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河野大臣退任記者会見(令和6年10月1日)

河野デジタル大臣退任記者会見要旨

(令和6年10月1日(火)10時50分から11時15分まで 於:デジタル庁20階会見室及びオンライン)

1. 発言要旨

今朝の閣議で岸田内閣、総辞職をいたしました。
2年前、2022年8月10日に、デジタル大臣を拝命いたしまして、今日で784日になるそうでございまして、来たときはデジタル庁は700人くらいだったのではないかと思いますが、1,100人の組織になりました。また、デジタル庁、1,500人まで人数を拡大していこうと目鼻がついたところでございまして、その意味では、前任の牧島さんあるいは初代の平井さんが立ち上げたデジタル庁を受け継いで、それなりに軌道に乗せることができたのではないのかと思っております。
アナログ規制1万件を、私がデジタル大臣に就任した際に、3年間でアナログ規制を何とかしましょうと言っていたのを、1年前倒しして2年でケリをつけようということで、ほぼ96%となりました。法律の改正が遅れていたり、民法の公示送達が施行されたらできますというようなものがまだ数パーセント残りましたが、ほぼ大体全部できてよかったかなと思っております。
マイナンバーカードの保有枚数が9,300万枚ということになりましたし、マイナポータルへの登録が7,100万人、公金受取口座が6,320万件ということで、本当に多くの国民の皆様にマイナンバー・マイナンバーカード・マイナポータルを使っていただけるようになったというのは、日本のデジタル化が少しずつ進んでいる、そういうことにつながってきたかなと思っております。
また、私が外務大臣だったときのG20大阪サミットで安倍総理が提唱したDFFTが、昨年のG7群馬高崎デジタル・技術大臣会合でしっかり国際的な枠組みをつくっていこうということで、昨年末OECDのもとにIAPという新しい枠組みが立ち上がり、少しずつDFFTについても進んでいるというのが手応えを感じることができてよかったのではないかと思っております。
自治体向けのキャッシュレスサービスであったり、あるいはマイナンバーカードに健康保険証機能だけでなく様々な医療支援の受給券や診察券を統合しようということも少しずつ進んでおりますし、運転免許証とマイナンバーカードの一体化も来年3月24日ということになりましたし、懸案だったiPhoneへのマイナンバーカード機能の搭載も来年の春というのか、初夏というのか、そこはありますが、それも決まって動き始めたということは非常に良かったと思っております。
そのほか、内製を進めていたデジタル認証アプリも無事にリリースできましたし、本人確認のための対面確認アプリであったり、あるいは定額減税の俗にナミナミと言われていた分の(自治体での作業を支援するための)自治体向けのシステムもリリースすることができましたし、デジタル庁の中で内製できるものは内製しようということで、少しずつ、身の丈に合ったスピードで動いてくれていると思います。また、マイナポータルも2週間に1回くらい、実は機能をバージョンアップしておりまして、だいぶ使いやすくなってきたのではないのかなと思っているところです。
防災DX官民共創協議会も立ち上げて、防災に関する様々なデジタルアプリ・システムは、いろいろな自治体で導入してくれているものの横展開も進んでいますし、データ連携基盤でしっかりデータのやりとりができるようにしようというものも少しずつ進んでおります。少し残念だったのは、能登の地震のときにカードリーダーがなく、避難所の入所だったりその後の食料支援その他の支援もマイナンバーカードでもう少しできたのではないか。調達をかけている最中に、今度は能登の水害が起きてしまい、被災された方々、心折れずに頑張って復旧に向けて、我々も一緒に歩んでいきたいと思っておりますが、10月には、カードリーダーその他の調達が完了しますので、その後は、もう少し防災DXを前に進めることができるのではないのかなと思っております。
前半、最初の1年は、消費者問題も担当し、統一協会の関連の法案を3週間で作って一週間で国会を通していただくというようなこともございましたし、後半は、デジタル行財政改革ということで、ライドシェアの導入であったり、公証人の制度の見直しあるいは手数料の引き下げというようなこと、オンライン教育、オンライン医療も進むことができました。
デジタル庁大臣の直轄チーム(機動的改善チーム)に、自治体から20数人来てくれて、昨日最後の打ち合わせをしましたけれども、1,200件を超える国民の皆様からの要望に対して、直轄チームがいろいろ動いて、大きいものから細かいものまで、いろいろと寄せられたご意見に対応することができたというのは非常によかったのではないのかと思っております。
能動的サイバー防御の法案に向けての有識者会議もだいぶ進みましたので、なるべく早い段階で法案の整備、体制の立ち上げといったことに繋げていっていただきたいと思っております。
まだまだいろいろありますが、あまり言ってもしょうがないので、この辺りにしたいと思いますが、2年間皆様にもいろいろと広報を手伝っていただいたり、あるいはいろいろなご指摘をいただいたり、非常にありがたく思っております。立場は変わりますが、今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。

2. 質疑応答

(問)河野大臣、久々の閣外ということになりました。おそらくこれまで閣僚だったので言えないことや行動に制限がかかることも多かったと思いますが、一議員として、これからどのような活動、どのようなアプローチでどういうテーマの政策に取り組んでいきたいか、お伺いさせてください。

(答)その前にまず総選挙がありますので、しっかり自由民主党としてこの総選挙に勝ち抜くことが大事だと思います。とりあえず10月いっぱいは、自民党の仲間の応援、それから自分の選挙、これをしっかりやっていくということで、それが終わってからゆっくりいろいろなことを考えたいと思います。

(問)健康保険証について、石破新総裁それから林芳正官房長官は、総裁選の期間に、健康保険証の12月廃止について否定的な、見直しも必要ではないかというような発言をしております。新体制に期待することをお願いします。

(答)特に何か変わるということはないと思います。

(問)後任が平将明さんと言われています。まだ決定前ではありますが後任に期待する事があれば教えてください。

(答)まだ発表ではありませんが、後任が平さんという前提でお話を申し上げれば、非常にデジタル関係に詳しいですし、いろいろ党内で頑張ってデジタル庁を支えてきてくれた人ですから、安心してお任せすることができるかなと思っておりますので、是非、バトンをもらった瞬間からフルスピードで走ってもらいたいと思っています。

(問)マイナンバーの紐付けの問題が昨年あったとき、情報共有がされなかったという問題がありましたが、その後の運用改善などを図られてきました。一方、デジタル庁の人員が増えていくということですが、現在、デジタル庁のガバナンスの現状と課題をどのようにお考えでしょうか。

(答)デジタル庁では、良い話は後でいいから、悪い話やリスクが見えてきたら即座に縦横の情報共有をしてくださいということで、実感としてかなり進んでいるのではないかと思っております。なかなかプロパーの人が少ない中で、霞が関だったり、自治体から来てくれる、あるいは民間企業から来てくれる方が、1年、2年、最大でも4年くらいで帰られるということで、カルチャーをどう受け継ぐか難しいところは、他の役所に比べるとあると思います。それでもデジタル庁にいる人たちが、デジタル庁というのはこういう組織なんだ、デジタル庁というのは物事をこうやるんだということを、逆に新しく来た人たちにしっかりとトレーニングしてくれています。昨日も、この体制での最後のオールハンズミーティングをやりましたが、圧倒的な大多数がリアルやオンラインで参加してくれて、オールハンズを始めいろいろイベントを通じて、今デジタル庁のどの組織が何をやってるのかというのが共有されるようになってきましたので、むしろこれからの霞が関はひょっとすると、デジタル庁みたいに回転ドアで行く、そういう霞が関になるのではないかと、国家公務員制度担当大臣だったというところから、ひょっとするとデジタル庁が未来の霞が関かなと思っていますので、このやり方で回転ドアをうまく回しながらやっていってほしいと思います。

(問)週末、地元に帰られていたかと思いますが、地元の有権者の方からはどのような声をかけられましたでしょうか。

(答)地元のイベントにいろいろ参加しました。皆さん、非常に地元はあったかいなと。

(問)総裁選挙を終えられて、どのようなお声掛けがありましたでしょうか。

(答)またしっかり頑張れというようなお声をいただきました。

(問)デジタル大臣としての2年間に、規制改革推進とデジタル化を担ってきましたが、この辺りは特に成功した、また逆にこの辺りが全然足りなかったんじゃないかということがありましたら、特に気になっている点を教えてください。

(答)おかげさまでいろいろことが進んだと思っております。先ほどいろいろ申し上げましたが、デジタル庁が頑張ってくれましたし、いいところまで来たのではないかと思います。これから1,741の自治体がそれぞればらばらにいろいろなことをやるということが果たして良いのかということは、デジタル行財政改革の方でも見直さなければいけないと思っております。政策の意思決定は地方自治・地方分権ですが、システムを共有する、様々な書類様式は統一する、これは徹底しないといけないのかなと思っています。デジタル庁の予算で、キャッシュレスであったり、マイナンバーカードへの受給券の統一であったり、いろいろなことを提供していますが、自治体によってスピード感が違うというのはなるべく合わせていかないといけないのかなと思いますので、分権でやるところと統一的にやりましょうといって進めるところと、もう少しメリハリをつけていく必要があるのではないかと思っています。

(問)岸田政権の約3年間の総括について伺います。今までデジタル大臣として、閣僚の中であまり率直な意見など言えなかった部分もあるかと思いますが、改めてこの3年間での岸田政権での成果、あるいは残した課題について、率直にどう感じていらっしゃるか教えていただきたいです。

(答)外交安全保障3文書の改定であったり、あるいは日米同盟の強化であったり、大きな足跡を残した岸田内閣だと思いますし、内政面ではデフレからの脱却というところにある程度の目途が立ったのではないかと思っています。岸田総理は憲法改正ということをおっしゃっておりましたが、なかなか憲法改正の道筋をつけられなかったというのは、総理として心残りであったのかなと思っております。

(問)先の総裁選の結果を受けて、地元や支援した議員から、4度目の挑戦を大臣に期待する声も聞かれます。大臣は、初当選から総理になるという目標を掲げておられますが、4度目の挑戦、これはおなかの中でお考えになってることはありますか。

(答)まずは来るべき総選挙で自由民主党はしっかり勝たなければなりませんので、自民党の仲間の議員の応援をしっかりやっていきたいと思っております。おなかの中のものは、まずおなかの中で、そのうち何か出るときにはお知らせをしようと思います。

(問)総裁選に出馬するかどうかという記者団からの問いかけに「面白い小説」とお答えされましたが、面白い小説はまだ続きますでしょうか。

(答)それは小説を書いた人に聞いてあげてください。

(問)様々な政策の中でもマイナンバー関連については非常に急速に進められてきたと思います。象徴的なものはマイナンバーカードと健康保険証・免許証との一体化やスマホ搭載がありますが、総裁選の期間中はそういったことを傷だらけになりながらも批判を受けながらも進めてきたとおっしゃっていました。そうして邁進されてきた政策を、ご自身が政府の立場で今後も進めていきたかったという思いがなかったのか、また、今後の政権にそうした政策をどのように引き継いでもらいたいかお伺いします。

(答)後任が平さんであるという前提で申し上げれば、非常に良い人に引き継げると思いますので、そこはスピードを落とさずに頑張ってくれるだろうと思っております。日本のデジタル化は、もう少ししっかり進めていく必要があると思っております。当面はスマホがいろいろな行政のデジタル化の入口になる気がしておりますので、いろいろな方にスマホでこんな便利なことができるようになっていますということをしっかりお伝えをすると同時に、シンガポールなどでやってるようなスマホ教室を広くみんなでやるというようなことをやっていかないといけないのかなと。デジタルの使い方をアナログで広めていくというのが大事なのかなと思ってます。

(問)先程おっしゃられていたような政策について、ご自身がデジタル大臣だったからここまで進められてきたという自負というものを感じていますでしょうか。

(答)そこはあるかもしれませんが、総務省であったり厚生労働省であったり、それぞれ関係する役所に非常にサポートしていただきましたので、これからも平さんという前提で申し上げれば、後任の方にしっかりとチームを作ってもらって、政府一丸となって進めていっていただきたいと思います。

(以上)