河野大臣記者会見(令和6年6月28日)
河野デジタル大臣記者会見要旨
(令和6年6月28日(金)11時30分から11時51分まで 於:オンライン)
1. 発言要旨
マイナンバーカードを乳幼児健診などの問診票・受診券としても利用できるようにする取組を始めます。
乳幼児健診・妊婦健診あるいは予防接種について、スマホ(マイナポータル)に事前に問診票・予診票を入力して、当日もマイナンバーカードを利用することで、紙を持参しなくて済むような取組を進めています。
健診の受診勧奨、予防接種の接種勧奨をプッシュ型で行うとともに、健診結果あるいは接種履歴もマイナポータルで閲覧できるようになります。
全国展開に先駆けて、先行的に取り組む自治体を12団体採択しております。青森県むつ市が乳幼児健診(10か月健診)のデジタル化の取組、これが今週25日(火)にスタートしたところです。今後、他の先行自治体でも夏頃を目途に順次取組が始まっていきます。住民の皆様の利便性の向上のために、早期に事業を開始できるよう、こども家庭庁と連携しながら取組を進めていきたいと思っております。
マイナンバーカードを活用することで、こうしたデジタル化のメリットをどんどん広げていくことができます。今年の12月2日のマイナ保険証を基本とした取組への移行に向けて、医療DXに関するメリットを含め、周知に取り組んでまいりたいと思います。
また、利用者の利便性の向上という観点から、来月、マイナポータルの利用規約改正を行います。
これまで利用者の皆様から寄せられたご意見を参考にしながら、分かりやすい規約となるように継続的に検討を行ってまいりました。昨年1月の改正に続きまして、今回、デジタル庁の責任範囲をより明確化し、内容全体を利用者により分かりやすいものにする改正が取りまとまってきました。来週7月3日(水)にマイナポータルの利用者全員にお知らせを送付して、7月10日(水)から新しい利用規約の適用を始めたいと思います。
今後とも、利用者の皆様のご意見を踏まえて、マイナポータル、マイナンバーカードの利便性向上に努めてまいります。
今日の閣議で、国の行政機関の機構・定員管理に関する方針の一部変更について決定いたしました。
令和7年度以降、府省全体で5年間で5%以上の定員を合理化することを基本とするとともに、行政の重要課題を担う業務については、定員の合理化数を上回る増員を行うなど、行政需要の変化に対応してメリハリある定員管理を行います。
産休・介護休暇などの代替要員を確保する、長時間労働を防ぐなど、人事管理上必要となる場合には、定員の措置を適切に行っていきます。
人口減少の中でどの産業も人手不足になる中、ニーズがあるからといって野放図に公務員を増やすことはできません。そのため、行政DXをしっかりと進め、公務員の数を増やさずに行政サービスを持続できる環境を整備していきたいと思っております。
先の通常国会が閉幕いたしましたが、国会対応業務の状況についての調査結果がまとまりましたので、お知らせいたします。
今回は、衆参両院の予算委員会が開催されていた期間、2月5日から3月31日を対象に国会業務の現状把握を行いました。昨年の臨時国会と比べると、単純な比較はできませんが、質問通告時刻の平均が遅くなりました。一方で、全ての答弁作成が完了した平均時刻は昨年の臨時国会よりも早くなり、答弁作成に要する時間も30分程度早くなったということはございました。ただ、国会対応業務で遅くまで残業が生じていることに変わりはありません。
今回の結果で、通告の5割は委員会の前々日までに通告いただきましたが、逆を言えば5割は委員会の前日となっております。委員会の前日しかも午後の後ろの方に通告をいただけば残業になってしまいますし、前日の18時より後だったものも7%程度ありまして、その時点で残業が確定し、深夜までの対応ということになります。
職員が予見可能性、そして余裕を持って対応できるように、委員会の前々日までに通告をいただければ、前日残業が確定してしまうということがないだろうと思います。
また、質問取りがオンラインで行われる割合もほぼ変わらず、7%から9%と若干上がりましたがその程度で、オンラインレクの活用もこれからしっかりお願いをしていかなければいけないと思っております。
政府として、デジタル技術の活用や業務そのものの見直しによって、国会業務の効率化に引き続き取り組んでいきたいと思っております。内閣人事局では、省庁における業務効率化の取組事例を各省庁と共有して、今後も不断の改善に取り組んでいきたいと思っております。
行政改革担当大臣として、閣僚会議に準じた会議の廃止について報告します。
昨年12月に閣僚会議の廃止を行いましたが、それに引き続いて、閣僚会議に準じた会議、具体的には、内閣官房副長官が主宰する会議のうち所期の目的を達成したことなどによって開催の必要性が低い19の会議について、本日付で廃止いたします。
昨年、17の閣僚会議を廃止しておりますので、今般廃止する19のそれに準じた会議を加えて、合計36の会議を廃止することになります。
ライドシェアにつきまして、雨の日の移動の制約に対応するために、ライドシェアのバージョンアップを国土交通省から発表していただいたと思います。
まず、12の大都市の地域について、ライドシェアが指定された時間外であっても、雨が予想される場合はライドシェアを活用可能とする改善を7月1日(月)から開始いたします。24時間前の降水量の予報に応じて、ライドシェアの活用を可能といたします。
先週21日(金)に閣議決定されました規制改革実施計画等において、ライドシェアについて、特に自家用車活用事業について、バージョンアップを直ちに開始するということになっておりましたので、今般の国土交通省のアジャイルな対応を高く評価したいと思います。
イベント時あるいは突発的な鉄道などのトラブルへの対応、ダイナミックプライシングを含む料金・運賃の在り方の検討など、まだまだ課題は残っておりますが、国民の移動の自由を確保するため、引き続き制度改善を不断に行ってまいりたいと思っております。
その上で、全国の移動の制約の解消に向けて、自家用車活用事業それから2号についてモニタリングを進めて、しっかり検証をし、各時点での検証結果の評価を行うこととしております。年内、その効果のモニタリング・検証・評価にしっかり取り組んでまいりたいと思います。
2. 質疑応答
(問)国家公務員の通常国会での働き方についてお伺いします。調査結果を見ると、毎回調査をする度に緩やかに改善傾向にあると思いますが、とはいえ終了時間が30分ですとか1時間程度ずつといった緩やかな話で、そろそろ抜本的な改善も必要だと考えますが、大臣は具体的な改善策についてどのように考えていますか。
(答)以前あったような前日の深夜というのはだいぶ減ってきておりますが、やはり前日の午後の通告になりますと、どうしても残業がその時点で確定してしまうということになります。質問通告から最終的に答弁の作成を完了するまで、省庁側にもいろいろなプロセスがありますので、まずこの業務の効率化、これを継続的に進めていくのが大事だと思います。ただ、それでも限りがありますので、やはり委員会の前々日に質問の通告をいただけるような改善が必要だと思います。衆参両院のご理解をいただいて、そうした改善をお願いしたいと思っております。
(問)定員管理の基本方針について、今後の定員管理の在り方として、行政DXは非常に鍵となると思います。率先して必ず取組を進めていきたいという分野を教えてください。
(答)今までは5年間で10%以上の合理化と申し上げておりましたが、5%を合理化することを基本として、必要なら増員を行うというメリハリのある定員管理をやっていきたいと思っております。ただ、今おっしゃられたように、DXで業務を改善する、効率化するというのが非常に重要だと思いますので、各省それぞれの現場で優先順位を決めてやっていただきたいと思っております。今ある業務をやりながら進めるといってもなかなか難しいので、行政のDXを進めるためには、特にその分野の増員をするなどのDXの後押しをしっかりできるような定員管理をやりたいと思いますが、どういう分野からというのは、それぞれ各省の現場でまず見ていただいて、横展開できるようなものはできるように情報共有していきたいと思います。
(問)自民党総裁選について、今回の総裁選への出馬意欲というのが各社報じられていますが、大臣の今回の総裁選への出馬の意向に関してお伺いさせてください。
(答)意欲については28年前から申し上げているところでございます。今は大臣としてこの職務をしっかり全うするということが現時点での最優先のことだと思います。
(問)ということは、現時点では意欲はあるが白紙ということでよろしいでしょうか。
(答)先ほど申し上げたとおりです。
(問)自民党総裁選について、論点になるテーマとして、総裁が再選を目指す総裁選に現職の閣僚が出馬することの是非について、お考えをお聞かせいただけますでしょうか。
(答)様々なご議論はあるとい思いますが、今は閣僚としてしっかり職務を全うする、そこに尽きると思います。
(問)ライドシェアについてお伺いします。雨への対応のお話しがありましたが、例えばイベント時や突発的なトラブルへの対応などのためには、よりドライバーがスポットで働きやすい環境、つまり業務委託ができるようにしていくことも必要かと思います。こうした、よりドライバーが働きやすくなるような環境整備は、今後いつ頃、どのようにされていくお考えか、改めて教えてください。
(答)現時点でこういう働き方の方が良いという議論にはまだなっていないようでございます。まだ4月8日からスタートしたばかりですし、アプリのないところは様々な首長さんの判断でいろいろな取組をしていただいておりますので、そのような要望が多くあがってくれば、国土交通省の方でも当然に検討されることになると思いますが、現時点で、例えば雨への対応について何か修正しなければならないことがあるとは国土交通省から聞いておりません。鉄道のトラブルあるいは大規模なイベントについても、そこについての議論は今のところは無いようです。
(問)マイナ救急について、先日河野大臣は、松本総務大臣や武見厚生労働大臣とともに東京消防庁に伺ったと聞いております。その中で、マイナ救急の実証事業についてのヒアリングや、実証場所を視察されたと思いますが、今後のマイナ救急の本格運用に向けて、手応えあるいは職員の方のヒアリングを通じて感じた課題について、どのように感じられたか、お伺いできますでしょうか。
(答)先行している3市の話を聞いておりますが、救急車の中あるいは救急搬送の前のマイナンバーカードの確認の割合というのが、それぞれ若干の数値の差はありますが、上がってきていると聞いております。また、様々な場面で通院履歴あるいは薬剤の情報を確認できる、あるいは搬送先と共有できるメリットは大きいと現場の声も聞いておりますので、タブレットが受注生産で、今手を挙げていただいてもすぐに開始というには至りませんが、全国展開に向けて準備をしっかり進めていきたいと思っております。
(以上)