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河野大臣記者会見・マイナンバー情報総点検大臣会見(令和5年8月8日)

河野デジタル大臣記者会見要旨

(令和5年8月8日(火)14時50分から15時52分まで 於:デジタル庁20階会見室及びオンライン)

1. 発言要旨

先ほど総理出席の下、マイナンバー情報総点検本部を開催いたしました。

総点検本部では「総点検に関する中間報告」、それから「再発防止対策」、「国民の信頼回復に向けた対策」、これを合わせて政策パッケージとして取りまとめいたしました。これは4日の総理指示を踏まえ、マイナンバーの情報総点検の中間報告とともに、再発防止対策とマイナ保険証への国民の信頼回復に向けた対応を盛り込んだパッケージで、デジタル庁、総務省、厚生労働省の3省庁で連携して作成したものになります。

概要の資料をベースにご説明したいと思います。

まず1ページめくっていただきまして、2ページ目。6月に第1回の総点検本部を開いております。個人情報保護の重要性を踏まえて、マイナポータルで閲覧可能となっている29項目について、総点検を行うことといたしました。各データの制度所管官庁において、制度の現場におけるマイナンバーの紐付け作業をどうやっているのか実態把握調査をした上で、個別データの点検が必要なケースを整理するということにいたしました。各省庁及び調査にご協力をいただいた紐付け機関の皆様に改めて感謝を申し上げたいと思います。

そして、その結果、3ページ目、概数になりますが、例えば生活保護では都道府県単位で4つ、市町村単位で約80、介護保険では市町村単位で約90、住民税では約200の市町村、児童手当も約60の自治体で個別データの点検が必要だと判断されることになりました。他方、世帯情報や雇用保険は、個別データまで点検をする必要があると判断されたものはございません。紐付け実施機関におきまして、個別データの点検が必要となったのは、ほとんどのケースで住民基本台帳ネットワークへの照会、いわゆるJ-LIS照会をする際に、本来なら「氏名」「生年月日」「住所」「性別」で当てるべきところ、住所を含まない3情報以下で当てたため、複数がヒットして、本人確認をする方法が定まっていなかったということが原因でございます。

総点検の前に先行して健康保険証、共済年金、障害者手帳の点検をしておりますので、4ページからその状況についてご報告したいと思います。

まず、健康保険証に係る紐付け誤りについては、厚生労働省において全保険者における点検を進めるとともに、今後、登録済データ全体を対象にJ-LIS照会を行っていく予定にしております。今後マイナ保険証のデジタル環境の整備を進めるとともに、マイナ保険証によるメリットを実感していただける実効的な仕組みを作っていくことによって、デジタル改革をしっかり前に進めていきたいと思っております。点検の結果のところを見ていただきますと、3,411の保険者のうち1,313の保険者において1,570万件の登録を実施いたしました。この中で点検データの0.007%、1,069件においてマイナンバーが違っていたということでございます。このうち771件につきましては、アクセスがあったかどうかの確認を完了し、情報が閲覧されたのが5件だったということがわかりました。

5ページ目を見ていただきたいと思います。共済年金の点検の結果につきまして、地方公務員共済、国家公務員共済、私立学校教職員共済における全ての年金受給権者510万件弱について点検した結果、118件のマイナンバーの紐付け誤りが判明いたしました。この全てにつきまして、マイナンバーの修正が完了し、年金支給額に影響がないことは確認しております。今後の対応策といたしまして、資格取得届あるいは年金の裁定請求書を出していただく場合、本人がマイナンバーを書類に記載していただくということを求める省令改正を9月中に行っていただきます。また、本人が記載したマイナンバーを基にJ-LIS照会を行って、「氏名」「生年月日」「性別」「住所」が一致するということを確認するということにいたします。

6ページをご覧いただきますと、障害者手帳の点検結果でございます。J-LIS照会以外の理由によって、マイナンバーの紐付けに関する誤りがあるという、しかも複数あるということが判明しましたので、障害者手帳情報については全ての自治体を個別データの点検対象としたいと思います。これは例えばExcelでいろいろと情報管理をしていて、Excelのデータをコピーするときにコピペ先で1行ずれてしまったというような、そうした人為的なミスがありましたので、紐付けをきちんとやっていたかどうかにかかわらず障害者手帳については全件点検をしていただくということにしております。

3ページ目に戻っていただきまして、3ページ目の一番下のところでございますが、点検結果のうち自治体分につきましては点検対象としたところに、都道府県を通じて今日通知を出したところでございます。また自治体以外の紐付け機関で点検をお願いするところについても、所管官庁を通じて今日通知を出しました。今回紐付けの調査をいたしましたが、対象機関の確定のために、もう一度対象機関となるところに改めて確認をとりますので、対象機関名は8月21日の週に公表することとしたいと思っております。

もう1ページ戻っていただいて、2ページ目です。明日から制度所管官庁が自治体を始め紐付け機関と協議を始めていただいて、点検の範囲、点検の方法、それから原則11月末を期限としてお願いをしておりますが、個別の紐付け機関の状況に応じていつまでに完了できるかという協議を行っていただきたいと思っております。11月末を目標にお願いをしますが、期限ありきではなく、丁寧に点検することを優先したいと思いますので、期限については協議の中で決めていただきたいと思っております。8月中下旬に個別データの点検に本格的に着手をしていただくことになります。

それからこの2ページの下の方に青い囲みがありますが、総点検終了後の取組として住民基本台帳システムと自動連携していない自治体の事務、あるいは住民基本台帳システムと連携をしていても、住所地特例のような住民基本台帳に登録されていないケースがございますので、そういう場合はこの人為的ミスの対応をしなければいけないと思っております。具体的には、いろいろな認定の更新というのが定期的に回ってきますので、認定を更新する際にご本人の状況を確認するわけですが、その際にJ-LIS照会をやっていただいて紐付け誤りがないということを確認する、あるいは万が一誤りがあった場合にはそこで修正をしていただくということで、今後定期的かつ体系的にチェックをしていきたいと思っております。

今年の秋以降、だいたい年に1回認定の更新というのがあるものが多いので、1年で1回確認をすることができるのではないかと思います。適切な紐付けをやっているというところも、最後の入力のところの人為的なミスがないかというと、まあ絶対ないとは言い切れませんので、こういう機会を使ってしっかり今後も確認をしていくということにしていきたいと思います。

総点検に関する費用の負担については、私ども制度所管官庁と紐付け機関で協議をしていただきます。費用の問題、それから人員の問題というのがあるかもしれませんので、そこは協議を行っていただいて、その協議の中で必要とされる支援というのを考えていきたいと思います。

それから、紐付け機関の負担軽減の観点から、支払基金がこれから加入者データのJ-LIS照会をやっていきますが、その際の1件10円につきましては、厚生労働省からの要望を踏まえて、J-LISにおいて特例的に無料としていただくということになりました。

今度は8ページへいっていただいて、これから機関の方で点検作業をやりますが、ご不安のある国民の皆様におかれては、ご自身のマイナポータルでご自身の情報を確認していただくのが一番早く確実に確認できる方法でございますので、是非ご自身での確認もやっていただきたいと思います。万が一何かご不審な点があれば、0120-95-0178、マイナンバー総合フリーダイヤルにご連絡をいただきたいと思います。9ページにやり方が書いてあります。

以上が総点検ですが、10ページ、再発防止対策でございます。10ページをご覧いただきますと、今後もマイナンバー制度を有効に機能させていくためには、やはりこの紐付けが正確であるというのが大事だと思います。特に転記ミス・入力ミスといった人為的なミスをいかになくしていくかというのが大事だと思いますので、まずデジタル庁でマイナンバーを使って登録をする際の横断的なガイドラインを策定していきたいと思っております。所管官庁に制度の登録の申請をする際には、マイナンバーの記載を求める旨、明確にする省令等の改正をお願いしていきます。またJ-LISにマイナンバーの照会をかけるときには、原則「氏名」「生年月日」「住所」「性別」の4情報で照会をするよう、J-LISにおいて照会システムの改修を行っていただくことにしたいと思っております。現在、4情報、例えば漢字氏名を持っていないというようなところもありますので、その辺の対応については今後検討していきます。

また、このマイナンバーを登録する一番最初のところで、マイナンバーカードを提示いただいたり、あるいは書類にマイナンバーをご本人に書いていただいて、それをコンピューターに入力をする際の転記ミスあるいは入力ミスということもありますので、マイナンバーカードなどから直接転記できるような方法を普及することを考えていきたいと思っております。

11ページ目。今後の国民の信頼回復に向けた対応でございます。資格確認書を交付するなど、マイナンバーカードと健康保険証の一体化への移行について、それからマイナンバーカードを取得する際の円滑化、これは特急発行もありますし、施設に入所されている方への出張申請、それから暗証番号が不要なカードの交付を可能にする、あるいは郵便局の窓口を活用した申請の受付といったマイナンバーカード取得の円滑化、これを行っていきたいと思っております。また、マイナンバーカード保険証の利用を促進するために、動画や、マイナンバーカードをカードリーダーに置いてもらうと画面がこういうふうに変わりますというような画面の遷移を載せたビラというものを作りましたので、これを活用すると同時に、デモ機としてスタンドアローンのカードリーダーで、デモ体験をしていただこうと思っております。これは明日の午後、茅ケ崎市役所を皮切りにやっていきたいと思いますので、私も明日、茅ヶ崎市へ行って見てきたいと思っております。

また12ページにいっていただきますと、マイナ保険証を利用するための環境整備ということで、高齢者、指定難病、障害者、あるいは小児医療費、こうした公的助成の受給票もマイナンバーカードと一体化していきたい。これは手を挙げてくれた自治体とデジタル庁で、手を挙げてくれたところからどんどん先行でやっていきたいと思っております。また診察券とマイナンバーカードの一体化は、先進的な医療機関で既に始めてくださっているところがいくつかございますので、マイナンバーカード一つで保険証・診察券・受給証の3つの役割を果たすことができるようにしたいと思います。また、お医者様の手元でお医者様のご自身のマイナンバーカードで電子処方箋の発行ができるようなシステムが入っていきますので、再来年の春までにこの電子処方箋を広げていきたいと思います。そうするとリアルタイムで薬剤情報の共有もできるようになってまいります。

それから、マイナンバーカードの電子証明書のスマホ搭載、Androidは5月11日から始まっておりますが、iPhoneについても働きかけをしているところでございますので、この仕組みを通じて保険証の情報をスマホ搭載できるようにしていきたいと思っております。そうするとスマホ一つで保険証なしで受給できるということになります。2026年を視野に入れたマイナンバーカードの次期カードの検討に入ります。それから今、病院でカードリーダーが足りないという声、あるいはカードリーダーの読取性能がいまいちという声がありますので、カードリーダーの増設、それから読取精度の向上、こうしたこともやっていきたいと思っております。

それから、今日、3大臣、マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会で、最終の取りまとめも行ったところでございます。これは昨年12月に設置し、検討会の下に専門家のワーキンググループを開催して一体化に向けた必要な検討を進めてまいりました。政策パッケージの中に最終取りまとめの内容も反映しております。福祉施設その他カードの取得がなかなか難しい方への取得の支援、あるいは施設でのマイナンバーカードの管理のためのマニュアルの整備、あるいは暗証番号の要らないカードの発行、あるいは出張申請を行う際のマニュアル、そうしたものも盛り込んでいるところでございます。マイナンバーカードによるオンライン資格確認ができない場合の対応について、10割負担にならないように対応をどうするということも盛り込んでいるところでございます。

雑ぱくではありますが、私からのご報告は以上といたします。

2.質疑応答

(問)資料の3ページ、今後、その個別データの総点検に向かう機関の数について伺いたいのですけれども、聞き取りの対象になった紐付け機関は全体で大体3,600と認識しているのですけれども、この3,600のうち、いくつの機関がこの個別データ総点検に移る機関になるのでしょうか。事務ごとにではなく、全体としてどれぐらいの規模になるかというのを伺いたいです。

(答)全体としてどれぐらいになるかというのはあまり重要ではないものですから、今すぐにはわかりません。個別の事務ごとに、どこにやっていただくかというのが大事ですから、個別の事務ごとに所管制度官庁がそれぞれの紐付け機関で点検が必要と整理されたところと、今後協議に入りますので、その点検対象機関数はここに載っているとおりでございます。

(問)例えばこの健康保険証という一番上の項目を見ると、主な紐付け実施機関が全体で3,411あって、点検対象機関1,313とあるのですけども、この1,313というのは、その上に書いてある①から③に該当せず、個別データ点検が必要と判断したのが1,313という認識で合っておりますでしょうか。

(答)ここで言っている点検対象機関は、紐付けの方法を確認する中で必要だと、要するにマイナンバーをもらわないときに住所を当てずにやっておりましたというようなことがある場合は点検対象になります。それが1,313ということになったということで、ここはもう先行して点検をしておりますが、この後、支払基金の方で健康保険証に関しては全件もう一回点検をするということになります。

(問)今の質問に関連して、この3ページ目の点検対象機関数というのは、全体の何割かというのはちょっとまだ計算してないのでわからないのですけれども、当時の想定よりこれは多かったのか、少なかったのか、大臣の所感をお願いできればと思います。

(答)特に当初想定もしておりません。どういう紐付け機関がどう紐付けをしていたかという情報は、私の方にはありませんでしたので、特に当初の想定はありません。

(問)多いとか少ないとか、そういう所感でお願いできませんか。

(答)特にありません。

(問)当初の想定はしていないというお話でしたけども、これから本格的に個別データの総点検に入っていくと思うのですけど、今回の中間報告を受けてスケジュール的に変更を余儀なくされたとか、当初予定どおりなのか、この辺のスケジュール感はいかがでしょうか。

(答)これから個別の紐付け機関と制度所管官庁と協議をしていただきますが、11月末の目標ということでとりあえずお願いをしようと思っております。当初秋と申し上げておりましたので、そんなに変わらないかなと思いますが、紐付け機関それぞれの事情がまだよくわかりませんので、11月末は無理というところがあれば、そこはまた期限は協議をしていきたいと思っておりますが、おおよそできるのではないかなと思っています。

(問)事務と書いてある一番左のカラムは、マイナポータルで閲覧可能な29項目と対応していないかとは思うのですが、例えば予防接種だったり労災補償だったり29項目に含まれているものも含めて、これで全部ということでしょうか。ここに書いていないものは全て点検の必要がないという理解でよいでしょうか。

(答)労災補償は出ていると思います。労災補償についても不一致がありましたので、労災補償、労基署ですからこれは厚生労働省の方でやりますということです。その他という項目を含めて29、たぶん全部返事が返ってきていると思いますので、その他を含めて29項目、一応仕分けをしていると思います。

(問)「事務」と書いてあるのですけど、事務ではなくてマイナポータルの項目という理解で良いですか。たぶん項目の中に事務数でいうと、もっと複数に分かれると思うのですよ。

(答)そうですね。例えば、障害者手帳も、精神・身体など3つぐらい分かれておりましたから、それがここへ一つになっていますので、ちょっと29項目とは対応していません。すみません。

(問)29項目のうちにどれくらいみたいな言い方ってできますでしょうか。

(答)点検が必要なのがここに出ている機関と思っていただいていいのではないかと思います。

(事務方)補足させていただきます。29項目につきまして、ここは全て網羅されております。分かりやすい表現をさせていただいたので「事務」となっていますが、ちょっとわかりにくい項目がありますので事務という形で整理させていただいた。いずれにしても29項目全体がここに書かれている全てとなっております。

(問)点検対象機関数のところで、「約」っておっしゃられたのですけれど、ここに書いてある数字は、80で正しいのか、約80と言った方がいいのか。

(答)約80ということです。

(問)正確な数はまだわからないという理解ですか。

(答)それは1回、所管制度官庁と紐付け機関とでやってもらって、やっぱりやりますとか、そこは外れますっていうのが、協議で出ると思いますので、21日の週に全部発表できるようにしたいと思います。

(問)そうしますと、本日通知したというのは、やってくださいという指示ではなくて。

(答)一応整理がこうなりましたということで、もう一回そこは協議しますということです。

(問)点検の期限についてお伺いしたいのですけれども、これからの制度所管官庁と紐付け機関で協議するということですけれども、例えば自治体ごとにAという自治体は人が足りているので11月末で終わるけれども、Bという自治体が、ちょっと人が足りないとかお金がないとかで12月になってしまうとか、そういった自治体ごとの違いとかも生まれ得るという理解でよろしいのですか。

(答)そのとおりです。期限よりも、しっかりやってくださいという方を優先しようと思っています。

(問)11月末までに原則調査完了ということですけども、これについての結果の公表も同時期の11月末と考えていいのか、あるいは合わせて再発防止策についても同じ段階で公表という形になるのかどうか。そのあたりのスケジュール感を教えてください。

(答)個別の点検結果がまとまり次第報告したいと思います。11月末までに大半が終わってくれれば、若干残りはあるにしろ、どこかで報告したいと思います。

(問)先ほど大臣は、自治体の負担軽減のお話もされていたと思うんのですけれども、デジタル庁として何か独自に支援するパッケージなど、そういうものについてお考えがあるのでしょうか。

(答)デジタル庁として、点検に使える、氏名や住所の表記揺れを突き合わせるためのツールというのを今、開発しているところでございますので、必要な自治体に使っていただけるところまで精度を上げて必要なところには使っていただけるようにしたいと思います。

(問)それも希望するところには配布するという形でやっていきたいということですね。

(答)はい。

(問)今回、適切に紐付けているところと、してないところとわかったわけですけれども、ここまでの点検の中で適切な紐付けが行われていなかった理由については、どのように分析しているか。要は人員の問題なのか、周知が不足していたのか。このあたりどう捉えていますでしょうか。

(答)そうしたこともこれから見ていかなければいけないかなと思っています。まだ中身がどういう理由でこうでしたというところまで私自身伺っておりません。

(問)総点検を行うことで、ようやくその実態を把握できてきたと思うのですけれども、政府のこれまでの対応として、改めてどこに問題があったとお考えでしょうか。

(答)やはり同姓同名で同じ生年月日の人が1億2,000万人の中でこれだけいるのだという認識が各紐付け機関の中で薄かったのかなと。だから表記揺れの多い住所を飛ばして当てて紐付けをしてしまっていたというところがあったと思います。今回の総点検の事前の準備のところで、それが問題だったということがかなり明確になりましたので、それぞれの紐付け機関でそこはしっかり認識していただけると思います。我々としても、マイナンバーをきちんと記載していただく、あるいはマイナンバーをもらったら4情報を確実に当ててみる、そういう作業をやっていくことで紐付けの誤りがないように、そこはしっかり確認をしていきたいと思っています。

(問)マイナンバーの記載の義務化なのですけれども、これはその制度を所管する省庁ごとに対応ということですが、これいつまでに終えるというような目標はありますでしょうか。

(答)省令改正は9月中にお願いをしています。

(問)保険証において、一部のケースでは、住所を必ずしも本来の住民基本台帳の住所でない住所を記載されているケースがあるとも聞くのですが、そうすると4情報の一致の確認というのは、必ずしも解決策になるのか。その場合はマイナンバーを本人から直接集めないと難しいこともあるところですが、そういうケースにおいてはどのように考えていますか。

(答)今後は住所もしっかり持っていただくことになるのではないかなと思います。今までは住所がなくてもやっていた部分というのがあるのだろうと思いますが、やっぱり今後は4情報、あるいはマイナンバーを入れた5情報でしっかり確認してくださいということになりますと、住所についてもしっかりアップデートしていただくということになろうかと思います。

(問)健保組合が住所のアップデートを保険者に積極的に促していくというか確認していくということが必要ということでしょうか。

(答)J-LISの方で最新のデータを持っていますから、マイナンバーで一回紐付けがきちんとできれば、おそらくJ-LISの情報を使って住所のアップデートというのはできるのではないのかなと思っております。そこのところは調べさせてください。

(問)改めて原因についてなんですが、これだけアナログの作業が大量にあるということにおいて、なぜもっと半自動化とかデジタル化ができなかったのか、そういう発想に至らなかったのかといった点についてはいかがでしょうか。

(答)そこはもう佐藤栄作内閣時代の国民総背番号制反対から延々あるのだと思います。やっぱり諸外国を見て回りましたけれども、ID番号をもう50年使っていますという国が北欧などではある中で、やっぱり日本はなかなかそこに踏み込んでこれなかったということなのだろうと思いますので、やっぱり年間に80万人人口が減少し、高齢化が進んでいく日本の中で、今までと同じ行政のやり方を続けるということはもう困難になっていくわけですから、これをきっかけに行政のデジタル化、思い切ってアクセルを踏んでいきたいと思います。

(問)もう少し具体的な話でいうと、J-LIS照会の事務自体がこういう人手に完全に依存しているインターフェースしかなかったという点についてはいかがでしょう。

(答)いろいろなものを自動で当てていく、住所変更なんかも一々届けを出したりしないで、1か所は出さざるを得ないと思いますが、1か所やったらその情報がきちんと共有されるというのが本来の意味でのデジタル化だと思いますので、それができるようにシステムを作っていかないといけないと思います。

(問)今、国民に関する情報を中央集権的に一元管理ではなくて分散管理しているというところがあります。正確性とか手間だけを考えたら一元管理の方がいいという考えもあり得ると思うのですけれども、そういった国民情報の管理のあり方について大臣のお考えがあれば聞かせてください。今後、どういうふうにやっていくべきか、そういった社会の変化もお願いします。

(答)北欧を視察しましたけども、多くの国がID番号をいろいろなものに使っているという状況でありました。日本の場合はさっき申し上げたように、この50年間の歴史というのがありますから、なるべく分散管理というやり方をとって今日に来ているわけです。まずはこのやり方で紐付けの誤りをきちんと廃して、今後もう少し最初のマイナンバーの読み込みのところからできれば自動化を推し進めて、人手を介さずにマイナンバーで様々な紐付けができれば、紐付け誤りというのはゼロに極めて近くできるわけです。日本の技術力でそれができないとは私は思っておりません。まずは今のやり方でどこまでデジタル化が進められるかというところに注力をしていきたいと思っておりますが、同時におっしゃったような今後のあり方についての議論というのは、これはもう各界でやっていただく必要があるかなと思います。ただ見ていると芋づる式に何かというよりは、分散管理している方が安全は安全なのだろうと思いますので、両方のメリットのどこをとるか、それはもう国によって事情が違います。特に歴史的な背景も違いますから、一概に他国がやっているのがいいと言うつもりはありませんが、マイナンバーの新しいカードへの移行についても、どういう次期カードがいいのかという議論も始めなければいかんと思っておりますので、いろいろな議論をしていただいて、決めていきたいと思っております。

(問)資格確認書を創設するということなのですが、これは従来の紙の保険証と大差ないと。併用すれば、無駄な税金、発送業務等が生じないということで、何で紙の保険証の併用を5年間というふうにしなかったのでしょうか。

(答)マイナンバーカードを保険証として利用していただく、紐付けされている方が6,500万人おりますから、今までのように全員に保険証を出す必要はなくなりましたので、マイナンバーカード保険証をお持ちでない方に限って資格確認証をお出しするということにしております。今までは、転職する・引っ越す度に新しい保険証に変わっておりましたけれども、マイナンバーカード保険証ではそういう手間も要らなくなりますし、マイナンバーカード保険証を利用される方が増えれば、資格確認証の発行枚数はどんどん減っていきますので、手間もコストも省けると思います。

(問)マイナ保険証を持っていない人が紙の保険証を持っているわけですから、その人が併用できるというふうにすれば、もっとシンプルになるのではないですか。

(答)保険証の廃止は法改正で決まりましたので、マイナンバーカードを持ってない方には資格確認書をお出しするということになります。

(問)マイナ保険証一本化によって医療サービスの低下につながるおそれはないのでしょうか。国民の医療を受ける権利を侵害すると。既に一本化に対応できないので、病院を閉めるとか診療所を閉めるとか、トラブルで窓口業務が煩雑になって本業の診療に差し障りが出ていると、そういう弊害が医療関係者から出ているのですが、そのデメリットの調査は総点検には含まれていないのでしょうか。

(答)含んでおりません。

(問)デメリットを調べずにメリットだけ強調してごり押しするということですか。

(答)デメリットについてはこれから解消してまいります。

(問)解消しているかどうか調査しないとわからないわけじゃないですか。

(答)総点検の中ではやっておりませんが、デメリットについての調査はやっております。

(問)どういう形でやって、今までどういう声が集まっているか教えていただきたいのですが。

(答)様々な声が上がってきておりますので、それを今対応しているところでございます。

(問)そもそものことなのですけども、先ほども50年の歴史のお話があったのですが、マイナンバーカードの利用促進のアクセルを踏む前にこういった作業がもしできていたら、よりスムーズだったんじゃないかと、順序の問題なのですけれども、その点まずお考えをお聞きしたいのですが。

(答)ニワトリか卵かということなのだと思います。これは、紙でやっていれば紐付け誤りというのは出てこないんですが、マイナンバーカードが普及してマイナポータルを見てくださる方が増えたことによって、紐付け誤りというのがわかってきて、この総点検に結びつくということになりました。だから、紙に戻せというと、紙の中に誤りが埋もれてしまいますので、今回の総点検できちんと対応していきたいと思います。

(問)点検の目途を、目標として11月末と、ただし日程ありきではないとおっしゃいましたけれども、一方でマイナ保険証に一本化するという日程自体は後ろで決まっている。この関係についてどうかということをお尋ねしたいのです。どう国民が感じるかとか、そういうことを踏まえて判断されるという関係があるのか。それとも、これはこれ、一本化は一本化ということなのか、教えてもらえますか。

(答)保険証の廃止は法律で来年の秋ということになっていますので、総点検は十分余裕を持ってやっております。

(問)直接の関係は、そこはないということですね。

(答)はい。

(問)今回の中間報告でも、健康保険証との紐付けミスで1,000件を超えるミスが発覚して累計8,000件を超えました。改めて今回の中間報告の受け止めと、大臣が期限付きでマイナ保険証への一体化を進めるなど、マイナンバー政策を主導された大臣として今回の事態を招いた責任については、どのように考えていらっしゃるのでしょうか。

(答)今回、マイナンバーカードが普及して、マイナポータルを見ていただく方が増えたことによって、紐付けの誤りというのが出てまいりました。これはマイナンバーカードを普及させていなければ、紐付けの誤りのまま埋もれていたわけですから、今回の総点検できちんとこれを是正していくということが大事なことだと思っております。

(問)ご自身の責任については、どのように思っていらっしゃいますでしょうか。

(答)しっかりと日本のデジタル化を進めていくのが私の責任だと思っております。

(問)内閣人事、秋にも控えていますけれども、総点検は11月末にもということですが、総点検後もご自身で大臣を続けられてしっかりやっていきたいというお考えでしょうか。

(答)それは総理にお尋ねください。

(問)先ほど、ニワトリか卵かというお話がありましたが、今出てきている紐付け過りの原因など、課題について、アクセルを踏む前に整理しておく必要があったのではないでしょうか。先ほど紐付け機関の認識不足というお話もありましたが、政府・国として不信を招いてしまったところへの反省点というのは改めてどこにあるでしょうか。

(答)紐付け機関において、同姓同名で生年月日が同じという方がたくさんいるという認識がどこまであったかというのはわかりませんが、紐付けの誤りを排除できない方法でやっていたというのは非常に残念だと思いますが、ここでそれぞれの紐付け機関が認識を新たにしていただいたと思いますので、今後の紐付けの誤りというのは、人為的なミスはゼロにはできないかもしれませんが、劇的に減らすことができるというのは、このスタートの時点で行えてよかったのではないかと思います。

(問)数字の確認ですけど、3ページで、健康保険証の1,313は、全て紐付け作業が不適切だったのが1,313なのか、もしくは一部で紐付け方法自体は適切だったけど確認が必要なものが含まれているのか、お伺いできますでしょうか。

(事務方)1割は、紐付け方法が不適切だということ。残り3割は、そういったことは確認できなかったけれども、念のため確認したいということでございます。

(問)全数調査というのが3項目あると思うのですが、共済年金、公金受取口座、障害者手帳。全数調査になったものはどういう判断で全数調査が必要になったのかをお伺いできますか。

(答)共済年金と公金受取口座は、総点検をこういう形でやろうという前に、もう先行して調査をしようということでしたので、全部チェックしました。それから、障害者手帳については、紐付けはちゃんとやっていたのですけれども、さっき申し上げたようにコピペするときに一行ずれが発生していたみたいなことが複数あったので、これは紐付けの問題ではないということで、これについては特に全数調べてくださいというお願いをすることになりました。

(問)公金受取口座については一度点検されていると思うのですが、またこれからやるということですか。
(答)そうではなくて、やりましたということです。

(問)今回、紐付け誤りが数千件出てきたことは、普及を進めたことによって、国民の皆様にマイナポータルを見ていただく機会が増えたことによって紐付け誤りが判明した、ということをおっしゃっていますけれども、確かに割合は少ないながらも、他の人に情報を見られたのではないかとか、見る必要ない情報を見てしまったという、ちょっとひやりとしたりとか、気持ち悪い思いがしたりとか、国民の方の一人一人の感情にはちょっと寄り添い方として、言葉がちょっとどうなのかなと少し思ったのですが、そういう困った思いを持っていらっしゃる方には、どういうふうにお言葉をかけたいと思うのでしょうか。

(答)そうした方々にはこれまで何度も申し上げているように、大変申し訳なかった、個人情報保護の観点からこれは重く受けとめなければいけない事案だと思っております。そういう中で、そうしたことをなくすために、今回総点検を行っているわけでございますので、これは紐付け機関と協力をしながらしっかり対応していきたいと思います。

(問)29項目の細かい全部の数値みたいなもののデータなどがありましたら、後でそういうのを見せていただくことができないかお願いしたいのですけれども、その辺はいかがでしょうか。

(答)どういう形で情報をとっているかというのが問題なので、出せるか。

(事務方)情報がございますので、後ほどご説明申し上げます。

(問)3ページの資料なのですけれども、先行して点検するというものは、これまでの閣議後会見などで、その都度、先行して点検しますと言ったりしたのでしょうか。

(答)まず総点検というのがなかったものですから、その都度点検しますと言って点検をした。総点検が出てきたので、これらについては先行して点検が済んでいますと、そういう意味です。やった頃は後から来るというのは知らなかったので、先行してという言葉は使ってないと思います。

(問)医療保険の紐付けミスの件ですが、点検対象となった保険者1,313団体ということで、当該の保険組合に所属する全ての被保険者の点検対象の調査をされたということでしょうか。それとも厚生労働省が自分たちで示した3情報のJ-LIS照会をした事例に限られるのが今回の点検対象でしょうか。

(答)1,313は全部対象にしているよね。

(事務方)そうです。1,313団体の加入者について登録データを点検したということ。

(答)1,515万件は終了して、残り55万件です。

(問)1,313の保険組合の全ての被保険者をチェックされて報告されたという理解でよろしいでしょうか。

(事務方)点検をやった保険者については、全ての被保険者について確認をしたと承知をしております。

(問)各保険組合が保有している漢字氏名、住所は、住基ネットの保有の住所その他と異なる表記が多いと思います。そのために、5情報又は4情報でJ-LIS照会をかけても完全に一致しない場合がほとんどです。完全に一致しないので、部分検索などで何とか一致させているというのは、保険組合の今の紐付けに当たっての作業になります。どうしても4情報・5情報で今後一致させるということで事態が解決するとおっしゃいますが、そういう今、住所、漢字氏名の違いが厳然として残りますので、最終的には、目視・目検による確認になると思います。それについて、河野大臣のご見解をいただきたいと思います。

(答)表記揺れの突き合わせができるようなシステムの開発をデジタル庁で進めておりますので、それを使ってもらえば、かなりのところは目視を減らすことができると思います。

(問)保険証の部分で、先ほど1,069件が新たにと出てきたのですけども、これは以前の数字と足すと8,441になるという計算をしても大丈夫なものでしょうか。

(答)はい。そう理解しています。

(問)薬剤情報が閲覧された10件も10件プラス5件の15件という。

(答)そう理解しています。

(以上)