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河野大臣記者会見(令和6年5月28日)

河野デジタル大臣記者会見要旨

(令和6年5月28日(火)10時00分から10時20分まで 於:オンライン)

1. 発言要旨

自治体情報システムにおける文字の標準化の取組について、お知らせします。
これまで自治体の情報システムでは、自治体ごとにそれぞれ外字を作成してきておりました。自治体ごとに外字を作成し、それを管理するのに相当なコストがかかっておりましたし、システム間のデータ連携で文字化けが生じるなどの課題も起きておりました。システム更新の際にも、特定のベンダーに作ってもらった外字が支障となって、他のシステムに乗り替えることができない、ベンダーロックインを助長することにもつながっておりました。
こうした課題を解決するために、デジタル庁では、自治体の基幹業務システムの統一・標準化の取組を通じて、データの標準化を進める、その一環として、標準準拠システムで共通に使う文字を定義いたしました。行政事務標準文字と呼んでいますので、何か短い言葉をつくりたいと思います。
具体的には、全国の自治体が戸籍システムで使っている漢字の総数が約163万字ありました。港区が作った外字と中央区で作った外字が違いますみたいなものも全部数えると約163万字ありましたので、そういう重複を除くと約70万字になります。この約70万字を、この字とこの字は同じ字だというのを同定して、日本語の文字セットとして、約6万字を網羅する文字情報基盤、MJと略称されていますが、これが2011年に策定されました。この約70万字をもう一回精査して、文字情報基盤に収録されておらず、更に実際に戸籍で使用実績があることを確認した文字として新たに約1万字が特定されましたので、この約1万字を加えた約7万字の文字セットを、行政事務標準文字としてこの度定めたところです。
この行政事務標準文字は、国民の皆様の名前に関するものですから、文字に関するアイデンティティに配慮するようにしてきました。具体的には、文字そのものが大きく変わることがないように、専門家に1文字1文字検討していただいて、字形がわずかに変わる場合もありますが、デザイン差にとどまるように工夫しております。
今後、自治体では、2025年度末までの基幹業務システムの標準化に向けて、今使っている外字を行政事務標準文字に特定していく作業を進めていただくことになります。
デジタル庁としては、この自治体の取組を支援するために、自治体の外字を行政事務標準文字に同定していく作業の支援ツールを開発し、今年の4月から自治体に利用いただいております。自治体の皆様が計画的に文字の標準化に向けた作業を進められるように、自治体向けの説明会も実施しているところです。
行政事務標準文字は、約7万字の文字セットですが、一般的なシステムで実装可能なフォントファイルの上限は約6万5千字で、それを超えておりますので、全ての文字を実装するためには複数のフォントファイルを組み合わせる必要があります。これはそう簡単なことではないので、ベンダーの開発期間を短縮するために、この行政事務標準文字の約7万字の中から、更に利用実績がない文字を除いた約4万字を当用フォントファイルとして、2024年9月末までに提供していこうと思っております。
デジタル庁としては、文字の標準化に向けて、引き続き積極的に自治体を支援していきたいと思っているところでございます。

2. 質疑応答

(問)昨日、大臣は斉藤大臣と面会されて、ライドシェアの全面解禁に向けて意見が一致しなかったということを斉藤大臣がお話しされています。タクシー会社以外の事業者が参入する法律にも反対ということを斉藤大臣はおっしゃっていますが、必要性を含めてお考えをお伺いします。

(答)ライドシェアについては様子を見ながら今後どうしていくかということを考えようということになっております。総理から5月中に規制改革推進会議に報告してほしいという指示がありましたので、そのために今、国土交通大臣と協議している最中でございます。

(問)昨日国土交通大臣が、意見が一致しなかったとおっしゃっていましたが、それは河野大臣にとってタクシー会社以外の業者の参入が必要だと考えてらっしゃるのでしょうか。

(答)規制改革推進会議それからデジタル行財政改革会議への報告に向けて協議しているところですから、協議の内容については差し控えますが、日本版ライドシェアを全国展開し、移動の足の制約をなくすことができるようにバージョンアップをしていかなければいけないということと、自動運転の社会実装の加速化を進めなければいけないということを私の方からも申し上げて、そこについては一致しております。若干報告までにすり合わせなければいけないところがあるかもしれませんが、しっかり規制改革推進会議に報告できるような準備をしていきたいと思います。

(問)ライドシェアに関連して、昨日の面会で大臣からどのような発言を斉藤大臣にされたのかということと、斉藤大臣は答申などで法制度に言及しないことを求めたと説明されていますけれども、これについての大臣のお考えを伺えますか。

(答)まだ協議中ですから、まとまったらご報告したいと思いますが、日本版ライドシェア、しっかり全国で移動の足の制約を解消することができるようにアジャイルにやっていきましょうということと、最終的に自動運転の社会実装を加速化しましょうというところは、これはやりましょうということになりました。その他のことについても規制改革推進会議に向けてしっかり協議していきたいと思います。

(問)これまでのご発言でも、法制度を検討していくことについては、いわゆる弾込めをするというような表現でおっしゃっていたかと思いますけれども、この辺りのお考えは今も変わらないということでよろしいでしょうか。

(答)はい。引き続き国土交通大臣とも協議をしながら、早くご報告できるようにしたいと思います。

(問)ライドシェアについて、昨日斉藤大臣が河野大臣と面会後に、河野大臣は法整備の検討を進めるべきだと主張されたというご説明をされています。実際のところ、協議中の話だとは思うのですが、そのようなお考えを示されたという考えでよろしかったでしょうか。

(答)引き続き、斉藤大臣としっかり協議をして、全国的な移動の制約の解消に取り組んでまいりたいと思います。

(問)文字の標準化について、今日の発表になったタイミングについて、直近で何か決まったことがあったのかどうかを伺わせてください。

(答)自治体向けの説明会を月末にかけて積極的にやっていこうということですので、今日皆様にもご報告したいと思ったところでございます。

(問)説明会は始まっている、これからやるというお話でしょうか。

(答)4月から利用していただいている中で、自治体からいろいろな疑問点や質問その他寄せられているところをこれまでも説明を返している部分がありますが、今後、全国の自治体向けに説明会をやっていく予定にしております。

(問)文字の標準化ですが、特に名前のところでアイデンティティにも関わることで慎重に検討されてきたかと思いますが、どういった配慮をしながらこの事業を進めているかというのを改めて教えていただけますか。

(答)文字が明確に違うものは1文字という形で残してあります。ただ、デザインの差だろうというものもあって、字が違うのかデザインの差なのかというものを1文字1文字専門家の方に見ていただいて、デザインの差のものは一つに統合するとしております。自治体でいろいろな外字を使っていると思いますので、自治体で使っている外字をこの7万字に(同定していくに際して)、この字はこれに当たりますということが分かるようなシステムを開発して自治体に使っていただいて、自治体の作業を支援しようということでございます。

(問)アクティブ・サイバー・ディフェンスについて、金曜日の会見の段階で人選等含めて検討中ということでしたけれども、現在のその検討の進捗状況と発表の目途についてお伺いできたらと思います。

(答)決まり次第ご報告します。

(問)フォントファイルについて、以前から9月に提供されるとお話しされていますけれども、なぜ9月なのでしょうか。開発事業者として既に開発を始めている段階で、より早く提供を求めているとは思うのですが、この9月としている理由について教えてください。

(答)現時点で標準準拠システムの開発に支障があるという話は私のところに上がってきてはおりませんが、なるべく早く提供したいと思っております。今のところ提供が2024年9月末になると聞いております。

(問)9月末までどういったことをされるので、その時期だと定められているのでしょうか。分かる範囲でご回答いただけると幸いです。

(答)詳細私は存じておりませんので、広報からお返しします。
(※後刻、行政事務標準文字を3月末に定義した後、フォント設計、文字等幅化作業、フォント開発とテストを約6か月かけて、フォントファイルを開発する旨、回答しています。)

(問)文字の標準化について、以前大臣がツイッターで、この戸籍に使われている文字が何か分かりますか、と呼びかけたと思いますが、こうした特定ができていないものというのがまだ相当数あるのでしょうか。また、国民の方から、この文字は自分のと違う、嫌だなというような意見が出た場合に、何か個別対応する考えはおありでしょうか。2点目、ライドシェアについて、地域ごとにタクシーの不足状況というのが異なってきていると思うのですが、河野大臣は都内に関しては今不足しているというお考えをお持ちでしょうか。

(答)文字の特定は既に終わっております。一覧表を見たときに読み方がわからなかったので聞いただけです。タクシーの都内について、今、国土交通省が事業者から様々なデータを取り寄せて、確認してくれているところで、雨が降ったときなどはデータが相当悪いと思っております。

(問)文字について、もし国民の方からこの文字が嫌だと言われた場合は、個別対応というのは基本的にはないということでよろしいでしょうか。

(答)ありません。

(問)ライドシェアと自動運転について、河野大臣が先日帯広で講演を行った際にも自動運転の必要性について訴えられていました。ライドシェアの拡充も合わせて必要ということですが、ライドシェアの拡充と自動運転の社会実装の加速化、このバランスについて今どうお考えかよろしくお願いします。

(答)バランスもへったくれもなくて、両方とも一生懸命やらなきゃいけないと思います。

(問)自動運転の場合は無人で、ライドシェアの場合は有人ということですけれども、無人と有人のところのバランスは難しいように思いますが、ライドシェアだけを増やしても駄目だし、自動運転だけということでも駄目で、そういう理解でよろしいでしょうか。

(答)あまりバランスは関係ないんじゃないかな。おっしゃっている意味がよく分かりませんが、両方ともできる限り頑張るということです。

(問)ライドシェアについて、昨日斉藤大臣はタクシー事業者以外にもライドシェアを解禁することで、既存の運転手の労働環境に大きな影響を与えるので導入しないで済むことがベストというようなお考えを示されていますけれども、このタクシードライバーへの影響という観点で、現状ライドシェアの拡大についてどのようにお考えか伺えますでしょうか。

(答)ライドシェアが4月8日から始まって1カ月半経ちます。しっかりいろんなデータを見ながら、アジャイルに対応していきたいと思います。

(以上)