河野大臣記者会見(令和6年3月1日)
河野デジタル大臣記者会見要旨
(令和6年3月1日(金)8時50分から9時08分まで 於:オンライン)
1. 発言要旨
まず、デジタルマーケットプレイス、DMPのテスト版サイトを、昨年11月末に事業者がソフトウェアやサービスを登録する機能をリリースいたしました。昨日、今度は行政機関向けに、載せたソフトやサービスを検索する機能をリリースしたことを報告いたします。
デジタルマーケットプレイス、DMPは、行政機関・自治体がクラウドソフトを迅速に調達するための取組です。中小ベンダーやスタートアップのような多様な事業者の参入を促すことにつながると思っております。
今回のリリースにより、事業者の皆様にテスト版サイトで登録いただいた情報を、行政機関や自治体で検索をすることが可能になります。今回のテスト版サイトは、テスト版ではありますが、行政職員がどんなソフトやサービスがあるかを確認し、調達の参考として活用することができます。是非、行政機関・自治体で積極的に利用していただきたい。
2024年度後半には本番サイトをリリースする予定にしております。本番のサイトでは、検索結果を証拠として簡易にソフトウェアを調達することができるようになります。
事業者の皆様にも引き続き積極的にテスト版サイトに登録いただきたい。
2件目、デジタル庁では一昨日28日(水)、避難者支援業務のデジタル化の実証実験を神奈川県の協力を得て行いました。
実証実験の結果、前回とほぼ同じですが、避難所の入所手続について手書きで行う場合と比べマイナンバーカードを利用した場合は約10倍の速さで実施することができました。また今回は、前回の実証実験を踏まえ、マイナンバーカードの暗証番号を忘れた場合を想定して、顔認証を利用する場合、マイナンバーカード機能を搭載したスマホを利用する場合、こうした場合の入所手続の検証も行いました。手書きの時と比べて、顔認証を利用した場合は約7倍のスピード、スマホ搭載機能を利用した場合も約7倍のスピードで実施できたことを確認しました。
また、今回の実証実験では新たに、多くの方が日頃馴染みのあるLINEのミニアプリ版を検証すると同時に、能登半島での知見を踏まえて、アプリによる避難者の位置情報把握の機能の検証も行いました。参加者からは、入所手続用の専用アプリより、普段使い慣れているアプリの方が使いやすいという声、あるいは孤立した場合に位置情報を登録することで、物資の支給支援につながる仕組みであるならば非常に良いといった声があったそうです。
今回の実験の詳細分析を進めるとともに、これまでの成果を踏まえた避難者支援業務のシステム、あるいはサービスに関するモデル仕様書を策定するなど、自治体での防災DXを横展開できるように取り組んでいきたいと思います。
3件目、マイナンバーカードを活用したチケットの不正転売防止について、明日(3月2日)開催される「東京ガールズコレクション2024」において、チケット不正転売防止の実証実験を行います。
実証実験では、一部の入場チケットについて抽選販売の申込の際にマイナンバーカードによる本人確認を行うとともに、そのチケットで入場する際にはマイナンバーカードで来場者の本人確認をいたします。これにより、複数アカウントを用いて複数枚数のチケットを購入する行為、購入者以外によるなりすまし入場の防止にマイナンバーカードが活用できないか検証いたします。
チケットの不当な転売により本当に求めている人が入手を入手しづらい状況をなくすために、今後多くのイベントでマイナンバーカードを活用していただけるようになることを期待したいと思います。
引き続き、官民様々な場面で、国民にとっての利便性向上につながるマイナンバーカードの利活用拡大を図ってまいりたいと思います。
2. 質疑応答
(問)マイナンバーカードの不正転売防止での活用に関してなのですけれども、利用者側にとってはマイナンバーカードを使うのは、一つ手間は増えると思うのですがどういう意味があるのか、また事業者側、イベントだったりそういった側の方にとってどういう効果があるのか、それぞれのメリット、そして今後の展開について改めて伺えますでしょうか。
(答)様々なイベントのチケットであったり、あるいはいろいろなグッズの販売であったり、不正転売というのがいろいろな場面で問題になっていて、これを防げないかという声はございます。マイナンバーカードの機能を使って本人確認をきっちりすることができれば、不正転売を防ぐことができるはずです。今回、複数アカウントを使ってたくさんチケットを購入する、あるいはそれを転売して購入者以外が成り済ましで入場する、そういうことを防ぐことができれば不正転売も防止できるということから、本人確認の機能を使ってマイナンバーカードで不正転売が防止できるのではないかということで、まず実験を実際のイベントでやってみようということで、ほんの第一歩目ですが、これがうまくいけば少しずつ人数を増やした実証実験をやって、最終的にこれでいけるかどうか事業者とご相談をしていきたいと思います。
(問)利用者にとってこういうメリットがあるよというのを改めて大臣からお話いただけるとありがたいのですが。
(答)利用する方、チケットを購入している方、あるいは事業者の双方にとって不正転売を防止することができれば、今大いにクレームになっているこの不正転売というものを根絶することができるようになると思います。一手間かかるということはそうかもしれませんが、最終的に不正転売を防止すれば、本当に欲しい人がそれを入手することができるということにつながるのではないかと思います。
(問)デジタルマーケットプレイスについてお伺いします。昨年11月30日にテスト版サイトで事業者向け機能をリリースされていると思いますけれども、3か月経って、どれくらいの数の事業者が実際に登録されているんでしょうか。その数にもよりますけど、登録事業者が登録しないと今回リリースされた行政機関の検索もしようがないと思うのですけど、その辺、事業者側に積極的に登録していただくよう、どのように働きかけていくお考えでしょうか。
(答)登録のソフトウェア数が194件、登録サービス数が35件、登録者213社だそうです。1月の時点と比べても、ソフトウェア数は倍弱まで増えていますので、かなり増えていると思います。このDMPを活用することで、スタートアップのような日本全国で営業活動をすることがまだできない、リソースの制約があるような企業も全国展開につながると思いますので、積極的に登録をしていただきたいと思います。今回まだこれを使った調達まではいきませんが、こういうサービス、こういうソフトウェアがあるということは検索することができますので、調達の参考にしていただきたいと思います。
(問)防災についてお伺いします。デジタル庁が昨年3月に防災DXサービスマップを公開してもうすぐ1年経つかと思いますが、中身を見てみるとなかなか活用されていないようなサービスも見受けられますけれども、このサービスマップの成果についてどのように捉えているかお伺いします。
(答)今、おそらく180件以上の登録サービスがあると思います。月に3,000件ぐらいのアクセスがありますが、能登半島地震が発生した1月はふだんの1.5倍ぐらいのアクセスになりました。ここに登録していただくことで、様々なサービス・ソフトウェアの周知につながると思っておりますし、デジタルマーケットプレイスと連携することで、より調達も簡単にできるようになると思っております。いざというときに備えた、より使いやすいサービスをしっかり提供することにつながるのではないかと思っております。
(問)デジタル行財政改革の中でも「防災」が分野の一つに挙がってますけれども、防災に関していうと、国と地方の役割分担というものをどういう姿にしていくことが望ましいとお考えでしょうか。
(答)例えばデータ連携ができるような基盤を整備するというのは、これはなるべく国がしっかりやらなければいけないと思います。様々な民間のアプリをそれぞれの特徴を生かした形で自治体が導入をしていく中で、やはりデータ連携はしっかりできなければいけないので、そのための基盤の整備は国がきっちりやるということが大事だと思います。また東日本の場合もそうでしたし、熊本の地震あるいは、今回の能登半島もそうですが、市役所や町役場の職員自身が被災されているという状況にありますので、デジタルを最大限活用して業務を効率化する、迅速化するということが大事になってまいります。また他市町村、あるいは都道府県、霞が関から支援が入った際に、やはりサービスのUI/UXがなるべく統一されている、似ているものの方がおそらく使いやすいということになるのだろうと思いますので、自治体がどういうときにどうしたら使いやすくなるのか、こういうこともデジタル庁が担っていく必要があるのかなと思います。
(問)公金受取口座についてですが、昨日付けでデジタル庁のホームページに、家族口座の部分で本人口座への修正手続が進んでいない人に対して、4月上旬頃に登録口座を抹消する旨の案内を郵送したと掲載されていたのですが、こちら全体で14万件ぐらい家族口座のところがあったと思うのですが、今回の郵送の対象人数と14万件のうち、今いくつぐらいの修正が進んでいるのか、数字をお伺いしたいのと、大臣から改めて修正の呼びかけがありましたらよろしくお願いします。
(答)数字はあとで事務方からお知らせをしたいと思います。本人名義でない口座を登録されていても、即時の給付につながりませんので、ご本人名義の口座を登録していただくというお願いをしているところでございます。これから様々公的給付が始まります。自治体によっては特定公的給付に指定して給付を出そうというところもありますので、口座の本人名義への登録し直し、是非お願いをしたいと思います。
(※後刻、2月29日付けの掲載は、いわゆる家族口座等ではなく、2023年11月に判明した誤登録の可能性が高い227件に関するお知らせである旨、及びこれまで抹消・変更の申請が約100件寄せられており、抹消を行う旨の通知書の送付は約100件である旨、回答しています。)
(以上)