河野大臣記者会見(令和5年8月25日)
河野デジタル大臣記者会見要旨
(令和5年8月25日(金)11時01分から11時47分まで 於:オンライン)
1.発言要旨
8月17日から20日にかけまして、インドで行われましたG20デジタル経済大臣会合へ参加してまいりました。他国から参加された閣僚とのバイ会談、あるいはデジタル関連企業への視察といったこともございました。
会合では、議長国インドが設定した3つの議題、「デジタルインクルージョンとイノベーションのためのデジタル公共インフラ、Digital public infrastructure、DPI」、2つ目が「安全・信頼性のある強靱なデジタル環境に向けたセキュリティ」、3つ目が「将来のグローバルな労働力の確保のためのデジタルスキル」、この3つの議題について議論を行い、成果文書並びに議長総括が発出されました。
日本が提唱してきたDFFTの重要性が今回の会合でも再確認され、オープンで相互運用可能かつ安全で包摂的なデジタルインフラが未来の経済を牽引し、成長・イノベーション・持続可能な開発を促進し得る、こういうことを確認いたしました。議長国のインドやG7各国等との二国間会談では、DFFTの具体化に向けて協力を呼びかけ、データの国境を越えた流通なしに経済発展は難しいという認識が経済規模を問わず各国に広がってきたという印象を受けました。有志国で連携し、更に広く国々に呼びかけてDFFTの具体化の取組を着実に進めていきたいと思います。
また、G20の本会合の前には、インドの非営利団体や企業を訪問し、会合が行われたベンガルールに進出している日系の現地の方々との意見交換も行ってきたところです。インドはかなり貪欲にデジタル化を進めてきておりますが、そうした強い意欲を我々も見習っていきたいと思っております。
マイナンバーの総点検の状況についてお知らせいたします。
今月8日、中間報告で、紐付け作業に関する実態把握の調査の回答をもとにして、個別データの点検対象となる紐付け機関を判別したということをお伝えいたしましたが、その後、個別データの点検対象となる紐付け機関とさまざま詳細の確認を行っております。点検対象機関の確定を丁寧に行いたいと思っておりまして、自治体を中心に今日も確認作業を継続しております。今後、若干数字は動くと思いますが、点検が必要となる機関の数は労働基準監督署が1つ、それと都道府県及び市区町村がおそらく400から500程度になるのではないかと思います。確認作業を継続しておりますのでこの数は概数で多少上下すると思います。
都道府県は3つの障害者手帳関係事務を全て点検対象といたしましたので、全ての都道府県が対象となっております。障害者手帳関係に加えて、平均するともう1つ事務が対象になっている都道府県が多いようですので、平均すると一つの都道府県で4つの事務を点検していただくことになるのかなと思います。市区町村につきまして、点検対象となった市区町村に関して申し上げると、平均して大体2つぐらいの事務が点検対象になると見込んでおります。
各自治体で実施していただく個別データの点検は大きく3つステップに分けて考えたいと思っておりまして、最初のステップとして、それぞれの自治体で点検対象となる事務の業務システムから点検対象のデータを抽出していただき、住民基本台帳のネットワークシステムの方からも情報を抽出していただく、これが最初のステップです。抽出が終わったところで、その抽出された情報の氏名・生年月日・住所・性別を突き合わせして一致しないデータを特定する、ここまでが第2ステップだと思っております。第3ステップとして、一致しないデータについて登録されたマイナンバーや情報が本人のものであるかどうかを本人確認書類の提出を求めるなどして確認したい、これが最後のステップになります。
スケジュール感としては、これはあくまで一つのモデルケースだと思っていただきたいと思いますが、最初の抽出のプロセスを9月中に、その抽出された情報を突き合わせるというステップを9月下旬から10月上旬にかけて、そしてそこで一致しないものについて、本人の確認をするという第3ステップを10月に始めて11月末に終わるということを想定しておりますが、スケジュールありきではなく、丁寧な点検が大事だと思っておりますので、実際のスケジュールは個別の機関の状況・事情に配慮していきたいと思っております。
対象となっている自治体がこの3つのステップのどの段階にあるかということについて、月1回ぐらいの頻度で確認をしていきたいと思っております。また、こうした点検を円滑に行うために全ての自治体に対して、今日、点検マニュアルの送付を始めているところでございます。これは点検対象の事務のない自治体にも点検マニュアルを念のためにお送りいたしております。点検マニュアルは、個別のデータの点検の範囲、これは以前の記者会見でも申し上げたと思いますが、市区町村では住基のシステムと自動連携でマイナンバーを取得する機能があるところがほとんどでございます、それがあるところは住民登録のある住民の方々は点検の対象外となりますので、点検が必要とされた事務の中でも、住民基本台帳に登録されていない住民登録外の方に限定されるということになりますが、そうしたことや点検方法などについて、このマニュアルで詳しく記載しております。
点検対象については先ほど申し上げましたように、どこが対象になるか、今精査をしているところですが、点検が必要だという自治体あるいは点検をやりますよという自治体は、このマニュアルを確認していただいて、速やかに点検作業に着手していただくようにお願いしたいと思っております。
また、都道府県の中では障害者手帳の事務など点検の対象者が多い事務があるかと思います。そういう場合に点検を支援するツールをデジタル庁で、今、開発できないかトライしているところです。デジタル庁で開発して、名前や住所の表記揺れを考慮した照合ができるツールができないかということを考えています。先ほども申し上げた第2ステップの自治体の業務システムから取り出したデータと住基ネットのデータの照合を少し支援することができるようなツールを開発できないかと思っておりますので、今日一部の自治体にこのツールのテストをお願いしているところでございます。9月下旬、この2つ目の突き合わせのステップが都道府県で本格化すると見込まれる時期に、このツールが利用可能ならば配布していきたいと思っております。市区町村は、おそらく住民登録外の方が点検の対象になって、対象者が少ないと思いますので、ツールを利用するよりも目視・読み合わせ・ダブルチェックといったやり方の方が早いと思いますので、支援ツールの利用を前提とすることは今我々としては考えておりません。都道府県ですとか、都道府県の事務を一部委託されている政令市・中核市で使えるかなと思っているところでございます。
昨日総理にこうした状況を報告し、総理から、作業スケジュールの進展状況が自治体や国民の皆様にしっかりと見える形で点検をしてほしいという指示がございました。また、点検を実施する都道府県・市区町村に対して、国としてしっかり支援をするということについてのご指示もいただきました。
点検作業の実施に当たっては、自治体の現場の声を丁寧に聞いて、デジタル庁として全面的に支援を行っていきたいと思っております。関係機関の皆様には引き続きご協力をお願いしていきたいと思います。
3つ目ですが、アナログ規制見直しによる経済効果について中間報告をしたいと思います。
デジタル臨時行政調査会では、コロナ禍で我が国のデジタル化の遅れが露呈し、業界の人手不足も顕在化しておりますので、アナログ規制を一掃すべく取り組んで、該当する法令約1万条項の見直しに関する工程表を昨年決定したところでございます。
工程表に記載したアナログ規制の見直しによる効果を定量的にお示しすることで、それぞれの省庁における見直しの取組を後押ししていきたいと思い、デジタル庁から株式会社三菱総合研究所へ委託するという形で、規制見直しによる経済効果の推計を行ってまいりました。
三菱総研の推計では、デジタル化によるコストの削減効果と、新たなデジタル技術を導入することによる市場が拡大する効果に着目し、例えば報告書の提出を光ディスクで求めている規制や、河川の巡視を目視で行うことを求めている規制等、類型ごとに130を超えるモデル事例を分析し、全体に拡大するというやり方で推計を行ってもらっております。調査の詳細につきましては、この後、事務方より別途説明いたします。
推計の結果、規制を見直すことで約2兆9,000億円のコストの削減が可能になる。また、市場の拡大が約9,000億円ある。その結果としてGDPが約3兆6,000億円増加するという推計が出されております。また、規制の見直しによって業務量として約25万人相当の負担軽減につながる。目下の課題である人手不足の解消にも貢献し得るという見通しが示されたところでございます。
アナログ規制の見直しによる効果が非常に大きいことをある程度定量的に示すことができたと思っておりますが、今後実際に進捗している規制の見直しの現実の状況を勘案しながら推計を精緻化し、来年の春頃にもう一度最終報告を出していきたいと思っております。
こうした推計される効果が実現するよう、工程表に沿った各府省における見直しの取組をお願いしたいと思っております。
マイナポータルのベータ版をリリースいたしました。
利用者が更にわかりやすく簡単に手続きや情報確認が行えるように、デジタル庁でマイナポータルの改修を進めてまいりましたが、昨年12月に提供したアルファ版の改善版として、昨日24日からベータ版の提供を始めました。
ベータ版は、より少ない操作で簡単にマイナポータルへログインができ、画面デザインあるいは操作性をより良いものに刷新してまいりました。例えば、これまではトップ画面に非常に多くの情報を表示して、ログインボタンがわかりにくいというようなご要望がありましたが、シンプルでわかりやすい画面に変更いたしました。また、今後はこのベータ版の画面をデフォルトの標準画面として設定して、マイナ保険証の情報や公金受取口座の情報がログインした後のページからすぐにわかるようにしていきたいと思っております。
このベータ版は、いきなり全員にアップデートするのではなくて、一部の方から順次提供する、カナリアリリースと言われるそうですが、カナリアリリースを行っています。お使いの端末で利用可能となった方は積極的にご利用いただきたいと思います。また、そうでない方は少々お待ちをいただきたいと思います。
今後も順次機能を拡充して、国民の皆様の声を反映しながら、より利便性の高いサービスを提供できるよう努めてまいります。
2.質疑応答
(問)マイナの総点検で1点お伺いしたいのですが、8日の中間報告のときに、点検対象機関の具体名が今週公表されるというようなアナウンスがされていましたけれども、本日発表されなかったということで来週以降になると思うのですけど、目途としてはいつ頃公表になるのでしょうか。
(答)今それぞれの自治体とやりとりしているところでございますので、そんなに遠くにはならないと思いますし、点検の対象になっている事務が間違いなく確定している自治体においては作業を始めていただこうと思っておりますので、そんなに最終確定まで時間がかからないのではないかと思っております。丁寧にやりとりしておりますので、もう少々お待ちください。
(問)昨日、厚生労働省がマイナンバーと公的医療保険情報が紐付けられていなくて、マイナ保険証として利用できなくなっているケースが合計で77万人分見つかったと発表されました。所掌は厚生労働省かと思うのですけれども、こういったことが起きていることへの大臣の受け止めと、障害者手帳とか共済年金とか他の紐付けでも同様にこういった例が起こり得る可能性というのはあるのでしょうか。
(答)紐付け誤りを防ぐために、基本的にマイナンバーを提出していただく、あるいはマイナンバーがない場合には4情報でJ-LISに照会かけるということを徹底していただくことにしております。今回未登録になっているのは多くの場合被扶養者の方ですが、その方々のマイナンバーが、提出をお願いしているけどもまだ提出がなく、J-LIS照会で4情報が一致していないという方ですので、これは紐付け誤りを防ぐためのプロセスの中ということでございます。全てのマイナンバーの紐付けで、マイナンバーの提出がない場合には4情報による確認、それがない場合にはご本人に確認するということを徹底していただきますので、どの情報項目でもそうしたプロセスの一部になる方はいらっしゃると思います。ただ今回、マイナポイントが付いたのでマイナ保険証の登録ができていると思っていらっしゃった方がいると思います。そこは大変申し訳なく思っております。ぜひマイナポータルで紐付けができているかどうか、ご本人で確認していただきたいと思っておりますが、9月からそうした方々に「データが未登録となっています」、「マイナンバーを提出お願いします」というお知らせをさせていただこうと思っております。これまではおそらく、保険者から被保険者ご本人に扶養者・被扶養者の方々のマイナンバーの提出のお願いをしてきたのだと思いますが、未登録の方に直接そういう作業をして、お願いをするという作業を始めることになるだろうと思います。
(問)保険証情報を今回調査したわけで、それ以外のところは調査する予定というのはあるのでしょうか。
(答)調査というか、これは登録の中のプロセスですので、そのプロセスになっている方は常時いらっしゃると思います。特に調査ということではなく、普通のプロセスだと思いますので、今日それが何人いるというのはあまり意味がないのではないかと思います。
(問)処理水の放出が昨日始まりましたけれども、食品安全担当大臣として風評にどう対応していくのかということと、中国政府が日本産海水産物の禁輸を昨日発表しました。これに対しての対応もあわせてお願いいたします。
(答)今回の処理水は、WHOの飲み水の基準と比べても、その何分の1というトリチウム濃度で出しますので、科学的に安全性に問題はないということを、わかりやすく正確に情報発信していきたいと思います。これまでも日本産食品の安全性に関するメッセージ動画を、日本語はもちろんのこと英語、中国語、韓国語で出してまいりました。そうしたことを引き続き行っていきたいと思います。また日本を訪問されるインバウンドのお客様にSNSなどで安全性をしっかりと発信したり、各国の在外公館で動画などを活用していったり、あるいはいろいろなリスクコミュニケーションの機会を通じて、いろいろな言語の冊子これもインバウンドの方々を中心になるかと思いますが、そういうことに努めていきたいと思っております。中国に関して申しますと、これから団体の中国のお客さんが日本に大勢いらっしゃると思いますので、そうした方々は中国が今禁輸している日本の水産物をお寿司、お刺身、その他食べられるということになりますので、そういう方が帰国されて「日本の海産物おいしかったね」そういう話をしていただけるのではないかと思います。中国に対しては、もうこれは中国政府が非科学的にある面政治的にこうした措置をとっているわけでございますから、そこについては消費者庁というよりは、もうこれは外務省から中国に直接こうした措置の撤廃を求めていくと同時に、国際社会に対してこの非科学的な、全く科学的根拠のない非論理的な中国政府の対応について情報発信をしていくということになるのだろうと思います。
(問)総点検についてお伺いします。一致しないデータがあった場合なのですけれども、その当事者のデータの扱いをその間どうするのかというところで、第2ステップが9月下旬から10月上旬で、その後突き合わせの最終の第3ステップが11月末ということなのですけども、この間データが一致してない人っていうのはマイナポータルで情報が見られなくなってしまうでしょうか。その辺不安の払拭のためにも、ご説明をお願いします。
(答)紐付け誤りの疑いがあるものについては、マイナポータルでの閲覧を一時停止させていただきます。おそらく一致しないのは、ご本人が引越をされて住所が違っているようなケース、それから誤った紐付けのケース、それからその中間でわからないケースになるのだろうと思います。ご本人のものだというのが確認された場合には、ご本人の情報を正しく修正して閲覧できるようにしますし、紐付け誤りだというものについては修正して閲覧できるようにする。曖昧なものについては、これはご本人に確認がとれるまでは閲覧を停止させていただく。確認がとれ次第、正しい情報にして閲覧を復旧する。そういうことになります。
(問)総点検の関係で、本日マニュアル配付されたということですけれども、こちら、昨日総理からも自治体の支援をしっかりというようなご指示もあったかと思うのですが、大臣としてはこの自治体の負担感の軽減について、このマニュアル作成の上でどういったことをご配慮されて、今後もデジタル庁としてどういうふうにご対応されていくかというあたり教えてください。
(答)市町村に関して申し上げれば、住基システムで自動連携している自治体がほとんどだと思います。そういう自治体はおそらく点検対象は住民登録のない方に限られると思いますので、点検対象になるデータ数は非常に少なく目視でやっていただけるのではないかと思っております。都道府県に関して、障害者手帳の関連の事務に関してデータ件数がかなり多いことになりそうなところがありますので、そこについては今デジタル庁で何らかのツールを提供できないか、今日からテストしております。1万件あるデータをツール使って千件ぐらいに絞るということができないだろうかと思っておりますので、このツールがどれぐらい現実に利用可能なものかというものをまずテストをしていきたいと思っております。それから、自治体の業務システムからのデータの抽出が、これを自分でできる自治体とどこかに頼まなければいけない自治体というのがありますので、その状況を見極めながら必要な支援は行っていきたいと思います。
(問)マイナンバー情報の総点検で確認したいのですけれども、大臣、今日、自治体の大体の対象になる機関数の概数を話されたかと思うのですが、個別の機関名の公表を今後される中で、健保組合など保険者も対象になってくるかと思います。そこの部分については、今確認作業はどのような状況になってらっしゃるのでしょうか。
(答)健康保険については、支払基金の全数データチェックになりますので、今回の紐付けの対象にはなりません。
(問)個人情報保護委員会による立入調査のことについてお伺いします。これまでのところ大臣に対して、個人情報保護委員会から聞き取りなどはあったのでしょうか。大臣就任会見で個人情報保護委員会について「私が何かやることではない」という発言をされていましたけれども、その認識についてお変わりはないでしょうか。
(答)個人情報保護委員会は独立した機関ですので、大臣として個人情報保護委員会に関する法案の提出とかがあれば対応することになりますが、個人情報保護委員会の活動について何か大臣として行うということはございません。今回の立入調査で、特に今私が何かやっているということは、今までございません。
(問)ヒアリングはないでしょうか。
(答)はい。ありません。
(問)マイナ保険証一本化で、資格保険証を新たに作ると手間暇税金が余計にかかるということで、今の紙の保険証にシールを貼って資格保険証にするという簡便な方法を経済評論家が提案しているのですが、これについて前回お聞きしたときに厚生労働省に聞いてみるとお答えになったのですが、厚生労働省に聞いた受け止めと河野大臣自身のお考えをお伺いしたいんですが。
(答)政府として検討しておりません。
(問)総点検の具体名公表に向けたスケジュールなのですけれども、今回遅れてしまうことになったのは、どこにボトルネックがあったのでしょうか。丁寧にやりとりすると、自治体とのやりとりでどの辺に課題があったのかということをお尋ねしたいです。
(答)自治体から回答は出したものの、それでいいのかというお問合わせがあって、やりとりをすると、調査表の意図を間違えて回答していたり、あるいは住基システムと自動連携でマイナンバーを取得する機能があるにもかかわらず、担当の方が自動連携しているものと認識していないで回答して、回答が寄せられた後、システム担当者からそこは自動連携しているよということで、回答の内容と実際の運用が違っていました、そういうケースがあります。そういう場合には回答を修正していただくということ。あるいは点検対象の事務なんだけれども、例えば住民登録外の方がいなくて、点検対象なんだけども確認すべきデータが実は見たらなかったというような場合もありますので、ここは一つ一つそういうものを整理して、点検の対象外になるものは点検の対象外という整理をしているところでございます。
(問)総点検のスケジュール感で3つのステップでやっていくということでしたけれども、例えば市区町村だと点検するデータが少ない場合も、11月までこの3つのステップでやっていくのか、要は横並びで全部やっていく形になるのかどうか確認させてください。
(答)紐付け機関によっては早く終わるところは十分にあると思いますので、そこはそれで結構でございます。
(問)全国の消費生活センターなどの相談情報を収集して、法執行や改正などに活用されているPIO-NETシステムについて質問させてください。今回、消費者委員会が勧誘規制を求めたチャットを利用した勧誘による相談件数が、キーワードが設定されていないために検出できないことが明らかになりました。現在1,146の商品キーワードと487個の内容キーワードを適切に選択する作業に消費生活相談員が苦慮しているという状況があります。2026年から、消費生活相談のDX化に伴い、こんなPIO-NETシステムは廃止されて新たなインターネット回線によるシステムに変わるということで、今検討がされているということなのですが、新システムはやはりキーワードの設定が必要なシステムになるのでしょうか。それから、その新システムにまだ移行するまで時間があるのですが、その間、チャット勧誘による相談件数は把握されないまま放置されるのでしょうか。この件についてお聞かせください。
(答)新しい次期システムをどうするかというのは、今よりも使いやすくデータ分析がやりやすいシステムになるようにどうしたらいいのか検討しているところでございます。現行のシステム、キーワードがかなりたくさんあって相談員の方々がなかなか選べないという話もありますので、まずあまり使われていない、キーワードとして存在価値の低いものについては、削除することを検討しております。それから、デジタル化の進展によって様々な新しいキーワードを入れることが必要になっていますので、そういうキーワードを追加する、どういう形でキーワードとして入れるかという検討をしているところでございますので、近い将来、そこのキーワードの入れ替えというのが行われることになります。
(問)デジタル庁発足間もなく2年になるかと思うのですが、この度、総務課、会計課、人事課を新設されたということで、こちらの意図ですとか狙いがありましたらお聞かせください。3年目に向けた所感などございましたら、改めてお願いいたします。
(答)そういう報道がありますが、そうした事実はございません。それぞれ総務・人事・会計の担当が新たに指名されたということです。どこからそういう話になったのかは承知しておりませんが、そこは若干事実と違います。
おかげさまでデジタル庁の人員1,000名を超えましたが、人口550万人のシンガポールのデジタル庁が3,800人ということを考えると、1億2,000万人・1,741自治体を持つ日本のデジタル庁の人数が1,000人、しかもフルタイム換算するともう少し減りますので、そこはまだリソースが不足している現実は否めませんが、そうはいってもこのリソースの中でどこまでしっかりと日本のデジタル化を進めることができるかというのは、新しい3年目に突入する中で、しっかりやっていきたいと思っております。
(問)甲子園、高校野球で慶應高校を優勝いたしました。大臣の母校であります。この優勝の受け止めと、X(twitter)で熱中症の心配と、この夏の日中での試合に対してコメントされておられましたけど、やはりこの夏の月の開催についての大臣の受け止めについても合わせて教えてください。
(答)慶應高校出身者として非常に嬉しく思っておりますし、仙台育英の皆さんも本当に頑張っていい決勝戦だったのかなと思っております。今朝、文部科学大臣とも話をしましたが、熱中症で健康管理に気をつけてくださいと申し上げているときに、スポーツで鍛えているとはいえこの真夏の一番暑い盛りにどうなんだろうなという気は正直しております。
(以上)