平大臣記者会見(令和6年11月8日)
平デジタル大臣記者会見要旨
(令和6年11月8日(金)11時20分から11時36分まで 於:オンライン)
1. 発言要旨
冒頭発言なし
2. 質疑応答
(問)昨日、能動的サイバー防御に関する法案について、官邸の方で石破総理大臣から早期の作成を指示されたと思います。その時の囲みでも質問されていましたが、早期にとはどのようなスケジュールを描かれているのか教えてください。また、この問題はまだ有識者会議が開かれている途中だということもあると思いますが、なぜ必要なのかというのが広く国民の理解が得られているとは言い難い状況なのかと感じています。改めて、大臣としてこの法案を作る意義をどのように感じているか、お考えを教えてください。
(答)有識者会議でまだ提言までいただいていないものですから、座長とご相談申し上げて、提言までもっていっていただく。今までも数次に渡って開催されている。また、テーマ毎にも議論が重ねられていると承知しておりますので、提言までできるだけ早く議論を加速してまとめていただこうということがまず一つ。それを踏まえて、その提言を受けて、可能な限り早期に法案が提出できるように作業を迅速に進めていくということであります。そのように総理からも指示をいただいているところであります。具体的に何月何日のいつだということに関しては、今予断を持ってお答えする状況にはありません。国民の理解については、一方でいろいろな事象が日本の中でも起きていて、サイバー攻撃が日常的に行われているわけでありますので、国民の皆さんの中でも危機感は結構強いんじゃないかと思います。その上で、具体的な法律となると、その不安に対して具体的にどういう方策を打っていくのか。ここはなかなか国民の皆さんの中に理解が広まっているとは思いませんので、丁寧に周知をしていくということと、また国会の議論を通じて国民の皆さんにも理解を深めていただければと思いますし、また法案に向けた作業が進んでくれば、与党のみならず、各党の皆さんにもご説明申し上げて、理解していただく取組をしてまいりたいと思っております。
(問)アメリカの大統領選が終わり、トランプ大統領になろうかと思いますが、所管への影響について教えてください。
(答)所管でいうと、例えばAIに関しては、バイデン大統領の時代に、ホワイトハウスで(安全、安心、信頼できるAI開発促進のための)Voluntary AI Commitmentsをビッグ・テックから確保したと聞いておりますが、選挙キャンペーン中、トランプ大統領候補はそれを破棄するという、正確な英語は忘れましたが、転換するというようなご発言がありましたので、AI開発のところはどう動いていくのか。いわゆるWeb3.0関連も、また方針展開をするという選挙キャンペーン中での発言もあったように聞いておりますので、その辺については、これからどういう政策が具体的に出ていくのか注目しています。サイバー安全保障に関しましては、同盟国、同志国との連携も大変重要ですので、この辺も大きな方針転換はないとは思っておりますが、考え方についてはフォローしていきたいと思っております。
(問)前回、マイナ保険証の利用率について、デジタル庁単体での利用率はないということでしたが、今後集計される予定はありますか。また、マイナ保険証の利用率が13%ですが、メリットは盛んに宣伝されていますが、デメリットとして考えられていることを教えてください。
(答)この間のマイナ保険証の利用率についての話は、内閣府共済組合でやっているものですから、デジタル庁のみ切り出していないため、デジタル庁の数字が出ていないということであります。デジタル庁のみの数字をということになると、調査をし直す、もしくはアンケートなり別途しなければいけないということもありますので、特段今の時点でこれをデジタル庁のみを調査するという考えを私自身は持っておりません。デメリットは何かというお話ですが、これはいろいろな議論の中で、この記者会見の中の中でも、保団連さんからのご指摘をずっといただいていますが、私としては、こういうメリットがありますよという話になるんだろうと思いますし、私自身はトータルで考えてこれを進めるべき政策だという強い信念も持っております。そういう中で、例えば、やっぱり慣れていないということに対する不安といったものがデメリットかなと思いますけども、これについては、ご利用いただければすぐ慣れていただけるものと思っておりますし、不安解消については、何回も申し上げておりますが、広報をしっかりしていきたいと思っております。
(問)マイナ保険証への一本化に伴う医療費の適正化に関連して、就任会見でデジタル化する時に出てくるメリットが桁が違うというご発言がありました。40兆を超える医療費の中でも、デジタル化による削減が見込めるものと見込みづらいものもあるかと思います。桁が違うというご発言の背景にある詳細を教えてください。どのような効果を念頭に、どの程度の適正価格を見込んでご発言されたのでしょうか。また、政府として、マイナ保険証の一本化に伴う効果額の試算をしているのであれば、それもお示しください。
(答)まず2番目の質問から、デジタル庁では、効果額の試算は今しておりません。現状、数字は持っておりません。私の大臣記者会見での発言は、免許証はダブルで残すのに、なぜマイナ保険証だけ一本化するのかというご質問への答えだったと思いますが、基本的にDXもランニングだけにかかるコストダウンと、効率化や適正化など大きな母数にかかるものと、両方あります。ですから、そこで桁が違うということを申し上げました。更に言うと、デジタル化することによって、例えば不正も防げますし、必要がないのに二重で薬をもらっていたり、二重で検査を受けたりといったことも防げるようになりますし、更にはビッグデータが出てくるようになって、より良い治療方法といったものも出てきますので、そういったところが母数40兆というところに効いてきますので、今後どういう試算をするかも含めてであると思いますが、大きな効果が見込まれるということと、ランニングだけでなく母数のところにかかってくるので、桁が違うということを申し上げました。
(問)不正を防ぐなりすまし受診のことをおっしゃっていると思いますが、現状政府として確認されているのは5年で50件という数字だと思います。また、重複投薬に関しては、厚生労働省の資料を見ると、2020年度の額として16億7,000万円だったと承知していますが、この規模感が、大臣がイメージされていた規模感の話なのか、それよりももっとこれ以上のものをイメージされていたという、この規模感ではないというご見解なのか確認させてください。また、まだ効果額の試算がないということについて、費用対効果や政策の意義を議論する材料に欠けている状態だと思いますが、今の現状を適切だと考えているかどうかも併せてお答えください。
(答)今おっしゃったことは、アナログなので調べるのも困難だという状態です。デジタルにすることによって、それが浮き出てきて把握をしやすくなるということです。ですから、アナログで調べにくい状態のまま置いておくということはないと思っていて、デジタルにすることによってそれが顕在化するし、抑制することができると思っています。ですから、アナログの数字をベースに考えるべきではないと思います。まだ材料が足りないんじゃないかと言いますが、私の理屈は立っていると思いますので、ランニングだけで見ないでください、母数の大きなところを見てくださいということ自体は、私自身は全く違和感なく思っています。今後どういう数字が考えられるかというのは、どういう調査をするかも含めて検討課題だと思いますが、材料が欠けているという認識は持っておりません。
(問)医療費の適正化について、大臣に是非ご理解いただきたいのは、既にオンライン資格確認の義務化によって、保険証を使おうが、マイナ保険証を使おうが、レセプトデータベースでデータ利用ということは既に行われています。ですから、マイナ保険証を使えないとアナログから脱皮できないという認識は間違いなので、現在でも保険者の審査で、重複、その他のチェックはできますので、医療費の適正化や重複の点では、保険証だけを見て目視で見て確認しているわけでなく、その後オンライン資格確認システムを医療機関は頻繁に利用されていますので、そういった前提でマイナ保険証を選択する方が13%で、残りの87%は保険証でオンライン資格にしていますので、適正化は今でもできますから、保険証を残す形で、マイナ保険証を利用しない方は任意で利用した方がかえって今のデジタル化だったり、医療費の効率化というのは進むと思いますので、改めて見解をお願いします。
(答)私はICチップも写真も入っていない保険証を残すというのは不正の温床になるので、これはやはりマイナ保険証の方にできるだけ移行していただきたいという基本姿勢は変わっておりません。紙の保険証でそういういろいろな悪いことを考える人たちの付け入る余地のあるものを残すべきだということに関しては、我々は考え方が違うということです。
(問)重複投薬の16億という額についてはNDB(匿名医療保険等関連情報データベース;National Database of Health Insurance Claims )の分析をもとにして出されている厚生労働省の額ですので、そこに関してはアナログだから把握できないということではないということだけ補足させていただきます。もし何か追加で見解があれば教えてください。
(答)その旨承っておきます。
(問)不正利用を我々が容認しているかのごとくの発言については是非撤回していただきたいと思います。そういうことではなく、NDBやレセプトデータで既にマイナ保険証が13%の利用率だろうが、低かろうが、その後で保険者の審査ができるデータで突合点検・縦覧点検していますので、マイナ保険証とは何も関係ない。その認識がないのに、何かそれがやらないとできないというのは間違いで、そういうことをおっしゃるのは間違いだと思いますので、厚生労働省に聞いてから答弁いただきたいと思います。何かコメントはありますでしょうか。
(答)もう一度厚生労働省ともその辺は確認したいと思いますが、一方で、顔写真もICチップも入っていない保険証をそのまま残していくという立場には立っていないということであります。
(以上)