河野大臣記者会見・マイナンバー情報総点検大臣会見(令和5年12月12日)
河野デジタル大臣記者会見要旨
(令和5年12月12日(火)17時17分から17時57分まで 於:デジタル庁20階会見室及びオンライン)
1. 発言要旨
先ほど、総理出席の下、第5回の総点検本部を開催いたしました。6月から進めてきたマイナンバー情報の総点検の結果について取りまとめてご報告したところでございます。
自治体それから関係機関の皆様に紐付けの点検を速やかに実施していただきまして、また丁寧にやっていただいたこと改めて御礼を申し上げたいと思います。大体11月末を目途ということで、それよりは丁寧にやってくださいということでございましたが、今日の報告に至ることができました。
資料に基づいてご説明したいと思います。1ページ目が概要になっております。
全ての紐付け実施機関に対して、マイナンバーの紐付け作業の実態の把握調査を行いました。適切な方法で紐付けが行われているものについては、これは大丈夫だということですので、紐付けが適切でなかった332の自治体と労働基準監督署1つについて、個別データの点検をお願いしたところでございます。個別データの点検対象となったデータ件数は8,208万件です。8,208万件のうち99.9%に当たる8,206万件については、データの点検と本人確認の作業が終了しております。現在、障害者手帳関係の1万5千件の本人確認作業がまだ続いておりますが、これも12月中には終わるという見込みが立ちましたので、今日、本部をやらせていただきました。今日までに本人確認作業が終了している8,206万件の中で、紐付け誤りが8,351件、割合にして0.01%でした。判明した紐付けの誤りは修正する対応を実施しております。
1ページ目の一番下のところに原因と再発防止対策を載せておりますが、まずは関係省庁において制度の申請者にマイナンバーの記載を求める旨を明確にするための省令の改正をやっていただきました。それからマイナンバーの登録事務に関する省庁横断的なガイドラインというものが今までございませんでしたので、ガイドラインを策定して周知したところでございます。
今まではマイナンバーの記載がないものについては、J-LISに照会をしていたわけですが、氏名と生年月日の情報2つで照会をかけたものが紐付け誤りにつながりましたので、今後は、2情報ではJ-LISに照会しても回答しないというシステム改修をいたします。氏名・生年月日・住所・性別の原則4情報で照会をかける、税の一部については性別をそもそもとっていないものですから、氏名・生年月日・住所の3情報がなければJ-LIS照会は回答しないということにして、誤った人が照会で出てきてしまうことを防ごうということにしております。
それから、今後様々な制度の申請あるいは更新のときにマイナンバーを使って徹底的に本人確認をしていただくということで、継続的に、更新あるいは申請のときにマイナンバーの確認作業を続けるということにしていただきます。
それから、究極的には、マイナンバーの誤記あるいは誤入力というものを防ぐために、マイナンバーカードのICチップからマイナンバーを読んで自動入力できるようなマイナンバーの登録事務のデジタル化を進めていきたいと思っております。
詳細は後で見ていただくことにして、12ページに、先ほど申し上げました2情報では回答しないというイメージ図を載せております。12月18日から順次この改修機能を適用していこうという予定になっております。
それから14ページを見ていただきますと、健康保険証については、保険者による総点検に加えて、登録済みの全てのデータについての確認を実施することとしております。住民基本台帳との照合は11月までに完了しております。漢字の字体、タカハシのタカがハシゴダカになっているとか、サイトウさんのサイがいろいろになっているとか、名前と、住所変更を受けていない場合は住所が違っているということもありますので、こうしたデータが一致していないものについては全数もう一回確認するということで、来年の春を目途に実施することになっております。
今回、総点検が終わりましたので、先ほど点検本部の中で総理から、予定どおり来年秋に健康保険証の新規発行を停止し、マイナンバーカード保険証を基本とする新たな仕組みに移行するというご指示がございました。来年の夏におそらく保険証の切替で新しい保険証が送られると思いますので、秋に保険証の新規発行を停止しても、来年の夏に送られる保険証はその後1年間有効になりますので、来年の秋に新規発行を停止し、再来年の夏から秋にかけて最後の保険証の有効期限が切れると同時に新しい仕組みに完全に移行するということになります。
マイナ保険証を保有していない方には、これまでも申し上げているように、申請をすることなしに資格確認書をお送りするということになります。デジタルとアナログが併用される期間がしっかりありますので、この間にマイナンバーカード保険証の顔認証を試していただいて、マイナンバーカードをご利用いただきたいと思っております。
それから16ページにいっていただきますと、高齢者をはじめ施設に入られている方のように、暗証番号の管理が不安という方もカードを利用できるように、暗証番号の設定が不要な、設定をしない、顔認証カードを今週15日から導入することになります。それから役所に出向いてカードを申請する必要がないように、役所の方から福祉施設に出向いて申請を受け付ける出張申請を進める取組をしておりますので、今、福祉施設に対して希望調査を行っているところです。
マイナ保険証については、患者ご本人の薬剤情報や診療情報に基づいたより良い医療を受けていただくということ、なりすましの防止、患者側・医療側の両方に多くのメリットがございます。また今後、電子処方箋もしっかり広げていきたいと思っておりますし、電子カルテの普及・拡大ということの核になる、日本の医療DXの基盤となるのがマイナンバー保険証だと思っておりますので、まずは一回、次に医療機関あるいは処方箋の薬をもらいに薬局に行くときに、マイナンバーカードを保険証として使っていただいて、顔認証が簡単だということを実際にやってみていただきたいと思っております。
マイナンバー制度というものを使って、国民の利便性の向上と行政の効率化を実現し、最終的には公平・公正な社会をつくるというのがゴールでございますので、その基盤となるマイナンバー制度をしっかりこれからも運用していきたいと思いますし、マイナンバーカードを普及させていきたいと思っております。マイナンバー制度が有効に機能するための大前提が、マイナンバーがさまざまな情報と紐付いているということですので、今後もこの再発防止対策はしっかり講じながら紐付けの正確性を確保していきたいと思っております。この総点検にご協力をいただいた自治体、関係機関に改めて御礼を申し上げるとともに、紐付け機関としっかり今後も連携しながら、マイナンバー制度の適正な運営に取り組んでまいりたいと思っております。
2. 質疑応答
(問)おそらく国民が一番気にされているのは、今後同じようなミスが起こらないか、再発防止のところだと思うのですけれども、改めて不安払拭につながるような、今後同様のミスが起きないかというところについて、大臣のお言葉をいただけますか。
(答)紐付け誤りの多くは、マイナンバーをご提示いただかなかったときのJ-LIS照会を2情報で照会して、同姓同名で同じ生年月日という方に紐付けしてしまったということですので、登録に当たってはマイナンバーの提示をやっていただくということ。万が一マイナンバーがなかった場合についても4情報でないとJ-LISの検索ができないということになりましたので、同じような紐付け誤りは起きません。ただ人間が介在すると、確率的には非常に低いかもしれませんが、誤記・誤入力というのは何かのタイミングで起きてしまうと思いますので、それを防ぐためのマイナンバーの入力の自動化は、なるべく早く取り入れていきたいと思っております。
(問)今、新規の登録のお話だと思うのですけれども、とは言っても何らかの誤った紐付けが発生してしまうところがあって、総理も定期的な点検の重要性という発言をされていましたけれども、既にストックとしてあるものを定期的に点検していくということに向けて、どんな施策を考えていますでしょうか。
(答)これが紙だと、もう絶望的にそれはできないということになるのだろうと思いますが、お陰さまでデジタルですから、まずマイナポータルで確認ができるものについては、ご本人が、紐付け誤りがあればご報告をいただいて修正するということができますが、今回、マイナポータルで確認できるものは全てやりましたので、これまでの分については残っている確率は極めて少ないと思っております。今後は、登録の更新とか新たな申請のときにはマイナンバーをきっちり確認していきますので、そこでこうした紐付け誤りは防げると思っております。
(問)マイナンバーがデジタル化の基盤になると思うのですけれども、改めて、マイナンバーを使って便利な世の中を作っていきたいということを伺いたいです。
(答)人口が減少していく、それも年間に80万人ぐらい人口が減るというかなり急速な人口減少の中で、社会が高齢化し、それぞれの地域の都市に人が集まるという過疎化も起きている中で、人が人に寄り添う温もりのある社会を作ろうと思えば、今までやってきましたというだけで、今までと同じことを続けるというのはできないと思います。人間がやらなければいけないことを人間がやりましょうと、人間がやらなくてもいいものは、AI・コンピューター・ロボットに任せるという、しっかりデジタル化の技術を使ってやっていかなければならないと思っております。そういう意味で自治体の行政であったり国の行政の中で、今までは人間が紙を使って目で確認していたものを、デジタルで自動で確認できるようにしていくというのがまずは第一歩目かなと思っております。
(問)今、デジタル化という話がありましたけれども、これから新規登録や更新であったり定期検査の中でデジタル化が進めばミスがなくなるということだと思いますが、大臣がイメージされているデジタル化完全移行の時期のイメージがあれば教えていただきたいのと、来年秋のマイナ保険証の導入、総理もご発言されましたけれども、改めてマイナ保険証でデジタル化を進める意義、冒頭にもあったのですけども、もう少しお考えがあればお聞かせてください。
(答)今マイナンバーカードを持ってくださっている方の割合というのがおそらく8割ぐらいになったのでしょうか、マイナ保険証も7割近い方が紐付けをしていただいております。この割合がどんどん高くなっていって、もうそろそろだいたいみんな持っているよねということになれば、デジタルに一本化しましょうということになるのだと思いますが、それはまだまだ少し時間がかかっていくと思います。ようやく今基盤を作っているわけですが、便利なサービスというのが出てくれば、やっぱりこっちの方が便利だよねということになるのだろうと思いますので、そこはあまり焦らずにやっていきたいと思っております。
マイナンバーカードの保険証を使っていただくことで、患者さんのご本人のデータというものをしっかり確認しながら診療することもできるようになりますし、日本全体の医療データというものをビッグデータとして扱って、より良い医療を提供するということにいずれはなっていくのだろうと思います。短期的に、医療側でもレセプトの返戻が少なくなる、あるいは、なりすましを防止することができるといったこともあると思いますし、高額療養費の限度額にいっていますというのがその場でわかって、立替払いがなくなってよかったという話はかなり多くのところから伺っているところです。今、デジタル庁と厚生労働省で電子カルテの共有化を進めようとしておりますので、この電子カルテの情報の共有が進めば、自分で自分の電子カルテを確認することができるようになりますし、電子処方箋というのが広がっていけば、リアルタイムで薬剤情報もとることができるようになっていきます。それから、例えば千葉の旭中央病院、もう診察券とマイナンバーカードを一体化するという機械を入れていただいて、都内でもあるいは川崎でも、加藤大臣のときに視察に行かれてましたけれども、診察券とマイナンバーカードを一体化するという病院が少しずつ増えてきています。今、16ぐらいの自治体で公的な医療の受給者証とマイナンバーカードを一体化するという作業を進めていますので、いずれはマイナンバーカードで診察券も医療の受給者証も全部1枚で済みますと、財布の中には1枚入っていれば大丈夫ということになりますし、消防で救急車で搬送されるときに、マイナンバーカードを使ってその人のこれまでの受診歴、あるいは薬剤情報を搬送先に送って、搬送されるときにはある程度準備が事前にできるというようなことも進んでいますので、より良い医療をDXを通じて提供する、そういう体制を整えていきたいと思っています。
(問)総論的な話なのですけれど、個々の原因は別として、今回の総点検を通じてデジタル化への対応で浮かび上がった課題は何だと大臣はお考えかということと、今後もマイナンバー、マイナンバーカードの利活用を広げていく中で、今回の教訓を今後どのように活かしていきたいとお考えでしょうか。
(答)やはりデジタル化というのは便利ですけども、スタートのところで間違えると、その違った情報でずっといく事になりますので、最初に正しい情報を付けるというのがやっぱり非常に大事なのだと思います。そういう意味でICカードからマイナンバーを読み取って自動入力できるというのをなるべく早くやりたいなと思っています。
(問)約半年総点検をやって、この8,351件という紐付け誤りの件数に対する受け止めと、そもそも今回これだけマイナに対して国民の不安が広がった原因というのはどのあたりだと改めて伺います。
(答)海外からは、日本のクオリティ高いねというお褒めを随分いただきました。いろいろな国に視察に行ったときにいろいろな話をすると、やっぱりミスはあるよねという話です。日本は今までゼロリスクという神話があったのだと思いますが、世の中ゼロリスクはないよということをやっぱりきちんとご認識いただいて、それでもミスは少ない方がいいわけですから、今回総点検をやって、少なくともこれまでのミスをゼロにしたというのは大きいのではないかなと思っています。今日、ドローンのレベル3.5の実用化の輸送が始まりましたというニュースが流れていましたけども、ドローンにしろ自動運転の自動車にしろ、全く何事も起きないかと言えばきっとそんなことはないのだと思います。人手不足の中で配送をいかに効率化するか、あるいは高齢者のドライバーに免許の返納をお願いする中で足をどういうふうに確保するかという中で、やっぱりこうしたデジタルの技術というのは必要なのだと思いますので、そのベネフィットとリスクをきちんと評価していくという社会にしていきたいと思います。
(問)件数に対する評価というのはどうお考えですか。
(答)0.01%ですか、極めて少なかったと思います。
(問)今回ミスをゼロにしたというのは、もうミスが起きなくなったということでしょうか。
(答)違います。全くそんなこと言っていません。今までの紐付け誤りを修正したということです。
(問)暗証番号なしのカードの発行が始まりますけれども、保険証の普及という意味では歓迎すべきかもしれないのですけれども、デジタル化の利便性という意味では足枷になりかねないと思うのですけれども、デジタル大臣として、このカードが増えることを歓迎されるか、それとも問題があると思われるか、いかがでしょうか。
(答)マイナンバーカードをデジタルの入口として使っていただこうとすれば、やはり暗証番号があるカードというのが大事なのだと思いますけれども、今回、施設に入られている方のように、なかなかそういう使い方が難しい方が多く対象になると思いますので、マイナンバーカード保険証の普及という意味で一歩前進だと思っています。
(問)登録事務のデジタル化について1点教えてください。たぶん今でもマイナンバーを収集するためのアプリとか、チップから読み取る券面事項入力補助APが使われているものはあると思うのですが、あまり普及していない。これが今後単純にデジタル化するとなったとき、アプリ作ればいいとかシステム作ればいいではなくて、たぶん現場の人たちが使いやすかったりコストが見合うとかその仕組みを整えていく必要があると思うのですけれども、これを普及していくために、国としてどういう支援だったり施策が必要とお考えですか。
(答)そういうアプリがあって使えますよというのは、デジタル庁の方で確認して、これは使えるというものは周知していきたいと思いますので、あるものはどんどん使っていただきたいと思います。やっぱり手入力するより自動転記の方が作業時間も減って、楽になるわけですから、よっぽど高価なものであれば難しいと思いますが、もう既にあってアプリのレベルで使えますよというものがあれば、それはもう広まっていくのではないかと思います。
(問)事前ブリーフィングでは広報が足りていないというお答えだったのですけれども、物はあるけれども周知が足りていないから広まっていかないという認識なのか、それとも、まだ足りないものがもしあったら教えてください。
(答)今までは手入力しているからいいじゃないかと思っていたのかもしれませんけれども、やっぱり今回紐付けの誤りがあったよねと、誤入力・誤転記だったかどうかというのは、そこまでは見ていないわけですが、可能性としてやっぱり誤入力というのは、それは10万分の1か100万分の1かわかりませんけれども起こり得るので、それをゼロにしようという意識はたぶん上がったのだと思います。それから、市役所をはじめとする紐付け機関で、だんだん業務をマイナンバーで効率化できているよねという中で、アプリを使って入力の時間が限りなく減るのだったら、それはやってみる価値があるよねというふうな意識の変化にもつながっていると思いますので、2年前とはだいぶ状況は違っているのではないかと思います。2年前はまだマイナンバーカードを持ってらっしゃる方の数も少なかったので、アプリ入れても使う人が少ないよねという時代からは変わってきたかなと思います。
(問)マイナ保険証の利用率が低いことが指摘されていると思うのですけれども、来年の秋に向けてこの課題についてどのように乗り越えるのか、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)利用率と利用数とあると思っています。利用率はオンライン資格確認がかなり急速に伸びましたので、分母が大きくなったので、率は少し下がったというところはあると思いますが、利用数を増やしていかないといけないと思います。あとおよそ2年でマイナンバーカードあるいは資格確認証を使っていただくということになりますので、ぎりぎりになってから、さぁということになると、やっぱり受付業務大変になると思いますので、それぞれの医療機関で、もう今日から、できればマイナンバーカードをお持ちならマイナンバーカードで顔認証してくださいという声がけを始めていただきたいと思っています。それから補正予算で、マイナンバーカードの利用数が増えるに従って、きっちりそれにお答えをするという予算も入りましたので、これは厚生労働省で広く周知するというような話をさっきされておりましたので、各病院に頑張っていただきたいと思っております。
(問)マイナ保険証を一本化、紙の保険証を廃止の前提条件は、国民の不安が払拭されることと岸田総理が発言したと記憶しているのですが、国民の不安が払拭された根拠はあるのでしょうか。何らかの世論調査をしたとか、撤回を求めている全国保険団体連合会の方と意見交換して納得してもらったとか、何らかの根拠がないと今の決断はできないと思うのですけれど、何かあるのでしょうか。
(答)不安を払拭するための措置を執るということで、措置を執りましたので、廃止いたします。
(問)措置を執っても不安が払拭されなくてもいいということですか。
(答)イデオロギー的に反対される方は、いつまでたっても不安だ不安だとおっしゃるでしょうから、それでは物事が進みませんので、きちんとした措置を執ったということで進めます。
(問)イデオロギーではなくて医療現場の人から撤回しないでほしいという声が出ているのにそれすら調査や意見交換しないのですか。
(答)措置を執ってやるということですから、措置を執ったのでやります。
(問)マイナ保険証の利用率は4%と大分低迷されております。その中でも現行の健康保険証を廃止して、マイナ保険証に一本化するということについて、改めてその理由と根拠について大臣の言葉で教えてください。
(答)より良い医療を提供するために医療DXというのは進めていかなければならないと思っていますし、マイナンバーカード保険証というのがそのための基盤となるものですから、これはしっかり進めていきたいと思っていますし、そのことを周知してご理解をいただいて、利用数をこれから増やしていかないといけないと思っております。
(問)4点質問させていただきます。本日、10月以降の医療現場におけるマイナトラブル調査を発表させていただきました。総点検本部では、医療保険者による総点検を7月に終了したとしておりますけれども、その後も医療現場では紐付けミスが生じております。国民の不安払拭とはほど遠い現状について、政府としてどう認識されておるのでしょうか。2点目、登録済みデータの住民基本台帳との突合について、少なくとも139万件で氏名等不一致があったことが報告されております。総点検はまだ終わっていないのではないでしょうか。旧字又は異体字などの漢字氏名においては、5情報で住民記録との一致を点検したことにはならないのではないでしょうか。3点目、負担割合の相違が再点検で15,879件判明したこと。最終的には被保険者は正しい割合で負担となっているとおっしゃっていますけれども、緊急調査では10月以降で127医療機関から返戻があったと回答されております。オンライン資格確認のデータを信じられないとの受け止めが広がっております。不安払拭とはほど遠い状況だと言えます。負担割合の誤登録は今後もなくならないのではないでしょうか。4点目、顔認証マイナカードは、自治体現場と医療現場に大きな混乱をもたらすことになります。マイナカードを保有する方でマイナ保険証の利用登録をしていない方が電子証明書の暗証番号をロックした場合、顔認証しか利用登録できなくなります。顔認証付きカードリーダーのトラブル自体が39%で確認されており、相当な混乱が予想されます。そのことについて、どのように認識されておられますか。
(答)紐付け誤りは、健康保険証につきましては、何重にもチェックをしておりますので、かなり少ないと思っております。残っている部分は、厚生労働省が春に向けて点検しておりますので、もしあればそこで修正ができるものだと思っております。厚生労働省の点検の中で、異体字その他まだ残っているものについては、春までに点検いたします。返戻につきまして、若干あるという話は聞いておりますが、おそらく紙の保険証よりははるかに少ない確率になると思いますので、むしろ病院にとってはプラスだと思います。顔認証のカードは医療DXにとっては大きなプラスになると思っておりますので、これは現場の話を聞きながら、また総務省と相談して、改善点があれば改善してまいりたいと思います。
(問)負担割合のエラーというのはマイナ保険証でないと生じないのですよ、オンライン資格確認で。大臣のご認識は違うと思うので改めていただきたいと思います。
(答)負担割合の誤りについてもチェックをしておりますので、これまでの負担誤りについては修正されていると認識しております。
(問)そもそもマイナンバーカードは、導入当初、取得が任意であったかと思うのですが、これはマイナ保険証の導入ということで、事実上の義務化ということなのですが、これに抵抗のある方への配慮というのはどのようにお考えでしょうか。
(答)マイナンバーカード保険証を使わない方には資格確認書が出ます。
(問)先ほど、イデオロギー的に反対される方というのもありますとおっしゃったかと思うのですが、やはり使いにくいと思っている方もいらっしゃるかと思うのですが、その辺はいかがでしょうか。
(答)一度使っていただくと、使いやすさを理解していただけると思います。
(問)世論調査で国民の不安が払拭されていないという結果が出ても全く見直す方針を変えるお考えはないのでしょうか。何割くらいの国民が払拭されないと答えた方がいたら、方針を見直すのでしょうか。具体的数値をお答えください。
(答)総理から指示が出ておりますので、これはしっかり進めていきます。
(問)世論調査で払拭されていないと答えた方が半分以上、大多数でもそのまま方針を変えないということでしょうか。民意無視じゃないですか。
(答)医療DXに必要なことですので、不安がなくなるような努力は続けていきたいと思っています。
(問)先ほどイデオロギーとおっしゃいますけれど、これだけの問題点があり国民の不安払拭もされずにただただ医療DX推進という、そのこと自体がイデオロギーの問題だと思いますし、そして旧字・異体字の問題について春までに点検という言葉もありましたが、そうならば今時点で終了ということは言えない。そういうことを国民にきっちりおっしゃっていただきたいと思います。いかがでしょうか。
(答)リスクとベネフィットをしっかりと考慮した上で、必要な医療DXですからしっかり進めてまいりたいと思っております。
(以上)