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河野大臣記者会見(令和6年2月27日)

河野デジタル大臣記者会見要旨

(令和6年2月27日(火)10時00分から10時16分まで 於:オンライン)

1. 発言要旨

今日、2月27日(火)、規制改革推進会議のスタートアップ・投資WGの第5回目を開催いたします。規制改革推進室のYouTubeチャンネルで生配信いたします。私も参加する予定です。
公証人による定款認証については、昨年10月のデジタル行財政改革会議において、総理から見直しの指示がありました。11月の秋のレビューでも取り上げましたが、12月の規制改革推進会議の中間答申において、モデル定款の作成等について方針を取りまとめましたが、スタートアップ・起業家の負担軽減のためには十分でないと思っております。引き続きこの制度の見直しはやっていかなければいけないと思っております。
また、公証人制度そのものについても、ビジネスを取り巻く環境の変化やデジタル技術の発展に対応できていないと思っておりまして、公証人の在り方について抜本的な見直しを図らなければならないと思います。
今日のWGでは、法務省、スタートアップ協会、法人設立支援サービス事業者、こうした方々からお話を伺って、具体的な課題整理・議論を行いたいと思います。

その後、デジタル行財政改革の課題発掘対話、18時15分から「国・地方を通じたDX推進」をテーマに行います。今回も利用者起点を重視して、関係者との対話を通じて、解決すべき課題の整理を行いたいと思います。
先週の第4回デジタル行財政改革会議でも議論が行われましたが、人口が急速に減っていく中で、持続的な公共サービスを提供するための強靱な基盤を作るためには、国・地方一体となったDXが不可欠です。しかし、このDXを進めるための人材は、官民ともに不足しているのが実情で、特に官、地方自治体では、「一人情シス」と呼ばれる小規模な自治体で人材がいない、いかに人材を確保するか、また効率的なシステム投資をしていかなければならないなど、今後解決すべき課題が山積みになっております。
前回同様、フルオンラインで開催し、対話の模様はYouTubeで中継します。アーカイブでもご覧いただくことは可能ですので、内閣官房のウェブサイトに記載しているURLから、皆様のご都合に合わせて、是非ご視聴いただきたいと思います。詳細は、デジタル行財政改革会議事務局にお問合せをいただきたいと思います。

2. 質疑応答

(問)能登半島地震の対応についてお伺いします。被災地の行動把握にSuicaが今も活用されていると思います。大臣は「本来であればマイナンバーカードで」とおっしゃっていましたが、改めて、今回マイナンバーカードが利用できなかった原因について、現時点でどのように分析されているか教えてください。

(答)神奈川県でマイナンバーカードを使った災害時の避難所対応その他いろいろ検証しております。今後はマイナンバーカードで被災地での対応をしっかりやっていきたいと思っておりますが、今回の能登半島では残念ながらカードの読取機が確保できなかったということが原因になっております。予備費なりなんなりを活用して、マイナンバーカードの読取がしっかりできるような対応というのを考えていかなければならないと思っております。今回JR東日本からSuicaを無償協力いただき、また、カードの読取機も提供していただきましたので、今回の対応についていろいろ検証した上で、マイナンバーカードのカードリーダーの準備、その他しっかり次の災害に備えられるようにやっていかなければならないと思っております。明日、横浜でまたマイナンバーカードを活用した実証実験も行ってまいります。なるべく多くの自治体でこうした仕組みを災害に備えて実装できるように、デジタル庁としても積極的に後押しをしていきたいと思っております。また今後、罹災証明書を始めとした各種申請への活用が必要になってまいりますので、スマホでの読取、あるいはスマホ搭載など積極的に活用していただきたいと思っております。

(問)明日の災害時の実証実験も踏まえて、マイナンバーカードが今回の能登半島地震の二次避難所では5割近い方が携帯されていたというお話もあります。仕組みがあっても、それが使えなければ意味がないということだと思うのですが、おっしゃるように今回の実験のように災害時の対応も含めて横展開を進めていくためには、具体的にどういう取組が必要だとお考えかお聞かせください。

(答)今、防災についてマイナンバーカードを使う仕組み、アプリの開発がいろいろなところで進んでおります。デジタルマーケットプレイスでの紹介など、横展開をしっかり後押しできるように、デジタル庁としても協力していきたいと思っております。また、今回の能登半島避難所での携行率が4割から5割ということでした。マイナンバーカードを活用できれば、4情報をスムーズに、入力する必要なく情報を取得することができるといったメリットがありますので、スマホ搭載、あるいはお財布にマイナンバーカードを入れていただく、携行率を増やしていくということも必要だと思います。今回のSuicaでは、Suica一枚一枚で4情報を入力していかなければいけないということもありました。マイナンバーカードを活用することができれば、そうした手間も省けるということもありますので、そこはしっかり今後に向けて実装できるように頑張っていきたいと思います。

(問)国と地方のDXについて伺います。総務省の調査だとDXに関する全体的な取組方針ですとか、CIOの設置とかというところで自治体ごとに結構ばらつきがあって、デジタル化、デジタル行政を進めるに当たって取組は進んでいないところを底上げしていくということも必要だと思うのですけれども、その辺りデジタル庁としてどう働きかけていくみたいなところのお考えがあれば教えてください。

(答)これまでは1,741の基礎自治体それぞれでデジタルシステムを組み上げて運用するというようなことが行われてきましたが、やはりここから先はガバクラへの移行、あるいは業務の標準化ということをしっかりやっていただいて、このシステムの提供・運用は国がやる、それを利活用するところは自治体としていかないといけないのかなと思っております。一つ一つのシステムの運用コスト、あるいはそれを運用する人、これはなかなか小規模な自治体で、今後も人材の確保をお願いするのはかなり厳しい状況にあると思いますし、また、セキュリティ面を考えても1,741の自治体がそれぞれのシステムを運用するよりも、国がしっかりガバクラを活用していくという方が安全面でもいいのではないかと思っております。今後の自治体運営を見据えて、やはり国でやるべきところと、自治体でやっていただくところ、しっかり切り分けをしていかなければいけないと思います。

(問)国で用意したものを使ってもらうとか、そのための人材であったり制度的なところを自治体側で用意してもらうということも必要と思うのですけど、そういうところにも働きかけていくお考えなのでしょうか。

(答)今、デジタル庁は、例えば書かない窓口のための窓口DXSaaSであったり、今度の給付SaaSであったり、いろいろな仕組みを提供して、自治体にはそれを使って業務を効率化していくということをやってきておりますので、そうした取組を今後も加速化していくことが必要だと思います。

(問)デジタルの担当職員数が3人以下の自治体が50%を超えているというデータが先日のデジタル行財政改革会議でご紹介されました。まず、この「3人以下」という数字を大臣がどう捉えているのかということと、先週のデジタル行財政改革会議では、先進的な取組をした自治体にデジ田交付金のTYPE Sを交付するという発表もございましたが、この制度を活用してどのように横展開していきたいか改めて教えてください。

(答)やはり1,741の自治体、特に小規模の自治体でIT人材を確保し、またその人の将来のキャリアパスをしっかりと作っていくというのは、やはりかなり厳しいのだと思います。また民間でもIT人材への需要が高まっている中で、この給与の格差というものが官民で生まれてくると、人材の確保というのも厳しくなるのかなと思いますので、やはりそこは国と自治体で、やれるところをしっかり分担をしていくという必要があるのではないかと思っています。

(問)公証人制度について伺わせてください。前回の11月の会見では、公証人制度について「天下りの問題があるので検討したい」という旨を話されていたと思います。今回、大臣は公証人制度について「在り方の抜本的な見直し」とご発言されましたが、これは公証人制度そのものをなくすといったところまで踏み込んで検討課題にされるのかというのが1点。もう1点が、その際、今、公証人制度を取り巻く課題として、ビジネスを取り巻く環境の変化やデジタルの技術の発展に対応できていないというところがありました。もう少し具体的にこの2点の課題について教えてください。

(答)公証人が、今、天下りの温床になっているのは残念ながら現実だと思います。それについては抜本的な見直しをする必要があると思っております。公証人そのものをどうするというのは、これからの議論だと思います。オンラインでやれるところ、リアルな「対面」を求められていたり、あるいは定款認証のコストが非常に高かったり、様々スタートアップを応援しようという政権の狙いに残念ながら寄り添えていないというのが今の制度だと思いますので、そこについても抜本的な見直しが必要だと思っております。

(問)天下りに関しては、大臣の問題意識としては特定の人がなるのではなくて、もっと門戸を開くべきだ、そういった課題で見ていきたいということなのでしょうか。

(答)公証人の選定も非常に不透明な状況になっているというのは、これはもう抜本的な改革が必要だと思います。

(以上)