河野大臣記者会見(令和5年10月24日)
河野デジタル大臣記者会見要旨
(令和5年10月24日(火)9時50分から10時04分まで 於:オンライン)
1. 発言要旨
デジタル行財政改革の課題発掘対話、第4回目の開催についてお知らせします。今週26日、テーマは「子育て」になります。今回も利用者起点を重視し、関係者との対話を通じて解決すべき課題の整理を行っていきたい。
子育ての分野では、共働きの世帯も増えていく中で、子育てに関する書類ですとか対面の申請手続が、子育て世帯の負担になっています。保育の現場においては、保育士さんや自治体の職員の皆さんの記録や報告作成などの事務負担が課題となっています。デジタルの力を活用して、こうした子育て世帯あるいは保育の現場の負担を軽減し、子どもに寄り添った子育ての環境を実現していきたい、そのために課題がどこにあるのか、明確に掘り下げていきたいと思います。
前回と同様に対話の模様はオンラインで中継いたします。アーカイブでご覧いただくことも可能ですので、内閣官房のウェブサイトにURLを掲載いたします。皆さんのご都合に合わせてご覧いただきたいと思います。
デジタル田園都市国家構想担当大臣として「Digi田(デジでん)甲子園2023」、この応募件数について報告したいと思います。
「Digi田甲子園2023」では、8月30日から今月22日の一昨日まで、デジタルの活用により地域の個別課題を実際に解決し、住民の利便性あるいは豊かさの向上、地域の産業振興、そうしたものにつながった取組を地方公共団体、民間企業、あるいはNGOをはじめ、いろいろな団体・グループから幅広く募集いたしました。
その結果、全国から合計して240件(※)の応募がありました。分野は様々ですが、主な分野は「教育、子育て」が36件、「観光、文化、娯楽」が32件、「誰一人取り残されない社会」が27件(※)、こうしたところが多くなっているようです。ご応募いただいた地方公共団体、民間企業、あるいは団体の皆様にこの場を借りてお礼を申し上げたいと思います。
今後、審査委員会において本選に進む候補者を決定していただいた上で、来年1月中旬から国民の皆様によるインターネット投票を実施したいと思っております。よろしくお願いいたします。
(※会見後に応募件数を再精査した結果、件数を訂正いたします。)
2. 質疑応答
(問)昨日、神奈川県とデジタル庁が合同で、避難業務を主とした実証実験を行われました。中でも避難所への入所手続きについては、マイナカードの利用によって、通常260秒ほどかかる手続が25秒ほど、10分の1で済んだという速報値が現場で示されました。作業の効率化という意味では、非常にマイナカードが効果を発揮したと受けとめていますが、実証実験の報告が入っていましたら、大臣の結果についての受け止めをお願いします。
(答)速報で非常に効率化が図られたという話は聞いております。宮城県をはじめいろいろなところでこれまでもやってきたことですので、登録が早くできる、ご家族がばらばらに避難した場合にどこにどなたがいるかわかる、あるいはアレルギーや飲んでいる薬といった個人の情報が取りまとめられるというようなことを、他の実験でも聞いておりましたので、おそらく同様のことが行われたのではないかと思います。報告がまとまり次第、私の方からしっかりご報告させていただきたいと思います。
(問)昨日あった岸田首相の所信表明演説について伺いたいです。所信表明演説の中で、デジタル政策について「誰一人取り残さないデジタル化を実現する」と総理が話されました。一方、デジタル庁のミッションには「誰一人取り残されない人に優しいデジタル化を」とあります。文書によって、「取り残さない」と「取り残されない」というのが2つあるように見受けられるのですけれども、政府としてはどちらを採用しているのでしょうか。デジタル庁発足の時は「取り残さない」という文言だったと思うのですけども、「取り残されない」にはどのような意図が込められているのでしょうか。
(答)デジタル庁では「誰一人取り残されない人に優しいデジタル化」というふうに申し上げておりまして、これは国民の皆さん一人ひとりを主人公にした視点で「誰一人取り残されない」と申し上げております。昨日の総理の所信の「誰一人取り残さないデジタル化を実現する」という発言は、デジタル庁が掲げている目標と趣旨は全く同じで変わるところはないと認識しております。これは「誰一人取り残さない」人に優しいデジタル化」を総理自ら先頭に立って推進していくんだという総理の思いが誰一人取り残しませんよという発言になったのだと思います。デジタル庁が掲げている目標と全く同じ趣旨でございます。
(問)所信表明、社会のデジタル化の部分を読んでいると「子育て」「教育」「介護」それから「交通」の4つのテーマを総理は掲げられていますけれども、この4つのテーマはちょうど課題発掘対話で取り上げた4回のテーマだと思うのですけれども、これ以外についても今後課題発掘対話は行う予定というのはあるのでしょうか。
(答)今のところ決まっているのは、次の「子育て」のところは確定をしております。今後も必要とあればやってまいりたいと思っておりますし、課題発掘対話で取り上げなくとも推進しているものもございます。
(問)昨日あった課題発掘対話で、最後のご挨拶の中で、介護分野のデジタル技術の導入を強力に後押しする改定となるように対応していきたいというご発言がありましたけれども、その介護報酬改定の議論自体は厚生労働省の方で行われていくものだと思いますが、デジタル行財政改革、どのように連携しながら進めていくのかをお願いしたいのと、昨日の議論の中でもあった経営の共同化・大規模化について大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)武見大臣としっかり連携していきたいと思っております。デジタル化を進める中で、規模を拡大していくということで、様々リソースの余裕ができる部分というのはあると思います。これは人的資源にしても資金面にしても然りであります。やはりこれまでデジタル化が進んでいるところはどちらかというと規模が大きいところが中心になってやってきたということがございますので、やはり規模の拡大というのは大事なのだと思います。また規模を拡大することによって、職員のキャリアパスみたいなものにも影響は出てくるだろうと思いますので、そうしたことも厚生労働省としっかりすり合わせをしていきたいと思います。
(問)先ほど質問されました介護について教えてください。規模の拡大化については、2013年頃からもうかなり議論がずっとあって課題として残っています。規模の拡大について阻害要因については、どのように考えていらっしゃいますでしょうか。
(答)そうしたものをこれからきっちり整理していきたいと思います。
(以上)