河野大臣記者会見(令和5年12月22日)
河野デジタル大臣記者会見要旨
(令和5年12月22日 (金)10時35分から10時58分まで 於:オンライン)
1. 発言要旨
マイナンバーカードの健康保険証利用、いわゆるマイナ保険証についてお知らせいたします。
先週開催したマイナンバー情報総点検本部において、国民の皆様の不安を払拭するための措置を報告し、総理から「予定どおり、現行の健康保険証の発行を来年秋に終了し、マイナ保険証を基本とする仕組みに移行する」とご発言がありました。こうした状況を踏まえまして、本日、マイナンバー法の一部改正法の施行期日を定める政令を閣議決定したところでございます。
保険者の準備に要する期間や、窓口での円滑な対応なども考慮し、改正法の施行日を2024年12月2日(月)といたしました。今後、マイナ保険証を基本とする仕組みに円滑に移行できるよう、厚生労働省や総務省など関係省庁と連携し、引き続き、保険証の不安払拭やマイナンバーカードの取得円滑化に向けた取組や、その周知広報を進めてまいります。
こうした取組や周知広報を進めている中で、一方で、医療機関を受診された際に、紙の保険証を持ってきてほしいと言われて、マイナ保険証が利用できなかったとの問合せがマイナンバー総合フリーダイヤルなどで毎週数件確認されております。
マイナ保険証は、一部の例外を除いて、全ての医療機関と薬局においてカードリーダーを設置し、マイナ保険証を受け付けることが義務化されております。そのため医療機関などでマイナ保険証が利用できなかった場合には、マイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)にご連絡いただきたいと思います。厚生労働省に情報を提供し、厚生労働省において事実関係の確認を実施することとなります。
マイナ保険証は医療DXの基盤となるものでありますので、引き続き関係省庁と連携して環境整備を行ってまいります。
公金受取口座についてお知らせいたします。
誤登録の可能性が高い方々につきましては、当初公表した940件は訂正・抹消の処理が完了いたしました。第4回の総点検本部、11月9日で公表しました227件については、現在、簡易書留により口座変更のお願いをしているところです。第5回の総点検本部、12月12日で公表した19件につきましては、マイナポータルでの閲覧を不可とする措置を講じておりますが、本日から登録口座の変更手続の案内を書留郵便により発送いたします。郵送物をお受け取りになった方におかれては、案内に沿ってご自身の口座に変更していただくようお願いいたします。
公金受取口座につきまして、デジタル庁から金銭などの支払いを求めたり、口頭で口座情報の提供を求めたりすることはありません。詐欺行為にご注意をいただきたい。
また、誤登録ではありませんが、あえて家族など本人以外の口座を登録したと思われる方々につきまして、正しい口座名義人であるご本人を含め、今月27日から郵送で通知を行います。登録口座をご本人の口座に変更するようにお願いする郵送の通知をいたします。公金受取口座に家族などご本人のものでない口座を登録している場合には、給付時に改めて本人口座を確認する必要があるなど、給付の遅れにもつながるため、ご本人の口座への登録変更を改めてお願いいたします。
自動運転に関する検討会合の開催についてお知らせいたします。
自動運転は、交通事故の大幅な減少による交通安全の向上、無人運転が可能となることによる運転手不足の解消といった我が国が抱える社会的課題を解決する効果があると期待されております。
一方で、事故が発生した場合の責任制度など、自動運転に関する社会的ルールがまだ確立されているとは言えない状況で、法的リスクの予見可能性が課題となっております。
このため、被害者の十全な救済を確保することを前提とした上で、自動運転を責任ある形で国内で速やかに社会実装するために、「AI時代における自動運転車の社会的ルールのあり方検討サブワーキンググループ」を開催し、週明け25日(月)に第1回の会合を行います。
今後、精力的に検討を進めていただき、来年5月を目途に取りまとめをしていただいて、その結果をデジタル行財政改革会議に報告していきたいと思います。
行政改革担当大臣として基金全体の見直し点検の実施についてお知らせいたします。
20日の行政改革推進会議におきまして、「基金の点検・見直しの横断的な方針」を決定し、第3回デジタル行財政改革会議において、総理から、この方針にのっとって年度内に基金全体の点検を行うことが示されました。
点検に当たりましては、各年度の所要額がおおむね予想可能なものについては基金によらない通常の予算措置による、短期の成果目標を設定した上で予算措置は最大でも3年程度とし成果の検証を踏まえて次の措置を検討する、終期設定は10年以内を原則とし中長期の成果目標を踏まえたものとしてその後の対応については成果の検証を踏まえたものにする、短期・中長期の成果目標を達成するロジックモデルを基金シートに明記する、定量的な成果目標を設定しない基金は存続させない、執行状況を踏まえた合理的な事業見込みを算定し保有資産規模を適正化する、事業が終了し管理費のみの支出となっている基金は廃止する、補助金交付の基準策定の根本的な業務を民間企業に実質的に外注することを避ける、こうしたことを原則として点検に取りかかっていきたいと思います。
基金はコロナで水膨れした予算の象徴であると思います。今朝の閣議後の閣僚懇談会でも、所管する基金の点検・見直しをリードしていただくよう、各大臣にお願いいたしました。行政改革担当大臣としても、年度内に全ての基金について厳しく点検をしていきたいと思います。
再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース、再エネタスクの開催についてお知らせいたします。
12月25日(月)14時から、国際水準のカーボンプライシングの導入についてを議題として、オンラインで開催いたします。
我が国は2050年カーボンニュートラルを宣言し、加えて、その前段で、2030年度において2013年度比で温室効果ガスの排出量を46%削減することを目指して、更に50%削減の高みに向けて挑戦する、こういう目標を掲げてきたところでございます。
先日開催されたCOP28の合意文書では、世界全体で、地球温暖化を1.5℃に抑えるため、例えば2030年には2019年比で温室効果ガスの排出量を43%削減する必要があるという更に高い指標が示されました。この目標を達成するために、CO2を排出する各産業分野でその排出量を削減する努力を積み重ねていただく必要があります。そのために炭素の排出に価格を付ける「カーボンプライシング」が効果的だとされており、諸外国ではもう我が国に先行して導入が進んでおります。
我が国では本年5月にGX推進法が成立し、実効性のあるカーボンプライシングの導入に向けた第一歩を踏み出したところですが、更に高い実効性のある制度の早期導入を求める企業の声もあります。このため、CO2削減目標の達成に向けて、より良い制度のあり方について議論をしていきたいと思います。
規制改革推進室のYouTubeチャンネルにおいて、これまで同様に生配信しますので、詳しい議論の内容は是非そちらをご覧いただきたいと思います。
2. 質疑応答
(問)マイナ保険証一本化について、官邸は期限を延期しようと考えていたのに、河野大臣が岸田総理と直談判をして方針が変わったという報道がありますが、これは事実でしょうか。
(答)全くそういうことはございません。
(問)マイナ保険証一本化について、岸田総理は国民の不安払拭をする措置を講じるとおっしゃって、先程も河野大臣も繰り返されましたが、世論調査をすると国民の半分以上が、まだ不安払拭されてないと、消えてないと答えていますが、これはもはや国民の不安を払拭できない措置を講じただけであって、国民の不安を払拭する措置を講じたとは言えないのじゃないかと、詐欺的説明で国民を騙して無理やり強行しようとしてるんじゃないでしょうか。
(答)そうしたことはございません。
(問)健康保険証の廃止までの日にちが決まって、1年を切っているわけですけれども、マイナ保険証の利用率を上げるために、改めてどのような取組を続けていくお考えかお願いします。
(答)来年12月1日まで新しい保険証が発行されます。その保険証、多くは期限が1年と思いますので、再来年まで現在の保険証を最大で利用することができます。その間マイナ保険証と現在の紙の保険証を並立することになります。その間に医療機関、是非積極的にマイナンバー保険証の利用を呼びかけていただきたいと思います。今年の10月と比較してマイナ保険証の利用が増えた分、補正予算でも支援する予算が認められておりますので、医療機関におかれては積極的な利用の勧奨をお願いしたいと思います。また、現在マイナンバーカードの保険証利用ができない医療機関があるという声がコールセンターなどに寄せられておりますので、そういう場合には、是非マイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)にご連絡をいただくと、厚生労働省にその情報を提供し、厚生労働省から事実関係の確認を行うこととなっておりますので、医療機関などでマイナ保険証が利用できなかった場合にはご連絡をいただきたいと思います。
(問)自動運転の会議体の立て付けについてお伺いしたいのですが、これはサブワーキンググループで議論したものをモビリティワーキンググループが引き取って、モビリティワーキンググループからデジタル行財政改革会議に報告する、そういう立て付けになるのでしょうか。
(答)おそらくそういうことになるだろうと思います。
(問)モビリティ分野では、デジ田の傘下にも2つほど会議体があって、規制改革でもライドシェアとか議論してて、更に新設するということで結構会議がたくさんある印象を受けるのですが、この辺、横串刺して円滑に議論をどうやって接続していくというお考えでしょうか。
(答)今回のサブワーキンググループは、責任のあり方について議論をする、法的リスクの予見可能性を高めていくためのサブワーキンググループですので、他の会議体と重なるところはございません。
(問)先程、基金の点検の考え方を示されましたけれども、定量的な成果目標を設定しない基金は存続させないというのと、事業が終了して管理費のみの基金を廃止すると、これは各省庁が廃止とかを決定する権限があるってことで、行革の方はチェックはできるけれども、決定権はその基金を積んでいる省庁にあるということでいいのでしょうか。
(答)これは総理からのご指示でございますので、政府内で決定いたします。
(問)あと年度内に全てを点検するということですけれども、どういうスケジュール感でやっていくのかというのをもう少し詰まっていれば教えていただけますか。
(答)もう既に各省庁には点検を始めていただいていると思いますので、そこはしっかり進めていただきたいと思います。財務省とも連携して、デジタル行財政改革会議でヒアリングなども行ってまいります。
(問)公金受取口座の家族口座とみられるような口座を登録した方へのケースについて、郵送物の発送についてお伺いしたいのですけれども、27日に郵便を発送する対象の件数はどれぐらいになられるんでしょうか。
(答)13万8千人の口座と、それから口座の名義人である9万6千件を合わせて23万4、5千になると思います。
(問)13万の方はいわゆる間違えて登録したと思われる方で、本人とおっしゃる9万件というのは、すみませんとどういう方か教えていただいてもよろしいですか。
(答)例えば、お子さんの名前でお父さんの口座を登録しているときに、お父さんの口座は正しい名義人のお父さんにも登録されてます。お父さんにもあなたの口座にお子さんの口座を付けてますよということをご連絡しないといけないわけですから、お子さんをはじめ自分の口座でない銀行口座を紐付けている方が13万。それから自分の口座にちゃんと自分の名前を紐付けているけども、その口座にご家族の誰かも紐付けられている方が9万6千人、そういうことになります。合計すると23万4、5千になったと思います。
(問)家族口座とみられるところの紐付けっていうと、こういった件数がかなり膨大になっているかと思っていて、その修正がなかなか進んでいないっていう印象も受けるのですが、その辺は今後もこういった形で地道に周知を呼びかけていくって方策をとるのか。また違う方策を今後考える余地があるのかというところを教えていただけますでしょうか。
(答)ご家族の口座を登録したと思われる方々は、たぶんあえてそうされていると思っております。間違えたとかいうことではなくて、あえて一つの口座にまとめようとか、あるいはお子さんが口座を持っていないので、ご両親に紐付けしたということだと思いますので、例えばお子さんが口座をまだ持ってないという場合には、新しく口座開設をしてもらって、その口座にお子さんの紐付けをしてもらうという必要がありますから、そう簡単にはできない、時間がかかる修正だと思いますので、まずは丁寧に呼びかけをしていこうと思っております。その上で今回郵送しますので、修正の状況をみながら、必要に応じて更なる対応が必要かどうかというのは検討していきたいと思います。
(以上)