河野大臣記者会見(令和5年10月6日)
河野デジタル大臣記者会見要旨
(令和5年10月6日(金)11時20分から11時38分まで 於:オンライン)
1. 発言要旨
本日の閣議において、デジタル行財政改革会議の開催について閣議決定いたしました。
デジタル行財政改革会議は、急激な人口減少社会への対応として、利用者起点で我が国の行財政の在り方を見直し、デジタルを最大限活用して公共サービスの維持・強化と地域経済の活性化を図り、社会変革を実現するため開催いたします。
具体的には、地域を支える公共サービスに関し、システムの統一・共通化で自治体の現場の負担を減らすとともに、デジタルの力を活用してサービスの質を向上させていきます。デジタル活用を阻害している規制制度の徹底的な見直しを進めて社会変革を起動させていきます。EBPMの手法を活用し、KPIや政策効果の「見える化」を進め、予算事業を不断に見直していきます。こうしたことによって、豊かな社会・経済、持続可能な行財政基盤を確立していきたいと思っております。
会議は岸田総理を議長、松野官房長官と私を副議長とし、総務大臣、財務大臣、経済産業大臣及び経済財政担当大臣、それと総理が指名いたします有識者を構成員といたします。有識者は6名で、いずれも新進気鋭の40歳代の方々です。株式会社PKSHA Technology代表取締役 上野山 勝也さん、山形県山形市長 佐藤 孝弘さん、東京大学大学院法学政治学研究科教授 宍戸 常寿さん、株式会社マネーフォワードグループ執行役員 瀧 俊雄さん、慶應義塾大学総合政策学部教授 中室 牧子さん、ビジョナル株式会社代表取締役社長 南 壮一郎さん。この6人にお願いをして、10月11日に第1回の会議を開催する予定です。急激な人口減少社会への対応について、新たな発想をいただくことを期待しております。
また、デジタル行財政改革の推進に当たって、大所高所からのご助言をいただくため、「デジタル行財政改革アドバイザリーボード」として、各分野から経験豊かな方々に私のアドバイザーになっていただくこともお願いしていきたいと思っております。
デジタル臨時行政調査会につきましては、廃止いたします。これまでデジタル臨時行政調査会において進めてきましたアナログ規制の見直し、デジタル法制局等、こういう具体的な取組につきましては、デジタル庁において今後とも確実に実施することとしております。
テクノロジーマップの公表、それからRegTech Dayの参加者募集についてお知らせいたします。
アナログ規制の見直しのためのテクノロジーマップの整備につきまして、本日公表、公募を開始いたしました。
第一に、アナログ規制の見直しに関しまして、本日、規制の種類と活用可能なデジタル技術の対応関係を整理したテクノロジーマップの初版及び技術カタログを公表いたしました。このテクノロジーマップを活用し、各省庁が所管する規制につきまして、一層のデジタル化を進めていきたいと思っております。また掲載されたデジタル技術を保有する企業につきまして、是非自らの技術をカタログに掲載することで、このテクノロジーマップを営業ツールとして活用いただきたいと思います。
このマップに紐づく技術カタログに関連して公募の第2弾を開始いたしました。今回の募集は、公的情報を行政機関に出向いて閲覧しなければならない現在の行為を、デジタル化するために必要となります文章閲覧の際の本人認証あるいはセキュリティ確保のための機能を備えた製品・サービスを公募いたします。他の規制の見直しに関しても、技術情報の公募を順次実施していきたいと思っております。関連するデジタル技術を保有する企業におかれては、積極的に応募していただきたいと思います。
第二にアナログ規制の見直しのための技術検証事業を実施する第1弾の採択事業者を決定し、デジタル庁のウェブサイトで公表いたしました。今回はドローンなどを用いて建築物の検査を行うための技術の検証、カメラあるいはウェアラブルデバイスを用いて実地調査の検証をする、そうしたものの技術を検証するための事業の採択を公表いたしました。年内から年明けにかけて実証実験を実施して、技術の確認をしていきたいと思っております。検証結果は対象法令の規制の見直しだけでなく、類似の規制においても活かされるように、横串が通せるよう、省庁横断的に情報を共有してテクノロジーマップに反映をさせ、将来の規制の見直しにも当然活用してまいりたいと思います。
最後に、10月27日(金)、オンラインでRegTech Dayを開催いたします。このイベントは今年の夏から運営を開始いたしましたRegTechコンソーシアムのキックオフのイベントとなります。アナログ規制の見直しを通じて、デジタル技術の活用をしていく期待感あるいは将来の展望を有識者にパネルディスカッションをしていただこうと思っております。今日から参加者の募集を開始いたします。行政機関の担当者だけでなく、技術を保有している企業、あるいは規制の対象となっている機関の皆様にもご参加いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
10月7日(土)から9日(月)まで京都に出張し、インターネット・ガバナンス・フォーラム、IGF京都2023に参加し、また、来日する各国の閣僚とのバイ会談を行う予定にしております。
IGFはインターネットに関する様々な議題について、国連の主催の下、様々な関係者が対等な立場で対話を行う、インターネット政策の分野で最も重要な国際会議の一つです。5,000名近い参加者が予定されていると聞いております。10月8日(日)に開催される「ハイレベルリーダーズ・セッション」で、信頼性のある自由なデータ流通、DFFTの普及促進に向けて、パネリストとして議論してまいります。
また、G7広島サミット、G7群馬高崎デジタル・技術大臣会合で合意されたDFFTの具体化に向けて、国際的な枠組み、IAPの設立のために、バイ会談を通じてG7各国の閣僚と準備状況の共有、設立に向けた協力の依頼を行っていくと同時に、G7以外の国にしっかりと招待し、参加を促していきたいと思っております。
日本が主導してG7各国と共に進めてきたDFFTを広く国際社会に広げる機会として、今回のIGFを有意義なものにしていきたいと思っております。
2. 質疑応答
(問)デジタル行財政改革会議の開催に伴って、現行のデジタル臨時行政調査会を廃止することを大臣はおっしゃいましたが、この廃止は今日付という認識でよろしいでしょうか。それとも会議の当日付という認識になるでしょうか。
(答)今日付でよろしいと思います。
(問)来週開催されるデジタル行財政改革会議ですが、先日は「教育」をテーマで課題発掘対話をされましたが、来週以降、第1回目ですが、どのようなテーマでの議論を今後想定されていくのかイメージがあれば教えていただければと思います。
(答)デジタル行財政改革会議本体について申し上げれば、ありとあらゆる議論をいたします。
(問)先日は教育をテーマに意見交換を現場の方とされていましたが、今後もああいった機会を設けていくということでよろしいでしょうか。
(答)ああいったものも含め、いろんなことをどんどんやってまいります。
(問)デジタル行財政改革会議のスタートに伴って大臣から改めて意気込みといいますか、どういったふうに進めていきたいのかと、どうやっていきたいのかということを、改めてお答えいただいてもよろしいでしょうか。
(答)人口が減少し、あらゆる分野で人手不足というのが顕著になり、地域では過疎化・高齢化が進んでいる、そういう中で、やはりデジタルの力を使って、人が人に寄り添うぬくもりのある社会というのを日本の様々な地域でつくる、あるいは維持していくということをやっていかなければならないと思っておりますので、様々な分野でデジタルの力も最大限に活用しながら社会変革を起こしていきたいと思います。
(問)デジタル行財政改革会議について、有識者が皆さんが新進気鋭の40歳代ということですけれども、この人選、どういう知見を得ようとしているのかの狙いについて改めて教えてください。
(答)先ほど申し上げたように社会変革を必要としている時代だと思いますので、この6名には自由闊達にご議論をいただきたいと思います。
(問)今日午後にマイナンバー情報総点検本部がありますけれども、細かい内容ではなくて、全体のスケジュール感として点検作業の進捗状況は順調に進んでいるのか、原則11月末としている完了時期はおおむね達成できそうか、大臣のご認識をお願いします。
(答)点検は順調に行っているのではないかと思います。
(問)デジタル臨時行政調査会の廃止が表明されましたけれども、デジタル田園都市国家構想実現会議とか行政改革推進会議とか規制改革推進会議とかこういった会議体は逆に残すという認識でよろしいのでしょうか。
(答)デジタル臨時行政調査会は簡単に廃止ができるので、さっさと廃止いたしました。法律改正その他必要なものについて、それだけの手間をかける価値があるかどうかというのは考えながらいきたいと思いますが、もう既にデジタル行財政改革会議という大きなドームに一本化していますので、その下のことについてはあんまりこだわる必要もないのかなと思います。
(問)では今挙げた例えば3つの会議体とかも更に整理を進めていくとかいう可能性もあるのでしょうか。
(答)手間暇考えてさっさとできるものはやりたいと思います。
(問)デジタル行財政改革の第2回目の対話ですとか、有識者の方とお話を伺うみたいな機械のスケジュール感みたいなのはまだ決まってないという理解でよろしいですか。
(答)決まったら即座にご報告いたします。
(問)デジタル行財政改革についての質問なのですけれども、来年6月を目途に意見の集約を図るという報道があったのですけれども、スケジュール感をお伺いできますでしょうか。
(答)来年6月なんて呑気なことはやりません。スケジュール感は、てきぱきと、さっさと結論を出します。
(問)できることから、まとまったものから順次、スピーディーに進めていくということですね。
(答)はい。
(問)先程の会議体の整理の話なのですけれども、デジタルと名が付くもの以外でも内閣官房にはかなりの会議体の数があると思うのですが、こういったものも整理していくべきだと大臣はお考えでしょうか。
(答)それはさっきとは別の次元の話です。さっき申し上げたのは、デジタル行財政改革会議に統一しますという話で、それ以外の会議体については、これはデジタル行財政改革会議の中で議論する別の話です。
(問)マイナ保険証の活用策について改めて伺わせてください。電子処方箋とか電子カルテとか、今後段階的にマイナ保険証を使って医療が高度化していくことは実現されていくと思うのですけれども、こういったこともデジタル行財政改革で扱いながら、医療の高度化みたいなことも議論していく予定でしょうか。
(答)これまでどおり、厚生労働省・総務省と連携しながら、マイナンバーカードの利用拡大というのと、医療DXというのはしっかりと進めていかなければならないと思います。
(以上)