河野大臣記者会見(令和5年10月3日)
河野デジタル大臣記者会見要旨
(令和5年10月3日(火)10時45分から11時00分まで 於:オンライン)
1. 発言要旨
デジタル行財政改革課題発掘対話の開催についてお知らせいたします。
今日13時から岸田総理にも出席いただいて、「デジタル行財政改革課題発掘対話」を開催いたします。
デジタル行財政改革は、供給者目線ではなく、サービスの利用者の視点に立って、関係者との対話を通じて解決する課題を整理していきたいと思います。そのキックオフとなる最初のテーマは「教育」です。
対話の模様はオンラインで中継いたします。またアーカイブをご覧いただくことも可能にしたいと思います。内閣官房のウェブサイトにURLを掲載しておりますので、皆様のご都合に合わせて是非ご視聴いただきたいと思います。詳細は内閣官房デジタル行財政改革準備室にお問い合わせください。
2つ目、サイバーセキュリティ担当大臣として、日・ASEAN官民共同フォーラムについてお知らせいたします。
今年は、日本とASEANの友好協力50周年を迎える節目となる年です。内閣サイバーセキュリティセンター、NISCは、これを記念して、今月5日(木)・6日(金)に明治記念館で「日・ASEANサイバーセキュリティ官民共同フォーラム」を開催いたします。
このイベントは、日・ASEANのサイバーセキュリティに関する政策担当者・有識者・業界関係者をお招きして、これまでの日本とASEANのサイバーセキュリティ分野での協力活動の成果をとりまとめるとともに、今後の日本とASEANの官民や民間同士での連携を拡大するなど、日・ASEAN間の協力関係を強化していくことを目的としております。サイバー分野の脅威の高まりに対応していくためには、グローバルな連携・協力がますます重要になっております。私もこのイベントに出席し、各国の参加者とバイ会談もする予定にしております。
NISCとしては、このイベントの実施をはじめ、引き続きサイバーセキュリティ分野での国際連携に努めてまいります。
デジタル大臣として申し上げます。デジタル庁では、今年3月の会見でも申し上げましたとおり、中小・スタートアップの多様な優れた企業の参入を促していきたいと思っております。今年度から高い技術力や企画力などを重視すべき、そうした情報システムの調達については「プロポーザル型企画競争」の仕組みを新たに導入いたしました。また、ランク分けの入札要件というのも、既に撤廃しているところでございます。
こうした結果、昨年度は中小・スタートアップ企業との契約は件数ベースでデジタル庁の調達全体の16.4%でしたが、今年度は上半期の契約済みの件数ベースを見ると35.2%と2倍以上に増えました。昨年度は1年間で、件数ベースで33件だったところ、上半期で契約済みの件数ベースで既に62件に達しております。残念ながら金額ベースでは、デジタル庁の調達全体で昨年度4.7%でしたが、今年度の上半期はまだ8.7%にとどまっております。金額は昨年度約26億円、今年度の上半期はそれでも57億円まで増えてきているところです。
デジタル庁の調達に参加する企業のためのウェブサイトを立ち上げたり、システムの調達においてスタートアップ企業に加点する仕組みなど、引き続きスタートアップ企業が参入しやすい仕組みを検討しております。多様な企業が参入しやすい、参入できる環境作りを実施してまいりたいと思います。スタートアップ企業・中小企業を始め、デジタル庁の調達に関心がある企業は是非デジタル庁に積極的にお問い合わせいただきたいと思います。
4件目、マイナンバーカードのエンタメ分野での利活用についてご報告いたします。
エンタメ分野での利活用の拡大のため、今年度、大串前副大臣に頑張っていただきました。実際のイベントにおいて、マイナンバーカードを用いた特設エリアへの入場、イベント会場でのお酒の提供に当たっての年齢確認、チケットの不正転売防止への活用、これを実証実験していきたいと思っております。
今年の9月16日に福島県南相馬市で実施されました「Surf in MUSIC in北泉」におきまして、お酒を提供する際の年齢確認にマイナンバーカードを活用した実験を行いました。マイナンバーカードの認証によって、スムーズに年齢確認ができたと報告を受けております。
また9月30日(土)、10月1日(日)に東京都江東区で開催されました音楽フェスでは、マイナンバーカードを使った入場時の年齢確認、それから休憩できる特設エリアを設け、そこへの入場確認にマイナンバーカードを利用した実証実験を行いました。2日間で5,000人以上の方に、カードを活用する実験にご協力いただきました。カード保有率の高さ、民間分野での利活用の可能性を感じるものとなりました。
今後、チケットの不正転売防止においても、マイナンバーカードを利用した実証実験を予定しております。引き続き、マイナンバーカードの利活用の拡大を図ってまいりたいと思います。
2. 質疑応答
(問)公金受取口座の誤登録問題についてお伺いします。こちら9月末で修正がどれくらい進んだのかという最新の数字と、今後の対応状況で決まったものがあればお願いします。
(答)最終的な状況を確認中ですので、集計が終わったらご報告したいと思います。
(問)デジタル行財政改革課題発掘対話について1点お伺いします。デジタル庁で行われる会合に総理が出席されるというのはあまりないケースかと思うのですけども、その辺、大臣はどのように受けとめていらっしゃいますか。
(答)デジタル庁に総理が過去いらっしゃったか把握しておりませんので確認したいと思いますが、デジタル行財政改革は総理の改革に向けての強い意志の表れだと思いますので、今後とも総理の時間が許す限りご参加いただきたいと思います。
(問)デジタル行財政改革課題発掘対話についてですけれども、まず教育からキックオフということですが、今後どういったテーマで大臣としては対話を行っていきたいとお考えかお願いします。
(答)今後何回かやりたいと思っております。出席者などと日程調整をしているところでございますので、固まったものから公表していきたいと思います。
(問)スタートアップの参入の件についてなのですが、こちらの数字、35%と割と大きくなってきているのかなという印象だったのですけども、大臣としてはどれくらいまで引き上げたいというようなお考えがあるのか。あるいはデジタル庁の調達の関係だとスタートアップIT企業とか、割と親和性もあるのかなと思うのですけども、特に省庁全体として今スタートアップの参入がしやすいような環境づくりというのを進めようとしている中だとは思うのですが、その中でデジタル庁としてどういうふうに役割を果たしていきたいというお考えがあるか教えてください。
(答)実はIT業界はかなり多重構造といいますか下請け構造になっております。あまり技術力が評価されず、人工で下請けの契約になったりというようなところがあって、スタートアップや技術のある中小企業がもっともっと技術力を評価されて伸びていかなければならないと思っております。デジタル庁として技術力のあるところと契約し、調達することでそうしたものを伸ばしていくお手伝いをしていきたいと思っております。4割程度は少なくとも中小・スタートアップ企業から調達することを目指していきたいと思っておりまして、件数的には結構いいところまで行ってはいるのですが、やはり小さい契約がまだ多くて、金額的にはまだまだこれからというところです。なかなかスタートアップや中小がいきなり大きな案件をというのは難しい部分もあると思いますので、これはまだデジタル庁の発注の仕方も考えていかなければいけないのかなとは思っております。それから中身を見ると、件数ベースで中小・スタートアップ企業で3割程度となっていますが、その中でスタートアップの割合はまだまだ低いですので、この数字をもう少し丁寧に分析しながら、今後の対応を考えていきたいと思っております。
(問)国会の霞が関の働き方改革について伺わせてください。この臨時国会が20日に召集されて、期間はわかりませんが始まります。その中で質問の通告時間であったり、官僚の残業時間の調査というのを本国会でも行う予定はございますでしょうかというところと、それに関連して先の通常国会での調査結果というのは、現在どうなっていますでしょうか。この2点お願いします。
(答)前通常国会の調査結果は出ておりますので、是非ご覧いただきたいと思います。臨時国会も引き続き必要な調査はやっていきたいと思います。やはり霞が関の働き方改革は依然として大きな課題だと思っておりまして、国会対応の中では、それぞれ霞が関の業務の中での予見可能性を高めていくということも、やはり大きなテーマになってくるのではないかと思いますので、立法府ともよくご相談をしながら働き方改革を進めていきたいと思っているところでございます。
(以上)