大臣記者会見(令和5年7月11日)

河野デジタル大臣記者会見要旨

(令和5年7月11日(火)10時31分から10時53分まで 於:オンライン)

1.発言要旨

マイナンバー情報の総点検につきまして申し上げます。
各制度の現場におけるマイナンバーの紐付け作業の実態把握を行うために、先週7月7日(金)、まず厚生労働省から都道府県及び各関係団体に対して調査の通知を発出いたしました。厚生労働省所管以外の総点検につきましては、それぞれ所管省庁から今週半ばを目途に調査通知を出す予定にしております。

まずこの紐付け作業の確認の調査につきましては、7月下旬を報告の期限としております。各自治体あるいは関係機関の関係者の皆様におかれましては、お手数をおかけしますが、御協力をお願いいたします。今回の紐付けの作業方法の確認結果を踏まえて、個別データの点検が必要なケースの整理を行います。点検が必要と整理されたケースについては、原則として今年の秋までに全てのデータの点検などを実施し、結果の公表を求めることとしております。
健康保険証情報など、総点検とは別に既に個別データの点検をしていただいているところについては、引き続きその作業を進めていただきたいと思います。

コンビニ交付サービスにつきまして、富士通Japan社の再点検の状況をお知らせいたします。

修正プログラムの適用漏れが原因だったことを受けまして、富士通Japanでは過去の全ての修正プログラムの適用状況について再確認する作業を実施してきました。昨日、富士通Japanから123団体で適用状況の確認がとれ、123団体のうちの47団体で全てのプログラムが適用済みであること、その他の団体については遺漏無く適用を行うことという報告を受けました。

デジタル庁からは、修正プログラムを速やかに適用することをお願いするとともに、特に今回の宗像市と同じ別人の情報が交付されてしまうリスクのある不具合の修正、これが適用されていない団体が44ありますので、現時点でこの44団体がサービスの停止をしていない場合は、サービスの停止を改めて自治体と調整して、この44団体、可及的速やかに修正プログラムの適用をすることを要請いたしました。

また、更なる対応策として、富士通Japanが証明書の誤交付の防止を徹底するために新たなフェールセーフ機能を検討し、開発する。そういう報告もいただいたところでございます。

デジタル庁としては、引き続き総務省と連携して、修正プログラムの速やかな適用、特にこの宗像市と同じ不具合の修正プログラムが未適用な44団体については可及的速やかに適用すること、フェールセーフ機能の開発実装についてしっかりフォローしていきたいと思っております。

デジタル大臣として報告いたします。

7月11日、今晩深夜から日曜日の早朝にかけましてフィンランド、スウェーデン、エストニアを訪問します。また翌週、ヨルダン、パレスチナ、イスラエルを訪問する予定にしております。

それぞれの訪問先において、G7の広島サミット及び群馬高崎デジタル・技術大臣会合で合意された、DFFT、信頼性のある自由なデータ流通の具体化に向けたパートナーシップのための制度的アレンジメントにとって重要なユースケースを作るための連携、そしてこのDFFTの枠組みに、ヨーロッパ、中東にしっかり入っていただきたいと思いますので、そうした声がけの中心になっていただく。そうした議論を行いながら、DFFTに関する国際的な盛り上げにつなげていきたいと思っております。

またフィンランドでは、デジタル・人口データサービス庁や財務省を訪問し、もう先方は60年以上このパーソナルアイデンティティコードを運用しております。またデジタル化についてかなり先進的な取組をやっておりますので、日本のID制度との課題の共有、取組の共有、そうしたことを行っていきたいと思っています。またスウェーデンでも、デジタル化を牽引する政府機関、そして企業を訪問し、スウェーデンのパーソナルナンバーのデジタル管理などに関して、課題あるいは現在の運用などについて意見交換をしたいと思っております。エストニアでは、昨年5月に協力覚書、MoCを締結しておりますが、このMoCの具体的な協力に向けて議論を進めてまいります。

翌週のヨルダンでは、DFFTの中東での中心的な役割を果たしていただきたいと思っておりますので、データの流通を中心に、デジタル分野における今後の協力について協力覚書の締結及び署名式を行う予定にしております。

また陸路でイスラエルに向かいますが、パレスチナの自治区で日本がやっている工業団地を訪問し、この工業団地でデジタル企業の支援にも力を入れるということを、これまで日本は言ってきましたので、現場を見ながら意見交換をしたいと思います。イスラエルでは、閣僚級の会合や関係機関の訪問を通じて、最先端のデジタル政策、イスラエルのデジタル政策への見識を深めるとともに、具体的なプロジェクトにおける連携を進めるべく意見交換をしていきたい。

また出張中、情報の共有につきましては、会議体は引き続き実施し、私もオンラインで参加するほか、大串副大臣、尾﨑政務官に陣頭指揮を執っていただくこととしております。

2.質疑応答

(問)マイナンバーカードの自主返納について伺いたいと思います。大臣は自主返納の枚数について、「微々たる数だ」などと仰っていますが、その発言の意図について改めて伺えればと思います。またたとえ微々たる数だったとしても、自主返納の動き自体が制度への不信感の表れと言えると思いますが、この点についてご見解を伺えればと思います。

(答)自主返納の数をとっている自治体の数字を見ると、今申請をされている数に比べると少ないということを申し上げております。マイナンバーとマイナンバーカードについて誤解をされていて、マイナンバーカードを返納すると誤った紐付けがなくなるというような誤解を発信されている方が散見されますので、マイナンバーカードとこのマイナンバーの情報の紐付けは関連性がありません。むしろマイナポータルでご自身の情報が正確になっていることを確認してくださいということを申し上げております。

(問)総点検について伺わせてください。先週金曜日の閣議後の段階で、チェックシートの配布を行うということをおっしゃっていましたけれども、このチェックシートというのは今日おっしゃっていた調査通知のことと捉えてよろしいのでしょうか。また、この調査通知というものは各省庁ばらばらで出していくものですか。総点検本部として出すものではなくて、各省庁でばらばらに出していくものなのか確認させてください。

(答)チェックシートと申し上げていたのが、今回、厚生労働省から発出されたものです。デジタル庁として、まずこの調査書の雛形を作り、それぞれの担当部局でそれに加えて必要な情報がある場合は、デジタル庁と相談していただいて、幾つかの部局で必要と思われるものを追加しております。まず厚生労働省として金曜日に出していただきましたが、この後、こども家庭庁、文部科学省、総務省から発出されることになると思います。それぞれの省庁からまとめて都道府県及び関係団体に出されるということになります。

(問)マイナンバー総合フリーダイヤルについてお聞きします。マイナポータルに関して問い合わせしたい方が総合フリーダイヤルにかけたら、「たらい回しにされた挙句に的を射た回答が来なかった」「不誠実だった」と言った意見が弊社に寄せられました。こうした声に対する大臣の受けとめと、今後このマイナンバー総合フリーダイヤルを改善していく余地があるのかどうか。この辺お聞かせください。

(答)フリーダイヤルに寄せられたご意見につきましては、毎日、情報共有のミーティングで共有しているところです。そうしたことがあったら大変これは申しわけございません。全部個票があるはずですので、日時などがわかれば、ご連絡をいただければ、そこはしっかり調べて対応させるようにしたいと思います。

(問)先程の再点検の関係で、47団体のうち44団体についてはわかったのですけど、残り3団体でどういうプログラムが未適用なのかっていうのと、フェールセーフの更なる対応というふうに富士通Japanがやるよということだったと思うんですけど、これ具体的にはどういったことをやっていく感じでしょうか。よろしくお願いします。

(答)123の団体が富士通Japanのプログラムを利用しております。そのうち47の団体では、これまでの修正プログラムが全て適用されておりますので、残りが76団体ですね。76団体のうち44団体で宗像市と同じ不具合の修正プログラムが適用されていないということですので、この44団体についてはサービスの停止をしているところ、していないところはあると思いますが、していないところについては、改めて自治体と調整をして、まずこの44団体の修正プログラムの適用を可及的速やかにお願いしているところでございます。それ以外の修正プログラムは、他人の情報が交付されるようなリスクはありませんので、これも遺漏なく適用していただきたいと思っておりますが、まずこの44の方を可及的速やかに適用してくださいということを要請しております。最終的に印刷する前に、ご本人の申請と印刷の対象になっているファイルが一致するかを確認して、一致しない場合には、印刷を止めるというようなフェールセーフの機能を検討していると承知しているところです。

(問)マイナ保険証一体化で不安を抱く人が40%から50%、約半分ぐらい残っていても予定通り進めるということなのでしょうか。措置の完了の時に世論調査等で数値目標を入れることを岸田総理に提案されるお考えはないのでしょうか。

(答)不安を払拭できるようにしっかりと措置を行ってまいりたいと思います。

(問)マイナポータルでワクチン接種の履歴の更新が1年遅れていたという自治体があったということで、これは町民の方からの指摘で発覚ということなので、マイナポータルでお気づきになった方がいらっしゃるってことだと思うんですけれども、このようにマイナポータルに載っている情報が間違っているということがあると、自治体のミスであっても信頼性にかかわるところかなというふうに考えておりますが、このあたり大臣どのように受けとめられていらっしゃいますでしょうか。

(答)埼玉県の自治体だったかと思いますが、ワクチン接種のデータを中間サーバーに転送する設定が誤っていた、そういうケースがあったという報告を受けております。見た方はワクチンの記録が入っていないということで驚かれたかと思いますが、そこは自治体も対応してくださっていると思います。
マイナポータルを見ることで、ご自身の情報を確認することができるようになりました。これが今までどおり紙で行政が作業をやっていると、本人は自分の情報がどのようになっているか確認できないわけですが、デジタル化してマイナポータルで自分の情報を見ることができるようになったということは、自身が間違いに気づいて行政にご連絡をいただいて、仮に行政のミスがあったときもしっかりとそれを修正するということができるようになります。以前ですと、行政の中で紙で情報が埋もれてしまって気づかれないということだったのが、デジタル化のメリットの一つが自分の情報の正確性を自分で確認をすることができるということですので、ぜひ積極的にマイナポータルでご確認をいただけたらと思っております。

(問)先ほどの富士通Japanの件なのですが、今稼働状況ってどうなっているのでしたっけ。123のうちどれぐらいが停止して、どれぐらいもう再開しているとか、その辺の数字がわかれば伺えたらと思います。

(答)すみません。今、手元に数字がありませんので、後ほどお伝えします。
(以上)