河野大臣記者会見(令和6年2月6日)
河野デジタル大臣記者会見要旨
(令和6年2月6日(火)8時31分から8時40分まで 於:参議院 本会議場中庭側)
1. 発言要旨
土日で1泊2日、シンガポールへ出張いたしました。日本とASEANのデータガバナンス及びDFFTに関する閣僚会議を開催いたしました。
DFFTに関する最新の状況のご説明を申し上げた後、新たに設置されます、IAPとASEANあるいはERIAとの共同プロジェクトについて意見交換するとともに、将来のアジアにおけるデータガバナンスの在り方についても議論いたしました。その他AIと非英語データセットの在り方等についても話が及びました。非常に前向きな良い議論ができたと思いますし、ASEANと日本で新たなアジアにおけるデータガバナンスに関する枠組みを作っていきたいと思っております。
会議に出席されたマレーシア、ブルネイの閣僚とのバイ会談、それからシンガポールのテオ大臣とは大臣主催の夕食会をやっていただきました。また、ERIAの渡辺事務総長とも、IAPとERIAの連携についていろいろ話をさせていただきました。極めて短時間ではありましたが、非常に有意義な会議だったと思います。
2. 質疑応答
(問)日本とASEANのデータガバナンスに対する向き合い方とか価値観で、違いだったり今後乗り越えていきたい課題とか、その辺りも教えていただけますか。
(答)今、ASEANはモデル契約条項のようなものをEUと協調して作っていこうということをやっておりますが、日本の個人情報保護委員会もそうしたことに取り組もうとしております。そのほか、日本とシンガポールはCBPRを推進しようということで先頭を切っておりますが、なかなか進んではおりませんけども、日本あるいはASEANのビジネス界にとって選択肢があるというのはいいことなのだと思います。契約条項もありCBPRもありという選択肢が広がるということはいいことだよねということで、それは各国そのとおりということですので、両面でやっていかなければいけないかなと思っています。
(問)ドローンについてお伺いします。政府は昨年、ドローンのレベル3の利用規制を緩和しました。能登半島地震をめぐっては、交通網の寸断で被災地への物資の輸送が寸断されたりということが問題になりましたが、今回の地震でドローンの活用で何か実例があれば教えていただきたいのと、今回の地震で今後の課題がわかったならばそれも教えてください。
(答)昨年末にレベル3.5というものを新しく導入して、ドローンを使った物資の輸送の事業化というのが始まっております。今回の地震のところは飛行禁止になっているルールの適用除外ということにもなっておりますが、そこの中で特例的にドローンを使った物資の輸送というのをやっていけるようになっております。今後、災害時には非常に有効な物資の輸送手段の一つになるのではないか、特に今回のような、なかなか道路の復旧が遅れているような場合、ドローンは非常に有効な手段の一つになり得ると思っております。
(問)能登半島地震なのですけれども、オンライン資格確認の被災地での活用が武見大臣の会見とか2万件超あったという発言があったのですけども、この数字をどう受けとめていらっしゃるかというのと、マイナ保険証の被災地での活用とか、災害時での活用みたいなところで、今後こういうふうに活用していきたいみたいのがあれば伺えますでしょうか。
(答)おかげさまでデータを使うことで手段が一つ増えたと思っております。今までですと避難所に行って、「薬がわからない」、「何だっけ?あの白くて丸いやつ」となかなかお医者さんに通じなかったものが、オンラインの資格確認、マイナ保険証やマイナポータルを見て、そうした情報をお医者さんに示すことができて、薬の処方していただけるという手段が増えたというのは非常によかったと思っております。今後はマイナンバーカードを保有するだけでなく、携行していただく、普段から持って歩いていただくのが大事だと思いますので、お財布の中にマイナンバーカードを入れていただいて、何かあったときは、マイナンバーカードと一緒に避難をする。宮城県を始め、今いろんな自治体でマイナンバーカードを使った避難所のチェックインのシステム、あるいは薬やアレルギーの情報をマイナンバーと連携したアプリで確認できるような、そんなシステムができております。今、デジタルマーケットプレイスの中にもそういうサービスアプリの登録が進んでいると思っていますので、次の災害に備えてそうした整備を自治体と一緒になってやってまいりたいと思います。
(問)能登半島地震の関連でSuicaを活用した避難者の情報把握を1月26日に公表されましたけれども、現地取材するとまだ始まっていないようなのですが、これは何か遅れているとか。
(答)石川県にはSuicaが続々と届いていますので、もう自治体によって配布が始まるのだろうと思っています。
(問)もう間もなく始まる。
(答)はい、そう思っています。特に何か遅れているという話は聞いておりません。
(問)出張の件なのですけれども、ERIAとの共同プロジェクトについて今後話し合うということと、もう一つは新たなデータガバナンスの枠組みについて、このイメージ、どういったものを想定されているか教えてください。
(答)ERIAとIAPで、データに関する規制の透明化のプロジェクトをやりたいと思っています。今、各国で、データに関する様々なルールを作っていますけども、結構いろいろ変わったり、法律・政省令あるいは告示に当たるようなもの、あるいは国によっては裁判所の判例その他、いろいろ複雑で、大企業なら法律事務所を雇って詳細な調査をすることができるかもしれませんが、中小企業はなかなかそういうわけにはいきませんので、IAPではそれに関するデータベースを作ってそのデータベースを参照していただければ、正確に何をやらなければいけないかがわかるという枠組みを作ろうとしております。ERIAはASEANを中心にそうしたデータベースを作るというプロジェクトを今後始めるということですので、そこはIAPとERIAでデータの協調をしていきたいと思っております。また、データガバナンスにつきましては、先ほども申し上げましたようなモデル契約条項のみならず、CBPRのようなものを使った様々な選択肢のある、そうした状況をASEANあるいはアジアで広く作っていきたいと思っています。
(以上)