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河野大臣記者会見(令和6年9月10日)

河野デジタル大臣記者会見要旨

(令和6年9月10日(火)11時04分から11時15分まで 於:オンライン)

1. 発言要旨

デジタル原則を踏まえたアナログ規制の見直しの取組について報告いたします。
デジタル庁では、2022年からアナログ規制の点検・見直しに取り組んでおります。私が着任した直後に、当初の計画を1年前倒しして、今年6月までの2年間を集中改革期間として、アナログ規制の見直しをやってまいりました。先日、フロッピーディスクなどの使用を求める規制の全廃については公表したところですが、集中改革期間の最後のフォローアップについて、最終的な見直し結果がまとまりましたので、今日、公表いたします。
取組の対象は、法令のほか、告示、通知、通達を含んでおりますが、見直しが必要とされた規制が8,164件、そのうち7,835件、約96%の規制が工程表等に沿って見直しを達成することができました。各府省庁の協力に対して感謝を申し上げたいと思います。残る4%の規制についても、見直しがしっかり行われるよう、引き続きデジタル庁としてフォローアップを行っていきます。
また、デジタル庁では、こうしたこれまでの法令のアナログ規制を見直すとともに、今後デジタル原則に適合しない法令が新たに生まれるようなことがないように、制度・業務・システムを一体として捉えたデジタル化を推進するために、2022年の臨時国会に提出された法案から、デジタル法制局としての取組も実施しています。
今年の通常国会に政府から提出されました全62法案について点検したところ、キーワード検索その他で30の法案がアナログ規制に関係し得ると判断されたため、各省庁との間でデジタル技術を活用するなど確認いたしました。
こうしたアナログ規制の点検作業を効率化するために、デジタル庁では、アナログ規制になり得る条項を自動点検するアナログ規制点検ツールを作成しました。先日、改良版もリリースしたところですが、これは霞が関のみならず、地方自治体においても使用可能ですので、自治体においても是非活用していただきたいと思っております。
国の法令に関する取組だけでは、デジタル技術の社会実装の推進は十分ではありません。特に地方において人口減少のスピードが速い中で、人的資源が制約される中、デジタル技術を活用して地域機能を維持していくことが必要になると思います。アナログ規制の見直しは、地方自治体でこそ必要不可欠な取組だと思いますので、積極的な取組をお願いしたいと思います。
先行団体の一つの大分県では、商工会などの補助金の運用要領等を見直して、ヒアリングをわざわざ県庁まで来てもらわずにオンラインでも可能にするなど、「AIを入れました」「新しいシステムを入れました」という大掛かりなものだけでなく、行政が少し工夫していただくことで、事業者の負担の軽減というのが実現できます。
デジタル庁としても、今後、アナログ規制の見直しに意欲的に取り組む団体に、個別の事情に寄り添った形で協力・支援提供していきたいと思っております。

2. 質疑応答

(問)アナログ点検・アナログ規制について、地方でのアナログ規制の撤廃の意義について発言されましたが、中央省庁で96%の撤廃が行われた意義についてどのように考えられているか教えてください。

(答)新しいデジタル技術でいろいろなことができるようになっているものが、そうした技術が生まれる前に作られた法令で、結局新しいものが使えない、というのは非常にもったいない話であり、日本の経済成長であったり、あるいは世の中を便利にするという意味からも問題だと思いますので、アナログ規制をなるべく早く全廃し、これは国だけでなく地方自治体でもやっていただきたいと思っております。災害のときに空撮画像を解析して、どこまで浸水してしまったかというような解析ができ、調査計画を効率的に作ることができるようになったりというようなことが現実に行われるようになりましたので、いろいろな行政の対応も迅速になると思います。また、民間企業で新しいサービスの提供というのが始まることを期待したいと思います。

(問)残る4%の規制について、今後撤廃に向けてフォローアップしていきたいとのことですが、この4%は撤廃できる見込みなのか、いつまでを目指すのかという点も教えてください。

(答)これらは、システムの開発が必要だけれども開発が間に合わなかったり、必要な法律や条約の改正が遅れてしまった、それから、公示送達の関連規則について改正された民事訴訟法の施行時期に合わせて実施する必要があるということで、今回、見直しが完了しておりませんでしたが、こうしたものについても、既に新たな見直し完了の時期の設定について調整は進んでおります。

(問)マイナ保険証について、前回の会見で、トラブルが起きても窓口で10割負担を払わなくてもいい仕組みがあるのでしっかり周知したいとおっしゃいました。厚生労働省に確認したところ、トラブルが起きた場合は、まずは健康保険証でご確認くださいというお話しがありました。医療現場としては、健康保険証の新規発行が停止されると、トラブルが起こったときの対応が困難になるため、改めて現場の混乱についてコメントをお願いします。また、総裁選に関して、林官房長官がマイナ保険証への一体化の延期も含めた見直しを繰り返し発言されています。また、石破元幹事長は、保険証と併用を考えることも選択肢と、踏み込んだ発言をされていますが、お二人の発言について見解をお伺いします。

(答)厚生労働省では、保険証で確認してくださいというような説明はしていないということでしたので、誤った説明があったようなことは気をつけていただきたいと思います。マイナンバーカードでオンライン資格確認が行えない場合、再診の場合は過去の受診時の資格情報の確認、初診の場合は資格申立書に記載していただくことにより、保険診療が受けられ、10割負担とならないということは周知しております。引き続き医療機関に対して周知・広報をしっかりやっていきたいと思います。2つ目の質問について、政府として従来の方針に何ら変わりはございません。

(問)マイナ保険証に関連して、(林官房長官の発言の)真意を確認したいということでしたけれどもいかがだったでしょうか。また、マイナ保険証の是非はともかく、官房長官が政府の方針とは全く別のことを総裁選だからといって打ち出すことについて、官房長官の資質としてふさわしいと思われるかお考えを教えてください。

(答)官房長官も政府方針に変わりないということは会見でおっしゃっていると思います。官房長官の資質については、任命された総理にお尋ねいただきたいと思います。

(以上)