河野大臣記者会見(令和5年12月8日)
河野デジタル大臣記者会見要旨
(令和5年12月8日 (金)10時04分から10時21分まで 於:オンライン)
1. 発言要旨
マイナポータルを装った詐欺メールが報告されておりますので、注意喚起としてお知らせをします。
ここ最近、マイナポータルからのお知らせを装って電力・ガス・食料品等の価格高騰緊急支援給付金の案内と称して、偽サイトに誘導しようとする内容の詐欺メールが送られていることを確認しております。
マイナポータルからのお知らせメールにつきまして、URLを含んだメールを送ることはありません。行政機関から特定のユーザーにお知らせを送る場合は、マイナポータルからメールが行ってもこういうお知らせがあるということを説明しているだけで、内容はマイナポータルにアクセスして、ログインして確認していただくということになっておりますので、URLを含んだメールがマイナポータルからのお知らせですといって送られることはありません。
マイナポータルやデジタル庁の公式X(旧Twitter)でも注意喚起しておりますが、不審なリンクへのアクセスやそのようなメールへの返信をしないようにご注意いただきたいと思います。よろしくお願いします。
12月4日(月)に検挙されました中国人らによる組織的な入管法違反事件において、マイナンバーカードのようなものが押収されておりますので、お知らせいたします。
この件は警視庁で現在捜査をしておりますが、偽造されたマイナンバーカードのようなものは9枚、いずれも外国人名義でもちろん正規なものとは全く違います。いろいろなところで販売もされている白いプラスチックカードにICチップがついたものにマイナンバーカードの券面のような内容を印字するという単純なものです。
マイナンバーカードには様々な偽造・変造防止対策が行われておりまして、例えば券面の右上にマイナちゃんが印刷されていますが、このマイナンバーカードのマイナちゃんはパールインキという特殊なもので印刷されておりまして、カードの角度を変えると色が変わる。偽物は色が変わりませんので、すぐに偽造・変造されたものはわかるようになっております。お手元のカードで確認してみていただきたいと思います。
今後とも安心してカードをご利用いただけるよう、安全性について引き続き周知を図っていきたいと思います。
規制改革推進会議のWGにつきまして、12月11日(月)に第3回健康・医療・介護WG、12月12日(火)第4回地域産業活性化WGを開催いたします。いずれも規制改革推進室のYouTubeチャンネルで生配信する予定で、国会の情勢が許せば私も参加したいと思っております。
11日の健康・医療・介護WGでは、お医者さんへの受診が前提となる医療用医薬品から、そうではない一般用医薬品へ分類を変更するいわゆる「スイッチOTC」について議論をいたします。効能が高く欧米ではお医者さん受診しなくても利用可能な胃薬が、我が国では医者の受診を前提としているなど、俗にスイッチ・ラグと言われているものが起きてます。中にはスイッチ・ラグが20年以上に及ぶものもあるそうで、この結果、日本は医薬品の中で一般用の医薬品が占める割合が7%とG7の中で最低になっております。もちろん、安全性の確保は前提ですけれども、セルフメディケーションの推進、医薬品へのアクセスの自由を確保するための議論をしっかりしていただきたいと思います。
12日の地域産業活性化WGでは海外でのライドシェアの利用実態につきまして、海外にお住まいの日本人の方々から実体験に基づくお考えを伺います。また、いわゆる白タクの根絶、それから道路運送法の解釈・運用などについても具体的な議論を行いたいと思っております。地域であれ都市部であれ、国民の移動の自由をいかに守るかという観点から、年内に一定の結論が得られるよう、具体的議論を進めていきたいと思います。
2. 質疑応答
(問)マイナカードの偽造の件なのですけれども、単なる券面のコピーでICチップはかざしたとしても利用ができないようなものだったという認識でよろしいでしょうか。
(答)そのとおりです。ICチップに何か情報が入っているということではないと聞いてます。
(問)一部報道でマイナ保険証について政府が来年秋の一本化を予定どおり進める方針を固めたという趣旨の記事が出ていましたが、政府としての検討状況を教えてください。
(答)これまでも申し上げておりますように、何か問題があるという認識はありません。
(問)特に問題はないというのは、河野大臣としてはどういった理由から、そういうふうにお考えでしょうか。
(答)特に何か問題の報告はありません。
(問)法制事務の効率化について伺います。公務員の負担軽減のために法案の構成する資料について改め文を廃止して新旧対照表に一本化すべきという意見があります。こうした意見に対する大臣のお考えを伺いたいです。あと事務のデジタル化による負担軽減に向けて、デジタル庁としてどのような支援を今考えていますでしょうか。
(答)改め文でこれまで法案であったり政省令いろいろやってまいりましたが、改め文を読んでも国民のほとんどの方は意味がわからないと思いますので新旧対照表というものを別につけておりましたが、新旧対照表で見れば、最初からどこが改正点かというのがわかりますので、以前、規制改革・行政改革担当大臣を拝命していたときに改め文をやめて新旧対照表で改正をやろうということを推進して、今のところまだ府省令だけだそうで、政令もさっさとやった方がいいと私は思っています。 とにかく府省令までは新旧対照表で改正できるようにいたしました。改め文の方が明らかに面倒くさくないものが若干あるようなのでそういうときは改め文を使うことがありますが、新旧でやるようにしています。法律の改正についても、新旧対照表なら国民の皆様が読んでどこがどう変わるのかというのがわかるわけで、改め文の法改正はかなり高度な知識と技能がないと何が書いてあるかわからないということなので、新旧対照表でやるべきだと私は思っております。その際に、新旧対照表を国会へお出しをしているときに、改正部分には傍線を引っ張っておりますので、そこを議論の対象としてくださいというお願いをいたしました。新旧対照表の改正部分でないところについても、誤字脱字やら1字下げが抜けているみたいなことがあるとだめだと言われてしまうと、それを霞が関で目視で見なきゃいけないので、莫大な作業が必要になってくるものですから、新旧対照表の改正部分を審議するという前提で国会が了承していただければ、明日にもそれをやりたいと思っておりまして、これは引き続き国会にお願いをしていきたいと思っております。現在は改正文について目視で莫大な時間をかけてやっておりますが、これは何とか変えなきゃいかんと思っていまして、デジタル技術を使って作業を効率化していきたいと思っています。デジタル庁でも各省と連携して、法制事務のデジタル化に向けた取組を進めているところですので、国家公務員の働き方改革、あるいは法令案の誤り防止につなげていきたいと思ってます。
(問)総点検の本部は来週開催されるという認識でよろしいでしょうか。今、日程等予定がありましたら、まず1点教えてください。
(答)総点検について、それぞれの紐付け機関で作業をやっていただいております。かなり煮詰まってきているのではないかと思っております。11月末を目指してお願いしていますが、期限ありきではなく丁寧にやってくださいということですので、結果がまとまり次第、総点検本部を開催して、点検結果の報告をしたいと思っているところです。
(問)マイナポータルを騙った詐欺メールについて、報告が入ってるということですが、いつごろから何件くらいの報告が入っていて、今の実害といいますか、被害の情報などは入っているかについてはいかがでしょうか。
(答)詳細は後ほど調べて広報からお返ししたいと思います。
(※後刻、12月1日頃から前日までに約45件の問合せが寄せられ、金銭的な損害等の被害については把握していない旨、回答しています。)
(問)ライドシェアについて、先ほど冒頭の発言でも大臣からワーキングの議論を経て、年内に一定の結論をと、お話があったのですけれども、一部の報道ではライドシェアの解禁自体は議論を年明けも続けるという形で出たところもあるのですけれども、こちらの事実関係、現時点でお話しできる範囲で構いませんので教えていただけますでしょうか。
(答)まず12日にワーキンググループで議論いたします。かなり積極的に前向きな議論をしていただいていると思いますので、結論が出たところからしっかりお知らせしていきたいと思っております。
(問)年内の出てくる結論の形としては、ライドシェアの解禁そのものを決めるというところまでいけそうなのでしょうか。
(答)議論を見守りたいと思います。
(問)総点検本部の日程の件で、重ね重ねで恐縮なのですが、一部報道では来週12日にも開催されると報じられましたが、こちらについて事実関係のことを教えていただきたいです。
(答)先ほど申し上げましたように、丁寧に紐付け機関でやっていただいておりますので、その集計がまとまり次第開催をしたいと思っております。日時決まったらお知らせいたします。
(問)先程の偽造マイナカードについて、国民から不安の声が上がってるかと思うんですが、岸田首相は不安払拭が前提と重ね重ねおっしゃっていましたが、そうした中でも現行の保険証の廃止というのを進めるのか、改めてお聞かせください。
(答)はい、問題ないと思っています。
(問)マイナ保険証も利用率が5%を切っているかと思うんですが、その辺も踏まえてもやはり問題ないとお考えでしょうか。
(答)はい、おっしゃるとおりです。
(以上)