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河野大臣記者会見(令和6年7月19日)

河野デジタル大臣記者会見要旨

(令和6年7月19日(金)10時35分から10時52分まで 於:オンライン)

1. 発言要旨

地方自治体におけるアナログ規制の見直しにつきまして、先行している自治体と連携し、条例改正に関する調査分析を行うことといたしました。
自治体におけるアナログ規制の見直しは、昨年12月に自治体向けのマニュアルの改訂を行い、国としても支援を行ってきていますが、まだ全国的に条例の改正事例が少ないことが課題となっております。
全国の取組を更に推進しようということから、先行的にアナログ規制の見直しに取り組んでいる大分県、北海道中頓別町、秋田県鹿角市、福島県郡山市、福岡県福岡市と古賀市、この6つの団体のご協力をいただきながら、条例改正に関する分析調査を実施いたします。
今後、この調査結果を踏まえて、デジタル庁において、アナログ規制の見直しに関するモデル的な条例案を作成して、マニュアルに反映していくことで、全国の自治体と共有することを想定しております。
今回新たに、国の法令におけるアナログ規制見直しの事例集だったり、自治体向けのQ&A集を作成して、デジタル庁のホームページに掲載しました。デジタル庁のホームページの中に、自治体向けの情報を集約するページを作り、そこに掲載いたしました。
全国の自治体におかれては、マニュアルや事例集などを参考にして、積極的にアナログ規制の見直しに取り組んでいただきたいと思っております。

NISC、内閣サイバーセキュリティセンターにおきまして、政府機関のセキュリティ対策を強化する新たな取組として、攻撃者の視点に立って、インターネットに公開されているサーバーやネットワーク機器などの状態を網羅的に調査・評価し、攻撃者に先んじて攻撃の端緒となりうる機器の脆弱性に対応していこうと思います。週明け22日(月)から開始いたします。専門家の間では、アタックサーフェスマネジメントと言われておりますが、一般の方には分からないと思いますので、日本語のいい名前をしっかり作りたいと思います。
今回は、政府機関を横断的に対象といたします。全ての府省庁(26府省庁)に加えて、全ての独立行政法人(87法人)、基本法に基づく9つの指定法人、これを全て対象として、22日から順次、インターネットに公開されているサーバー、ネットワーク機器などの調査・評価を、24時間体制で実施いたします。もし脆弱な箇所が見つかった場合は、そこに通知をして、適切に対応いただくことになります。
国家安全保障戦略に基づいて、サイバー安全保障分野での対応能力を向上させるために導入するものであります。こうした取組をしっかり推し進めることで、政府機関におけるサイバー攻撃への対応能力・防御能力を、より一層高めていきたいと思います。

2. 質疑応答

(問)アタックサーフェスマネジメントについて、これは一時的にそうした体制を組むというよりも、恒久的に監視体制を政府として構築していくという認識で良いでしょうか。また、アタックサーフェスマネジメントは、諸外国ではどのような取組をされているかというのも教えていただけますか。

(答)一時的なものではなく、今後も継続的に行おうと思っております。諸外国でもやっているところは当然にあると思います。詳細は事務的にお返ししたいと思います。

(問)為替・利上げの発言について、一昨日公開されましたアメリカのメディアのインタビューで、大臣が日本銀行に対して利上げを求めた、利上げの必要性に言及したという記事・映像等が公開されました。市場の方で利上げの観測というものが広がり、為替が円高・ドル安方向に進んだということがありました。これについての受け止めについてお聞かせください。

(答)ブルームバーグの話だと思います。映像を見ていただければ分かると思いますが、今、日本銀行に対して利上げを直接求めているわけではありません。デジタル収支の赤字であったり、トランプ氏のドル高が問題だというような発言がありましたが、その中で金利が上がれば円高になるという理論を申し上げただけです。日本銀行は専権的に金融政策を実施するわけですから、日本銀行が様々なことを考えて、いろいろことを行うだろうというのは言うまでもありません。

(問)インタビューの中では、今の円安状況について、大臣自身は問題だと発言していたと思いますが、今の為替の状況、円安に進んでいる状況について、どのように受けとめていますか。

(答)インタビューの中でデジタル収支の話がありました。当然、同じドルの金額でも、円安になればデジタル収支の円建ての赤字幅というのは大きくなります。円高になれば当然その分は縮むわけです。このデジタル収支の赤字が今のままでいいかというと、決して今のままでいいとは思いません。

(問)日本銀行について、今後利上げが必要だという認識はございますでしょうか。

(答)金融政策は日本銀行が決めることですから、具体的にどうするかは日本銀行がお決めになることだろうと思います。

(問)アナログ規制の件について、条例の調査分析等をされるということでした。調査分析結果を自治体に実際に示せるのがいつ頃になるかという目途がありましたらお願いします。

(答)なるべく早くやりたいと思っております。スケジュールとしては、来年1月頃にモデル条例案を自治体にお示しして意見を伺い、年度内にマニュアルに反映し、改訂版を出すというのが今考えているスケジュールですが、前倒しできるならば前倒しでやっていきたいと思っております。事業としては開始して、9月中には一度中間報告が出るかと思います。

(問)地方自治体のアナログ規制について、大臣は最近地方出張を重ねていますが、地方自治体でのアナログ業務等について、問題点がどういうところにあると現時点でお考えになっているか、お聞かせください。

(答)デジタルでいろいろなことが便利になったり、あるいは省力化できたりということが、ルール上は古いアナログな手法でやるということになっていると最新の技術を取り入れることができません。条例の改正案を広くお示しして、積極的にそれを取り入れて、ルール的にはデジタル技術を使うことができるようにしていただきたいと思います。もちろん技術的にデジタルに移行するのが自治体で難しい部分というのはあると思いますが、少なくとも技術的に可能になれば移行していただければいいわけです。前提となるルールの見直しは積極的にやって、その自治体で新しいデジタル技術が使えるようになったら移行するという形でいいのではないかと。規制を直したからといって、今までのやり方が即だめになるというわけではありません。新しいデジタル技術が使えるようになれば、それを使ってもいいというルールにまず直しておいてくださいということですので、これを積極的に、できれば一律にやっていただきたいと思っています。

(問)昨日の視察後のぶら下がりで、アナログ面のサポートの重要性にも言及されていました。一概に、アナログで今やっている作業を撤廃すればいいということではないという趣旨かと思いますが。

(答)違います。アナログでやっている作業はどんどんデジタルに移行してくださいということです。私が昨日申し上げたアナログ面でのサポートというのは、デジタル技術を使うときに、その使い方をサポートするのに人間が入る必要がある部分があるという意味でアナログだと申し上げたもので、デジタルでできるものはデジタルに移行してくださいということです。そのデジタル技術を使うときに、デジタルでサポートするのではなくて、人間が寄り添ったり、ご高齢の方のスマホの使い方を例えば中高生が教えるというようなアナログ的なサポートが必要だと申し上げたもので、アナログ的な技術を残せという意味ではありません。

(問)デジタル収支の赤字が今のままでいいと思わないということですが、デジタル収支の赤字に関しては、為替だけが原因ではなく構造的な問題もあると思います、改めてどのようにお考えなのか。また、円安のメリット・デメリットを先日のインタビューでも言及されていましたが、改めて現状の円安が国民生活にどのような影響があるのかお考えをお願いできますでしょうか。

(答)デジタル収支について、デジタル技術が日本から海外に出ていっていないというのが最大の問題ですので、為替で直せる部分はその中の限られた部分だと思います。日本でもデジタル関係のスタートアップが増えてきていますが、まず日本市場を取りに行くということではなく、最初からできればグローバルのマーケットを見据えた活動というのが必要と思っているところです。円高あるいは円安について、かつては円安になると輸出が増えるというようなこともありましたが、最近は製造業の海外移転というものがあり、なかなか円高になっても輸出が増えていないという現状はあるのではないかと思います。

(問)それはこの国にとっていいのかどうかというところでいうと、今の水準だと円安過ぎるということでしょうか。

(答)それは、それぞれの考えがあると思います。

(以上)